







2025年3月26日11時43分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
運行トラブルが相次いできた熊本市電で25日、市電の車両同士が追突事故を起こし、7人のけが人が出た。
熊本市中央区の「熊本城・市役所前」電停で午前8時半ごろ、前方に停車していた車両に後から来た車両が衝突。
レール上にはオイルが付着して滑ったあとがあり、国の運輸安全委員会が現場を保全して事故原因の調査に入った。
市交通局によると、乗客26人を乗せて電停に停車していた車両に、後ろから31人を乗せて来た車両が追突した。
搬送された乗客6人は20代~50代の男女で、後続の車両に乗っていた。
2人が肋骨(ろっこつ)を折り、2人が足を縫う手術を受けた。
ケガをした運転士は40代で、先行車に乗っていた。
レール上のオイルは左右両方にあり、市交通局では市電の車両から漏れた可能性が高いと見ている。
疑われているのは、車両の老朽化だ。
熊本市電は45編成を保有しているが、半数が製造から60年以上経過している。
追突事故を起こした2両も1950年代の製造で、市が耐用年数の目安とする30年を大幅に超えている。
市交通局は、車輪の軸受けやブレーキ系統にオイルを使っている14編成の緊急点検に入った。
残りの車両で折り返し運転をすることで、一部区間の運行を再開した。
熊本市電では昨年も年間16件の事故やトラブルが起きた。
年末にはレール幅の広がりから脱線事故が起き、レールも古さが指摘されている。
全線12キロのうち4割が設置から30年を超えており、交換を急いでいる。
荒木・運行管理課長は「安全対策を進めるなかで重大事故を引き起こし、大変に申し訳なく、重く受け止めている」と陳謝した。
https://www.asahi.com/articles/AST3T52X4T3TTIPE005M.html?iref=pc_national_$PAGE_TYPE_EN_list_n
3月26日9時0分に読売新聞九州版からは、追突車両は先行電車との距離が100m以下になっても内規を超えた時速27kmで走行し、50m手前でブレーキを、20m手前で非常ブレーキをかけたが、減速できずに時速17kmで追突した、運転士はブレーキの利きが悪かったと話しているなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
市交通局では、先行車両との距離が100メートル以下になった場合、時速15キロ以下に減速するよう内規で定めていた。
追突車両は時速27キロで走行し、約50メートル手前でブレーキ、約20メートル手前で非常ブレーキを操作したが減速せず、時速17キロで衝突した。
市は重大事故として国土交通省九州運輸局に報告し、同局は再発防止策に万全を期すよう文書で警告した。
市交通局は記者会見で、衝突地点から約60メートル手前までレールに油のようなものが付着していたと明らかにした。
運転士は「ブレーキの利きが悪かった」と話しているという。
同局は通常なら止まれる距離だったとしており、油のようなもので滑った可能性に言及した。
市電車両の3分の1はブレーキ作動に油を使っており、これらの車両から漏れ出た可能性があるという。
https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20250326-OYTNT50041/
(2025年4月5日 修正1 ;追記)
2025年4月4日20時1分にYAHOOニュース(テレビ熊本)からは、熊本市電では6割の車両に速度計が設置されていない、国は運転士の国家試験項目に速度認識技能が入っているからと現状追認、他の都市の路面電車でも速度計のついていない車両は結構あるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
■熊本市電全車両に「速度計」設置を検討
熊本市電の事故では、追突した電車が「100メートル以内に前の電車がいる場合には時速15キロ以内に減速する」としている国の規則に違反した可能性があります。
法律などでは路面電車に速度計の設置を義務付けていません。
しかし、今回の事故で追突した電車には速度計が付いていなかったことから、熊本市の大西市長は3日、すべての電車へ速度計の設置を検討すると表明しています。
■大臣 「国家資格で技能を定期的に確認している」
一方、中野大臣は4日の閣議後の記者会見で、「路面電車を運転する国家資格では、どの程度の速度で走っているかを速度計を見ずに認識する技能や、前との距離を認識する技能が備わっていることを定期的に確認している」として、現状の制度を追認する見解を示しました。
そのうえで「今回の事故を受けて行われている国の運輸安全委員会の調査結果も踏まえて、輸送の安全確保に必要な対応をとっていく」と述べました。
■「速度計」と「運転士の肌感覚」専門家の見解
熊本市交通局では、運行している車両(全45両)のうち19両に速度計を設置していて、設置率は約42%です。
速度計がない車両の速度は「運転士の肌感覚」によって制御しています。
鉄道の安全管理に詳しい関西大学の安部誠治名誉教授(72)は、「速度計を設置せず、速度制御を人間の感覚に任せるのは、安全管理上、適切ではない」として、早急な設置が望ましいとしています。
また、路面電車に速度計の規定がない理由については「路面電車は100年以上の歴史があり、現代とは異なる交通事情の中で導入された規制が、現在も残っているためだろう」と分析しています。
■他の都市では?全国の事業者に聞く
RKKは、全国で運行されている路面電車のうち12の事業者に「速度計の設置状況」を取材しました。
他にも「後付けした車両があるか」や、速度計がない車両がある場合は「速度の判断方法」「車両の運行条件」など、合計4つの項目について確認しました。
そのうち、未回答の項目も含めて9事業者から得た回答と、熊本市電の状況は以下の通りです。
■「路面電車」10事業者と「速度計」の設置状況
【熊本市交通局】
約42%(45両中19両) 運転士の肌感覚
【長崎電気軌道】
約15%(68両中10両) 運転士の感覚で判断 感覚の維持修正のため速度感養成研修を毎年実施
【鹿児島市電】
約54%(55両中30両) 技能教育訓練において、速度観測・制限の訓練を実施 速度の判断ができるようにしている
【広島電鉄】
「設置割合は非公表だが、設置していない車両もある」
【富山地方鉄道】
約67%(30両中20両) 経験則で判断
【札幌市電】
100%(36両)
【函館市電】
100%(32両)
【宇都宮ライトレール】
100%(17両)
【東京都電 荒川線】
100%(33両)
【とさでん交通】
非公表
速度計の設置率が「100%」と回答した事業者のうち、「東京都電 荒川線」を運行する東京都交通局や、「札幌市電」を運行する札幌市交通事業振興公社は、「後付けで設置した車両もある」と回答しています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/517c71f80144968d190eec18cd3f86801b4a8e75
4月4日20時1分にYAHOOニュース(テレビ熊本)からは、運転士の中にも速度計があった方が心強いという声があるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今回の事故によって市は、車両への速度計設置を検討する方針を明らかにしました。
【尾谷キャスター】
「こちらは2009年製造の比較的新しい車両の運転席です。
たくさんのスイッチがありますが、真ん中に速度計があります。
運転する人の視界に常に入る位置に設置されています」
「一方、こちらは追突した車両と同型の運転席。
運転席自体が狭い空間です。
ブレーキレバーなどありますが、速度計は見当たりません」
市交通局によりますと、速度計が設置されているのは1982年以降製造の車両で、保有する45編成のうち19編成に速度計はありません。
【市交通局運行管理課 荒木課長】
「軌道法上、設置しないといけない義務はないということです。
もともと免許を取るときに速度感覚も試験項目に入っており、そこでまず運転のスピード感覚はプロとして把握できるということを確認している」
免許取得後も運転士に対しては、局内で実務検定を毎年実施して確認、追突した車両の運転士はいずれもクリアしていました。
【荒木課長】
「運転士の補助的なものとしては生かせると思っていますので、積極的につけていく方向で検討したいと思っています」
市交通局は大西市長の指示も受け、今後古い車両への速度計設置を検討する方針です。
今回の事故で追突した車両は1956年製で、速度計はついていませんでした。
市交通局によりますと、運転士の中にも「速度計があった方が心強い」という声があるそうです。
これまで人の感覚に頼ってきた運転技術。
ここへきて、さらなる安全性の確保が求められていると言えそうです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/caac54958f6ce8790a994839a9f857f019e82780


















その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。