2014年1月22日14時30分に読売新聞から、1月22日13時55分に中日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
22日午前10時10分頃、名古屋市中村区のJR名古屋駅新幹線ホームの待合室で、薬剤師の女性(29)が、手提げ袋内の強硝酸入りの瓶(500cc)をいすにぶつけて割り、中の硝酸が足にかかって軽いやけどを負った。
他の乗客や新幹線の運行に影響はなかったが、女性は硝酸を処理しようと、新幹線改札口近くの女性用トイレに持ち込んだため、このトイレが約2時間にわたって使用できなくなった。
また、こぼれた硝酸の異臭で、ホームと改札口の間の階段1か所が約1時間封鎖された。
警察によると、女性は勤務する薬局チェーンの滋賀県の店舗で不要になった塩酸と硝酸を計4本の瓶(いずれも500cc)に入れ、安城市の店舗へ運ぶ途中だったという。
警察は、劇物が新幹線車内に持ち込まれる恐れがあったとして、経緯について女性から事情を聞いている。
濃度10%を超える硝酸は毒劇物法で劇物に指定され、量により運搬方法などが定められている。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20140122-OYT1T00631.htm
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2014012290135512.html
(ブログ者コメント)
硝酸を電車に持ち込んで運ぶことの可否に関し、関係法令には以下のような規定がある。
これらを見る限り、電車に持ち込んで運ぶことは、毒物劇物取締法ではなく、鉄道運輸規程に違反する行為の模様。
(毒物及び劇物取締法)
第11条
3 毒物劇物営業者及び特定毒物研究者は、その製造所、営業所若しくは店舗又は研究所の外において毒物若しくは劇物又は前項の政令で定める物を運搬する場合には、これらの物が飛散し、漏れ、流れ出、又はしみ出ることを防ぐのに必要な措置を講じなければならない。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25HO303.html
(鉄道運輸規程) ※ブログ者注;未だ、このような文体らしい。
第二十三条 旅客ハ自ラ携帯シ得ル物品ニシテ左ノ各号ノ一ニ該当セザルモノニ限リ之ヲ客車内ニ持込ムコトヲ得
一 爆発質、自然発火質、腐蝕質其ノ他危害ヲ他ニ及ボスベキ虞アル物品但シ銃用実包又ハ銃用空包ニシテ二百箇以内(業務上ノ必要ニヨリ銃用実包又ハ銃用空包ヲ携帯スル者ガソノ者ノ専用ニ供スル列車ニ乗車スル場合ハ五百箇以内)、銃用雷管又ハ銃用雷管附薬莢ニシテ四百箇以内、銃用火薬ニシテ容器荷造共一瓩以内及導火線又ハ電気導火線ニシテ容器荷造共三瓩以内ヲ超エサルモノヲ除ク
二 酒類、油類其ノ他引火シ易キ物品但シ旅行中使用スル少量ノモノヲ除ク
三 煖炉及焜炉但シ懐中用ノモノ又ハ直ニ使用シ得ザルモノヲ除ク
四 死体
五 動物但シ鉄道ニ於テ客車内ニ携帯スルコトヲ許諾シタル小動物ニシテ同乗者ニ迷惑ヲ及ボスベキ虞ナキモノヲ除ク
六 不潔、臭気等ノ為同乗者ニ迷惑ヲ及ボスベキ虞アル物品
七 座席又ハ通路ヲ塞グベキ虞アル物品及客車ヲ毀損スベキ虞アル物品
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S17/S17F01301000003.html
ちなみに消防法では、鉄道による運搬は同法の適用除外になっている模様。
第十六条 危険物の運搬は、その容器、積載方法及び運搬方法について政令で定める技術上の基準に従つてこれをしなければならない。
第十六条の九 この章の規定は、航空機、船舶、鉄道又は軌道による危険物の貯蔵、取扱い又は運搬には、これを適用しない。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S23/S23HO186.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。