2020年10月22日11時0分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
インターネットなどを通じて買った中古のパソコンや家電から出火する事故が相次いでいる。
フリーマーケットアプリなどで個人間の取引も広がるなか、売り手の改造や欠陥によるリコールを知らずに購入していたケースが目立つ。
購入時には、製品の情報をしっかり確認する必要がある。
国民生活センターによると、関東地方の20代女性は2019年にフリマアプリで中古の冷蔵庫を購入し、自宅で使っていたところ、6月に突然、冷蔵庫の背面から出火した。
家族で消火してけがもなかったが、一時は40センチほどの炎が上がったという。
製品評価技術基盤機構(NITE)が9月にまとめた調査結果によると、2015~19年度に発生した中古品の事故のうち、266件(82%)は製品からの出火などによる火災だった。
中には、死亡(11件)や重傷(14件)に至った重大なケースもあった。
事故があった製品別ではパソコン(32件)が最も多く、石油ストーブ(25件)、冷蔵庫(19件)が続いた。
中古品の入手方法は、譲渡が最多の42%を占め、購入ではリユースショップ(25%)やインターネット(11%)が多かった。
電気ストーブの事故では、電源コードを別のコードとつないだ改造部分が接触不良を起こして発火していた。
ネットオークションで購入したノートパソコンが燃えた事故は、非純正のバッテリーの異常発熱が原因だった。
リコール対象と知らずに購入した洗濯機から出火した事故もあった。
フリマアプリでも多くの電化製品が売買されるなか、メルカリは9月から、製品の欠陥によるリコールがあった場合に購入者らに注意喚起する取り組みを始めた。
メーカーの情報を基に購入者や出品者にリコールを伝え、対象製品が出品されている場合は削除する。
ネットの個人間取引で製品の安全性を第三者が確認するのは難しく、こうしたメルカリのような動きはまだ珍しい。
NITEは、買い手側に修理・改造の履歴などを確認するよう呼びかける一方、売り手側にも「自分で修理・改造した製品は提供しない」、「リコール対象製品でないことを確認する」といった対応を求めている。
製品安全に詳しいMS&ADインターリスク総研の伊納正宏上席コンサルタントは、「製品についての情報を多く持っている売り手側の対応が重要だ。リスクについて適切に情報提供することが事故の削減につながる」と指摘している。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65302460S0A021C2CE0000/?n_cid=NMAIL007_20201022_Y
(ブログ者コメント)
ネタ元と思われる資料は下記。
『中古品に潜む危険!リユース時の注意 ~安全で持続可能な社会を目指して~』
(令和2年9月24日(木)製品評価技術基盤機構 プレスリリース)
フリマアプリ※1などの登場により、個人間の物品の売買が気軽にできるようになりました。
また、おうち時間を活用するなどして、断捨離を始める方も少なくありません。
製品のリユース(再使用)を促進することは、限られた資源を有効活用するとともに廃棄物の発生抑制につながり、環境への負荷の少ない持続可能な社会の形成に貢献します。
一方で、中古品※2を使用することで思わぬ事故が発生しています。
特に、製品の使用状態など入手前の情報が得られず事故に至るおそれに気がつくことができなかったために、発生している例もあり注意が必要です。
NITE(ナイト)は、事故の未然防止のため、中古品の事故について注意喚起します。
2015年度から2019年度までの5年間にNITEに通知のあった製品事故情報※3のうち、中古品の事故は合計325件※4確認されました。
そのうち死亡事故は11件(12人)、重傷事故は14件(14人)発生しています。
品目別では家庭用電気製品での事故が多く、特にパソコンで32件の事故が発生しています。
また、入手方法別では、譲渡された製品による事故が最も多く発生しています。
中古品の事故を防ぐためには、提供する側、入手する側のそれぞれで気を付けるべきポイントがあります。
中古品を提供する側として、修理・改造した製品やリコール対象製品などは譲渡や売却をしないこと、製品を選ぶのに必要な情報を伝えることなどが重要です。
また、中古品を入手する側として、リコール対象製品でないことを確認する、製品の製造年や製品に破損や変形などの不具合が発生していないことを確認するなどして、事故を未然に防ぎましょう。
■事故事例
○譲渡された電気ストーブの電源コードが途中で切断され別のコードが接続されていたため、接続部が異常発熱し、出火した。
○リユースショップで購入した電気洗濯機がリコール対象製品であり、不具合のあったコンデンサーが内部ショートを起こして出火した。
○インターネットで購入した中古品のノートパソコンを充電中、非純正品のバッテリーパックが内部ショートし、出火した。
○譲渡された扇風機の内部配線が長期使用による劣化で断線し、スパークが生じて出火した。
■事故を防ぐポイント
●提供する側(譲渡、売却などする場合)
○提供者自らが修理・改造した製品は提供しない。
○製品がリコール対象製品でないことを確認する。リコール対象製品だった場合は、提供を止め、事業者に連絡する。
○非純正バッテリー※5を取り付けた製品である場合は、その旨を伝える。
○製品の製造年数を伝えるとともに、異常など不具合のあった製品は提供しない。
●入手する側(譲受け、購入などする場合)
○製品の修理や改造の履歴を確認した上で判断する。
○製品がリコール対象製品でないことを確認する。また、入手した製品がリコール対象製品だった場合は、使用せず事業者に連絡する。
○非純正バッテリーが製品に取り付けられているかどうかを確認し、取り付けられていた場合は、製品本体の事業者などのホームページで事故情報などの注意喚起が掲載されていないか確認する。
○製品の製造年数や製品に破損や変形などが生じていないか確認する。
(※1) インターネット上で、フリーマーケットのように物品の売買を行えるスマートフォン用のアプリ。
(※2) 本資料では、中古品販売店で購入したもの、インターネットオークション及びインターネット通販で購入した中古品、譲渡された物、中古住宅などに既設で設置されていたものなどを「中古品」と呼ぶ。
(※3) 消費生活用製品安全法に基づき報告された重大製品事故に加え、事故情報収集制度により収集された非重大製品事故やヒヤリハット情報(被害なし)を含める。
(※4) 重複、対象外情報を除いた事故発生件数。
(※5) 非純正バッテリーとは、いわゆる互換品として販売されている他社製のバッテリー製品を指す。
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2020fy/prs200924.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。