2017年1月21日に掲載した第2報がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第3報修正3として掲載します。
第2報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6678/
(2017年5月25日 修正3)
2017年5月19日付で毎日新聞大分版から、制御機器の異常が原因だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5月19日3時0分に西日本新聞から、5月18日21時12分に日本経済新聞から、5月19日付で産業新聞と朝日新聞大分全県版(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
(新情報に基づき、第1報第2報ともどもタイトルも修正した)
新日鉄住金大分製鉄所は、社内外の専門家で構成する火災事故対策委員会を社内に設置し検証していたが、18日、鋼材を引き延ばす「圧延機」のローラーの制御装置に異常が発生し、高温の火花が発生したことが原因とする検証結果を発表した。
火災では、工場の主電室(地上2階建て、地下1階)から出火した。
同委員会は、再現実験などから、制御装置内の基板が何らかの理由で異常指令を出し、本来は動かないローラーの安全装置が連続作動したことで高温の火花が発生。
内部のアクリル板などを焼き、電気ケーブルを伝って2階や地下にも熱が広がっていき、延焼範囲も広がっていったとしている。
出火部分は「点検の対象」にはなっていなかった。
所内には、この種の制御盤が53あるが、これまでに出火した例はなかった。
異常を起こした部品は、全て取り換える。 (毎日新聞)
今後、すべての制御盤を新品に取り換える。(朝日新聞)
基板上の電子素子が信号を発しているが、それが異常となったと推定している。同種の基板は大分製鉄所内に53あり、厚板工場以外については取り替えを行った。 (産業新聞)
火災発生後、現場周辺に煙が充満したため、出火元が特定できず消火活動に時間がかかったことから、再発防止策として、発火の検知に力を入れる方針。
防犯カメラを設置するほか、制御機器に発煙の検知器をつけ、排煙窓も取り付けていくという。
また、初期消火の強化や延焼防止のため、消火器の増設や、ケーブルが交差する地点に散水システムを設置すること、ならびに異常時に電源を一括して遮断できるシステムに切り替えたりする対策なども実施する。
出典
『新日鉄住金大分製鉄所火災 制御機器異常が原因か 事故対策委検証、再発防止策も 再開は8月上旬 /大分』
http://mainichi.jp/articles/20170519/ddl/k44/040/281000c
『制御装置異常が原因 新日鉄住金大分1月の火災』
http://qbiz.jp/article/109858/1/
『大分の火災、電気盤の発火が原因 新日鉄住金』
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ18I4O_Y7A510C1TJ2000/
『新日鉄住金 大分厚板工場 火災事故と再発防止策 ■一問一答 防災意識・リスク管理強化』
https://www.japanmetal.com/news-t2017051974304.html
一方、5月19日17時37分にNHK大分からは、通報が40分遅れで改善指導を受けたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5月20日付で毎日新聞大分版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
大分市消防局は19日、記者会見を開き、当時の状況などについて説明した。
それによると、製鉄所は午前1時半ごろに設備から出る煙を覚知していたが、同局への通報はおよそ40分後だったという。
後藤予防課長は、「早期通報が被害を拡大させないポイントになる。通報が早ければ被害を軽減できた可能性がある」と述べて、製鉄所からの通報が遅かったという認識を示した。
同局によると、保守員が煙に気付いたのは5日午前1時半ごろ。
社内マニュアルに従い、まず電源を遮断し、その後に消火のため現場に戻ったが、濃い煙のため近づけなかった。
保守員は、同1時35分に社内の保安センターに通報。
センターは社内の自衛消防隊による現場確認を優先し、市消防局への通報は同2時10分になった。
同局は、火災が起きた際には覚知と同時に通報するよう、改善を指導したという。
新日鉄住金大分製鉄所は、「指導については厳格に受け止めている。より早期に通報できるよう、一層、努めていきたい」と話している。
出典
http://www3.nhk.or.jp/lnews/oita/5073542081.html
『新日鉄住金大分製鉄所火災 市消防局調査 通報遅れ指摘、同社を指導 /大分』
http://mainichi.jp/articles/20170520/ddl/k44/040/256000c
(ブログ者コメント)
5月18日付で同社HPに報告書が掲載されていた。
全16ページの報告書中、6ページに下記趣旨の記述がある。
火災報知器発報後、現場でインバータ盤からの発煙を視認した。
9ページと10ページに「推定発火原因」として、下記趣旨の記述がある。
MC盤(圧延機に材料を送り込むローラーを回転させるための動力(電力)を供給、制御する電気盤)内の接触器に対して開閉の指令を出す制御基板が異常な制御指令を出力し、接触器が通電中に開閉動作を繰り返した。
その結果、接触器からアークが継続して発生し、盤内の可燃物(感電防止用のアクリル板等)に引火した。
http://www.nssmc.com/news/20170518_100.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。