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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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20179231828分に日本経済新聞電子版から、ヤマカガシは毒を餌のヒキガエルから得ているという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

日本で毒ヘビといえば、マムシやハブが真っ先に頭に浮かぶが、今年7月に兵庫県で小学生がかまれたのは、ヤマカガシとみられる毒ヘビだった。

意識不明になり、病院で血清を注射し回復した。

 

ヤマカガシは2種類の毒を持つ珍しいタイプで、その一つはエサのカエルから得ている。

毒は母から子に回せることなどが、近年の研究で分かってきた。

 

厚労省のデータによると、日本では毎年5~10人程度がヘビにかまれて死亡している。

大半はマムシの被害で、ハブやヤマカガシで亡くなるのは、1人いるかいないかだ。

 

ヤマカガシは、北海道や南西諸島などを除く各地にいる。

成長すると体長60~150cmになる。

色は、地域や個体の差が大きい。

関東などでは赤と黒の斑紋を持つタイプが多い。

近畿では斑紋のない緑色っぽいタイプ、中国・四国では青みがかったタイプも多い。

 

水田や河川付近などに生息し、主食はカエル。

小魚やトカゲなども食べる。

 

昔から身近にいたヤマカガシが毒ヘビだと一般に知られるようになったのは、1970年代だ。

「普段はおとなしく、手を出さなければ、ほとんどかまれることはない。かまれても毒が体に入らないことも多いため、毒がないと思われてきたのだろう」と、日本蛇族学術研究所の堺淳主任研究員は指摘する。

 

現在は、口の奥と首の後ろに毒を持つことが知られる。

牙から出す毒で、捕まえた獲物を弱らす。

マムシなどは毒牙が顎の先端についているのに対し、ヤマカガシは口の奥の大きめの歯から毒を出す。

少しかんだだけでは毒は入らないが、毒の強さはマムシの約3倍、ハブの10倍といわれる。

 

かまれて毒が体内に入ると、全身の血管で血液が固まるよう促される。

もともと体内にある凝固因子が使われ、止血能力が極端に下がる。

皮下や内臓からの出血、急性腎不全や激しい頭痛などを起こす。

 

一方、首の毒は敵から身を守るためにある。

首の皮膚の下に「頸(けい)腺」と呼ぶ器官が2列で10数対並ぶ。

世界でも、ヤマカガシとその近縁類しか持っていないという。

 

腺といっても、管で皮膚の表面とはつながっていない。

頸腺の中は毒成分が入った細胞が詰まっており、外から圧力を受けると中身がはじけ飛ぶ。

 

猛きん類やイタチ、タヌキなどの敵に遭遇したヤマカガシは、防御のため、お辞儀をするように頭を下げ、首を相手にみせる。

ときには首を敵に打ちつける。

 

毒成分は「ブファジエノライド」という化学物質で、心臓の働きを強める作用がある。

これはヒキガエルの「ガマの油」と呼ばれる分泌物と同じで、ヒキガエルをくわえた犬が泡を吹いて倒れたとの報告例もあるという。

 

この毒の研究を長年続けているのが、京都大学の森哲准教授だ。

毒成分はヒキガエルと同じでも、どうやって作られるのか不明だったからだ。

 

実験で、自ら作るのではなく、餌のヒキガエルから取り込んでいることを解明した。


ヤマカガシの子に、餌としてヒキガエルを与える群と、毒のない別のカエルを与える群などに分け、頸腺に毒が出てくるか調べた。

毒が出たのは、ヒキガエルを与えた群だけだった。

 

ヒキガエルがいない島、金華山(宮城県)にすむヤマカガシにも着目した。

防御反応を調べると、首をみせずに逃げた。

 

しかし、金華山生まれのヤマカガシにヒキガエルを与えて育てると、次第に首をみせるようになった。

森准教授は、「ヤマカガシには、自らの首に毒があるか知る方法があるのではないか」と推測する。

 

首の毒は母から子に譲り渡せることも、森准教授らの研究で判明した。

ヒキガエルの毒成分に微妙な違いがあるのを利用した。

妊娠中のヘビを捕まえ、化学物質の種類を調査。

生まれた子に、それと異なる種類の化学物質を持つヒキガエルを与えて育てると、2種類とも備えるようになった。

 

ヒキガエルの多い地域は母の頸腺にある毒の量も多く、生まれつき頸腺に毒を持つ子の割合も多かった。


電波発信機をつけた実験で、妊娠したヤマカガシは、遠くてもヒキガエルの多い場所まで出向く傾向があると分かった。

最初から首に毒を持つ子は生き残れる確率が高まるため、こうした行動を取ると考えられる。

 

近縁種でも研究が進む。

森准教授は、「中国のミゾクビヘビも毒が詰まった頸腺を持つが、主食は毒のないミミズ。毒を持つホタルを食べて毒を得ている可能性があると分かった」と話す。

8月に京都で開かれた国際学会で発表した。

 

頸腺は一部のヘビで進化してきた不思議な器官だ。

妊娠したヘビがどうやって体内の卵に毒成分を送り毒を持つ子を産むのかなど、まだ謎が多く残っている。

 

出典

ヤマカガシ、首にも毒 餌のカエルから取り込む

https://www.nikkei.com/article/DGXLZO21422490S7A920C1MY1000/?n_cid=NMAIL005 

 

 

 

一方、2017922811分に産経新聞westからは、ヤマカガシ用の血清が無くなるかもという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

かつて水辺や田んぼに広く生息していた毒ヘビ「ヤマカガシ」。

今年7月には福岡県と兵庫県で小学生の男児がかまれ、血清治療で回復したが、その血清がなくなるかもしれない。

 

自然環境の変化による個体数の減少で、製造に必要な毒を集めるのが難しい上、重症化することはまれで、採算性の低さも要因だという。

 

ヤマカガシは本州や四国、九州に広く生息。

毒で重症化すると頭痛や脳内出血を起こし、最悪の場合、死に至ることもある。

 

「他のヘビより血清の効果は高いのに、受傷例が少なく、血清を製造しても採算が取れない」と、日本蛇族学術研究所(群馬県太田市)主任研究員の堺淳さん(62)。

 

ヤマカガシの血清は、同研究所が約30年前に初めて作った。

昭和59年に愛知県で中学生が死亡し、遺族が研究費を寄付してくれたことが契機だったという。

 

現在使用されている血清は17年前のもので、劣化を考えると再製造は不可欠。

血清を作るには数100匹を捕獲して毒を採取しなければならないが、環境変化でヤマカガシそのものが減っている。

 

堺さんは、中国産のヤマカガシで代用する研究もしているが、研究費不足などから思うように進んでいない。

「厳しい状況だが、万が一の備えを絶やしてはいけない」と話した。

 

出典

『毒蛇「ヤマカガシ」の血清がなくなる!? 個体減少の上、採算性も要因 中国産代用の研究もしているが…』

http://www.sankei.com/west/news/170922/wst1709220016-n1.html 

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

〇7月に兵庫県で咬まれた事例は本ブログで紹介スミ。

その関連情報として紹介する。

 

〇エサから毒を得る動物としては、他にフグがいる。

詳細は下記記事にコメントとして付記スミ。

20151113日掲載

2015116日 長崎県松浦市で自分で採ってきた巻貝のキンシバイを10数個食べた男性がテトロドトキシン中毒で意識不明の重体

http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5367/

 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
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