2019年11月7日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
(1/3)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/10161/
(2/3)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/10162/
(3/3)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/10163/
(2019年11月14日 修正1 ;追記)
2019年11月7日16時50分に琉球新報からは、ブレーカーは自動で落ちる仕組みだった、施錠後はモニター監視だったなど、下記趣旨の補足的記事がネット配信されていた。
財団側は6日の会見で「30日午後9時35分ごろに正殿を施錠し、ブレーカーは自動で落ちる仕組みだった」と修正した。
また財団によると、30日の施錠後は奉神門2階のモニター室で警備員が防犯カメラを監視した。
正殿内には人の侵入と熱を感知するセンサーが設置されているが、夜間は真っ暗となるため施錠後の内部の様子は視認できなかった。
警備員は11月1日に予定されていたイベントの関係者が御庭(うなー)から退去した31日午前1時5分の後、奉神門から南殿にかけて巡回した。
正殿は外部から目視しただけだった。
施錠後に正殿内の巡回をしない理由について、西銘事務局長は「施錠されていて誰も入れないので大丈夫との認識だった」とした。
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1021739.html
11月7日18時0分に沖縄タイムスからは、国が所有者で県に管理が移管され運営は財団が行っていた、夜間訓練はこれまで実施されていなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・・・
首里城を整備した所有者の国によると、「正殿復元はできるだけ昔使われた材料と伝統的な工法を用いて、往時の姿に戻していく」考えが基本にあった。
法律を順守し、「厳正な復元を目指した」とスプリンクラーが設置されなかった経緯を説明。
消火設備の妥当性については、「法律を順守した」との立場だ。
新たな設備の設置や、100万円以上の修繕は、所有者の国が担う。
今年2月、国から首里城正殿などの有料施設の管理を移管された県は、「既存施設の管理を移管された」と主張。
県から指定管理を受け、実際の管理運営を担う沖縄美ら島財団は、「(既存の)設備を前提に、指定管理を受けているので、これを最大限に活用して対処する」との立場。
県も財団も、スプリンクラーなど、屋内の出火に対応する自動消火設備の検討はしてこなかった。
・・・・・
幹部は「大家さんは国だ」と例え、「スプリンクラーなど、勝手には新しい設備は付けられない」と、所有者と管理者の関係性を説明する。
設備の新設では大きな権限を持つ国だが、防火訓練や消防計画の策定は、財団が行い、県が確認している。
財団は、夜間を想定した訓練をこれまでに実施していない。
県幹部は「消防署に計画を出し、消防隊員立ち会いで訓練を実施しており、これまでに特段の指摘は受けていない」とする。
県も、財団に対し、夜間訓練の実施を指導しておらず、閉館後の火災は、盲点だった。
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/494728
11月7日19時11分にNHK沖縄からは、警備員は消火器も持たずに駆け付けた、煙反応センサーは火元の1階にはなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
首里城で起きた火災では、当日の午前2時半すぎに、正殿1階に取り付けられていた熱を感知するセンサーが反応して、警備員が現場に駆けつけ、正殿北側側面のシャッターを開け内部からの煙を確認しました。
関係者によりますと警備員は、当時の状況について、「火災ではなく外部から何かが侵入したと思った」と話し、侵入者などの熱でセンサーが反応したと思い、消火器を持って行かなかったということです。
3階建ての正殿には各階にセンサーが設置されていますが、煙に反応するセンサーは火元の1階にはありませんでした。
防火技術者協会の鈴木弘昭理事は「煙は火災の初期、炎の温度が低いときからたくさん出る。煙を感知するセンサーを各階に設置していればもっと早く発見し、早く消火できた」として、初期消火の体制の不備が延焼につながったと指摘しています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/okinawa/20191107/5090008392.html
11月8日8時20分に琉球新報からは、LEDライト用に分電盤からひかれた延長コードならびに床下配線に短絡痕だったかもしれない溶融痕が見つかったなど、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
那覇市消防局は気系統設備が最も集中している正殿北東の部屋が出火場所とみており、その部屋の分電盤の床下配線と、分電盤側面のコンセントに取り付けられていた延長コードが見つかった。
その両方に、溶融痕があったことを明らかにした。
溶融痕は周辺の火災熱によって配線の断面が溶けて球形上の塊ができるものだが、機器が出火した際にできる短絡痕である可能性もある。
市消防によると、床下配線には1カ所の熔融痕が確認された。
火災前は3~4メートルの1本のコードだったとみられる延長コードは、焼けて数センチごとの細切れの状態で見つかった。
30カ所以上の熔融痕が確認された。
当時、正殿内の照明などへ配電するブレーカーは落ちていたが、延長コード側のブレーカーは通電していた。
延長コードには二つの発光ダイオード(LED)ライトが接続されていた。
関係者によると、延長コードは国から県に管理が移行した今年2月以降に設置。
同月に正殿裏手に位置する御内原エリアが開園し、正殿内の順路が変更されたため、足元を照らすための措置だったという。
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1022120.html
(ブログ者コメント)
〇沖縄タイムスの記事中、国と県と財団の関係が解説されているが、こういった施設では、しばしば、どこが責任もって管理するのか・・・という話しになる。
今回首里城の場合、スプリンクラーや煙感知器などの設置は設備オーナーである国が、夜間の防災訓練は運営を委託された財団が、それぞれ責任を持つ立場だったのではないだろうか?
〇同じNHK沖縄の記事中、「煙に反応するセンサーは1階にはなかった」とあるが、裏を返せば、他の階にはあったということだろうか?
もしあったとすれば、どういう考え方で煙感知センサーの設置場所を決めたのだろうか?
(2019年11月25日 修正2 ;追記)
2019年11月22日16時7分にNHK沖縄からは、警備員は人感センサーが作動したので侵入者だと思い警戒しながら現場に向かったので時間がかかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
首里城の火災に関して22日、県議会で2回目となる議員への説明会が開かれました。
この中で沖縄美ら島財団の古堅常務理事は、建物のセンサーが反応してから消防への通報までに7分間かかったことを問われ、「熱センサーではなく、人感センサーが鳴ったため、警備員が『人の侵入があった』と想定して、正殿の方に警戒をしながら進んでいった」と述べ、火災ではなく、不審者の侵入だと思って対応したため時間がかかっていたと説明しました。
その上で古堅常務理事は、「当初から火災報知器が鳴れば、走って行けたかもしれないが、今回は『人の侵入』ということだったので、これぐらいの時間が通報までにかかってしまった」と釈明しました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/okinawa/20191122/5090008536.html
(ブログ者コメント)
人感センサーについて調べたところ、以下のメーカーの説明が図解付きで分かりやすかった。
ポイントのみ転記する。
(大光電機HP)
当社で採用している人感センサーは、PIR(Passive Infra Red)赤外線センサーです。
周囲の温度変化(周囲温度に対し約4度以上の差・移動速度毎秒1m)を感知して動作する仕組みです(極端に速いスピードや静止した場合は、検知エリア内でも反応しない場合があります)。
以下のような場所に取り付けると、センサーの感知不良、誤作動の原因となる場合があります。
・エアコン(室外機)の吹き出し口の近くや吹き出し口に対向する場所。
・のれんやカーテンなど、風に反応しやすい物が近くにある場所。
・大理石など、反射の強い床材が設置されている場所。
・昼間でも暗い場所。
etc
https://www2.lighting-daiko.co.jp/support/function/
ということは、火災による熱風か何かを感知して作動したということかもしれない。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。