2020年12月4日23時48分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
福井県は4日、同県あわら市の製薬会社「K化工」が、爪水虫など皮膚病の治療に使う経口抗真菌剤イトラコナゾール錠50「MEEK」約10万錠分を自主回収すると発表した。
製造過程で通常の服用量を超える睡眠導入剤成分が混入し、岐阜、大阪、佐賀の3府県で計12人に意識消失や強い倦怠(けんたい)感などの副作用が確認されたという。
K化工によると、イトラコナゾール錠は、白癬(はくせん)菌が原因で爪が白く濁り爪水虫とも呼ばれる「爪白癬」などの治療に使う医療用医薬品。
12月1~3日に2~77歳の男女12人に副作用が確認された。
約半数は回復に向かっているが、岐阜県の男性(59)が救急搬送され、入院した。
同社は、あわら市の本社工場で原料を量る担当の社員が、入れるべき成分と睡眠導入剤の成分「リルマザホン塩酸塩水和物」を取り違え、保管場所から持ち出したのが原因と説明。
本来は2人一組で確認が必要だったが、1人で作業していた。
同社の小林社長は4日、記者会見し、「誤混入の原因はヒューマンエラーであり、医薬品企業として万が一でもあってはならない。患者や医療機関の皆さまに深くおわび申し上げる」と陳謝した。
回収対象はロット番号「T0EG08」と刻印され、9月28日以降に出荷された商品。
全国の医療機関などに流通しているとみられる。
〔共同〕
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO67045270U0A201C2CC1000
12月8日19時53分にNHK福井からは、他の2種類の薬を含め、国の承認を得ていない工程で製造していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
この製品を含む3種類の治療薬が、国の承認を得ない工程で製造されていたこともわかり、会社が自主回収を進めるとともに、絶対に服用しないよう呼びかけています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukui/20201208/3050006487.html
12月9日20時45分に朝日新聞からは、混入した睡眠導入剤の成分の量は1錠あたり通常最大投与量の2.5倍で、多い人は1日に8錠服用するなど、下記趣旨の記事が錠剤パッケージの写真付きでネット配信されていた。
イトラコナゾール錠は、症状によっては多い人で1日8錠服用する場合もある。
今回、1錠に含まれていた睡眠導入剤の成分は5ミリグラムで、通常の最大投与量2ミリグラムの2・5倍にのぼるという。
1~3日に大阪府、佐賀県、岐阜県の男女12人(2~77歳)から被害の報告があり、同社は9月28日~12月3日に全国に出荷した100錠入り929箱の自主回収を発表していた。
福井県によると、その後も被害の報告が相次ぎ、今も入院中の人が複数いるという。
K化工のホームページによると、同社は1946年創業で、病院や診療所などで使われる医療用医薬品の研究開発や製造販売を行い、ジェネリック医薬品を提供している。
2019年4月~20年3月の売上高は370億円。
20年10月現在の従業員数は796人となっている。
https://www.asahi.com/articles/ASND96RMKND9PTIL021.html
12月10日19時27分に朝日新聞からは、作業員の勘違いが原因、取り違えた理由は確認中など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
問題となっている薬剤は、特許が切れた薬と同じ成分の薬を厚生労働省の承認を得て販売する「ジェネリック薬」だった。
医師の処方箋(せん)が必要で、爪水虫やカンジダ症の治療に使われる。
広報担当者は、「作業員の勘違いにより重大なミスが起きた。有効成分のイトラコナゾールを加えるべきところ、製造所内にあった睡眠導入剤の成分を入れてしまった」と説明する。
なぜ取り違えたかについて確認を進めている。
https://www.asahi.com/articles/ASNDB6D4NNDBPTIL017.html
12月9日23時28分に朝日新聞からは、これまでに例のない重大事故だという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
厚生労働省の担当者は「今回のような事案は聞いたことがない」と話した。
調剤薬局大手のクオール(東京都)は4日午後5時ごろに事態を把握。
店舗には調剤の中止を伝え、患者には代替品を渡したという。
広報部の担当者は、「薬品の濃度が足りないといった製造ミスはたまにあるが、睡眠導入剤が混入するという重大な事例は例がない」と話す。
同じく調剤薬局大手の日本調剤(東京都)も、「今回のような製造の段階で他剤が混入され健康被害を引き起こすような事案は、これまでにない」(広報部)とした。
日本薬剤師会(東京都)は各都道府県の薬剤師会長宛てに、使用中止と回収を求める通知を7日付で出した。
「我が国における医薬品への信頼を根本から揺るがす事態で大変遺憾」との見解を示し、K化工に対しては「しかるべき対応等の申し入れを行う」としている。
K化工は今回の事態を受け、自社主体で行っていた従業員教育について、今後は第三者の専門機関の協力を仰ぐとしている。
https://www.asahi.com/articles/ASND97FPVND9PTIL023.html
12月11日19時38分にNHK福井からは、全国364人に処方されていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
福井県によりますと、この薬は全国39の都道府県に流通していたということですが、このうち実際に処方された患者は31都道府県の364人と特定され、医療機関や薬局を通じて患者全員に服用の中止を求める連絡が完了したということです。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukui/20201211/3050006521.html
12月12日0時48分に朝日新聞からは、製造過程で目減りした成分を、承認手順に反して補充していた際に取り違えたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
K化工は11日、服用して入院中の1人が10日に死亡したと発表した。
性別や年齢などについては、現時点で公表できないとしている。
また、同社が厚生労働省から承認された製造手順に反し、製造過程で目減りした成分を補充したことが、県への取材でわかった。
その際、誤って睡眠導入剤を入れる二重のミスをしたという。
県によれば、薬の製造過程で薬の成分の粒子の大きさをそろえたり乾燥させたりする工程がある。
各工程で成分を別容器に移し替える際、すべてを移し切れず成分が減ることがある。
今回問題となった同社の治療薬イトラコナゾール錠50「MEEK」の製造過程で減った分を補うことは国が承認した製造手順に反するが、同社は補充しようとし、誤って睡眠導入剤の成分を混入させたという。
県によると、健康被害を訴える人は20人増えて計133人(10日時点)となった。
133人のうち入院が確認されたのは34人(退院者を含む)。
服用の影響とみられる交通事故は2件増えて計16件。
今回判明した死者は、交通事故を原因とする人ではないという。
https://www.asahi.com/articles/ASNDC737GNDCPTIL02C.html?iref=com_rnavi_arank_nr03
12月12日4時16分に毎日新聞からは、取り出した人とは別の人が調合したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
担当者が本来入れる成分と睡眠導入剤の成分リルマザホンを間違えて保管場所から取り出し、別の担当者が調合したという。
https://mainichi.jp/articles/20201211/k00/00m/040/288000c
(ブログ者コメント)
調合した担当者は、持ってこられた成分が正しいかどうか確認しなかったのだろうか?
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。