2014年1月20日10時33分にmsn産経ニュースwestから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
南海トラフ巨大地震が発生した際の石油コンビナート被害について検討する大阪府の検討部会(部会長・室崎益輝神戸大名誉教授)が20日、これまでの部会でまとめた石油類の流出被害を防ぐための対策案を明らかにした。
昨年11月の部会では、津波などにより府内のコンビナートが最大約5m浸水し、石油類のタンク1076基のうち最大で440基が津波で移動するなどの被害を受けると想定。
タンク237基がある大阪北港地区(大阪市)で最大2.7万kℓ、818基がある堺泉北臨海地区(堺市など)で同1.7万kℓの、計4.4万kℓが流出するとの被害予測を出していた。
この日の部会では、両地区で、石油タンカーとタンクをつなぐパイプを固定した桟橋が被害を受けるなどして、陸上・海上火災が発生する可能性も指摘された。
これらの被害対策のため、
○石油類のタンクに漏洩検知装置を設置する
○タンクを管理する非常用電源を高台に設置する
○コンビナート敷地内の駐車車両が津波によって流されて発火した場合、流出した石油類に引火することを防ぐために高台に駐車場を設ける
などの対策案が示された。
一方、堺泉北臨海地区は都市ガスの生産拠点があり、操業が止まれば、近畿2府4県内の供給力が75%低下する。
アンモニア生産の全国シェアは45%、化学繊維や合成洗剤の原料になるエチレンも5%を占めており、日本全体の経済活動への影響も懸念される。
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/140120/waf14012010370016-n1.htm
2014年1月20日付で読売新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
南海トラフ巨大地震で想定される大阪府内の石油コンビナートの被害対策などを検討する府の有識者部会は20日、石油類の流出量や火災、爆発の可能性などの被害想定と対策についての報告を公表した。
報告は、津波による石油類の流出などで「連鎖的に災害が拡大する」とし、「堤防設置など津波浸水を防ぐ方向に施策を転換すべきだ」と提言。
府は3月にコンビナート関連の防災計画を修正し、事業者に対策を促していく。
同部会は、東日本大震災で起きたコンビナート火災などを受け、大阪北港地区や堺泉北臨海地区の被害を想定。
タンクの破損などで、最大4.4万kℓの石油類が流出、タンクの爆発や陸上・海上火災が発生し、周辺地域に影響を与える可能性を指摘した。
また対策として、
○油の漏えいの検知装置の設置
○油の流出を自動的に防ぐ緊急遮断弁の取り付け
○非常用電源を高台に設置
○駐車車両が発火した場合に石油への引火を防ぐための漂流対策
などの案が示された。
出典URL
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20140120-OYO1T00652.htm?from=main4
(ブログ者コメント)
○これまでの部会議事録や配布資料は下記参照。
検討の経緯などが詳しく掲載されている。
http://www.pref.osaka.lg.jp/hoantaisaku/bousaikeikaku/higaisotei-bukai.html
○「高台に駐車場を設置する」という報道が気になり調べたところ、資料4には「駐車車両の浸水、漂流対策を講じる」とのみ記載されていた。(3/8ページ)
○災害拡大防止施設としては、非常用電源以外、電気室や制御室なども考えられる。
そのあたり議論されたのだろうか?と思い、調べたが、下記以外の情報は、ブログ者が調べた範囲では、見つからなかった。
[第2回 資料2]
・津波波力による破損だけでなく、水に浸かった段階で使えなくなる防災資機材等の被害も考えておくべき。
[第3回 資料1]
・化学プラントの二次災害を防ぐため、安全停止設備の機能がどのようになっているかを把握することが大事。
(パージ用の窒素の容量、安全停止設備の耐震性など)
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。