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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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202010241030分にYAHOOニュース(中国新聞)から下記趣旨の記事が、排水トンネル出口で汲み取っている写真付きでネット配信されていた。

 

山口県周南市最大の都市公園である周南緑地の地下に旧日本軍が建設した原油備蓄の巨大なタンク跡から、今も油が流出している。

 

地中の残存量やしみ出す経路は不明。

付近の衣川に流れ込み、漁業関係者を悩ませている。

 

大がかりな土壌改良には巨額の費用がかかり、市は日々の回収で対応するしかないのが現実だ。

 

 

■ひしゃく使い水面の油回収

 

高層マンション群に面した衣川につながる排水トンネル。

市から委託を受けたシルバー人材センターの男性2人が、ひしゃくを使って水面に浮いた油を回収した。

 

トンネル内は油の臭いが充満。

男性の一人は10リットルほどを専用のドラム缶に移し、「今日は少ないね。大雨の後は回収が追いつかないこともある」と話した。  

 

市によると、油の流出量は冬場に少なく、気温が高い夏場の降雨後に増える傾向だという。

 

衣川には複数のオイルフェンスを設置しているが、大雨で増水すると、下流の櫛ケ浜港にも油膜が広がることもある。  

 

山口県漁協周南統括支店の藤村統括支店長は、「魚が油臭いなどの風評が一番怖い。温暖化に伴う夏場の豪雨などで油が流出しやすくなっているのではないか」と受け止める。

 

今年は櫛ケ浜港で少なくとも5回、油膜を確認した。

その度に、市職員たちと油の処理に追われるという。

 

 

■備蓄のために12基設置

 

戦時中、旧海軍は1942年末までに現在の周南緑地に原油を備蓄するための巨大な地下タンクを12基建設した。

 

徳山大が1989年に発行した「徳山海軍燃料廠(しょう)史」によると、タンクは直径88メートル、深さ11メートルの円形。

5万トンの原油や重油を貯蔵できた。

それぞれが地下道でつながり、油送管で沿岸部の燃料廠にも直結していた。  

 

戦後は国有地として管理され、48年には地上で耕作中の一人が死亡する爆発事故も起きた。

 

燃料廠跡地に進出した出光興産を中心に石油化学コンビナートが形成されると、国は公害対策で68年度から都市公園を整備。

同時に地下タンクを埋め戻した。

 

ただ、市公園花とみどり課の河村課長は、「油を完全には除去できず、地下道などに一部が残ったままになっているのだろう」とみる。

 

 

■大規模工事「財政面で難しい」

 

国は59年から市に周南緑地を無償で貸し付けている。

現在は陸上競技場や野球場などがあり、市民スポーツの拠点になっている。

 

山口財務事務所管財課の原課長は、「国有地だが、公園管理者である市が適切に維持管理するものだと考えている」と説明する。  

 

戦後75年の今も戦時中の「負の遺産」が地域に影響を及ぼしている。

 

周南市の佐田副市長は、「問題解決のために地下を掘り起こす大規模な工事は財政面から現実的ではない」と厳しい表情。

「漁業者や周辺住民に迷惑が掛からないよう、日々の回収作業はこれまで以上に気を配りたい」と述べる。

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/838c8fbdf1ea66c0a28e50e6323c9326d6c942e8

 

 

(2021年5月26日 修正1 ;追記)

20215242013分に読売新聞からは、水路上で汲み上げている写真や流出経路図付きで、同趣旨の記事がネット配信されていた。

徳山海軍燃料廠の原油備蓄施設があった山口県周南市の周南緑地で地下から油が流出し続け、市が対応に追われている。

タンクに貯蔵されていた油は戦後に回収されたが、一部がまだ残っているのが原因とみられる。

現時点で抜本的な解決策はなく、人海戦術で地道に回収する作業を余儀なくされている。

19日午前、周南緑地東側近くを走る道路沿いの水路(通称・衣川)に、市の委託を受けたシルバー人材センターの作業員がひしゃくで水面に浮いた油膜をすくったり、中和剤を散布したりする姿があった。

幅約2メートルの水路にはオイルフェンスが設けられており、作業員がほぼ毎日確認に訪れ、油が浮いていれば回収作業にあたる。

油は緑地の下から水路につながる地下排水溝から流れてきており、排水溝に近づくと油の臭いが鼻をつく。

市によると、回収できる量は年2立方メートル程度。
気温が高い時期や雨の後に量が多くなるといい、作業員は「今年は梅雨入りが早かったので、これから油が多くなるだろう」と気をもんだ。

       

燃料廠跡地は戦後、民間に払い下げられ、出光興産などの企業が進出し、現在のコンビナートへと発展した。

貯油タンクも使われなくなり、国の公害防止事業団が1968年から緩衝地帯として周南緑地の造成に着手し、埋め戻された。

市によると、油流出が始まった時期ははっきりしないものの、周南緑地ができた頃にはすでに見られていた。

現時点では異臭が漂ったり、魚が死んだりといった周辺環境への影響は報告されていないが、大雨後は約1・4キロ離れた櫛ヶ浜港に流れ出ることもある。

       

市はこれまでも調査を行ってきたが、どの部分から油が地下排水溝に漏れ出しているのか、原因は特定できておらず、具体的な解決策は見つかっていない。

地下排水溝をふさごうにも、行き場を失った油が別の場所から流れ出るリスクがあり、実効性は乏しいという。

周南緑地のほとんどは国有地で、国が市に無償で貸している。

財務省山口財務事務所は、「市が引き続き適切に維持管理すると承知している」として、油流出の対応は市に委ねる姿勢を示す。

市公園花とみどり課の河村課長は、「今のところ、根本的な対策はない。市民生活に影響が出ないよう、回収を続けるしかない」と話している。

【徳山海軍燃料廠】

旧日本海軍の燃料製造工場。
徳山市史などによると、貯油タンクは、旧日本海軍が1936年から現在の周南緑地にあった軍用地の地下に建設。
鉄筋コンクリート製のタンク(直径88メートル、深さ11メートル、貯蔵量5万トン)が12基造られた。
互いを結ぶ配管があり、約1キロ離れた沿岸の工場とも油送管でつながっていた。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20210523-OYT1T50152/  

 

 

  

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
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