2018年12月12日9時43分にNHK広島から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
全国で2番目に多い2万か所近くのため池がある広島県では、西日本豪雨の際、130か所あまりで池の決壊などの被害が相次ぎ、3歳の女の子が犠牲となった。
これを受けて広島県は、今後の対応策の方針案をまとめた。
それによると、2万か所近くのため池のうち、4分の1にあたるおよそ5000か所について農業に使われている実態がなく、今後の被害を防ぐためにも、水を抜いて埋め立て、廃止するとしている。
また、利用されていても、管理体制があいまいなおよそ400か所の池については、廃止すべきかどうか検討を続けるとしている。
一方、今後も維持するおよそ1万5000か所のうち、4500か所ほどを、大きな被害のおそれがあり、防災対策の強化が求められる「防災重点ため池」に指定し、設備の補強工事などに取り組んでいくとしている。
実際に指定されれば、指定の規模は、いまの500か所程度から10倍ほどに広がることになる。
広島県は、この案について市や町などからも意見を聞き、来年4月をめどに最終的な方針を決める考えだ。
出典
『豪雨でため池5000か所廃止案』
https://www3.nhk.or.jp/hiroshima-news/20181212/0003158.html
12月14日11時56分にYAHOOニュース(中国放送)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
広島県内には、全国で2番目に多い1万9609か所のため池がある。
廃止されるのは、現在使われていないおよそ5000か所で、このうち、人的被害が出る恐れがあり、緊急な対応が必要な500か所については、2021年までに廃止する方針だ。
一方、ため池全体のうち、これまでにおよそ500か所が優先的に対策を行う「防災重点ため池」に指定されているが、災害を受けて公表された国の新たな基準を踏まえると、5400か所程度に増える見込みで、県は早急に浸水想定区域図を作るとしている。
県では、これらの対応を盛り込んだ「ため池の管理などに関する方針」を年度内に取りまとめたいという。
出典
『ため池5000か所を廃止へ 豪雨災害受け広島県が方針』
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181214-00229600-rccv-l34
(2019年3月29日 修正1 ;追記)
2019年3月28日21時21分に山陽新聞から、ため池の管理方針が発表されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
広島県は28日、昨年7月の西日本豪雨で決壊が相次いだ「ため池」の管理方針を発表した。
防災上の観点から、未利用の約5000カ所を廃止するとともに、継続利用する池については決壊時の浸水想定区域図などを示したマップを作成し、早期避難につなげる。
県内には約1万9600カ所のため池があり、全体の約4分の1を廃止する。
2019~21年度を集中対策期間とし、下流の民家や公共施設に被害を与える恐れがある約500カ所を先行させる。
残る約4500カ所は、貯水を取りやめるといった対策を進める。
マップは、ため池ごとに決壊時の浸水想定区域図、近くの避難所などを記す。
第1弾として29日から、優先的に対策を打つ「防災重点ため池」の503カ所を県ホームページで公開する。
ただ、防災重点ため池は、国が豪雨後に基準を見直したことで約5400カ所に増える見通しで、新たな指定箇所についても20年度までに順次追加する。
広島県内では西日本豪雨で48カ所のため池が決壊し、福山市では流れ出た濁流で女児1人が亡くなった。
出典
『広島県、ため池5千カ所廃止発表 豪雨受け早期避難へマップ作成も』
https://www.sanyonews.jp/article/884512/
2018年12月8日22時2分に北海道新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
雪崩事故を防ぐため、日本雪氷学会北海道支部(札幌)でつくる雪氷災害調査チームが、まとまった雪が降るたび、雪の粒子の写真をホームページ(HP)で公開している。
雪崩を起こしやすい雪がある場合は、その状態を詳しく説明し、スキーヤーなど入山者に注意を呼びかける内容だ。
調査チームのメンバーで北大低温科学研究所の元所長、秋田谷英次さん(82)が、札幌市北区の自宅庭の雪を撮影して掲載している。
撮影は、積もった雪をシャベルで切り出し、深さごとに雪の粒子を採取し、拡大鏡を使って行う。
雪崩の原因となる雪は、主に
《1》雲粒(うんりゅう)なし結晶
《2》表面霜(ひょうめんしも)
《3》こしもざらめ雪
の3種類。
「雲粒なし結晶」は、雲の中の小さな氷の粒(雲粒)をまとっていない雪の結晶で、突起が少ない。
「表面霜」は、積もった雪の表面に放射冷却でできる。
「こしもざらめ雪」は、積もった雪が蒸発と放射冷却による氷結を繰り返してできる。
3種類は、粒と粒に間隔が空き、形も単純。
秋田谷さんによると、その上に30~50cmの雪が積もると雪崩が起きやすく、札幌では年に2~3回観察できる。
切り出した雪の塊を上から手でたたくと、この雪の層を境に塊が分離しやすい。
秋田谷さんは、「雪山登山の現場でも、簡単に調べられる」。
HPは、まとまった雪が降ると日を置かず更新し、雪の状態を写真で紹介。
「こしもざらめ化が進行」、「山に入る人は気を付けて」などと記し、気温、風速、降水量なども載せる。
開設4年目となり、雪のある12~3月は、月3000人が閲覧するほど定着してきた。
調査チームの尾関俊浩・北海道教育大札幌校教授は、「雲粒なし結晶などは広域的に降る。札幌のデータでも、山間部で十分参考になる」と話し、HP(http://avalanche.seppyo.org/snow/)のチェックを呼びかけている。
出典
『雪崩の起きやすい結晶写真を公開 雪氷災害調査チーム』
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/256060/
2018年10月4日19時1分にNHK鹿児島から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
4日午後1時半すぎ、「工事現場で土砂崩れが起きて1人が巻き込まれた」という通報が薩摩川内市の消防にあった。
現場は薩摩川内市冷水町の国道3号線沿いにある住宅裏の斜面で、警察や消防が到着したところ、土砂が崩れて大量に流れ出していた。
崩れた土砂の中から釘崎さんが救助されたが、すでに亡くなっていた。
警察によると、斜面は高さが40m、幅が14mにわたって崩れていた。
また、斜面にあった木は先の台風24号の影響で倒れていたが、撤去作業はこの木をクレーンでつり上げて固定した状態で行われ、釘崎さんは木の根元をチェーンソーで切る作業を担当していたという。
作業はほかに4人が従事していたが、4人にけがはなかった。
警察は、現場の状況や斜面が崩れた原因などについて詳しく調べている。
出典
『倒木撤去中の土砂崩れで死亡』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kagoshima/20181004/5050004567.html
2018年7月29日15時35分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
28日午後1時半ごろ、静岡県側の富士山御殿場口6合目付近で、同県の業務委託を受けた富士山安全誘導員の男性2人から、「強風で身動きが取れなくなった」と119番通報があった。
2人は、出動した静岡県警山岳遭難救助隊と合流して富士宮口5合目まで下山したものの、午後10時半ごろに1人の容態が急変。
病院に搬送され、死亡が確認された。
亡くなったのは同県富士宮市のアルバイト、西方さん(男性、71歳)で、死因は低体温症とみられる。
もう1人の誘導員に、けがはない。
西方さんらは民間警備会社に勤めており、同県の委託を受けて、富士山で安全誘導業務を行っていた。
3人1チームで26日に登頂し、27日午前2時から山頂付近で、混雑回避のため、登山客らの誘導や案内を担当。
28日午前10時に勤務を終え、下山する途中で遭難したという。
出典
『富士山で強風、動けず 誘導員が死亡』
http://www.sankei.com/affairs/news/180729/afr1807290015-n1.html
7月29日17時33分に日本経済新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
県や警察などによると、2人は、県が県内の警備会社に発注した富士山の安全誘導業務に従事。
26日から山頂で勤務し、28日午前から下山を始めていた。
一緒にいた静岡市の会社員(40)は、命に別条はない。
2人は、御殿場口6合目から約200m離れた場所で発見された。
その際、西方さんは意識があったが、下山後に心肺停止状態となった。
〔共同〕
出典
『富士山の安全誘導員死亡 71歳男性、低体温症で』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3354944029072018000000/
(ブログ者コメント)
一般の登山者ではなく、富士山頂で安全誘導に当たっていた、いわばプロの方が亡くなったという点が気になったので、紹介する。
一般の道路工事などならともかく、警備会社が富士山頂での安全誘導業務に、なぜ71歳の方を派遣したのだろうか?
その点も気にかかる。
その方が何度も富士山に登ったことがあるとか、そういった理由でもあったのだろうか?
2018年6月27日11時52分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大阪北部地震でブロック塀の下敷きとなった女子児童が犠牲となり、安全対策が叫ばれる中、宮城県の自治体の取り組みが注目されている。
1978年の宮城県沖地震を機に、40年にわたり、塀の改修や生け垣への建て替えに対する助成制度、点検などを行政主導で続け、東日本大震災でも、ブロック塀倒壊による死者は確認されていないからだ。
専門家は、「危険性に関する行政などの対策が、一つの成果として表れた」と評価する。
宮城県沖地震では、ブロック塀や門柱の倒壊で18人が犠牲になった。
倒壊が相次いだ原因として、
(1)建築基準法施行令の構造基準に適合していない
(2)基礎(土台)が浅い
(3)鉄筋や控え壁(支えとなる壁)の不足
などが指摘された。
このため、県は建設業者と「ブロック塀安全対策協議会」を組織。
業者への施行管理強化の指導を行い、小学校周辺の塀の耐震調査などを進めた。
さらに、79年度から3年間、各市町村に助成金を交付し、塀の所有者に補修を促した。
仙台市も、ブロック塀の生け垣への建て替えを促進する助成金制度を設けた。
対策は、その後も継続された。
仙台市は97年から、危険性が認められたブロック塀の撤去費用の一部を助成する事業を実施した。
毎年、市職員がブロック塀の亀裂や傾きなどを目視で点検し、解体の必要性などを判断。
15万円を上限に助成した。
市内854カ所で危険が確認され、830カ所で撤去や改修などが完了したという。
一方、県は2003年度から4年間、ブロック塀補修への助成金制度を再開。
05年度からは、毎年、県内337小学校周辺の調査と戸別訪問指導を進めた。
その結果、02年度に536件確認された危険箇所は、17年度には88件まで減少した。
こうした継続的な対策が功を奏し、震度7を観測した東日本大震災では、県内でブロック塀倒壊による犠牲者の報告はなかった。
仙台市の防災担当者は、「早期からの対応が、減災につながったのではないか」と指摘する。
地震によるブロック塀被害に詳しい東北工業大の最知正芳教授(建築生産工学)は、「ブロック塀補修の助成金制度など、行政による取り組みは一定の効果があった。今後は、塀の低層化を進め、安全性の確保にさらに努めるべきだ」と話している。
出典
『宮城県 「ブロック塀」40年前の教訓継続』
https://mainichi.jp/articles/20180627/k00/00e/040/256000c
(ブログ者コメント)
大阪北部地震後、ブロック塀の補修・撤去に補助金を出す自治体が、少なからず出てきている。
2018年6月4日18時41分にNHK京都から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
舞鶴市と地元のローカル鉄道は、台風や大雨で道路が浸水した際、高いところに敷かれた線路に特殊な車両を走らせて救助隊などを運ぶ協定を締結する方向で調整に入った。
協定の締結を検討しているのは、舞鶴市と府北部を中心に走るローカル鉄道「京都丹後鉄道」の運行会社、それに線路などを保有する会社の3者。
協定では、台風や大雨で道路が浸水して使えなくなった際、市から要請を受けた鉄道会社側が線路と道路の両方を走れる「軌陸車(きりくしゃ)」と呼ばれる特殊な車両を出して、線路を使って救助隊などを運ぶことを検討している。
舞鶴市では、京都丹後鉄道の線路が道路よりも高いところに敷かれている場所も多く、去年10月に台風による大雨で市内の川があふれて集落が孤立した際、救助隊が線路を歩いて現場に入った。
「軌陸車」は、ふだんは架線の整備などに使われるが、そのまま道路も走れることから、協定によって災害時の迅速な救助などに役立つことが期待される。
京都丹後鉄道の運行会社の寒竹社長は、「線路を防災に役立ててもらい、人の輸送にとどまらない、鉄道の価値を高めていきたい」と話している。
また舞鶴市の堤副市長は、「京都丹後鉄道の線路は、これまでほとんど冠水しておらず、緊急時に大きな効果を期待している」と話している。
出典
『線路使い救助隊輸送 舞鶴市検討』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/20180604/2010000104.html
2018年5月13日9時42分にNHK NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
台風の接近に伴って突風がどのように発生するかを詳細にとらえることに、気象庁の気象研究所が、最新のレーダーを使った観測で初めて成功した。
わずか5分間に積乱雲内部で気流などが急激に変化して突風が発生したことがわかり、今後、竜巻などの発生予測の向上につなげたいとしている。
気象研究所の足立透主任研究官は、「フェーズドアレイレーダー」と呼ばれる最新の気象レーダーを2台使って、去年7月4日の午後10時ごろ、埼玉県草加市に被害をもたらした突風がどのように発生したのかを観測した。
当時は、台風3号が草加市の南南西およそ190kmの伊豆諸島付近の海上を東へ進んでいて、突風は、この台風の外側で発達した積乱雲の下で発生した。
足立主任研究官が観測データを詳しく分析した結果、わずか5分ほどの間に積乱雲の内部で風向きなどが急激に変化し、雲の下の地表付近から渦が立ち上がったということで、竜巻などの突風がどのように発生するかを詳細にとらえることに初めて成功したとしている。
足立主任研究官は、「今回のように、わずか5分で突風が発生するというのがわかったのは初めてで、時間的にはかなり早く、避難は難しいと思う。今後も研究を進め、竜巻の発生予測の向上につなげていきたい」と話していた。
(以下は、図解ナレーション情報)
従来のレーダーは、積乱雲の観測範囲が上空およそ12kmまでに限られるうえ、様々な角度に電波を発射しながら調べるため、観測が終了するまで最大10分程度の時間がかかっていた。
これに対し、ファーズドアレイレーダーは、地上から上空16kmまで同時に電波を発射できるため、積乱雲の全体像をわずか30分で観測することができる。
去年7月の草加市事例では、9時43分ごろ、草加市上空を通過していた積乱雲内部に、多くの雨粒が集まる強い区域が作られた。
この雨粒が9時46分ごろから大量に落下することで、下降気流が強まった。
この下降気流が地面にぶつかり反射することで、上昇気流が発生。
午後9時48分には、この上昇気流が強まり、強い渦が発生し、積乱雲の下で突風が発生したという。
出典
『突風発生を最新レーダーで初観測』
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20180513/0011654.html
2018年5月11日6時47分にNHK大分から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
土砂災害の専門家などで作る砂防学会の調査団が先月29日、大分県中津市耶馬溪町の現場を調べ、その結果、1か月前に大規模な土砂崩れが起きた斜面の中腹には、1秒間に0.3ℓの量の水が湧き出している地点があったという。
調査団の1人で鹿児島大学の地頭薗隆教授は、現場では、調査の数日前から雨は観測されていないことなどから、この場所には周辺から大量の地下水が集まっていたと分析している。
また、この場所の地盤は粘土のように軟らかくなっていたことから、地頭薗教授らは、地下水が大量に集まって弱くなった場所が最初に崩れ、これが引き金になって大規模な崩壊につながった可能性が高いとしている。
今回の土砂崩れは、大雨も地震もない中で発生したが、地頭薗教授は、全国のほかの地域でも地下水が集まりやすい斜面で同じような土砂崩れが起こる可能性があると指摘していて、「地形や地質の情報だけでなく、地下水が集中する場所を洗い出し、危険性を把握する必要がある」と話している。
出典
『地下水集中が土砂崩れの引き金か』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/oita/20180511/5070000609.html
以下は、事故発生を伝える報道の抜萃。
(2018年4月12日 毎日新聞西部版朝刊)
11日午前3時50分ごろ、大分県中津市耶馬渓(やばけい)町金吉(かなよし)で山崩れが起きていると消防に通報があり、集落裏の山林が高さ約100m、幅約200mにわたって崩れ、住宅3棟が土砂に埋もれているのが確認された。
住人の男女6人が安否不明となり、このうち男性1人が土砂の中から救助されたが、死亡が確認された。死因は圧死だった。
消防や災害派遣要請を受けた自衛隊などが不明者の捜索を続けている。
大分地方気象台によると、現地では計測可能な0.5ミリ以上の雨は、8日以降は観測されていない。
今月に入ってからも、降水量は少ないという。
国交省は11日に専門家チームを現地派遣し、地上と上空から状況を確認した。
同チームは調査後、「岩盤の風化が進んでおり、いつ崩れてもおかしくない状態だったとみられる」と説明した。
現場は市中心部から南に約25kmの山あいにあり、金吉川に沿って住宅が点在している。
崩落現場は急な斜面のふもとに住宅が集まっており、県が昨年3月に土砂災害防止法に基づき「土砂災害特別警戒区域」に指定したが、対策はまだだった。
1991年の台風で倒木があり、落石防止柵は設置されたものの、本格的な土砂災害に対応できるものではないという。
県内の特別警戒区域は今年3月末現在、1万648カ所。
県は「すべての区域で工事するのは難しい」としている。
出典
『山崩れ 大分・耶馬渓で1人死亡、3世帯5人不明 急斜面の特別警戒区域』
http://mainichi.jp/articles/20180412/ddp/001/040/005000c
以下は、前兆があったという報道の抜萃。
(5月10日 毎日新聞西部版朝刊)
大分県中津市耶馬渓町で6人が犠牲となった山崩れの発生から、11日で1カ月となる。
雨や地震もない中で突然襲った土砂災害の前、現場付近では住民が前兆とみられる現象を見聞きしていた。
がけ崩れなどの危険性が高い場所は多く、防災工事の手が回らない。
地元自治体は山崩れを教訓に、前兆現象の周知に乗り出している。
石が転がるような音や、木がギシギシと鳴る音。
山崩れが起きる数日前、現場となる山でシイタケを栽培していたTさん(男性、77歳)は作業中、変な音を聞いたという。
山崩れで家は土砂に襲われたが、Tさんは新聞配達中で、妻幹子さん(70)ら家族3人も逃げて助かった。
Tさんは、「今思えば(音は)前兆だったかもしれない」と語る。
他の住民も、現場付近で湧き水やこぶし大の石が落ちているのを目撃していた。
・・・・・
政府広報オンラインでも紹介されている前兆現象は、
▽小石がパラパラ落ちてくる
▽地鳴りがする
▽水が湧き出る
▽樹木が傾く
など。
今回、住民らが体験したものと重なる現象が挙げられている。
九州大工学研究院の安福規之教授(地盤工学)は、これらの現象について「局所的に斜面が崩れ始めていることを示している可能性がある」と指摘。
雨や地震がなくても、条件がそろえばどこでも山崩れが起こる可能性はあるとし、「前兆現象があったら避難するなど住民同士が事前に話し合い、対応を決めておくことが大切だ」と話している。
出典
『大分・耶馬渓の山崩れ 1カ月 前兆、見逃さないで 石が転がる音 木が鳴るギシギシ』
http://mainichi.jp/articles/20180510/ddp/041/040/029000c
2018年4月29日4時35分にNHK NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
去年11月に韓国南部で発生したマグニチュード5.4の地震は、地下に大量の水を高圧で注水する地熱発電によって誘発された可能性が高いとする研究結果がアメリカの科学雑誌に掲載された。
韓国南部のポハン(浦項)で去年11月15日に起きたマグニチュード5.4の地震は、韓国の観測史上2番目の規模で、建物が倒壊するなどして70人以上がけがをした。
この地震について、韓国やスイス、イギリスなどの研究グループがアメリカの科学雑誌「サイエンス」に、震源近くの地熱発電が原因ではないかとする研究結果を発表した。
地熱発電は、地下深くの岩石に高圧の水でひびを入れて、そこから出た蒸気を利用して発電するが、この作業で利用した大量の水が地下にたまって断層に圧力をかけ、地震が誘発された可能性が高いとしている。
研究グループは観測データを分析し、震源の深さと発電施設の井戸の深さがほぼ一致しているほか、施設の運用開始以降、それまでは観測されることのなかったマグニチュード2以上の地震が複数回起きていると指摘している。
イギリスの科学誌「ネイチャー」も、この研究結果を紹介する一方で、震源はもっと深かったとする別の研究者の反論や、今後の地熱発電の教訓にすべきだという科学者の意見を伝えている。
地熱発電が誘発した地震は過去にもアメリカやスイスで起きていて、今回の地震についても韓国政府が調査を続けている。
出典
『韓国 M5.4の地震 地熱発電が誘発か 研究発表』
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180429/k10011422171000.html
4月29日5時7分に朝鮮日報日本語版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
昨年11月に韓国南部の浦項で起きたマグニチュード(M)5.4の地震は、付近の地熱発電所から地中に水を注入したことが直接的原因だという研究結果がまとまった。
浦項地震は2016年9月の慶州地震(M5.8)に次ぎ、韓国で発生した地震としては過去2番目に強い地震だ。
李晋漢(イ・ジンハン)高麗大教授、キム・グァンヒ釜山大教授ら研究陣は、科学誌「サイエンス」最新号に発表した論文で、過去40年間に浦項興海地区で発生した地震を分析した結果、2016年から始まった地熱発電所の水注入が地震の直接的原因であることが立証されたと指摘した。
浦項地震は地熱発電所によって誘発されたとの主張だ。
地熱発電は地下4km以上の深さに穴を2本堀り、一方に水を注入し、地熱で加熱した上で、発生する水蒸気を別の穴から取り出し、発電所のタービンを回すことで発電を行うものだ。
昨年11月15日に浦項地震が起きた直後、震央が地熱発電所からわずか600mの地点だったため、科学界からは「地下に注入した水が地震の原因」という主張が出ていた。
地下で高い水圧が発生し、周辺の地層を割ったか、既に形成された断層を滑らせたとの見方だ。
研究陣は、「韓国で地震観測が始まった1978年以降、2015年まで浦項興海地区でM2.0以上の地震が起きたことはないが、16年から地熱発電所による水注入が始まり、M2.0以上の地震が4回発生した」と指摘した。
地震が最初に発生した位置も、地熱発電所が水を注入するために地中に挿したパイプの深さと、ほぼ一致した。
浦項地震の発生5日前、研究陣は地熱発電所付近に8台の簡易地震計を設置した。
11月15日からM5.4の本震が発生するまでの間、9時間前から6分前にかけ、6回の前震が発生した。
研究陣は,前震の震源の深さは4~6km、本震の震源は4.5kmで、地熱発電所のパイプが挿された深さとほぼ同じだという。
一般的に、韓国で発生する地震の震源の深さは10~20kmが多い。
出典
『浦項地震:「地熱発電所が誘発」 韓国の研究者ら立証』
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/04/27/2018042701566.html
4月28日9時8分にAFPからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
韓国で昨年起きた異例の強い地震について、水圧破砕法(フラッキング)と同様の高圧注水を伴う地熱発電技術「強化地熱システム(EGS)」に誘発された可能性があることが分かった。
米科学誌サイエンスが27日、研究論文を公表した。
フラッキングには反対の声もあり、今回の地震で地熱発電をめぐる状況が一変する可能性がある。
この地震は昨年11月15日、韓国の港湾都市、浦項で起こったもの。
マグニチュード(M)は5.5を記録し、数10人が負傷するなど、多大な損害が発生。
大きな自然地震がまれな朝鮮半島において、観測史上最大規模の地震となった。
科学者らは、この地震について震源が浅いことから、発生数か月前から付近の地熱発電施設で行われた高圧での地下注水に誘発されたと推測している。
論文によると、欧州各地の専門家らは地震データを用い、震源の浅さから、同施設での活動が地震の原因となった可能性が示されると結論付けた。
さらに論文は、この見方が正しければ、浦項の事例は強化地熱システムに関連した地震として「規模と被害の両面で過去最大」であり、「世界の地熱産業にとって『ゲームチェンジャー』となる可能性がある」とした。
フラッキングは、砂や化学薬品を混ぜた高圧の水を注入して地下の岩に亀裂を生じさせ、内部の原油や天然ガスを採取する手法。
これにより、手付かずだった膨大な資源の採掘が可能になった。
だが、大量の廃水が生じるために、それが地下に捨てられた場合、断層に圧力が加わる可能性がある。
出典
『韓国地震、地熱発電での高圧注水が原因か 研究』
http://www.afpbb.com/articles/-/3172908
2018年4月28日6時30分に日本経済新聞電子版から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
2018年1月の草津白根山(群馬県草津町)の噴火は予想外だった。
専門家でも場所と時期を事前に予測できず、現在の火山研究の限界が露呈した。
噴火から4カ月がたち、その原因として、岩盤の亀裂に目詰まりが起きる「シーリング」と呼ぶ現象がかかわっている説が急浮上してきた。
今回の噴火がなぜ起きたのか、最新事情を追った。
「ノーマークの本(もと)白根山の噴火は驚きだ。本命だった白根山の最近の活動低下と表裏一体の現象と考えざるを得ない」。
草津白根山の火山活動に詳しい東海大学の大場武教授は、こう解説する。
草津白根山は、標高2000mを超える3つの山の総称だ。
南側から北に向け、順に本白根山、逢ノ峰、白根山と一列に並ぶ。
白根山周辺は、江戸時代から1980年代まで10回以上の噴火が記録されている。
湯釜と呼ばれる火口湖周辺では、今も高温の火山性ガスが噴出している。
多くの人が、「次に噴火するなら、やはり白根山」と考えていた。
ただ、時期はもう少し先になるとみていた。
白根山の地下を震源とする火山性地震は14年に活発になったが、15年以降は低調になっていたからだ。
湯釜周辺の噴気活動も低下し、気象庁は17年6月、白根山の噴火警戒レベルを、火口周辺の立ち入りを規制する「レベル2」から、特に規制のない「レベル1」へ下げていた(現在はレベル2)。
一方、本白根山は、噴火を記録した古い文書がない。
現場で観察できる噴気は気温とあまり差のない低温で、活動は低調だ。
火山性地震の活動の大きな高まりなどの前兆がないまま、突如噴火した。
「なぜ起きたのか」。
大場教授は疑問に思いながらデータを整理した。
その結果、白根山と本白根山のそれぞれの直下にある「熱水だまり」を加熱する高温のガスの流れが大きく変化したに違いないと思い当たった。
高温だが液体状態の「熱水だまり」は、白根山の湯釜の直下にある。
この周辺で江戸時代から繰り返し起きている噴火は、熱水だまりから押し出された熱水が大量の水蒸気に変わって地表に噴出する際、周囲の岩や土砂を吹き飛ばして起きる「水蒸気噴火」だと考えられている。
熱水だまりの下には、地球深部で溶けた岩石などがたまる「マグマだまり」があり、そこから上昇する高温のガスが熱水だまりを加熱している。
15年以降の白根山直下の熱水だまりの活動低下から、大場教授は「熱水だまりに向けたガスの供給が絞り込まれた」と推測する。
高温のガスは熱水と混じって液状の流動体となり、岩盤の細かな亀裂を伝わって上昇している。
周囲の岩盤の温度が上に行くにつれて下がるため、流動体に溶けていた様々な鉱物が析出する。
この鉱物が時として、岩盤の亀裂を埋めてしまう。
これが「シーリング」と呼ばれる現象で、亀裂が目詰まりした結果、マグマだまりからのガスの供給量が減少する仕組みだ。
上に伝わりにくくなった高温のガスはどうなるのか。
本白根山に近い逢ノ峰の南東側の地下にも、地下探査によって別の熱水だまりが見つかっている。
大場教授は、これまで湯釜の熱水だまりに向かっていた高温のガスは、行き手を阻まれ新たに逢ノ峰南東側の熱水だまりに向かったと考えた。
その結果、「今回の本白根山の水蒸気噴火が起きたのだろう」(大場教授)。
この仮説を裏付けるデータを集めている。
一つは、近年の火山性地震の震源の位置の変化だ。
湯釜の熱水だまりの活動による地震の震源は、14年当時、白根山山頂部の地表近く(標高約2000m)に達していた。
15年以降、地震活動の衰えとともに震源の上限も下がり、17年には標高1500mになった。
一方、逢ノ峰南東側の熱水だまりに由来する地震の震源の上限は、14年当時、標高1000mだったのが、15年以降、次第に上昇し、17年には同1200mに達した。
この考え方が正しいとすると、逢ノ峰南東側の熱水だまりには高温のガスが供給され続け、これからも本白根山付近で水蒸気噴火が起きる恐れがある。
難しい問題は、シーリングが長く続くのか、一時的で済んでしまうのかだ。
シーリングがなくなれば、湯釜直下の熱水だまりの活動は再び高まる。
この地域では、これまでのように白根山周辺だけでなく、草津白根山全域で火山性地震や噴気活動に目を光らせる必要がある。
長野県と岐阜県にまたがる御嶽山の14年の噴火や大涌谷(神奈川県箱根町)の15年の噴火にシーリングが関係しているとの見方もある。
注意深い観測が重要だ。
出典
『予想外だった草津白根山の噴火 地下岩盤で新現象か』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29934650X20C18A4MY1000/?n_cid=NMAIL007
2018年3月9日16時47分にHTBニュースから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月9日18時45分にNHK北海道からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
午後0時半ごろ、上川の美瑛町にある辺別川(べべつがわ)で、護岸工事をしていた男性(51歳)が、川の上流から流れてきた大きな雪の塊に巻き込まれた。
男性は大量の雪の中からおよそ1時間半後に助け出され、病院に運ばれたが、意識不明の重体だという。
警察によると、当時、現場では男性を含む3人が護岸工事をしていた。
川の上流にあった雪の塊が解けて押し寄せた可能性があるという。
出典
『美瑛 護岸工事中雪の塊に巻き込まれ 心肺停止』
https://www.htb.co.jp/news/archives_879.html
『男性が雪に埋まり意識不明 北海道 美瑛町の工事現場』
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180309/k10011358251000.html
3月11日13時18分に読売新聞からは、9日は大雨だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
気象庁によると、北海道内は9日、上川、釧路両地方を中心に73地点で3月の1日の最多降水量記録を観測した。
最多だったのは釧路市の146ミリ。
道河川砂防課によると、Tさんは護岸工事に従事し、9日の昼休みに同僚と河川の水位を確認中、上流から流れてきた大量の雪や土砂で生き埋めになった。
出典
『川の水位確認中に生き埋め、護岸工事の男性死亡』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180311-OYT1T50050.html
3月11日付で毎日新聞北海道版からは、男性が死亡したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
道警は10日、大雨や気温上昇による雪解けで水位が上昇した美瑛町の川で、流れてきた雪の塊に埋まり、意識不明の重体だった会社員のTさん(51)が死亡したと明らかにした。
北海道では9日、発達した低気圧が通過した影響で、各地で大雨となった。
気温上昇で雪解けが進み、河川の増水や住宅浸水も相次いだ。
出典
『美瑛の大雨 雪の塊に埋まった重体の男性死亡 護岸工事中 /北海道』
https://mainichi.jp/articles/20180311/ddl/k01/040/017000c
(2018年6月2日 修正1 ;追記)
2018年6月1日付で毎日新聞東京版から、アイスジャムという現象だった可能性が高いなど、下記趣旨の記事が模式図付きでネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
北海道で3月、河川が急激に増水して、護岸工事をしていた男性が死亡したり車が流されたりする事故があった。
川の流れを氷の塊がせき止める「アイスジャム」が決壊し、現場付近に氷を含んだ雪泥流が一気に押し寄せた可能性が高い。
急な気温の上昇や、まとまった降雨が背景にあったとみられ、専門家は「雪泥流の威力は非常に強い。気候変動が大きくなる中、北海道以外の寒冷地でも被害が出る可能性がある」と、注意を呼びかけている。
【気温上昇、大雨で】
アイスジャムは、河川の表面を覆っていた氷や雪が気温上昇で割れて流れ出し、たまって途中でダムのように川をせき止める現象を指す。
川の幅が狭くなる部分や蛇行部、橋脚付近などで起きやすいとされる。
この時期は、雪解けで水量が増すだけに、上流側で水位が急上昇して氾濫被害が起きたり、詰まった氷が決壊して下流に氷を含んだ雪泥流が一気に下る現象が発生したりする。
【北海道では毎年】
発達した低気圧が通過した3月9日、北海道では太平洋側を中心に季節外れの大雨となり、気温も上昇。
北見工大の吉川泰弘准教授(河川工学)らの調査で、この時、少なくとも道内11河川でアイスジャムが起こった可能性が高いという。
美瑛町の辺別(べべつ)川で、護岸工事の作業中だった男性会社員(当時51歳)が流れてきた大量の氷雪の塊に埋まって死亡。
日高町の沙流(さる)川上流では車3台が流され、作業員11人が近くの発電所に避難した。
それぞれの現場では、大きさが1~3m、厚さ40cmの氷の塊が流れた痕跡があった。
吉川准教授は、「この時期の大雨は、例年より1カ月近く早い。氷が硬く大きいまま割れて流れた箇所も多かったのでは」と分析する。
国立研究開発法人「寒地土木研究所」(札幌市)によると、アイスジャムは北海道では毎年起きているとみられる。
1961年4月、天塩(てしお)川の水位が上昇して氾濫。
北海道開発局の記録では、457haの田畑が冠水して、34戸が床上・床下浸水した。
94年2月には、札幌市西区の琴似発寒(ことにはっさむ)川でアイスジャムが決壊し、河川工事現場からショベルカーごと流された作業員が死亡する事故があった。
同研究所寒地河川チーム主任研究員の横山洋さんは、「1トン以上の巨大な氷が大量に勢いよく流れてくれば、人間はひとたまりもない」と、危険性を指摘する。
【予測モデル作成を】
いつアイスジャムや雪泥流が起きるかを把握するのは難しいうえ、人目につかない発生現場から遠く離れた下流で被害が出ることもある。
対策として、吉川准教授らは、川の流れや氷の浮力を考慮して発生時期の予測モデルを作成することなどを挙げる。
寒冷地に限定した現象だけに、研究者も極めて少ないが、「漂流物による被害という観点では、豪雨や津波による流木などの河川災害も共通する部分がある」と説明。
(1)どこで詰まるか
(2)どのくらいの水位になるか
はアイスジャムの対策研究でも重要で、氾濫範囲や河川に近づかないように注意喚起するタイミングなどをより詳細に絞り込めれば、想定外の被害を抑えることにつながると見ている。
出典
『くらしナビ・気象・防災 「アイスジャム」 雪泥流の脅威』
https://mainichi.jp/articles/20180601/ddm/013/040/009000c
2018年3月6日17時0分に静岡新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5日午後、富士山上部の大沢崩れで、水を含んだ雪が土砂を巻き込んで流れ下る「スラッシュ雪崩」と呼ばれる現象が発生した。
下流域への被害はなかった。
同日午後3時45分ごろ、国交省富士砂防事務所(富士宮市)が標高約2200m地点に設置する監視カメラが捉え、同4時25分ごろには1500m付近でも観測された。
同程度の規模のスラッシュ雪崩は、年に1、2回起きるという。
大雨と気温の上昇による影響で発生したとみられる。
同事務所によると、大沢川上流の御中道観測所で、降り始めから発生時点の雨量が約60ミリを記録。
5合目付近の気温は、当時、5℃ほどだった。
出典
『富士山でスラッシュ雪崩 砂防事務所、カメラ捉える』
http://www.at-s.com/news/article/social/shizuoka/464883.html
3月7日21時47分にNHK静岡からは、下記趣旨の解説的記事が掲載されていた。
5日、富士山で確認された“スラッシュ雪崩”。
専門家は、改めて、この時期の富士山の危険性を指摘している。
5日午後4時すぎ、富士山で確認された“スラッシュ雪崩”。
雨を含んだ雪がシャーベット状になって地面の土砂と一緒に滑り落ちる現象だ。
富士山のふもとの地域では、古くから雪解け水を差す「雪代」という言葉を使い、雪解け水や雨を含んだ雪による今回のような雪崩に警戒してきた。
今回の状況について、山梨県富士山科学研究所・小笠原輝=主任研究員は、「気温が急激に上昇し、さらに低気圧の接近によって雨がもたらされたことによって、融雪が非常に高速で進んだ。雪代と呼ばれる雪解け水による災害が起こりやすい状況だったのだと思う」と分析している。
そのうえで、「この時期、登山する場合は沢筋に十分気をつけ、地域に住む人も、雪崩注意報が出ているときは、砂防ダムや川の水路にむやみに近づかないないようにしてほしい」と注意を呼びかけている。
出典
『専門家「スラッシュ雪崩に注意」』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/3035818801.html
3月7日17時11分にNHK山梨からは、山梨側でもスラッシュ雪崩が発生していたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5日午後4時すぎ、富士山の標高2200m付近と1500m付近に設置されているカメラで”スラッシュ雪崩”と呼ばれる大規模な雪崩の発生が確認された。
これを受けて、地元の河川を監視する県の富士・東部建設事務所は、富士山のふもとの川に雪や土砂が流れ込んだ状況を確認するため、鳴沢村や富士吉田市などを流れる、合わせて15の河川を調査した。
このうち、富士吉田市を流れる宮川では、市街地から4km上流で5日の雪崩による土砂が到達したと見られる痕跡が確認され、担当者が現場を撮影していた。
一方、市街地を流れる下流には、雪崩による土砂は到達していないと見られるという。
県富士・東部建設事務所吉田支所の小林課長は、「今回の雪崩による土砂が確認されたのは上流までで、人家のある地域にまでは影響はなかったと考える。あす以降の定期点検でも、今回の雪崩を受けて富士山から流れてくる沢に異常がないか重点的に監視していきたい」と話していた。
出典
『“スラッシュ雪崩”県が状況調査』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kofu/20180307/1040001893.html
3月8日19時8分にNHK静岡からは、今後の注意点などに関する下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「スラッシュ雪崩」は、気温が急激に上昇し、まとまった雨が降ると起こりやすくなるとされているが、県内にはこれから、南から暖かく湿った空気が流れ込んで大気の状態が非常に不安定となり、ところにより大雨となる見込みで、気温も上がる予想となっている。
このため、国交省・富士砂防事務所は、富士山では再び「スラッシュ雪崩」が発生する可能性もあるとして、富士山のふもとを流れる傾斜が急な渓流などに近づかないよう注意を呼びかけている。
出典
『大雨 「スラッシュ雪崩」に注意』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/3035852691.html
2018年3月2日6時35分にNHK首都圏から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
富士山が噴火した場合、溶岩流や火砕流などがどのように広がっていくかを時系列でシミュレーションしたソフトが開発され、開発した研究機関は、万が一に備えて避難経路の確認などに役立ててほしいとしている。
このソフトは、山梨県富士山科学研究所が東京大学地震研究所などと共同で開発した。
富士山では、過去1万年の間に山頂から半径およそ13kmの範囲に、少なくとも70か所の火口ができたことがわかっている。
ソフトは、このうちおよそ40か所で噴火が起きた場合、溶岩流や火砕流、それに火山灰がどのように広がるかを、それぞれ時系列でシミュレーションする。
同じ規模の噴火でも、火口周辺の地形によって溶岩流などが到達する範囲が変わるという。
山梨県富士山科学研究所は、このソフトを行政機関だけでなく住民にも活用してもらうため、ことし中にホームページで公開することにしていて、内山研究管理幹は、「火口ごとの噴火の状態に応じた避難経路をあらかじめ考えておくなど、万が一の備えとして役立ててほしい」と話している。
出典
『富士山噴火の予測ソフト開発』
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20180302/0008665.html
2018年2月12日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/8025/
(2018年3月5日 修正1 ;追記)
2018年2月23日19時21分にNHK福井から、警察は110番通報を受けた際にエンジン停止を確認したと釈明しているという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察庁は衆議院予算委員会の分科会で、男性には車のエンジンの停止を確認していたなどと釈明した。
北陸で記録的な大雪となった2月7日、福井県坂井市の国道で、雪に埋もれた車の中で一酸化炭素中毒で死亡した男性が、「身動きが取れない」と警察に通報していたが、その情報は道路を管理する福井県に伝えられていなかったことが分かっている。
これに関連して、衆議院予算委員会の分科会で、警察庁の山下生活安全局長は、「110番通報を受けた際、男性に対しては、エンジンを止めていることを確認した上で、体調不良があれば119番通報をするよう伝えていた」などと釈明した。
その上で山下局長は、「このような重大な結果が生じたことは真摯に受け止めなければならない。警察としては、これまでにも増して、雪害への対応に万全を期していきたい」と述べた。
出典
『中毒死、エンジン停止確認と釈明』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/fukui/3055481131.html
2月27日5時2分にNHK NEWS WEBからは、男性の母親が何度も警察に救助要請していたという、下記趣旨の記事が掲載されていた。
男性の母親が車の中にいる息子から携帯電話で連絡を受け、福井県警察本部の窓口に電話で繰り返し事態を伝え救助を求めたものの、警察が現場に出動せず、救助されたかどうかも県に確認していなかったことが、警察と母親への取材でわかった。
福井県警察本部によると、この日、母親からは午前10時ごろ、正午ごろ、午後4時半ごろの少なくとも3回、本部に電話があり、通信指令課などで対応して、3回目は県の災害対策本部に連絡するよう伝えたという。
これについて福井県警察本部は、「男性から通報を受けた際、エンジンを止めていることを確認し、母親からの電話も、車の周りの除雪を求めているものとして、緊急性が低いと判断した」と説明している。
そのうえで、「このような重大な結果が生じたことについては真摯に受け止めており、今後はこれまでにも増して雪害への対応に万全を期します」としている。
母親はNHKの取材に対して、「7日の午前9時すぎに息子と電話で話した時点で、車が動けなくなってからおよそ9時間たっていたので、助けてほしいという思いで警察に通報しました。警察の担当者から『除雪車が向かっているので確認が取れたら連絡します』と言われて安心しましたが、連絡がないので再び警察に通報したら、『確認中』という返答ばかりで、4、5回ほど通報しました。息子にメールやラインを送っても読まれた形跡がなく、『こうした間に死んだらどうするんだ』と激しい口調でも伝えました。除雪車だけでなく、警察の担当者も現場に向かっていると思っていたので、裏切られたという気持ちがあります。警察からすると大雪で大変な状況の中でたくさんかかってきた通報の1つだったかもしれませんが、もう少し親身に対応してほしかったです」と話している。
出典
『救助要請も県警出動せず 大雪で男性が車内で死亡の事故で 福井』
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180227/k10011344311000.html
2月27日15時46分に北日本放送からは、警察は男性に7回電話をかけていたと説明しているなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
男性は、発見されるおよそ9時間前の午前9時20分ごろ110番通報し、救助を要請していた。
さらに、男性から連絡を受けた富山県西部に住む母親が午前10時すぎと午後1時前、午後4時半ごろの3回に渡り福井県警に電話をして、息子が立ち往生しているので救助してほしいと求めていたことが新たに分かった。
福井県警は、警察が出動しなかったことについて「緊急性のある通報だという認識はなかった」と説明している。
しかし警察は、この日、男性の携帯電話に7回電話をかけていて、最後の午後1時すぎの時には応答がなかったという。
出典
『死亡男性の母親も救助要請、警察出動せず』
http://www.knb.ne.jp/news/detail/?sid=17693
2月28日7時10分に福井新聞からは、警察は男性にCO中毒への注意を促さなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県警は、母親の電話を救助要請ではなく除雪要請だと判断し、道路管理者の県が手配済みの除雪車の到着を待つよう伝えた。
しかし、県には電話の内容を伝えず、県に除雪状況の確認もしなかった。
男性自身も110番通報していたが、県警はこの内容も県に伝えず、男性にCO中毒への注意を促さなかったことも既に明らかになっている。
県警は、現場近くで別の複数の立ち往生車があり、県三国土木事務所に除雪を要請済みだったとして、男性の情報は県に伝えず、再度の除雪要請もしなかったとしている。
その後、男性の携帯電話に複数回電話をしたが、つながらなかった。
出典
『豪雪車中死、母も3回県警に電話 救出求め「早く行ってほしい」』
http://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/299445
2018年2月22日10時23分にNHK福井から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
記録的な大雪で嶺北のガソリンスタンドの70%近くが、一時、営業を休止した問題で、坂井市にある油槽所からの主要な輸送ルートが、福井県が定めた除雪計画で優先的に除雪を進める路線に含まれていなかったことが、県への取材でわかった。
今回の大雪の影響で、2月11日には、嶺北の230のスタンドのうち67%にあたる154の店舗が営業休止を余儀なくされるなど、市民生活に大きな影響が出た。
福井県によると、坂井市にある2か所の油槽所からの主要な輸送ルートになっている県道「三国春江線」が、福井県が定めた除雪計画で「最重点除雪路線」に含まれていなかったという。
このため、除雪が後回しにされたり追いつかなかったりして、各地のスタンドにガソリンや軽油などを輸送できない状態が続いた。
「最重点除雪路線」は、道路の積雪が5cmを超えた場合に優先的に作業を進めるもので、1日あたりの交通量を基準に決めているほか、病院や原子力発電所など重要施設につながる道路を指定しているが、県道「三国春江線」は条件を満たしていなかった。
また、除雪計画を担当する福井県の道路保全課は、記録的な大雪が福井市で観測された2月7日の2日後か3日後に事態を把握したという。
福井県は、今月11日以降、県道「三国春江線」の除雪を重点的に進めていて、今後、除雪計画の見直しを進める方針。
出典
『「油槽所ルート」除雪計画見直し』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/fukui/3055419071.html
※当時のガソリンスタンドの状況は、下記記事参照。
(2018年2月8日7時15分 gooニュース;福井新聞)
記録的な大雪の影響でガソリンなどを運ぶタンクローリーが動けず、福井、勝山、大野各市の給油所では、販売するガソリン、軽油、灯油など在庫燃料が枯渇し始めた。
福井県坂井市三国町の油槽所までの道路の除雪が追い付いていないためだ。
市民生活の“命綱”ともいえる暖房用や除雪車両への影響を懸念する声も出始めている。
福井市田原2丁目の室次呉服町SSは、5日に来る予定だったタンクローリーは到着せず、7日午前11時時点で、既に軽油はなくなった。
来店客は通常の1.5倍あるが、灯油とレギュラーガソリンもほぼないという。
福井県内13店舗を運営する栄月の大名町SS(福井市春山1丁目)では、7日から20ℓの給油制限を行っている。
レギュラーは午前10時半現在、残り約7000ℓ。
高桑マネジャー(42)は、「残量は2、3日持つかどうか」と話した。
給油制限するスタンドは多い。
連日フル稼働する除雪車の燃料は軽油。
「除雪車向けの軽油ももうなくなりそうだ」と不安を示すスタンドの所長もいる。
勝山市雪害対策本部によると、同市の除雪車向けの軽油の貯蔵はなく、「このままでは除雪ができない所が出てくる恐れがある」と危機感を強める。
福井市消防局がタンク車を使い、7日中に900ℓを勝山市へ運ぶ。
福井市は、県石油業協同組合との協定に基づき、除雪機械への優先給油を求めた。
同組合が在庫のある給油所をリスト化。
建設業者に通知する。
軽油などの燃料油の確保は、県内公共交通の運行再開に影響を与える可能性がある。
えちぜん鉄道と福井鉄道の除雪車の中には、軽油を使用している車両もある。
えち鉄は、「除雪車に給油できなければ、運行にも影響が出る」とする。
また、「線路の切り替えを行う分岐点(ポイント)の凍結を、熱風で防ぐ装置に灯油を使用している」と、えち鉄の豊北社長。
ディーゼル車の路線バスの燃料も軽油で、同じ課題を抱えている。
また、福井市は7日、一般家庭での灯油などの燃料節約を市民に呼び掛けた。
市内では、灯油販売を1缶のみとしている給油所もある。
複数のガソリンスタンド関係者は、「坂井市三国町の油槽所までタンクローリーを出せない」と口にする。
油槽所の担当者は、「目の前の道は除雪されているんですが…」と困惑気味だ。
室次の白崎社長は、「油槽所は同じ県内にあるのだから、優先して除雪すべき路線をもっと考えるべきではないか」と苦言を呈した。
福井県によると、油槽所から国道8号までの県道は7日午後2時までに除雪完了の予定だったが、同3時半現在、「車両の立ち往生の影響で一部終わっていない」(三国土木事務所)という。
勝山方面への東西の輸送路は、最優先して確保に努めているという。
出典
『ガソリンスタンド在庫ピンチ 除雪作業に影響も』
https://news.goo.ne.jp/article/fukui/region/fukui-20180208073054474.html
(2月10日20時40分 時事通信)
・・・・・
燃料不足は、大雪の影響で福井県坂井市沿岸の二つの貯蔵施設(油槽所)から各地のGSに輸送できないのが原因。
県産業政策課と同組合によると、燃料を運ぶタンクローリーは大きく、運転が難しいが、主要道路は除雪が追い付いていない。
道路はがたがたで幅も狭く、タンクローリーは立ち往生してしまう。
県などによると、GSに燃料がなくても、油槽所には十分な量が確保されており、タンカーによる供給も続いているという。
同組合の担当者は、「タンクローリーが走れるようになれば、すぐに解決する」と、一刻も早い除雪を求めている。
出典
『大雪の福井、燃料不足=スタンド4割休業-除雪追い付かず』
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018021000562
(ブログ者コメント)
今冬の大雪によるトラブルは、本ブログでも何件か紹介スミ。
2018年2月20日19時0分に岩手放送から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
20日朝、岩手県花巻市で建設会社敷地内の簡易作業場が雪の重みで崩れ、中にいた70歳の男性が亡くなった。
亡くなったのは、花巻市高木のアルバイト・Kさん(男性、70歳)。
20日午前8時半ごろ、花巻市上根子にある建設会社の住宅資材の加工センターで、出勤した男性従業員が作業場が倒壊しているのを発見し、119番通報した。
その後、雪の下から心肺停止状態のKさんが発見され、病院に運ばれたが、およそ3時間後に死亡が確認された。
警察によると、作業場は木の柱にブルーシートがかけられただけの簡易的なもので、広さは4畳半ほど。
事故当時、Kさんは作業場でレンガを切断する作業をしていた。
屋根の上の雪は50cmほど積もっていて、隣の建物の屋根から雪が落ちたはずみで倒壊した可能性もあるという。
警察は、会社が安全管理を怠った疑いもあるとみて調べている。
出典
『雪の重みで作業場倒壊・男性死亡』
http://news.ibc.co.jp/item_32459.html
2月20日20時36分にNHK岩手からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
20日午前8時半ごろ、花巻市上根子にある住宅メーカーの従業員から、「作業小屋が倒壊して、男性が倒れている」と消防に通報があった。
倒れていたのは、アルバイトのKさん(70)で、病院に運ばれたが、およそ3時間後に死亡が確認された。
死因は、顔を圧迫されたことによる窒息死だった。
警察によると、倒壊した作業小屋は高さ2mほどの木造平屋建てで、Kさんは当時、1人でレンガを切断する作業を行っていたという。
作業小屋のすぐ隣には、高さおよそ3mの資材置き場があり、その屋根におよそ50cmの積雪があったという。
このため警察は、雪の一部が作業小屋に滑り落ちてその重みで倒壊したとみて、詳しく調べている。
出典
『隣から雪落ち小屋倒壊か男性死亡』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/morioka/20180220/6040000145.html
2018年2月12日13時55分に読売新聞から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
富山県内で、この冬、地下水の減少が深刻だ。
富山市内の観測地点で地下水が「安全水位」を下回ったのは、2016年度は7日、15年度は4日だったが、今年度は1月だけで12日にのぼった。
大雪の影響で地下水を使う消雪装置の使用が増えたことが要因で、県は「地盤沈下などの影響が出る可能性もある」として、節水を呼びかけている。
大和高岡店(高岡市御旅屋町)に隣接する駐車場では、5日から消雪装置の水が出なくなり、6日は終日、駐車場の利用を中止した。
地下水の枯渇が原因で、担当者は「こんなことは初めて」と驚く。
県は現在、富山市奥田北、高岡市能町、射水市作道の3か所で、24時間体制で地下水の水位を観測している。
富山市の観測地点の場合、地下水の平均水位(昨年度)は地下2m。
地下水の使用が増えると水位が下がるが、地下10mの「安全水位」を下回ると、地盤沈下や、水圧が低下して海水が流れ込む「塩水化」が起きる恐れがある。
地下水は農業や工業用としても使われているため、塩水化は経済活動に打撃となる。
今年度、安全水位を下回ったのは、富山市の観測地点では1月に12日、2月に4日(8日現在)だった。
高岡市では1月に6日、2月に6日(同)、射水市は1月に6日、2月に4日(同)だった。
高岡市と射水市では、15、16年度に安全水位を下回った日はゼロで、今年度は地下水の減少が顕著だという。
県によると、2016年度の地下水利用量は約1億1000万m3。
このうち、消雪装置での利用は全体の2割を占め、工業用に次いで多かった。
雪が多かった11年度は、消雪装置での利用は全体の4割弱を占めたという。
県環境保全課は、積雪がないときはこまめに散水を止めたり、通常3℃に設定されている作動条件気温を1~2℃下げるなど、節水の具体的な方法を示し、対策を呼びかけている。
出典
『大雪で消雪用増加し地下水枯渇、地盤沈下の恐れ』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180212-OYT1T50029.html?from=ycont_top_txt
(ブログ者コメント)
今冬は寒さ一段と厳しく、過去最高の積雪を記録した地域も多い。
それに伴い、物流の停滞や、それに伴う経済活動への悪影響、あるいは水道管破裂、除雪中の転落や除雪車に轢かれるなどのトラブルが多発している。
2018年2月11日6時23分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
福井県坂井市で今月7日、雪に埋もれた軽乗用車に乗っていた富山県の男性会社員(19)が一酸化炭素中毒で死亡する事故があり、この男性による110番の約6時間前、福井県が県警から現場周辺の立ち往生車両に関する通報について連絡を受けたにもかかわらず、委託先の除雪業者に伝えていなかったことがわかった。
記録を紛失するミスのためで、県はこの結果、男性の発見が遅れた可能性もあるとして、詳しい経緯を調べている。
県警によると、男性は7日午後6時40分頃、坂井市の国道364号で、県の委託を受けた除雪作業員に車内で倒れているところを発見された。
死亡推定時刻は同日正午頃で、高さ約1.5mまで積もった雪で車のマフラーが塞がれ、排ガスが車内に充満したとみられる。
最初の110番は7日午前3時頃。
死亡した男性の車から約1km離れた場所で動けなくなった車の運転手から「自分を含め、6台ほど立ち往生している」と通報があり、県警が県に除雪を要請した。
しかし県は、その際、要請内容を記したメモを紛失し、除雪業者に連絡しなかったという。
死亡した男性は午前9時25分ごろに110番し、「雪に乗り上げた」と伝えたが、県警は「男性は『体調の問題はない』と話しており、周辺の除雪は要請済み」として、改めて県には伝えなかった。
通常、警察や消防に車の立ち往生に関する通報があった場合は県に連絡し、県が除雪業者に場所や台数を伝えている。
当時、県は地元消防に寄せられた別の立ち往生車両の通報に基づき、業者に除雪作業を指示しており、当初の連絡が伝わっていれば、男性を発見できた可能性があるという。
出典
『車立ち往生、除雪業者に情報伝えず…記録紛失で』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180210-OYT1T50134.html?from=ycont_top_txt
2月10日9時59分にNHK福井からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
男性は、発見される9時間ほど前に「雪山に乗り上げ動けない」と110番通報していて、これに対し警察は「除雪業者が向かっているので待っていて下さい」と伝えたということだが、警察はその情報を道路を管理する福井県に伝えていなかったことが、県と警察への取材でわかった。
この現場の近くでは、ほかにも車が立往生していて、県から委託を受けて除雪作業をしていた業者が通報から約4時間後に、偶然、雪に埋もれた男性の車を見つけていたが、外からは車の中の人の姿は見えず、別の車の除雪作業のため、その場を離れたという。
道路を管理する県三国土木事務所は、NHKの取材に対して、「男性からの通報について連絡を受けていれば対応できた可能性がある」と話している。
出典
『一酸化炭素中毒死情報共有されず』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/fukui/3055179241.html
2月10日21時11分に産経新聞westからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県警によると、男性は7日午前9時20分ごろ、「車が雪に乗り上げて動けない。ガソリンは半分ある。JAF(日本自動車連盟)の救出を待っている」と110番した。
現場近くでは、当時、同様の通報が複数あり、既に県の土木事務所に連絡していたため、男性の情報は伝えなかったという。
県警によると、県が管理する道路で異常を把握した際、通常は県に連絡するが、同様の複数事案が同時に起きた場合に逐一報告するよう定めた取り決めはないという。
出典
『死亡男性の110番通報を県に伝えず』
http://www.sankei.com/west/news/180210/wst1802100067-n1.html
2月11日7時30分に福井新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
三国土木事務所が、現場周辺で別の車の立ち往生を7日未明に把握しながら、除雪の指示は正午まで遅れたことが、10日、三国土木への取材で分かった。
当時の除雪対応について三国土木は、国道364号の南側入り口に至る県道が渋滞しており、現場にたどり着ける業者を見つけて除雪を指示したのが正午になったと説明。
「各地で大型車の立ち往生が相次ぎ、国道364号に手が回らなかった」としている。
110番通報を受けた県警通信指令課と坂井署が、男性に一酸化炭素中毒への注意を促していなかったことも判明。
坂井署は通報の約2時間半後から複数回電話したが、つながらなかったという。
男性は滋賀県内を6日に出発、富山県内の自宅に向かっていた。
三国土木から除雪を指示された業者の作業員が7日午後6時40分ごろ、坂井市丸岡町上竹田の国道364号近庄トンネル北側400mの軽乗用車内で発見した。
出典
『車中19歳死亡、除雪指示大幅遅れ 一酸化炭素中毒への注意せず』
http://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/292904
2月11日付で毎日新聞福井版からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
坂井署によると、死亡推定時刻は7日正午ごろで、死因は一酸化炭素中毒と低体温症だった。
男性は7日午前9時20分ごろ、「午前0時ごろ、雪山に車が乗り上げた。JAFを呼んだが、まだ来ない」と通報した。
同署は「除雪車が来たら手を振って合図してほしい」と助言。
先に別の車両から通報を受け、現場付近の除雪を県に要請していたため、男性の情報は県に伝えなかった。
三国土木事務所によると、現場付近には6日未明~7日早朝に除雪車が入っていたが、男性が110番通報した時間帯は業者を手配できずに除雪を中断。
7日午後から再開した。
出典
『車内から110番通報 立ち往生の死亡男性』
http://mainichi.jp/articles/20180211/ddl/k18/040/150000c
(ブログ者コメント)
この日の北陸地方は大雪で、数多くの情報が錯綜していたのかもしれない。
以下は、大雪状況を伝える記事。
(2月7日13時9分 毎日新聞)
37年ぶりに積雪の深さが130cmを超えた福井市では、6日夕方以降にいったん降りやんだが、7日未明から再び降雪を記録した。
・・・・・
福井県北部の国道8号では、坂井市丸岡町一本田から石川県加賀市津波倉町にかけ、約20km区間で午前7時時点で車約1200台が立ち往生。
立ち往生の車両は一時、約1500台に上ったが、やや減少している。
ただ、立ち往生の影響で2人が救急搬送され、5人が臨時の救護所に運ばれた。
重症者はいないという。
・・・・・
出典
『大雪 福井、依然1200台が立ち往生 2人救急搬送』
https://mainichi.jp/articles/20180207/k00/00e/040/278000c
2018年1月30日付で毎日新聞東京版夕刊から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
1月29日14時39分に読売新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
新潟県佐渡市で寒波による水道管の破損が相次ぎ、29日には一時、全2万4112世帯の4割を超す1万656世帯が断水状態に陥った。
市によると、断水は破損した水道管からの水漏れにより水道の使用量が供給を上回ったのが原因で、市内全域に及んでいる。
米山知事による29日の災害派遣要請を受けた陸上自衛隊などが給水活動を続けているが、全面復旧のめどは立っていない。
30日午前8時現在、断水しているのは全世帯の2割近い3970世帯。
市内では、24日に氷点下6.6℃を記録するなど厳しい冷え込みが続いていて、水道管の凍結・破裂が相次ぎ、断水は28日夕ごろから表面化した。
断水の影響で、29日は市内の小中学校36校のうち25校が臨時休校し、30日も7校がトイレの水が確保できないなどの理由で、授業の短縮を決めた。
市内の小売店では、ペットボトルの水などが品薄になっている。
石川県内では29日、能登地方の輪島市など9市町計9000世帯以上で水道管が凍結・破損し、断水したり水が出にくくなったりした。
30日までに順次、解消している地域もあるが、復旧のめどが立っていない世帯も多いという。
県は同日、自衛隊に災害派遣を要請した。
各市町の担当者によると、寒波で水道管内の水が凍結、膨張したため、管にひびが生じたとみられる。
28日ごろから漏水が起き、多くの世帯で水が出なくなった。
各市町は飲料水を配布し、給水車を配置するなど対応に追われた。
出典
『断水 一時1万世帯 寒波で水道管破損 陸自派遣 新潟・佐渡』
https://mainichi.jp/articles/20180130/dde/041/040/038000c
『寒波で水道管が凍結・破裂、1万世帯断水…佐渡』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180129-OYT1T50041.html
2月1日19時34分に毎日新聞からは、空き家や積雪で漏水箇所の確認に手間取っているという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
発生から4日たった1日も、推定437世帯(午後4時現在)が断水している。
市は、ほかの自治体などからの応援も得て復旧作業を急いでいるが、誰も破断に気づかず漏水が続いている空き家が多く、全面復旧にはなお時間がかかる見通しだ。
「目印もない雪の下から水道メーターを探すのは重労働で、正直きつい」。
1日夕、約60戸の水道メーターの確認作業を終えて市役所に戻ってきた男性職員(42)は、雪かき用スコップを置きながらそう漏らした。
断水は、漏水の相次ぐ発生で、供給する水道水が不足したため起きた。
市は漏水箇所の特定に向け、職員らが市内約2万4000世帯のうち漏水している可能性がある家などを一軒一軒まわる人海戦術を展開中。
1日は80人態勢で調査した。
住民らが気づかない場所から水漏れしている場合もあるため、屋外に設置されたメーターを雪の下から見つけ、動いていれば元栓を止めて修理を促す。
しかし、空き家ではメーターの位置を住民に聞くことができないため、一気に作業は滞る。
総務省の2013年調査によると、市の空き家率は20.3%で、全国平均を6.8ポイントも上回る。
65歳以上の高齢者が4割を超えており、人口減少に伴う空き家の増加に加え、離島のため冬場は島外の親族宅などで過ごし不在にする人も多いためだ。
市の担当者は、「冬場だけ島外に住む人は、いちいち閉栓手続きをしない。それが被害を拡大させた」と嘆く。
市は、「隣家で水漏れしていそうだと気づいた場合は、連絡してほしい」と呼びかけている。
出典
『水道管破裂 佐渡で断水長期化 空き家の漏水気づかず』
https://mainichi.jp/articles/20180202/k00/00m/040/063000c
(ブログ者コメント
〇今冬は強い寒波の影響で、25日ごろには関東地方で、2月に入ってからは東北地方などで、水道管の破損多発が報じられていた。
〇広い地域で大規模に水道管が凍結破損したトラブルは、2年前にも九州や山口県で起きていた。
(2016年1月26日12時8分 毎日新聞)
九州・山口地方は強い寒波の影響で、25日夜から26日朝にかけて凍った水道管の破裂や損傷に伴う断水が相次いだ。
毎日新聞の26日正午現在のまとめでは、福岡県を中心に8県で少なくとも計約11万9000世帯が断水しており、多くが復旧のめどはたっていないという。
各県の断水世帯数は、
福岡約8万3000
佐賀約1万7000
山口約 7000
熊本約 6000
長崎約 5000
宮崎約 1000
など。
大分、鹿児島両県でも断水が起きており、各自治体が状況確認を急いでいる。
福岡管区気象台によると、強い冬型の気圧配置は緩んだものの、九州・山口は26日朝も各地で最低気温が氷点下の冷え込みとなった。
各地の最低気温は
大分市で氷点下1.8℃
山口市で 同 0.3℃
大牟田市で同 0.2℃
など。
https://mainichi.jp/articles/20160126/k00/00e/040/204000c
1月27日20時46分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
1月26日付で毎日新聞東京版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
国が策定を義務づけている火山災害時の避難計画について、全国の対象155市町村のうち、策定を終えたのは3割にとどまっている。
23日に噴火した草津白根山(群馬県)周辺の5町村でも、地元・草津町など4町村が未策定だった。
御嶽山の噴火を受け、国は2015年に活動火山対策特別措置法を改正。
111ある活火山の中で、気象庁が24時間観測する49火山周辺の、延べ155市町村が警戒地域に指定された。
九州でも桜島や雲仙岳など9つの活火山があり、24市町村が指定されている。
各市町村は、火山災害に備え、
▽情報収集や伝達手段
▽噴火警戒レベルに応じた避難対応
▽避難施設や避難場所
▽避難経路
▽避難訓練の実施
▽救助態勢
の6項目を盛り込んだ避難計画を作り、地域の防災計画に反映させることが求められた。
だが、内閣府によると、17年6月時点で、6項目が入った計画を策定したのは51市町村(33%)しかない。
草津白根山周辺の指定自治体では、嬬恋村を除き、草津町、高山村など、4町村が未策定だ。
草津町は05年に火山防災計画を作成し、避難訓練や連絡態勢、山頂付近にシェルターを13カ所設けるといった対策を進めてきたが、近隣自治体との調整など事務が追いつかず、法改正後の計画には対応できていないという。
高山村は火山周辺が国有林に囲まれ、登山道は一般開放されていない。
山菜採りで入山する人もいるが、村は「どこで山菜採りをしているか分からない人を対象にシェルターを建てるのは現実味がない」と説明する。
14年に噴火した御嶽山周辺の長野県王滝村。
噴火後、避難経路や避難場所を盛り込んだ防災計画を策定したが、法改正で、より具体的な計画が必要になった。
県危機管理防災課は、「関係団体との調整が必要なほか、登山客やスキー客への情報伝達や避難誘導をどうするか、検討課題は多い」としている。
対象市町村の中には、防災担当職員が1人だったり、火山災害の経験がない自治体が多く、計画の策定は全体的に滞りがちだという。
内閣府の担当者は、「盛り込む内容が多く、自治体だけでは人手が足りないため、国も職員を派遣して取り組んでいる。二人三脚で進めたい」と話している。
出典
『進まぬ火山の避難計画 草津白根山も周辺4町村が未策定』
https://www.asahi.com/articles/ASL1W4VQ1L1WUTIL00H.html?ref=nmail
『草津白根山噴火 進まぬ火山避難計画 群馬・草津町など大半一部欠落』
https://mainichi.jp/articles/20180126/ddm/002/040/118000c
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。