2016年4月25日22時1分にNHK関西NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
京都に本社を置く「ワコールホールディングス」は、子会社が販売するパジャマに、火がつくと瞬時に広がる「表面フラッシュ」という現象が起きるおそれがあるとして、1万枚余りの自主回収を進めていると発表した。
「ワコールホールディングス」によると、自主回収しているのは、おととし10月からことし3月にかけて子会社が直営店などで販売した「ウンナナクール」というブランドのパジャマのうち、5品目あわせて1万135枚。
これらのパジャマは、生地の表面の綿をけばだたせているが、火がつくと瞬時に燃え広がる「表面フラッシュ」という現象が起きるおそれがあるという。
「ワコール」は、購入した人から「ガスコンロの火がついてすぐに燃え広がった」という指摘を受けて、3月末に販売を中止し、自主回収することを決めた。
けが人の報告はなく、これまでにおよそ1500枚を回収し、返金したという。
「ワコール」は、「多大なご迷惑をおかけし深くおわび申し上げます。安全管理の徹底に努めます」としている。
出典
『ワコール パジャマを自主回収』
http://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20160425/4846751.html
4月25日21時34分に読売新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
実際に着火したケースを6件確認したが、現在のところ、けが人は出ていないとしている。
生地の品質検査をワコール側が怠っていたという。
3月29日に自社のホームページなどで不具合を報告し、商品の回収を始めたが、現時点で約1500枚にとどまっている。
『ワコール、子会社販売のパジャマ約1万枚を回収』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20160425-OYT1T50100.html
(ブログ者コメント)
表面フラッシュ現象については、社)カケンテストセンターHPの下記記事参照。
『表面フラッシュ試験』
「表面フラッシュ試験」とは、「生地に表面フラッシュ現象が発生する度合い」を調べるものです。
起毛された衣料品などを着用して炎に近づくと、炎が生地表面の毛羽から毛羽へと急速に伝わって、炎が走るような現象を起こすことがあります。
このような現象を、「表面フラッシュ」現象といいます。
綿や麻、レーヨンなど、セルロース系の繊維は、いわば紙と同じ分子構造を持っているため、燃えやすい物質の一つです。
起毛されることにより、毛羽部分は空気との接触面積が大きくなり、着火すると瞬時に燃えてしまいます。
表面フラッシュの炎は、明るいところでは殆ど目立たず、気付くのが遅れると、地組織まで延焼して思わぬ事故を招いたり、自分が着用している衣服を伝わっていくフラッシュの炎に驚いて持っていた鍋などを落としたり、慌てて転んだりといった、二次災害を招く危険があります。
http://www.kaken.or.jp/exam4qc/surface_flash/
『クレーム事例集 表面フラッシュ』
冬になると、起毛加工を施した衣料品が多くなります。
綿やレーヨンなどの起毛した部屋着を着たまま、ガスレンジで料理することもあると思いますが、誤って炎に触れてしまうと、あっという間に燃え広がり、大きな事故につながる可能性があるということをご存じですか?
そこで、今回は、カケンの「商品情報ファイル(クレーム編)」の中から”表面フラッシュ”の事例を引用し、紹介します。
※ブログ者注記 ;個別事例の転載は省略する。
http://www.kaken.or.jp/complaint/0301/
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。