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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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201412550分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

暮らしに関わる事故の原因究明にあたる消費者安全調査委員会(消費者事故調、畑村洋太郎委員長)は24日、2005年に起きたパロマ工業(現パロマ)製ガス湯沸かし器による一酸化炭素中毒事故で、「経済産業省がとった再発防止策はおおむね妥当」とする評価書を公表した。
06年に同省がまとめた報告書を追認した形で、独自調査はしない。
消費者事故調が最終結論を出すのは初めて。

事故は05年11月、東京都港区で発生。大学生の男性(当時18)が死亡した。
評価書は、事故原因についても経産省の報告書に沿い、修理業者が改造したため安全制御回路が機能せず不完全燃焼が起きたと指摘。
同省内で事故情報の収集体制や担当部署間の連携が不十分だったことが被害拡大につながったとした。
経産省による事故後の対策については、設計見直しや改造防止などの安全対策、事故情報の共有体制強化が図られているとして、妥当だったと結論づけた。

同社のガス湯沸かし器をめぐっては1985~05年、28件の事故で21人が死亡。
元社長らが業務上過失致死罪に問われ、有罪判決が確定した。
 

事故発生から8年余り。刑事・民事の裁判が終結した後に始まった今回の調査で消費者事故調に求められたのは、具体的な再発防止策を示し、実効性ある提言をまとめることだった。
だが、評価書はこうした点にほとんど踏み込まず、結論にあたる「意見」の中で、監督官庁の経産省に業界団体を指導するよう求めるにとどめた。
男性の母は「リコール制度の改善を求めたのに、評価書には具体策がない。調査を申し出たことを後悔している」と話した。

事故後、経産省はパロマにガス湯沸かし器の点検・回収を命じたが今も終わらず、半年に10台のペースで見つかっているという。
評価書は「所感」として、製品回収の困難さに理解を示し、「実効性を高める取り組みが進められることを期待する」としか述べていない。

消費者事故調は一昨年10月、消費者の視線に立った調査を目的に設置された。
具体策なしで理念を語るだけでは、その存在意義が問われる。
回収が進まない原因を指摘し、法整備などの方向性を示す必要があったのではないか。

同事故調は発足時、年間100件の調査を目標としたが、これまで調査対象としたのは7件にとどまる。


出典URL
http://digital.asahi.com/articles/DA3S10943780.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S10943780


また、20141251042分にmsn産経ニュースから、下記の関連記事がネット配信されていた。

向殿政男明治大名誉教授(安全学)の話
「事故の経緯や問題点がよく整理されているが、経済産業省の調査などで既に分かっていることを追認し、いくつか細かい提言をしたという印象で、消費者事故調ならではの新たな視点が伝わってこない。初めての最終報告がこれではやや残念だ。職員が足りず、委員も専従でないなど態勢が十分でない。国土交通省や厚生労働省などの他の調査機関と協力して取り組むべきだと思う」

出典URL
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140125/dst14012510430002-n1.htm



(ブログ者コメント)

○製品安全は本ブログの掲載対象外だが、消費者事故調発足後、初の最終報告ということで、参考までに紹介する。

○記事中、「元社長らの有罪判決が確定した」とあるが、その理由(要約)は下記。
この事故は、製品の出荷時には欠陥がなかったのに、パロマとは資本関係のない契約修理業者が不正改造したために引き起こされた。
・問題の湯沸かし器は、安全のため、電動の強制排気装置が作動したときだけ点火して湯が出る構造だったが、点火不良への応急措置として安全装置を作動させずに点火する「短絡」という改造が横行。一酸化炭素中毒による死傷事故が各地で相次いだ。「欠陥」とまでは言わないが、簡単に改造できた点で製品にも問題があった。
・元社長らは、それ以前にあった同種の死亡事故について報告を受けており、改造された機種がほかにも残っている可能性があることを認識でき、点検・回収も可能だったのに、抜本的な対策を怠ったことが今回の事故を招いた。
http://judiciary.asahi.com/articles/2010080400014.html

○どのような不正改造だったかは、以下の日経BP記事に詳しい。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060718/119237/

 

 

 

 

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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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