2016年2月27日15時25分に読売新聞から、写真と解説イラスト付で下記趣旨の解説記事が、『雨氷で倒木被害、1本の木に最大1トン超付着か』というタイトルでネット配信されていた。
長野県松本市や山形村で1月29~30日に発生した「雨氷」による倒木被害から、間もなく1か月になる。
雨氷は、樹木の枝についた雨滴が凍る現象で、氷に包まれた枝を見るとガラス細工のように美しいが、県の研究機関によると、1本の木には最大で1トン超もの氷が付着していたと試算された。
県内では、過去、4月にも雨氷による大規模な倒木被害が発生しており、県は、「気象条件次第で今後も被害が出る可能性がある」と警戒している。
県によると、倒木被害が発生した森林は10市町村の約600ヘクタールにわたり、倒れた木は数万本に上るとみられる。
県は、雪解け以降、林野庁や信州大などと本格的な現地調査を行う予定だ。
雨氷は、暖かい空気の層(逆転層)で雪から雨に変わった水滴が、氷点下の気温でも凍らない「過冷却」の状態で樹木などにぶつかり、一気に凍結する現象。
上空に0℃以上の空気の層がある一方で、地表付近が氷点下という特異な条件下で起こる。
県によると、倒木は標高800~1300m付近に集中していたが、当時の県内は、その標高付近で、雨氷が発生しやすい気象条件となっていたとみられる。
長野地方気象台は、「氷点下の冷たい空気層に厚みがなかったため、雨滴が急激に冷やされたものの、凍らないまま到達した」と分析。
降雨時間が長く、雨量も多かったため、氷として樹木に大量に付着し、被害が拡大したとみている。
標高870mの県の研究機関「県林業総合センター」(塩尻市)周辺では、29日朝からの23時間で45ミリの降雨があった。
同センターが、この雨全てが雨氷として枝や幹に付着した場合の氷の重さを試算したところ、松本市周辺で一般的な枝の広がりが直径6mの樹木には、最大で1.27トンもの氷が付くことがわかった。
担当者は、「試算通り全て氷になるとは考えにくいが、木に相当な重みが加わった可能性がある」と話す。
約120人が孤立した松本市の扉温泉周辺では、道路沿いの木が多く倒れた。
信州大学術研究院の鈴木純准教授(農業・道路気象学)は、山林を切り開いた道路では木が太陽光を求め、道路側に枝葉を伸ばす傾向があるとした上で、「バランスが偏って成長した枝葉に、氷の重みが加わったのでは」と指摘する。
県内では、1998年の1月と4月に、雨氷による大規模な倒木が発生した。
長野地方気象台によると、「今回のような特異な気象条件になることは、3月以降もあり得る」という。
県も、「標高が高く森林の多い長野県では、気象条件一つで大規模倒木が起きる可能性もあり、警戒が必要だ」としている。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/20160227-OYT1T50035.html
1月の倒木被害については、1月31日12時54分に朝日新聞から、現場写真とともに下記趣旨の記事が、『長野の孤立状態、すべて解消 倒木撤去し宿泊客ら帰路に』というタイトルでネット配信されていた。
倒木で山間部の道路約5kmが29日夜から通行止めになり、宿泊施設の利用客らが取り残されていた長野県山形村清水高原で、31日午前、倒木が撤去され、孤立状態が解消した。
宿泊施設「スカイランドきよみず」の利用客ら10人が、午前11時ごろ、ワゴン車2台で同村役場に到着した。
体調不良を訴える人もなく、それぞれ帰宅した。
スカイランドきよみずの大月支配人(46)によると、停電して空調や風呂が使えず、利用客らは、県が空輸で届けた石油ストーブで暖をとっていたという。
同県では29日夜、倒木による道路の通行止めが相次ぎ、松本市や山形村で、一時、約320人が旅館などで孤立状態になったが、すべて解消された。
大量の倒木は、雨が冷えて木に凍り付つく「雨氷」や、湿った雪の重みが原因とみられる。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/ASJ104306J10UOOB006.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
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