2019年11月7日10時0分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
正殿などが全焼した首里城(那覇市)の火災では、初期消火に有効とされるスプリンクラーが未設置だったことが、火の拡大を防げなかった一因との指摘も出ている。
沖縄のシンボルだった首里城と同様、各地のランドマークとなっている城に、スプリンクラーは設置されているのだろうか。
首里城は木造の正殿から出火し、隣接する北殿などに延焼したとみられている。
消火栓や放水銃、水の幕を作って延焼を防ぐ「ドレンチャー」などが設置されていたが、屋内にスプリンクラーは未設置で、建物内の火を消し止められなかった。
消防法は建物の用途や面積によってスプリンクラーの設置を義務づけるが、正殿は「事務所など」に分類され、地上10階以下のため、設置義務はなかった。
文化庁は今年4月のパリ・ノートルダム大聖堂の火災を受け、国宝や重要文化財の建築物にスプリンクラー設置を勧める通知を9月に出していた。
だが首里城正殿は復元施設で、文化財に指定されていなかった。
首里城以外の城も消防法上、多くはスプリンクラーの設置義務はないとみられる。
自主的に導入するにしても、配水管を建物に張り巡らせなければならないため、文化財保護の観点からも簡単ではない。
【「文化財をぬらさないため」「人命守るため」】
彦根城(滋賀県彦根市)は、江戸時代までに建てられた天守が残る全国12城の一つ。
自動火災報知機や消火栓は備えているが、スプリンクラーはない。
現存天守がある松本城(長野県松本市)、犬山城(愛知県犬山市)も、天守にスプリンクラーはないという。
彦根市文化財課の担当者は「スプリンクラーをつけるのは、文化財である建築物の現状を変えるという面もあり、積極的に設置されてこなかったのだと思う」。
小峰城(福島県白河市)は1991年に木造天守が再建されたが、建物自体は文化財に指定されておらず、スプリンクラーはない。
「誤作動した場合、木製の柱や床板へのダメージが心配」(市文化財課)との事情があるという。
大洲城(愛媛県大洲市)も、2004年に木造再建された天守や、国の重要文化財に指定されている4棟のやぐらにスプリンクラーはない。
1931年完成の大阪城(大阪市)の天守は、鉄骨鉄筋コンクリート造り。
重要文化財など約1万点を展示・保管し、収蔵庫にはスプリンクラーではなく、化学反応で燃焼を抑えるハロンガスの消火設備を導入。
管理担当者は「文化財をぬらさないため、スプリンクラーの設置は検討していない」と説明する。
鶴ケ城(福島県会津若松市)や熊本城(熊本市)も天守はコンクリート造りで、スプリンクラーはないという。
一方、1609年完成の大天守などが世界遺産に登録されている姫路城(兵庫県姫路市)は、約1千カ所にスプリンクラーを整備。
管理事務所によると、配管で建物に傷がつくといった慎重な声もあったが、「一度焼失すると取り返しがつかない」との意見が勝ったという。
15年に天守が国宝に指定された松江城(松江市)も、89~90年に防火設備を更新した際にスプリンクラーを設置したという。
名古屋城(名古屋市)では、18年に木造で復元された本丸御殿にはスプリンクラーはないが、木造での復元が計画されている天守にスプリンクラーを設置する前提で設計中という。
市によると、本丸御殿はふすま絵などの美術工芸品があり、誤作動による水ぬれを避けたい事情もある一方、計画中の木造天守は5階建てで、出火した際に平屋の本丸御殿と比べ避難に時間がかかるため、「人命を守るため設置は必要と考えている」という。
【各地の城の天守におけるスプリンクラー設置の有無】
鶴ケ城(福島県会津若松市) なし コンクリート造り
小峰城(同県白河市) なし 木造の再建天守
松本城(長野県松本市) なし 木造。天守は国宝
犬山城(愛知県犬山市) なし 木造。天守は国宝
名古屋城(名古屋市) なし コンクリート造り
彦根城(滋賀県彦根市) なし 木造。天守は国宝
大阪城(大阪市) なし コンクリート造り
姫路城(兵庫県姫路市) あり 世界遺産。天守は国宝
松江城(松江市) あり 天守は国宝
大洲城(愛媛県大洲市) なし 木造の再建天守
熊本城(熊本市) なし コンクリート造り
https://www.asahi.com/articles/ASMC674N3MC6TIPE04S.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
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