2017年5月29日18時59分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
津市が発注した道路の工事中に建設会社従業員の男性(51)が左足を切断するけがを負ったのは、市が工事の安全を確保する義務を怠ったのが原因として、男性が約1億300万円の損害賠償を市に求めた訴訟の判決で、津地裁は29日、8900万円の支払いを命じた。
岡田裁判長は判決理由で、工事を監督する津市の職員は、現場にあった石積みの擁壁が崩落し、作業員の安全が脅かされる危険性を認識できたと指摘。
「安全が確保されるまで工事の一時中止を指示すべき義務を怠った」と結論付けた。
判決などによると、男性は平成24年3月、深さ約1.4mの側溝の中で掘削作業に当たり、掘削で支えを失ったため近くにあった高さ約1mの石積みの擁壁が崩れ、左足を切断するけがを負った。
津市の前葉市長は、「主張が認められず誠に遺憾。市の工事監督は適切だったと考えており、控訴も含め適切に対応する」とのコメントを出した。
出典
『工事中に足切断、津市に8900万円賠償命令 津地裁』
http://www.sankei.com/west/news/170529/wst1705290058-n1.html
5月29日20時14分に時事通信からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
津市発注の道路整備工事の際、石壁の崩落で左足を切断した作業員の男性(51)が、市に計約1億300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が29日、津地裁であった。
岡裁判長は市の安全配慮義務違反を認め、計約8900万円の支払いを命じた。
岡田裁判長は、工事を監督していた市職員が安全対策や工事の一時中止を指示しなかったと認定した。
市は、安全確保義務は受注した施工業者が一義的に果たすべきだと主張したが、同裁判長は退けた。
判決によると、男性は2012年3月16日、道路工事の掘削作業中に、斜面が崩れないように積まれた石の崩落に巻き込まれ、大けがのため左足を切断した。
出典
『津市に8900万円賠償命令=発注工事で労災事故-津地裁』
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017052900961&g=soc
5月30日付で毎日新聞三重版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
津市発注の道路工事で建設会社従業員として作業し、左足を切断するけがをした津市の男性(51)が、市は安全確保を怠ったとして約1億300万円の損害賠償を市に求めた訴訟で、津地裁(岡田裁判長)は29日、男性の主張をおおむね認め、市に約8900万円の支払いを命じた。
判決によると、津市美杉町下之川の側溝工事で、市から受注したS建設(津市)従業員として働いた男性が2012年3月、崩れた石積みと地面の間に挟まれて左足を切断するけがをした。
判決は、現場監督の市職員が崩落の危険性を認識できたと認定。
市は、「作業員の安全確保義務は施工業者が果たすべきで、事故発生の責めを負わない」と主張したが、岡田裁判長は、「市は作業員の安全確保の具体的な対策を指示し、確保されるまで工事の一時中止を指示する義務を負う」と退けた。
判決を受け、前葉市長は「市の主張が認められず遺憾。工事監督は適切に行ったものと考えており、内容を精査して控訴も含めて対応する」とのコメントを発表した。
出典
『津の道路工事事故 市に8900万円賠償命令 地裁判決 /三重』
https://mainichi.jp/articles/20170530/ddl/k24/040/201000c
5月30日付で朝日新聞三重全県版(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
男性は、崩れた壁と溝の壁面に左足の太ももを挟まれて骨折し、足を切断した。
市の担当者は、壁の地中の根入れが浅く、掘削を続ければ崩れる危険があると認識していたにもかかわらず、男性が所属する建設会社に安全策を指示しないまま工事を続けさせた。
市の主張に対し、判決は「具体的な危険があるにもかかわらず、建設会社が漫然と工事を進める場合にこそ、市が事故回避のため、具体的な指示を出すべきだ」と退けた。
(2017年6月11日 修正1 ;追記)
2017年6月6日付で朝日新聞三重全県版(聞蔵)からは、市が控訴したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
市は5日、判決を不服として控訴した。
市は、「市職員が安全対策を指示したにもかかわらず、受注業者が具体的な対策をせずに工事を続けたことで事故が発生したもので、市が責任を負うものではない」と主張している。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。