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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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20171020630分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事が複数枚の写真付きでネット配信されていた。

 

これまでは「木造」を考えることすらしなかったであろうガソリンスタンドで、木材を扱う発注者自らが耐火木造化を推進したプロジェクトが現れた。

地方都市の再生を見据えた熱意と粘りが、全国で初めての事例を生んだ。

 

林業が盛んな大分県日田市で、地産材を計26.56m3使用した小規模な建物が、全国から注目を浴びている。

 

施工中の写真は、一見、住宅にも見える何の変哲もない建物だが、実は危険物を取り扱うセルフ式ガソリンスタンド(屋外営業用給油取扱所)「日田北サービスステーション」の事務所棟だ。


総務省消防庁によると、木造によるガソリンスタンドは全国で初めてとみられる。

 

日本木造住宅産業協会が大臣認定を取得している「メンブレン型」で1時間耐火の木造を実現した。

 

事務所棟は地上2階建てで、延べ面積は約128m2。

工費は、構造を鉄骨とした場合と同等程度で、約2000万円だ。

国道の拡幅に伴って全面改築し、2016年12月に開業した。

 

ガソリンスタンドに事務所棟のような建築物を計画する場合、壁や柱、床、梁、屋根を耐火構造または不燃材料でつくることや、建築物の窓及び出入り口に防火設備を設けることなどが求められる。

確認申請、消防同意に加えて、危険物取扱所の設置許可申請などの手続きが必要だ。

 

発注者は日田石油販売(日田市)。

同社の瀬戸社長は、日田木材協同組合の理事長でもある。

木造建築の可能性を示し、木材の需要を拡大したいという狙いもあった。

「ガソリンスタンド内の建築物は鉄骨造などが一般的だが、木材以外で建築されるのを残念に感じていた。木造でできないのだとしたら、その理由を知りたかった」と、瀬戸社長は当時の思いを説明する。

 

 

【理論武装で消防と協議】

 

「地元の流通材と地元の大工による施工でつくる」。

これが瀬戸社長の思い描く木造の条件だった。


関連する法規などを調べると同時に、社会人学生として在籍した東京大学時代の恩師である安藤直人・東大名誉教授に真っ先に相談した。

 

安藤名誉教授からの助言で桜設計集団の安井代表にも意見を聞き、メンブレン型を採用すれば、法規と技術の両面から条件を満たす耐火木造が実現できる目算が立った。

 

瀬戸社長は、これらを踏まえ、設計を担当した長澤設計(福岡市)の畑島設計課長とともに、地元の日田玖珠(くす)広域消防組合消防本部と協議を重ねた。

畑島設計課長は、並行して木住協の講習を受け、実施設計も進めていた。

 

協議を始めてから約3カ月後の2016年7月、最終的には消防本部を経由して消防庁に判断を仰ぎ、「違法性はない」との回答を得た。

同年12月の開業は決まっていたため、実施設計と施工は急ピッチで進めた。

 

設計は、木住協の講習で得たメンブレン型のマニュアルに沿って軸組み工法をベースに、床と壁、天井のそれぞれに21mm厚の強化石こうボードを二重張りにした。


軸組みは日田産のスギ材とヒノキ材を使っている。

しかし、木を石こうボードで完全に覆うため、完成すると木造であることは分からない。

 

事務所棟は、確認申請時に構造計算書の添付が義務付けられない建物だった。

だが、石こうボードによる荷重が大きくなることから、木造の構造設計を専門とするきいぷらん(日田市)と協業し、構造計算上も問題がないことを確認しながら設計を詰めた。

 

畑島設計課長は、これまで多くのガソリンスタンドの設計を手掛けた経験があるものの、耐火木造の建築物は、もちろん初めてだった。

「流通材を使用することが前提だったこともあり、鉄骨造のようにスパンが飛ばせない。そのため、柱の位置など構造設計とすり合わせながら進めた。防火区画の貫通部などの納まりにも苦労した」と打ち明ける。

 

2016年9月に着工し、既存の建物の解体や地下タンクの埋め戻し工事を経て、基礎工事が完了したのが2016年10月末。

建物の施工期間自体は1カ月余りだった。

建て方は2日も掛からず完了したものの、耐火構造に仕立てるための施工は、勝手が違った

 

 

【石こうボードは1000枚以上】

 

施工を担当した江藤工務店(日田市)の中野専務は、「使用した石こうボードは1000枚を超えていた。ボードは、1枚を1人で持ち上げるのがやっと。この規模の一般的な木造の現場であれば2人ほどの大工のところ、多いときで7人が入った。耐火被覆のための工程も多く、神経を使う現場でもあった」と笑う。

 

開業以来、建築やエネルギー、林業の関係者からの見学者が後を絶たず、延べ300人にも上るという。

 

瀬戸社長は、「今回は、他店とのデザインの統一性を考慮する必要があったため、木造らしさを残すことは難しかった。今後、木造建築の可能性を広げるためには、設計側から積極的に提案がほしい」と期待を込める。

 

制約が厳しい用途での木造事例が生まれたことで、いつ誰もが非住宅の木造を求められてもおかしくない。

木造は、ついにここまで来た。

 

出典

耐火木造に挑んだ全国初のガソリンスタンド

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO17509720Z00C17A6000000/?n_cid=NMAIL005

 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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