2017年9月12日18時5分にNHK関西から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12日午前4時半ごろ、大阪・箕面市下止々呂美の建設中の新名神高速道路の工事現場で、「作業員が転落した」と消防に通報があった。
警察によると、大阪・大正区に住む作業員のMさん(男性、19歳)が、橋桁の真下に組まれた足場からおよそ30m下に転落したということで、全身を強く打って死亡した。
これまでの調べによると、当時は足場の解体作業中で、作業員は全員、命綱をつけていたが、何らかの原因でフックが外れた可能性があるという。
警察は、工事の責任者から話を聞くなどして、安全管理に問題がなかったか調べることにしている。
新名神高速道路の工事では、去年4月、橋桁が落下して作業員2人が死亡したほか、ことし6月にもクレーンから鉄板が落下して下敷きになった作業員が死亡するなど、橋桁落下事故以降、今回を含めると5人が死亡している。
西日本高速道路会社は12日夕方、記者会見を開き、村尾関西支社長が、「本日、お亡くなりになった作業員のご冥福をお祈りするとともに、ご家族、関係の皆様にも心よりおわびを申し上げたい」と陳謝した。
また、去年から今年にかけて事故が相次いでいることについて、「社内で安全対策本部を設置し、対策を進めてきた矢先で、慚愧の念に堪えない。警察などの捜査に全面的に協力し、事故の原因究明を進めるとともに、新名神高速道路のすべての工事の手順を再点検し、再発防止に努めたい」と述べた。
出典
『新名神工事現場で また死亡事故』
http://www.nhk.or.jp/kansai-news/20170912/3861832.html
9月12日13時48分に毎日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12日午前4時20分ごろ、大阪府箕面市下止々呂美(しもとどろみ)の新名神高速道路の建設工事現場で、作業員から「同僚の男性が転落した」と119番があった。
男性は大阪市大正区の作業員Mさん(19)で、足場を解体中に約30m下に落下し、搬送先の病院で死亡が確認された。
警察は、業務上過失致死の疑いもあるとみて調べている。
警察などによると、現場は建設中の「箕面とどろみインターチェンジ」につながるループ状の橋桁付近で、11日夜から足場の撤去作業をしていたという。
橋桁の底部を覆うネット部分から転落したらしい。
新名神の工事現場では事故が相次いでいる。
昨年4月に神戸市北区で橋桁が落下し、作業員2人が死亡、8人が負傷する事故が起き、神戸-高槻間の開通が来春に1年延期された。
昨年10月には兵庫県猪名川町で作業員が転落死し、今年6月にも箕面市で鉄板の下敷きになった作業員が死亡。
西日本高速道路は、事故の根絶を目指して「建設工事安全対策本部」を設置し、工事を再開していた。
今回の事故現場を含む高槻-川西間の部分開通は11月に予定されている。
事故の影響について、西日本高速道路関西支社の広報担当者は、「工事を一時中止し、事故の状況把握に努めているが、開通時期に影響するかまだ分からない」と話した。
出典
『事故 新名神の工事現場、足場解体中に転落死』
https://mainichi.jp/articles/20170912/k00/00e/040/244000c
9月12日11時17分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
11日午後9時から作業員11人が、鉄パイプで組み上げた足場の解体を進めていたという。
他の作業員は、転落した男性作業員が「転落防止のための安全帯を装着していた」と説明しているという。
当時、現場付近では雨が降っていたという。
出典
『新名神工事現場で作業員が転落死 死亡事故相次ぐ』
http://www.asahi.com/articles/ASK9D345ZK9DPTIL007.html
(ブログ者コメント)
〇9月12日付で西日本高速道路から、下記趣旨の記事がプレスリリースされていた。
同資料中、事故時の状況も模式図で説明されている。
・解体中の吊足場から、作業員1名が約28m墜落し死亡した。
・固定用金具に足をかけて吊りチェーンを外そうとしていた。
・安全帯は着用していたが、使用していなかった。
『E1A新名神高速道路の箕面IC鋼上部工工事における事故の発生について』
http://corp.w-nexco.co.jp/corporate/release/kansai/h29/0912/
〇昨年の猪名川町事例や今年6月の箕面市事例は本ブログでも紹介スミ。
(2017年10月3日 修正1;追記)
2017年9月29日12時6分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
西日本高速道路は29日、事故の状況を踏まえた再発防止策を発表。
事故後、中断していた工事を再開させた。
男性作業員は事故時に安全帯を完全に固定していなかったといい、再発防止策は、安全帯の使用を監視する人員の配置や、安全帯に加え墜落防止ワイヤを装備することなどを柱としている。
出典
『新名神事故受け西日本高速が再発防止策 墜落防止ワイヤ装備など』
http://www.sankei.com/west/news/170929/wst1709290042-n1.html
(ブログ者コメント)
西日本高速からのニュースリリース中、事故状況などが写真と図解付きで詳細に説明されている。(全8ページ)
以下は事故時の状況。
(1)吊足場の側面防護(朝顔)を撤去後に、下段の吊金具2箇所に片足ずつ載せ、上段の吊金具に残っていた吊チェーンを外す作業を行っていた際にバランスを崩し、落下。
(2)作業場所には親綱を設置しており、被災者はハーネス型安全帯(二丁掛けタイプ)を着用していたが、事故発生時には親綱に安全帯を掛けていなかった。
(3)吊足場の側面防護(朝顔)の安全ネットと下面足場の安全ネットが連結された構造であるため、側面防護(朝顔)解体時に、下面足場側の安全ネットを一時的に外す必要があったが、その後ネットに墜落防止機能を持たせるかどうか不明確であった。
(墜落防止として機能していなかった。)
『E1A新名神高速道路箕面IC鋼上部工工事における工事中事故を踏まえた再発防止策について』
http://corp.w-nexco.co.jp/corporate/release/hq/h29/0929/
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。