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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2017520137分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。

 

国内でおなじみの貝「サザエ」は実は学名がない「新種」だったことを岡山大の研究者が突き止め、19日発表した。

 

18世紀に欧州の学者が残したスケッチと記述をもとに付いた名が使われていたが、これが実は中国産サザエだったという。

新学名は「サザエ」になった。

 

サザエは、日本、韓国沿岸の種と中国南部沿岸の種に大別され、とげの長さや並び方など、外見で容易に見分けられる。

 

日本のサザエはこれまで、1786年に英国の博物学者が付けた「トゥルボ・コーヌトス」とされていた。

 

しかし、岡山大の福田宏准教授(貝類分類学)が原典をインターネットで調べたところ、そのスケッチは明らかに中国産の特徴を備え、産地も「中国」と書かれていた。

 

以降、1995年までにサザエについて記されたほぼ全ての文献を精査、日本沿岸のサザエには正式な学名がないことを論証した。

 

名前がなかった背景には

①持ち帰られた標本を中心に研究された

②当時、日本は江戸時代で鎖国をしており、日本のサザエが欧州人に入手困難だった

③ネットが普及するまでは、古い文献の閲覧が非常に難しかった

ことなどがあるという。

 

福田さんは、日本沿岸のサザエを「トゥルボ・サザエ」と命名。

16日、国際学術誌に掲載されて正式名になった。

 

「こんな身近な貝に名前がなかったとは思わなかった」と驚いている。

 

出典

『日本のサザエ、「新種」だった 学名あったのは中国産』

http://www.asahi.com/articles/ASK5M5J3ZK5MPPZB00D.html 

 

 

520日付で毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。

 

食用として日本で広く知られている貝類のサザエには正しい学名が付けられず、事実上の新種だったことを、岡山大の福田宏准教授(貝類分類学)が突き止めた。

 

研究者の先入観や思い込みの結果、約170年間も中国産の「サザエ」と混同されたままの状態が続き、学名が空白になっていたという。

 

福田准教授は、今回初めてサザエの学名を「トゥルボ・サザエ」と命名。

日豪共同発行の専門誌(電子版)に掲載され、これで日本の食卓になじみ深いサザエがやっと新種と認定された。

 

福田准教授によると、きっかけは1786年に中国産サザエの学名として定められた「トゥルボ・コルヌトゥス」。

1848年に、日本産を調べた英国の貝類学者リーブは、サザエをコルヌトゥスと混同。

さらに、トゲのないサザエについても、よく似たモーリシャス産の別種のサザエと混同した。

 

1995年になって、日本人の研究グループが中国産サザエをコルヌトゥスと区別して、「新種」のナンカイサザエと命名。

 

一方、日本のサザエはコルヌトゥスに混同される誤解が引き継がれていたが、福田准教授が調べた結果、日本のサザエはこれとは別種で、学名がないことが分かったという。

 

コルヌトゥスは実際にはナンカイサザエのことで、日本産よりもトゲの長さが短く、間隔も狭いなどといった特徴があり、日本のサザエとは全く異なる。

 

福田准教授は、「サザエはアニメの主人公の名前になるぐらい有名なのに、学名がなかったこと自体が驚き。学名を巡って、学者らによる世紀を越えた『伝言ゲーム』が原因になった」と指摘している。

 

出典

『サザエ学名違ったよ 中国産と170年混同、やっと新種と認定 岡山大准教授が調査』

https://mainichi.jp/articles/20170520/dde/041/040/013000c 

 

 

5191823分にNHK岡山からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。

 

食用としてもなじみの深い貝類の「サザエ」にこれまで学名がなかったと、岡山大学大学院の准教授が発表した。
准教授は、過去の研究者たちの思い込みが原因の1つだとしている。


これは、岡山大学大学院環境生命科学研究科の福田宏准教授が19日、記者会見をして発表した。


それによると、これまで「サザエ」の学名として使われてきた「Turbo cornutus」は中国でとれる別の種類の貝「ナンカイサザエ」の学名で、日本などでとれる「サザエ」ではないことがわかったという。


この学名は、もともと1786年にナンカイサザエに対してつけられたが、そのおよそ60年後にイギリスの学者が誤ってサザエをこの学名で呼んだことで、およそ170年にわたって勘違いされていたとしている。


このため福田准教授は、サザエを「Turbo sazae」と新たに命名し、今月16日に、日本とオーストラリアの学会が発行している軟体動物の専門誌の電子版で公表した。
公表によって初めて、サザエに有効な学名がついたという。


福田准教授は、過去の間違いがそのまま信じられてきたことや、「学名がないはずがない」という思い込みが原因の1つだとしたうえで、「生物に関する我々の知識は不完全だということを自覚し、自然界に接するべきだという教訓になり得る」と話している。

 

出典

「サザエ」には学名がなかった?

http://www3.nhk.or.jp/lnews/okayama/4023521101.html 

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

伝言ゲーム、思い込みといったヒューマンエラーによる誤解が長期にわたり続いてきた事例。

事故が起きていない産業現場でも、顕在化していないだけの、同じようなことがあるかもしれない。

 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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