2015年1月22日19時54分にNHK関西NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
1月23日5時23分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
直下型の大地震を想定し、都市部に多い6階建ての鉄筋コンクリートの共同住宅が阪神・淡路大震災の揺れを上回る強さの揺れにどこまで耐えられるかを調べるため、大型の模型を倒壊するまで揺らす実験が22日、京都大学防災研究所や大手建設会社などで作る研究グループによって、兵庫県三木市にある構造物を揺らす実験施設「E-ディフェンス」で行われた。
揺らす建物は、都市部に多い鉄筋コンクリート造り6階建ての共同住宅を10分の3の大きさに縮小した高さ6.5mの模型で、耐震基準は今の基準に相当する。
実験は、阪神・淡路大震災で観測された揺れを上回る強さの揺れを繰り返して、建物がどの程度耐えられるかを調べた。
はじめに、観測された揺れの1.2倍の強さの揺れ(震度7に相当)を入力したところ、10秒近く激しく揺さぶられ、壁にひびが入ったり、コンクリートがはがれたりしたが、柱やはりに大きな損傷は見られなかった。
続いて1.4倍の揺れ(これも震度7に相当)を入力すると、1階と2階の柱が大きく壊れ、むき出しになった鉄筋が折れ曲がった。
その後4回目の揺れで、1階と2階部分がずれ動くようになって倒壊状態になり、阪神大震災で観測された揺れを上回る強さの揺れに繰り返し襲われると倒壊するおそれがあることが分かった。
鉄筋コンクリートの共同住宅の倒壊メカニズムを調べる実験は初めてで、研究グループは、どこからどのように壊れたのか、模型に設置した1000台以上のセンサーのデータを詳しく解析し、地震直後に安全性を速やかに診断する方法や補強技術などの開発を進めることにしている。
今回の実験は、想定を上回る地震が起きた東日本大震災を教訓に、地震による都市部の被害を減らそうと、文部科学省の委託研究で行われた。
過去に都市部に大きな被害をもたらした阪神・淡路大震災では、木造住宅だけでなく鉄筋コンクリートや鉄骨造りの建物も倒壊したり、一部の階がつぶれるなどして大きく傾いたりした。
直後に当時の建設省が行った調査で、神戸市と西宮市、芦屋市で倒壊するなどの被害を受けた3階建てから14階建てまでの20の建物のうち、16棟が昭和56年以前の古い耐震基準で建てられた建物だった。
一方、今の耐震基準で建てられた鉄筋コンクリート造りの建物は、阪神大震災の揺れでも倒壊の可能性は低いとされたが、それを上回る強さの揺れにどの程度耐えられるかは分かっていない。
研究グループの1人で大林組技術研究所の勝俣副所長は、「阪神・淡路大震災の教訓から強い建物を作ってきたが、きょうの実験で、どこまでの揺れに耐えられるかがわかった。実験の結果を分析して、今後の建物の耐震性の向上に結びつけたい」と話している。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20150122/4596301.html
http://www.asahi.com/articles/ASH1Q4407H1QPLBJ002.html?iref=com_rnavi_arank_nr01
(ブログ者コメント)
防災科学技術研究所からのプレス発表資料は、下記参照。
http://www.bosai.go.jp/press/2014/pdf/20141217_01.pdf
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。