2017年5月20日12時32分にNHK秋田から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5月21日12時12分に読売新聞から、5月20日12時9分に共同通信からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
19日午前0時すぎ、湯沢市相川の40代の男性が自宅の寝室で心肺停止となり、救急車が出動。
現場で救急隊がAEDで蘇生処置したが回復せず、救急車で市内の病院に搬送された。
男性は心臓疾患が疑われたため、医師は強心剤として使われる「アドレナリン」の投与を指示したが、本来は救急車に積まれているはずの「アドレナリン」が無く、搬送中に投与できなかった。
病院に運ばれた男性は7分遅れで薬品を投与されたが、到着からおよそ20分後の午前1時ごろに死亡が確認された。
担当の医師からは「薬品が積まれていなかったことと男性の死亡は関連していないと考えられる」と説明されたという。
この消防では、アドレナリンを救急車に積んでおく決まりになっているが、今月、救急車を修理する際に車から降ろして、その後に積み忘れたという。
アドレナリン以外にも、積載する必要があった2種類の薬剤が積まれていなかった。
消防は19日、死亡した男性の家族に謝罪した。
杉山消防長は、「このような事態を招き、深くおわびいたします。管理体制をより徹底し、再発防止に努めます」とコメントしている。
出典
『湯沢 救急車に薬品積まず』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/akita/6013566871.html
『男性搬送の救急車、薬剤積み忘れ投与できず』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170521-OYT1T50032.html
『救急車に薬忘れ蘇生できず、秋田 搬送男性は死亡』
https://this.kiji.is/238499041274839049?c=39546741839462401
(ブログ者コメント)
〇救急車の備品不足事例は過去にもあった。
2011年8月12日掲載
[プチ昔の事例] 2011年7月23日 能代市で救急車が緊急出動した時にAEDの電極パッドがなく、患者に処置できず。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/640/
〇消防本部によって異なるかもしれないが、以前、救急車の備品点検は、出動するたび、帰署後に実施すると聞いたことがある。
仮に、この消防本部でそのようなルールになっていたとしても、修理で積み下ろした後の備品点検は盲点になっていたのかもしれない。
一方、どの消防本部でも、週1回あるいは月1回程度の頻度で定期点検しているはずだ。
今回の事例は8日に積み忘れ19日に使えなかったということだが、その間に定期点検の日が当たっていれば・・・という気もした。
(2017年6月13日 修正1 ;追記)
2017年5月21日付の秋田さきがけ紙面に、降ろす時はチェックしたが積み込む時にチェックを忘れた、薬剤は分けて保管していたという、下記趣旨の記事が掲載されていた。
消防本部は20日、会見を開き、点検の不十分さを認め、謝罪した。
管内に配備されていた救急車7台のうち、薬剤が未積載の車両は他になかったとしている。
同本部によると、今回出動したのは湯沢市の消防署の救急車。
今月8日に車両修理で降ろした薬剤や資機材を12日に積み込む際、分けて保管していた薬剤を積み忘れた。
8日に降ろす際はチェック表に記入する確認作業を行ったのに、12日は、そうした確認作業がないまま、積み込みが行われた。
同本部は、今後、救急車に薬剤などが積載されているかどうかの日常点検を徹底し、改善を図るとした。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。