







2019年1月10日16時14分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
魚の加工用機械を停止しないまま内部を掃除させ、従業員の男性(46)に重傷を負わせたとして、銚子労基署は10日、労安法違反の疑いで千葉県旭市の水産加工業、「S商店」と同社の男性社長(64)を書類送検したと発表した。
調べに対し、社長は容疑を認めているという。
書類送検容疑は昨年3月9日、サバの内臓を取り出す機械を停止しないまま内部を男性従業員に掃除させ、歯車に右腕が巻き込まれるけがを負わせたとしている。
男性は右手首の切断を余儀なくされた。
出典
『サバ加工機に腕挟まれ重傷 水産加工業者を書類送検』
https://www.sankei.com/affairs/news/190110/afr1901100024-n1.html
2019年1月10日7時20分に福井新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
福井県内の40代の男性僧侶が僧衣を着て福井市内で車を運転中、操作に支障があるとして県警に交通反則告知書(青切符)を切られたが、納得がいかないとして反則金の支払いを拒否し、宗派を巻き込んだ事態になっている。
福井県の規則で「運転操作に支障を及ぼすおそれのある衣服」での運転が禁じられているためで、県警は1月9日、福井新聞の取材に、「僧衣や和服が一律に違反になるわけではない。衣服の種類や形ではなく、着方を見て違反だと判断した」と回答した。
男性僧侶は浄土真宗本願寺派に所属。
同派の西本願寺(京都市下京区)によると、男性僧侶は昨年9月16日午前、福井市内の県道を軽乗用車で走行中、交通取締中の警察官から停車を指示された。
思い当たる違反はなかったが、青切符に「運転操作に支障のある和服を着用して運転」と書かれ、反則金6000円を納めるよう求められた。
適用されたのは、県道路交通法施行細則にある「下駄、スリッパその他運転操作に支障を及ぼすおそれのある履物または衣服を着用して車両を運転しないこと」という事項。
県警交通指導課によると、男性はくるぶしまでの長さの白衣の上に、両袖の袖丈が約30cmの僧衣「布袍(ふほう)」を着用し、
▽白衣の裾幅が狭く、両脚の太もも、膝、足元が密着している
▽布袍の両袖が下に垂れ下がっている
状態で運転していたとしている。
運転に支障を及ぼす恐れがあると判断した根拠は、「両足が動かしにくく、とっさのときにブレーキ操作を的確にできない恐れがある。垂れ下がった袖がシフトレバーやハンドル周辺の各種レバーに引っかかる恐れがある」と説明。
男性が履いていた鼻緒の付いた雪駄(せった)は違反とみなしていない。
同派は、「法令の順守は大切なことであると認識している」とした上で、「僧侶が服装を理由に反則処理をされたことは到底受け入れがたい事案。弊派全体に及ぶ大きな問題で、今後の対応は慎重に検討したい」と話している。
一方、交通指導課は「僧衣での運転が全て違反になるわけではない」と説明。
一般的な話として、「たとえ裾がくるぶしまであっても、ゆったりと締め合わせたり、まくしあげるなどして両足を動かしやすくし、たすき掛けをして袖をたくし上げたりすれば、運転操作に支障はないと考える」と回答した。
県警には「衣服に関する取り締まりの基準を教えてほしい」などと問い合わせる電話やメールが県内外から相次いでいる。
また、各地の僧侶が僧衣でバック転や縄跳びなどを披露し、柔軟な動きができることを伝える動画もインターネット上に登場し、話題となっている。
出典
『僧侶が僧衣で運転し青切符、波紋 福井県警「着方で判断、足元密着」』
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/773971
1月10日19時51分にNHK福井からは、同規定での違反検挙は福井県で昨年4件あったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察は、
▽男性の僧衣の袖が30cmほどの長さで垂れ下がり、レバーなどにひっかかるおそれがある
▽内側に着ていた着物の裾幅が狭くて両足の太ももなどが密着し、ブレーキ操作を的確にできないおそれがある
など、着方に問題があったとしている。
県警察本部によると、県内でこの規定に違反し検挙されたケースは、去年1年間で男性の僧衣の違反が2件、女性の着物の違反が2件の、あわせて4件あったという。
出典
『運転反則切符の僧侶が支払い拒否』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukui/20190110/3050001261.html
1月8日付で東京新聞からは、現場の警察官の裁量で取り締まりするのは問題だと考えた僧侶が僧衣で縄跳びする動画をネット投稿して話題になっているなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
福井県内の40代男性僧侶が昨年9月、僧衣を着て車を運転し、運転に支障を及ぼす服装と判断されて、県警に交通反則切符(青切符)を切られた問題が、インターネット上で話題になっている。
他県の僧侶たちが、僧衣姿で縄跳びや大道芸などを披露する動画を「僧衣でできるもん」とのハッシュタグ(検索目印)を付けて投稿し、ユーモアを交えて問題提起している。
香川県丸亀市の善照寺の三原住職(36)は、僧衣姿で縄跳びをしながらボールをリフティングする動画を投稿した。
あや跳びも交え、軽やかにボールを蹴り、最後は深々と合掌。
「これだけできるんだから、運転ぐらい困ることはないよね」との書き込みとともに、昨年末に投稿したところ、7日までに1万3000回以上リツイート(転載)された。
三原さんは、お手玉のようなボールを蹴って技を披露するスポーツ「フットバッグ」の日本チャンピオンでもある。
取材に、「僧衣で運転できないということになったら、一般の人たちの服装も警察官の裁量で取り締まりができてしまう。多くの人に楽しく、この問題について知ってほしかった」と訴える。
他にも、僧衣姿でドラム演奏やバック転、ジャグリングなどをする動画が投稿されている。
一方で、投稿は問題の本質を捉えていないとの声も。
「僧衣が運転装置に引っ掛かる可能性は否定できない」
「お坊さんの新春かくし芸大会になっている」
といった意見が飛び交う。
「お寺に行こう!」などの著書がある京都市の龍岸寺住職、池口さん(38)は、自身も僧衣を着て運転することがあるといい、「青切符を切られることには違和感を拭えない」と疑問を呈する。
相次ぐ投稿を、「最近は会員制交流サイト(SNS)で情報発信する僧侶が増えている。仏教や和服文化に興味を持ってもらうきっかけにもなった」と分析する。
出典
『「運転支障」反則切符 僧侶たちが動画で反論 #僧衣でできるもん』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201901/CK2019010802000126.html
1月10日17時0分に福井新聞からは、運転時の衣服規制は他に14県ありなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
運転者の順守事項は、各都道府県の公安委員会がそれぞれ規則(細則)を定めており、「運転操作に支障のある履物」は全都道府県が禁止している一方、衣服の規制は福井県など15県にとどまり、京都府や石川県などはない。
西本願寺(京都府京都市)の広報担当は、「和服の運転を規制する自治体とそうでない自治体との不均衡という問題がある」と疑問を呈している。
福井県警交通指導課によると、同県では事故を抑止するため、1968年に道交法施行細則が改正され、履物や衣服が規制された。
当時の福井新聞は、和服の運転手による事故が県内で相次ぎ、たもとを帯に挟んで運転していた女性がハンドルを切る際に手元が狂って車に衝突したケースを紹介。
履物については、「鼻緒が付いたスリッパやつっかけ、草履などは許される」、「かかとが高いものはだめ」と説明している。
衣服の規制は全国で差があり、岩手県のように「和服であっても、ズボン又はもんぺ等を履き、かつ、たすき掛け等をしている場合は該当しない」と、具体的な解釈を公表している県も。
栃木県は服装に加え、「支障を及ぼす恐れのある姿勢」も禁じている。
出典
『運転者の衣服規制は都道府県で差 福井など15県設定、栃木は姿勢も』
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/774552
(2019年1月28日 修正1 ;追記)
2019年1月27日7時20分に福井新聞から、僧侶は送検されないことになったという下記趣旨の記事が、白衣と布袍を着て運転席に座る僧侶の写真付きでネット配信されていた。
福井県警は1月26日、「証拠が十分に確保できず、違反事実が確認できなかった」として、反則金の支払いを拒んだ男性を書類送検しない方針を明らかにした。
県警によると、駐車違反などで青切符を切られた場合、約1カ月後に通告書と納付書が郵送され、それでも納付しないときは検察庁に書類送検し、刑事手続きに移行する。
その後に罰金刑などになる。
県警交通指導課は26日までに男性宅を訪れ、「改めて県警本部で内容を精査したところ、証拠の確保が不十分で違反事実が確認できなかったため、本件については送致しないこととした」と伝えたという。
・・・・・
出典
『僧衣運転、県警「違反確認できず」 福井、違反切符切られた僧侶に伝達』
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/784903
2018年12月13日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/9150/
(2019年1月16日 修正1 ;追記)
2019年1月10日付で毎日新聞からも、パイロット飲酒問題の背景には過重労働があるという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
航空各社でパイロットの飲酒による不祥事が続いている。
昨年10月には、基準値を上回るアルコールが検出されたとして、ロンドン発羽田行きの日本航空機に搭乗予定の男性副操縦士が英警察に逮捕され、禁錮10月の実刑判決が言い渡された。
航空業界の現状を探った。
【空港24時間化、勤務がタイトに「限界ぎりぎり」 日航副操縦士「不規則勤務で不眠症、酒で解決」】
「路線や運航回数の増加に伴い、最近は1人当たりの勤務がタイトになっています」
大手航空会社の国際線で操縦かんを握る40代の男性機長が打ち明ける。
昨年12月のある日、午前11時過ぎにインド・ムンバイに向け成田空港を出発。
日本との時差は3時間半で、現地時間午後6時半(日本時間午後10時)ごろに着陸した。
ホテルで床に就いたのは午後10時半(同翌日午前2時)ごろだった。
過酷なのは帰りの便だ。
ムンバイ発成田行きは次の日の午後8時(同午後11時半)に離陸し、到着は翌日午前7時過ぎ。
副操縦士と徹夜でコックピットに座り続け、8時間近いフライトでトイレ以外の休憩は取れなかった。
男性機長は日本と世界の各都市を月4~5往復し、乗務時間は最大90時間に上る。
しかし、9年前に同社を退職した元機長の男性によると、現役時代の長距離国際線の搭乗回数は、月に2往復から2往復半程度だった。
男性は、「昔は乗務時間が月80時間を超えることはなかった」と語る。
羽田空港では2010年に4本目の滑走路がオープンし、24時間運用も本格化した。
これに伴い、地方空港も海外からの観光客やビジネス客を呼び込むため、次々と運用時間を延長している。
17年の旅客輸送人数は国際線が約2214万人で、09年(約1539万人)より44%増えた。
別の航空会社の50代の男性機長も、「運航回数だけでなく、深夜や早朝勤務が増えた。人手不足の影響で、一人一人が限界ぎりぎりまで働いているのが現状だ」と訴える。
英国で逮捕された副操縦士の問題では、弁護人が「不規則な勤務時間などで不眠症に陥り、酒で解決しようとした」と弁明。
パイロットは着陸時に強い緊張を強いられ、神経が高ぶって眠れなくなることがよくあるという。
国交省によると、乗務前のパイロットに飲酒の影響が残っていることが発覚したケースは、13年1月から昨年11月末までに計41件で、1件で欠航、22件で遅れが生じた。
相次ぐ不祥事を受け、同省は航空会社にアルコール呼気検査を義務付け、反応が出れば、即、乗務禁止とするルールを導入する方針だ。
元日航機長で航空評論家の小林宏之さんは、「乗務前に飲酒の影響が残るのは自己管理ができていない証拠。安全を考えれば基準の導入は必要だ」と語るが、「基準に抵触しない時間と量であれば、お酒はリラックスのために有効な側面もある。睡眠不足になってしまっては、次のフライトで判断力が低下しかねない」とも懸念している。
小林さんは、「飲酒問題の背景には、パイロットに過酷な勤務を求める航空業界の構造がある。飲酒にとどまらず、疲労やストレス、睡眠などの管理も含む、総合的な安全対策が求められる」と指摘した。
出典
『パイロット飲酒 背景に過重労働?』
https://mainichi.jp/articles/20190110/ddm/012/040/092000c?pid=14509
2019年1月9日17時6分にNHK高知から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9日午前10時半頃、高知市本町にある立体駐車場のビルの解体工事現場で3階部分のコンクリートの床が崩れ落ちた。
解体工事を行っていた業者によると、コンクリート片などは2階の空洞部分をぬけて1階まで落下し、とまっていたトラックの荷台が押し潰された。
現場ではおよそ10人が作業をしていたが、けが人はいなかった。
当時、崩れ落ちた床の上には、解体工事で出たコンクリートのがれきが積み上げられ、それを重機で移動させていたという。
現場の隣にあるNHK高知放送局では、ゴーッという大きな音とともに数秒間揺れを感じ、設置されたNHKの震度計も揺れを感知した。
現場近くの飲食店で働く女性は、「音がすごくて何があったのかと思いました。揺れたので地震だと思い、怖かったです」と話していた。
現場は高知市の中心部のマンションや商店が立ち並ぶ場所で、周囲には日銀高知支店や民放のテレビ局などもある。
この建物を所有する地元の金融機関によると、建物は昭和46年に建設されたが、数年前からは使われておらず、老朽化のため去年6月から来月末までの予定で解体が行われていた。
出典
『解体ビルでコンクリート床が崩落』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kochi/20190109/8010004150.html
2019年1月8日6時30分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事が写真や図解付きでネット配信されていた。
崩れない盛り土を造るために最も重要なことは、水の影響をよく見極めることだ。
対策を誤れば崩壊し、周囲に多大な被害を及ぼす。
2017年10月に和歌山県紀の川市の斜面が豪雨で崩れ、土砂が民家を襲った事故は、斜面上に盛り土をして造った農道が原因だった。
この事故で斜面下の住宅など4棟が被害を受け、男性1人が死亡した。
事前のボーリング調査で地下水は無いと判断し、水の影響をあまり考慮していなかった。
【盛り土無ければ斜面崩れず】
斜面が崩壊したのは17年10月22日。
台風21号による大雨の影響で午後8時30分ごろ、南北方向に傾斜する斜面が幅(東西方向)約80m、長さ約120mにわたって崩れた。
崩れた土砂は1万8000m3に及ぶ。
崩れた斜面の上部には、東西方向に盛り土で造成した農道が通っている。
この盛り土全体が崩れ、斜面を滑り落ちた。
付近の観測所のデータによると、当日の1日当たりの降雨量は219ミリで、観測史上最大を記録していた。
農道を建設した和歌山県は、17年11月に有識者でつくる調査検討会(会長:大西有三・京都大学名誉教授)を設置し、崩壊の原因を調査。
その結果、大量の雨水を含んだ盛り土が斜面崩壊を誘発していたことが分かった。
当日の雨量データを使った解析によると、盛り土が無ければ、斜面は崩れずに済んだ。
県は責任を認め、国家賠償法に基づき、住民らと補償の交渉を続けているが、農道の設計に不備があったとまでは明言していない。
「農道の盛り土が無ければ被災しなかったという意味で、農道を造った県の責任を認めている。ただ、県に過失があったとまでは言えないのではないか」(道路建設課の太田和良課長)。
【専門家は「調査や設計に問題あった」】
農道は15年3月に完成した。
県によると、事前に実施した深さ7mのボーリング調査で地下水は認められず、盛り土の下の強風化岩層も、載荷試験で十分な支持力が確認されていた。
施工に不備はなく、設計通りしっかりと造られていた。
一方、専門家の見方は厳しい。
調査検討会の委員を務めた京都大学防災研究所斜面災害研究センターの釜井俊孝教授は、「事前の調査や設計に問題があったことは明らかだ」と指摘する。
釜井教授が問題視するのが、盛り土の法尻に設置した「補強土壁」だ。
補強土壁とは、補強材を入れて強化した土で垂直に近い壁面を造り、土留めするもの。
この農道では、「ジオテキスタイル」と呼ぶ樹脂製のネットを60cm間隔で層状に敷設した補強土壁を使い、盛り土の法尻を土留めしていた。
補強土壁の断面形状は幅5.6m、高さ7.5mの平行四辺形で、壁面の勾配は「1対0.3」だ。
この補強土壁が地下を通ってきた雨水を遮る形になったことが災いした。
崩壊時には、地下水位が盛り土の地表部まで上昇していたとみられる。
崩壊後の調査の結果、盛り土や補強土壁自体が崩れたわけではなく、その下の強風化岩層を滑り面としていた。
大量の水を含んだ盛り土が上載荷重となって斜面を崩したと考えられる。
【不十分だった排水対策】
補強土壁には、幅30cmの不織布による水平排水材が、上下に1.2m間隔、水平方向に2.4m間隔で千鳥配置されていた。
不織布を通じて補強土内の水を排出する仕組みだ。
釜井教授は、「この程度の不織布では到底、雨が降ったときに排水できるはずがない」と指摘する。
「補強土壁は、欧州の雨の少ない地域で発達した工法だ。日本で施工するのなら、日本の気候に適したモンスーンアジア型の補強土壁を考える必要がある」(釜井教授)。
ジオテキスタイルで補強してあるとはいえ、土なのだから水に弱い。
しっかりとした排水対策が必要だ。
通常、斜面に補強土壁を設置する場合、地山から水が入り込まないように、掘削部の底面と背面には、砕石による排水層や排水パイプといった排水工を設置する。
しかし、この補強土壁では、事前のボーリング調査で地下水が観測されなかったことから、排水工を省略していた。
そこで県は、標準的な排水工を設けた場合を想定して、浸透流解析や安定解析などを実施。
その結果、排水工を設置していても斜面は崩壊したという結果になった。
つまり、もっと抜本的な排水対策が必要だったといえる。
記録的豪雨だったとはいえ、盛り土がなければ斜面は崩れなかった。
水への対策が不十分だったと言わざるを得ない。
水への対策が手薄になった大きな要因は、事前のボーリング調査で地下水が観測されなかったことだ。
そのため、地下水が無いものとして設計が進んでしまった。
【事前に湧水のことを伝えていた】
では、本当に地下水は無かったのだろうか。
「水が無いわけがない。調査のときに、たまたま出なかっただけだ」と釜井教授は断言する。
崩壊現場は小さな谷で、水が集まりやすい形状になっている。
県が崩壊後に地域住民に聞き取り調査をしたところ、崩壊箇所の東側では湧水があり、かつては畑で、その湧水を利用していた。
住民は湧水があることを、農道の計画当初から何度も県に伝えていたという。
盛り土の施工後も、排水が不十分であることを示す兆候は表れていた。
農道の路面と地山との間に挟まれた盛り土天端の平地では、雨が降ると水たまりができ、10日ほど水が抜けなかった。
盛り土の天端にひび割れが生じたため、転圧し直して地山との境界部に側溝を設けたが、それでも雨の際には水たまりができた。
「周りの地形や環境、植生などを見て考えていない。データに依存しすぎる初歩的なミスだ」と釜井教授は批判する。
【想定より著しく弱かった風化岩】
誤算だったのは、水だけではない。
補強土壁の基盤とした強風化岩層の強度も、設計時の想定とは大きく異なっていた。
県によると、盛り土自体が崩れたのではなく、その下の強風化岩層で滑っていたことが、検討委員会で疑問点として挙がった。
強風化岩なので強度はあまり高くないが、それでも100m下まで流れるほど流動化することがあり得るのかという疑問だ。
そこで追加で土質試験を実施したところ、強風化岩層のせん断強度が、設計で想定した値よりも大幅に低いことが分かった。
補強土壁の基盤としての支持力はあったが、斜面の安定に必要なせん断強度は持っていなかった。
当初の地質調査や施工時には確認できなかった脆弱な灰白色粘土層が、強風化岩層に流れ盤構造で分布していたからだ。
斜面崩壊から1年ほどたった18年11月2日、県は調査検討会の報告書を公表した。
「今後の教訓となるように」との委員からの要望を受け、報告書として公表することにした。
報告書は、斜面崩壊のメカニズムを以下のようにまとめている。
「農道盛り土が上載荷重として作用し斜面のバランスを低下させたことや、記録的な豪雨で地下水位が大幅に上昇したことが誘因となり、強風化岩層の潜在的な弱層を滑り面として、滑り破壊が生じた」。
原因が明らかになったこと受け、県は今後、復旧工事に取り掛かる。
路面の位置を下げて盛り土量を減らすことを検討している。
[日経コンストラクション 2018年11月26日号の記事を再構成]
出典
『水を甘くみた盛り土が凶器に 斜面崩れ民家襲う』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3894806014122018000000/
2019年1月8日18時54分にNHK京都から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
8日午後2時すぎ、宇治市にある繊維メーカー「ユニチカ」の工場から黒煙が上がっているのをパトロール中の警察官が見つけた。
ユニチカによると、火事があったのは、ユニチカ宇治事業所の中にある「重合新館」と呼ばれる5階建ての工場の3階と4階の部分で、消防車12台が消火にあたり、およそ2時間半後に消し止められた。
警察によると、この火事で30代と40代、それに60代の男性従業員3人がけがをして、病院に運ばれた。
いずれもけがの程度は軽いという。
ユニチカ宇治事業所はJR宇治駅のすぐ北側にあり、会社側によると、工場でフィルムやナイロン樹脂を生産する過程で原料の混ぜ合わせなどをする設備から火が出たという。
警察と消防が火事の原因を調べている。
出典
『宇治 ユニチカ工場火事3人けが』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/20190108/2010002675.html
1月8日18時35分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
8日午後2時10分ごろ、大手繊維メーカー・ユニチカの宇治事業所(京都府宇治市)内のナイロン工場(鉄筋コンクリート4階建て、延べ約18万4000m2)付近から出火し、工場3、4階部分の約450m2が焼けた。
30~60代の男性従業員3人が病院に運ばれた。
軽傷とみられる。
警察によると、工場付近から出火しているのを従業員が見つけた。
ユニチカによると、事業所は広さが約32万m2あり、工場ではナイロン樹脂を製造しているという。
現場はJR奈良線宇治駅の北約300mで、一時は周辺を黒煙が覆った。
男性従業員は「離れた部署にいたが、黒煙が広がってきた」、散歩中の男性(77)は「真っ黒な煙が建物の小窓からモクモクと出ていた」と話した。
出典
『京都・宇治のユニチカ事業所で火災、従業員3人を搬送』
https://www.asahi.com/articles/ASM184V8PM18PLZB00G.html
2019年1月7日18時25分にNHK北九州から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6日で西日本豪雨から半年。
この豪雨では、北九州市の一部の地域で、雨水を一時的にためておく貯水施設からあふれ出た水や放流した水が川に流れ込み、この影響で住宅に被害が出たこと受けて、市は、貯水施設に関する情報を、SNSを使って提供することになった。
去年7月の西日本を中心とした豪雨では、北九州市でも大きな被害がでた。
このうち小倉北区では、貯水施設に豪雨でさらに雨水が流れ込み、あふれ出た水によって板櫃川流域の一部地域で氾濫が起き、住宅が浸水するなどした。
市は、貯水施設から水があふれ出したり放流したりするような状況になった場合、市の内部での情報共有にとどまっていた。
しかし、今回の豪雨を受けて市民から情報提供を求める声が上がっていたことから、市は無料通信アプリ「LINE」を使って要望に応えることを決めた。
情報は、現在、気象情報や避難情報の提供を行っている北九州市のLINEアカウントから入手することができ、「トーク画面」に河川流域の「小学校区」を入力すると、貯水施設から水があふれ出したり放流したりするという予告や、すでに放流が始まっていることが送られてくる。
対象となるのは、八幡東区の「河内貯水池」、小倉南区の「ます渕ダム」、それに八幡西区の「畑貯水池」。
北九州市は、この3つの貯水施設のLINEでの情報提供の運用を、梅雨時期の前のことし5月をめどに始める方針だ。
北九州市は、「貯水施設の情報をもとに、住宅周辺に土のうを積むなど、いち早い避難行動につなげてほしい」としている。
出典
『貯水施設の越流放流情報提供へ』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kitakyushu/20190107/5020002264.html
2019年1月7日5時52分にNHK北九州から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
1年のうち最も潮位が低くなる「マイナス潮位」と呼ばれる現象が春にかけて九州北部の沿岸で起きることが予想されるとして、第7管区海上保安本部は船舶や釣り客などに注意を呼びかけている。
「マイナス潮位」は、潮が引いても海面がほぼこれ以上下がらないとされる「最低水面」よりも、さらに海面が下がる現象で、冬から春にかけての大潮の時期の夜間から早朝にかけて見られる。
この現象が起きると、船が浅瀬に乗り上げるおそれがあるほか、水面から岸壁までの高さが通常よりも高くなり、港への係留や防波堤への乗り移りに注意が必要となる。
また、海面が低い状態で岩場などに移った場合、潮が満ちると船などに戻れなくなるおそれもあるという。
7管海保によると、ことし2月ごろにかけての大潮の時期には、九州北部の沿岸では海面の水位が「最低水面」よりも数cmから大きいところでは45cm以上下がる見込みだという。
「マイナス潮位」は、気圧などの気象状況でさらに水位が下がる可能性もあることから、7管海保はホームページで最新の潮位について確認するよう呼びかけている。
出典
『春にかけ「マイナス潮位」に注意』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kitakyushu/20190107/5020002256.html
(ブログ者コメント)
マイナス潮位とは初耳だ。
調べてみると、7管海保以外、各管区の海上保安部などからも過去に注意情報が発信されていた。
以下は検索上位で出てきた情報。
【特集】 マイナス潮位にご注意を
(第十管区海上保安部 うみまる通信 平成25年12月1日)
https://www.kaiho.mlit.go.jp/10kanku/merumaga/tsushin/tsushin103.pdf
冬季のマイナス潮位に注意
(第五管区海上保安本部 平成16年10月28日)
https://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAN5/press/2004/12/12.htm
2019年1月8日4時4分にNHK北海道から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7日夜9時半前、別海町上春別の牧場で、作業員の鈴木さん(男性、33歳)が、牛舎に設置された牛のふんを送り出す金属製のスクリューに巻き込まれているのを、同じ牛舎内で働いていた別の作業員が発見し、連絡を受けた牧場の責任者が消防に通報した。
鈴木さんは病院に運ばれたが、右足や右手が巻き込まれていて、まもなく死亡が確認された。
鈴木さんは牛舎内で牛のふんを処理する作業をしていたということで、警察は、鈴木さんが牛舎の溝に設置された金属製のスクリューに誤って巻き込まれたとみて、事故の詳しい状況を調べている。
出典
『別海町の牧場で作業員の男性死亡』
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20190108/0006873.html
1月8日12時27分に北海道新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
7日午後9時35分ごろ、根室管内別海町上春別の牧場の牛舎内で、作業員の鈴木さん(33)が牛ふんを流し込む溝に設けられた金属製のスクリューに右半身が巻き込まれているのを同僚が見つけ、牧場の責任者が119番した。
鈴木さんは病院に搬送されたが、約2時間後に死亡が確認された。
死因は外傷性ショック。
警察によると、溝は幅、深さがともに約40cm。
事故当時は、同僚が重機でふん尿を溝に向けて押しだし、鈴木さんはスコップで溝に落とす作業をしていたという。
出典
『牛舎の機械に挟まれ男性死亡 別海』
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/264905/
(ブログ者コメント)
詳細不明だが、溝の中に設置されていたスクリューが、重機で押し出された牛ふんに埋もれ見えなくなっていた・・・という状況だったのかもしれない。
同種事故防止には、溝の上にグレーチングなどの蓋を設置することが考えられるが、そうすると牛ふんが溝に落ちにくくなるのかもしれない。
あるいは、設置されていた蓋の隙間に足が入ったとか・・・。
この事例を活かすためにも、そういった点を報道してほしかった。
2019年1月7日18時12分にKNBニュースから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7日午後2時25分ごろ、富山市草島の建設会社「L」で、この会社の従業員の安倍さん(男性、44歳)が木材を加工する機械のそばに倒れているのを、別の従業員がみつけた。
通報を受けて消防が駆け付けたが、安倍さんの体は損傷が激しく、その場で死亡が確認された。
安倍さんは7日、一人で木材をつなぎ合わせて集成材を作る作業をしていたということで、つなぎ目の溝を加工する機械に巻き込まれたものとみられる。
警察が会社の関係者から当時の状況などを聞いて、事故の原因を調べている。
出典
『富山市の建設会社で機械に巻き込まれ男性死亡』
http://admin.knb.ne.jp/news/detail/?sid=20626
2019年1月7日19時29分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東日本は7日、東京都板橋区のJR埼京線浮間船渡~戸田公園駅間で、荒川にかかる橋の線路から約4m下の河川敷にバラスト(砕石)約40個が落下したと発表した。
けが人は確認されていない。
発表によると、河川敷を歩いていた人から6日午後、同社に「石が落ちてきた」と連絡があった。
消音用に線路に敷き詰められていた砕石が橋桁の隙間から落下したとみられ、最大で縦約6cm、横約4cm、重さ約160g。
全部で計約5.5kgに上ったという。
同社は、落下物を防ぐための橋桁の部品がずれたのが原因とみて調べている。
出典
『埼京線線路から砕石40個落下、橋げたに隙間』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190107-OYT1T50066.html?from=ycont_top_txt
2019年1月6日19時30分にNHK岐阜から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
岐阜県郡上市の神社で、肩を組み合ってやぐらをつくり、高さ6mの所にある花飾りを奪う祭りの最中、参加者の女性が落ちて頭を強く打つ事故があった。
女性は病院で手当てを受けているが、消防によると意識はあるという。
事故が起きたのは、郡上市白鳥町の長滝白山神社で行われた平安時代から伝わるとされる「花奪い祭り」。
祭りでは、神社の拝殿の前で、参加者が肩を組み合って3段のやぐらを作り、てっぺんに登った人が高さ6mの天井からつるされた5つの花飾りを下に落とす。
主催者によると、5つ目の花飾りを落とす際にやぐらがバランスを崩し、2段目にいた40代の女性が落ち、頭を強く打ったという。
女性は救急車で病院に運ばれたが、消防によると意識はあるという。
和紙や竹で作られた花飾りは、持ち帰ると御利益があるとして、当時は、およそ2500人の参拝者が一斉に奪い合っていた。
祭りを主催していた白鳥観光協会の大坪事務局長は、「祭に参加された方がケガをして残念です。伝統の祭りなので、十分注意して続けたいです」。
出典
『郡上「花奪い祭」で女性けが』
https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20190106/0002656.html
1月6日21時10分にYAHOOニュース(東海テレビ)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
岐阜県郡上市で6日行われた伝統の「花奪い祭り」で、やぐらを組んでいた40代の女性が落下した。
女性は病院に運ばれたが、頭の骨を折る重傷。
6日午後3時前、郡上市白鳥町の長滝白山神社で「花奪い祭り」の最中に、やぐらから40代の女性が落下した。
女性は病院に運ばれたが、頭の骨を折る大ケガをした。
警察によると、当時、女性は天井から吊るされた花笠を落とすため大勢の人で組まれたやぐらに乗っていて、花を奪おうとする人たちでもみ合いとなった際に、やぐらのバランスが崩れ、落下したという。
「花奪い祭り」は平安時代から続くとされる伝統の祭りで、手にすると幸運になるといわれる「花笠」を奪い合う光景が毎年繰り広げられている。
出典
『伝統の『花奪い祭り』で40代女性が頭の骨折る 人で組んだ“やぐら”のバランス崩れ落下』
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190106-00020328-tokaiv-soci
1月6日18時22分に中日新聞からは、組まれたやぐらの写真付きで、祭りが行われたという記事がネット配信されていた。
ただし、女性がケガをしたとは報じられていなかった。
(記事転載は省略)
出典
『高さ6メートル、つかめ福の花 郡上・白鳥で「花奪い祭」』
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2019010690182221.html
2019年1月7日付で秋田魁新報から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6日午前8時50分ごろ、秋田県仙北市田沢湖のたざわ湖スキー場でリフト降り場を除雪中のアルバイト男性(63)が試運転中の下り線リフトに誤って接触し、弾みで約3m下の斜面に転落、左肩甲骨やあばら骨を折る重傷を負った。
警察によると、男性は8時半ごろから1人でぎんれい第1リフトの降り場を除雪。
リフトのコース沿いに防護ネットがあるが、男性はネットのない場所に落ちた。
同スキー場によると、リフト稼働中は乗降場を除雪しない決まりで、この日も営業開始の10分前にブザーを鳴らして試運転を始めたが、男性は気付かなかったという。
出典
『除雪中リフトに接触、斜面転落し骨折 たざわ湖スキー場』
https://www.sakigake.jp/news/article/20190107AK0011/
2019年1月6日12時1分にNHK四国から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6日午前2時20分ごろ、愛媛県四国中央市三島紙屋町にある大手製紙メーカー、「大王製紙」の三島工場から出火していると、通行人から消防に通報があった。
消防車16台が消火活動にあたり、火はおよそ5時間半後に消し止められたが、工場内の紙くずを細かくする破砕機が入った建物や紙の原料のパルプを運ぶベルトコンベヤーの一部が焼けた。
警察によると、工場は24時間稼働していて、出火当時も複数の従業員が作業をしていたが、現場から避難し、けが人はいなかった。
また、警察によると、出火したのは破砕機と見られ、警察が詳しい原因を調べている。
大王製紙によると、火事が起きた三島工場は、段ボールや包装に使われる板紙と呼ばれる紙などを生産している、大王製紙グループの最も大きい工場だという。
現場は四国中央市役所から北東に1kmほど離れた、製紙関連の工場や倉庫などが立ち並んだ地域。
出典
『大王製紙の工場で火事』
https://www3.nhk.or.jp/matsuyama-news/20190106/0002895.html
1月6日12時16分にFNN PRIME(テレビ愛媛)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
6日午前2時20分ごろ、四国中央市の大手製紙メーカー「大王製紙」の三島工場から「火が見える」と、通行人から消防に通報があった。
火はベルトコンベヤーなどを焼き、およそ5時間40分後に消し止められた。
出火当時、近くには従業員数人がいたが、避難して無事だった。
火は、工場にある、燃料として使う木などを粉砕する機械から出たとみられ、警察や消防がくわしい出火原因を調べている。
現場は、JR伊予三島駅から北東におよそ1.8kmの工場地帯で、近くの国道が通行止めになるなど、一時、騒然とした。
出典
『大手製紙会社で工場火災 5時間以上燃える』
https://www.fnn.jp/posts/00409110CX
1月6日付で愛媛新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
火は約3時間半後に鎮圧状態となり、けが人は出ていない。
警察によると、動力設備ヤード内にある、廃棄物燃料を砕く破砕機から火が出た。
出典
『大王製紙三島工場で火災 けが人なし』
https://www.ehime-np.co.jp/article/news201901060019
2019年1月5日18時52分に時事ドットコムから、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
防犯効果が高いとされる自動車のスマートキーの電波を悪用して車を盗む「リレーアタック」という手口での盗難被害が増えている。
大阪市や東大阪市で、この手口で車を盗まれたり、盗まれそうになったりする被害が数件続いており、大阪府警は警戒を強めている。
スマートキーは、鍵から出る微弱な電波を車が受信し、ワンタッチでドアの開閉やエンジン始動ができる仕組み。
電波は1~1.5mしか届かず、それ以上離れれば解錠できないため、通常の鍵より防犯効果が高いと普及が進んでいる。
リレーアタックは、この微弱電波を特殊な機器で拾い、車の近くで待機する仲間の機器まで中継。
電波を受信させて車を動かし、乗り去るというもの。
防犯コンサルティングの「日本防犯設備」(東京都)によると、中国製などの機器が出回り、欧米を中心に被害が拡大。
国内でも、ここ1~2年、各地で被害が出始めた。
犯人グループは、車から離れた運転手を尾行して電波を拾うほか、玄関や窓から漏れる電波を使うこともあるため、家の車庫でも油断はできない。
東大阪市で自宅に止めていた高級車を盗まれそうになった男性のケースでは、防犯カメラに発信機などを抱えた不審な人物が撮影されていた。
被害を防ぐには、車を離れる際に不審者がいないか確認し、電波を傍受されないようにする必要がある。
同社の防犯設備士・北沢さんは、「電波を遮断するキーケースも市販されているし、自宅では鍵を電波を通さない金属缶に入れて保管することも有効だ」と呼び掛けている。
出典
『スマートキーの電波盗み解錠=車盗難「リレーアタック」-鍵管理に警戒を・大阪』
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019010500338&g=soc
1月10日15時0分に読売新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
最近の車に搭載されている電子キーの機能を悪用し、車を盗む新たな手口が出てきている。
電子キーでは、車にキーを近づけるだけで、キーからの微弱電波を感知した車のドアロックが解除され、エンジンもかけられる。
新手口はこれに目をつけ、キーと車が離れた場所にあっても、特殊な装置で電波を拾って車に中継し、数秒で作動させるという。
「リレーアタック」と呼ばれており、警察などが警戒を強める。
大阪府東大阪市で昨年9月の夜、民家の玄関前に立つ男がアンテナのついた装置を家に向けると、民家の車庫に止めてあった国産高級車のドアロックが解除された。
仲間の男がドアを開けて乗り込んだが、人が通りかかり、男らは逃走。
翌朝、家人が自宅の防犯カメラ映像で気付き、府警に届け出た。
この4か月前にも大阪市で似た事件があり、府警は、何者かがリレーアタックで家の中にあるキーの電波を車に送り、盗もうとしたとみて、窃盗未遂容疑で捜査している。
府警や自動車メーカーによると、キーを近づけるだけで簡単に車を動かせる機能は「スマートキー」とも呼ばれる。
国内では15年ほど前に導入され、多くの車種に使われている。
車から常時発信されている微弱電波をキーが受信すると、キーからも電波で特別な信号が車に送られ、正しいキーかどうか確認する仕組み。
正しいキーであれば、ドアに触れるとロックが解除され、車内のボタンを押すとエンジンが始動する。
車の電波は周囲1mぐらいにしか届かないという。
・・・・・
出典
『車を盗む新手口「リレーアタック」電子キー悪用』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190110-OYT1T50074.html
(2019年1月21日 修正1 ;追記)
2019年1月21日5時0分に朝日新聞からも、盗難事例の詳細など、同趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・・・
民家の駐車場に近づくマスク姿の男。
手にした何らかの機械は、体の前に抱えたリュックから伸びるコードとつながっている。
その機械を民家のほうに向けると、駐車中の高級車「レクサスLS500」のハザードランプが点滅した。
ドアが解錠された合図だ。
その光で、車のそばにいた仲間とみられる別の人物の影が浮かび上がる。
この間、わずか5秒ほど。
昨年9月、大阪府東大阪市の民家の防犯カメラがとらえた、リレーアタックの一部始終だ。
解錠したものの、2人組は逃走。
後日、所有者の男性(35)が確認したところ、エンジン始動ボタンを2度押した形跡があった。
しかし、何らかの理由でかからず、あきらめたとみられる。
男性は解錠されたことに、「こんなに簡単に……」と驚き、メーカーに対策を求めたいと訴える。
大阪府警によると、今月も茨木市で、リレーアタックによるとみられる事件が発生。
昨年5月にも守口市であったというが、捜査関係者は、「これ以前のものは聞いたことがない」と話す。
スマートキーは、車とキーが微弱電波を発信し合ってIDを照合。
キーを持っている人物がドアを開けたりエンジン始動ボタンを押せば、かかったりする仕組みだ。
リレーアタックは、これを悪用する。
「日本防犯設備協会」(東京)などによると、犯人は主に2人組で、車やスマートキーから出る電波を、遠くまで届くよう中継する特殊な機械で増幅し、2人の間で送受信。
車に「近くにスマートキーがある」と誤認させて解錠させ、エンジンをかけて乗り逃げする。
その後、何らかの方法でIDを書き換え、別のキーで操作できるようにして密売するとみられている。
通常、電波が届く範囲は1m程度だが、東大阪市のケースでは、スマートキーと車は約10m離れていた。
所有者が自宅にいるときでさえ、車が盗まれるおそれがある。
ブログでリレーアタックについて警告していた自動車評論家の国沢光宏さんは、スマートキーは仕組み上、IDを読み取るのは困難だったとした上で、「防犯効果は絶大と言われたが、その仕組みが悪用された」と指摘する。
・・・・・
出典
『車のスマートキー、盲点 発信電波を中継「リレーアタック」盗 住宅内から受信、解錠に5秒』
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13857922.html?_requesturl=articles%2FDA3S13857922.html&rm=150
2019年1月5日13時16分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
昨年7月の西日本豪雨で被災した広島県で、医療機関の被災状況を共有する厚生労働省の広域災害救急医療情報システム「EMIS」(イーミス)への情報入力が当時の混乱で滞り、断水などの把握が遅れたことが、県などへの取材で分かった。
発生2日後でも各医療機関の入力率は約2割にとどまり、給水支援などが後手に回った。
国は、EMISで必要な情報を十分把握できなかったとして、入力の訓練強化や項目の追加などについて検討を始めた。
広島県によると、入力率は大雨特別警報が出た翌日の7日午前9時時点で、県内の全医療機関(診療所も含む)2015施設のうち19施設(1%未満)のみ。
警報直後に入力要請したが、8日午前9時でも426施設(21%)にとどまった。
12日になっても870施設(43%)で、半数に満たなかった。
各地で同時多発的に土砂崩れなどが発生し、患者搬送などへの対応に追われていたとみられる。
【水不足、最大5施設で透析できない状態に】
このため、関係機関への支援や調整を担う県や災害派遣医療チーム(DMAT)県調整本部では、断水して治療に支障が出ている医療機関や人工透析患者らの受け入れ先などの把握が難航。
主要な100施設以上に職員らが電話をかけ続け状況確認するなど、混乱した。
その間に給水車の手配が遅れ、道路寸断などの事情も加わり、水不足で最大5施設が透析できない状態に陥った。
集団で避難を検討した施設も複数あった。
内閣府の初動対応検証チームは、昨年11月、「水の充足状況の把握に時間を要し、断水地域の病院への適時適切な給水支援を行えなかった」と指摘。
県は、「入力率が低く、被災の全体像が不明で、判断にどうしても時間がかかった」として、災害後に広島市と福山市で入力研修を急遽、実施した。
被災地でも、岡山県では7月7日午後に、システムに登録する全336施設が入力し、8日未明に大雨特別警報が発令された愛媛県では同日午後に、全141施設で完了した。
全医療機関を入力対象とする広島に対し、他2県は対象を絞っているため、入力率の単純比較はできないが、愛媛では2015年から、毎月、141施設で一斉訓練を実施。
医療機関が入力できない場合は、管轄する保健所が代理入力するルールを作り、豪雨時も混乱はなかったという。
兵庫県では年に数回、EMISを使う訓練を実施。
また、台風で広範囲に停電した際、入力率が低い場合は県側が医療機関に事情を聴くなどして、大規模災害に備えている。
EMISに詳しい中山伸一・兵庫県災害医療センター長は、「システムがあっても、いざという時に使えなければ意味がない。南海トラフ巨大地震などに備え、医療機関は高い意識を持って入力訓練に取り組むべきだ」と話している。
【DMAT運用にも課題 「当日に応援要請していれば…」担当者悔やむ】
西日本豪雨の医療支援では、広域災害救急医療情報システム(EMIS)の入力に加え、災害派遣医療チーム(DMAT)の運用にも課題を残した。
広島県は2次災害を恐れ、県外からの応援要請を、大雨特別警報が出た昨年7月6日当日は見送り、2日後に一転、大量派遣を求めた。
広島市の安芸区エリアでDMATを取り仕切った県立広島病院救急科部長の多田医師(45)は、「当日に応援要請していれば、もっと多くの人を助けられたかもしれない」と悔しがる。
6日午後11時過ぎ、多田医師はDMATの活動拠点を置くため安芸消防署(広島県海田町)に到着。
救急要請の電話は鳴りやまず、ホワイトボードには「団地が流れた」などの情報が次々と書き込まれていた。
77人が死亡した2014年の広島土砂災害でも活動した多田医師は、それを上回る規模の災害と感じ、すぐに県庁のDMAT県調整本部に現状を伝え、県外からの派遣を要望。
さらに国のDMAT事務局にも、「負傷者は100人規模に上る見込み」と、直接、SOSのメールを送った。
しかし、県から「応援要請を見送る」との連絡があったのは、翌7日の午前9時前。
国の事務局からも、「県から要望がない」などと、取り合ってもらえなかったという。
その間、県内のチームが出動して、倒壊家屋に挟まった住民の治療にあたったが、ほかにも生き埋めなどの情報は多数寄せられていた。
多田医師は、「医療チームがもっといれば、違う現場にも出せた。安全が担保できないから誰も呼ばないでは、話が進まない」と訴える。
県は8日午前に、ようやく福岡や山口、島根各県に本格派遣を求めたが、到着した9日ごろには、既に負傷者がほとんどおらず、避難所での見回りなどが中心となった。
広島県の担当者は、「各地で道路が寸断するなどし、安全確保が難しいと判断した。今思えば、初めての応援要請で慎重になりすぎた面はあった」と振り返る。
国の要綱では、死者100人以上が見込まれる場合は、隣接する都道府県などに派遣要請するとの目安を示しているが、今回のような複数県にまたがる豪雨災害の想定はなかった。
派遣の調整を行う国の事務局も、「DMATは主に地震を想定しており、広域の豪雨は特殊な応用編だった」と、判断の難しさを認めた。
出典
『被災情報入力滞り、給水車手配遅れる 昨年の西日本豪雨』
https://mainichi.jp/articles/20190105/k00/00m/040/081000c
2019年1月6日9時57分に琉球新報から、下記趣旨の記事が写真や地図付きでネット配信されていた。
5日午後5時45分ごろ、沖縄市美里で、灯油を積んだ3トン級のタンクローリーが横転する事故があった。
警察や給油会社関係者などによると、タンクローリーは無人の状態で坂道の上から下へ約150mを走行し、民家の塀や駐車車両4台などに衝突した後、横転して停止した。
運転手の40代男性は、給油作業中に何らかの原因でタンクの上から転落し、膝にけがを負った。
横転した直後に灯油が漏れたため、警察は付近の住民に対し、一時、外出を控えることを求めたり、避難を呼び掛けたりした。
事故による引火はなかった。
警察が事故原因を詳しく調べている。
付近の住民などによると、横転して停止した直後のタンクローリーからは白煙が上がっていたために、消防が消火剤を散布して発火を抑えていたという。
タンクローリーは坂の上にある民家で灯油の給油をしていた。
運転手は道路にうつぶせで倒れており、住民に「(車が)流れた」と話したという。
事故現場は住宅街の中にあり、車の往来も多い場所だった。
【塀も粉々 衝撃大きく 住民、不安な夜に】
中学校や保育園に近く、普段は子どもや車の往来が多い沖縄市の住宅街で5日発生した無人走行のタンクローリー横転事故。
タンクローリーが通り過ぎた跡には、衝突して粉々になった民家のブロック塀やひしゃげた軽トラックなど生々しい傷跡が残り、衝撃の大きさを物語っていた。
タンクローリーからは白煙が上がり、現場周辺には灯油の臭いが漂っていた。
一歩間違えば大惨事につながる恐れもあった。
週末の夜に外出を控えるよう警告を受け、避難を強いられた周辺住民らは、不安や疲労をにじませていた。
「バーン」「ドーン」。
自宅2階で昼寝していた30代の公務員男性は、突然響く爆発音に目を覚ました。
ベランダから階下を見ると、運転手とみられる男性がうつぶせに倒れ、タンクローリーが坂道を下っていた。
公務員男性は一瞬、「ひき逃げか」と思ったが、タンクローリーは住宅の塀に乗り上げ、再び「バーン」という音とともに横転して停止するのを目撃した。
運転手の男性に話し掛けると、意識はあった。
公務員男性は、「子どもがひかれず、引火もしなくて良かった」と、事故当時自宅にいた小学生の子ども2人を見詰めながら安堵した。
タンクローリーは午後8時半までにレッカー車で移動され、現場は約3時間、交通が規制された。
近隣住民や給油会社関係者らは後片付けに追われた。
出典
『タンク車、灯油積み150メートル無人走行 沖縄市 坂道流れ横転』
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-857560.html
2019年1月6日17時39分にテレビ朝日からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
5日午後5時半すぎ、沖縄市で住宅に設置されたタンクに給油していたタンクローリーが急に動き出し、下り坂を約50mにわたって走行。
そして周辺の車や住宅の壁に衝突して横転した。
積み荷の灯油約1700ℓのうち1000ℓが流出したが、引火などはしなかった。
タンクローリーを運転していた男性(40)は車の上で作業をしていて、落下して左足の骨を折る重傷。
事故当時、運転席には誰も乗っていなかった。
警察は、ブレーキが掛かっていなかった可能性があるとみて、事故の原因を調べている。
出典
『“無人”タンクローリー横転 灯油1000リットル流出』
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000144603.html
2019年1月4日11時36分に山形新聞から下記趣旨の記事が、ホームタンクの下部からポリタンクに給油している写真付きでネット配信されていた。
県内で先月、灯油の流出事故が相次いだ。
いずれも原因は、ホームタンクの栓の閉め忘れの「うっかりミス」。
河川に流出した場合、自然環境や住民生活への影響も懸念される。
本県の最上川は東北地方の国管理の1級河川で、2017年まで4年連続で流出事故最多の“不名誉な状況”が続いており、国交省山形河川国道事務所は、「給油中は絶対に目を離さないでほしい」と呼び掛けている。
「ホームタンクから給油している途中、その場を離れた」。
先月中旬、山形市の住宅で490ℓ入りのタンクから約半分の灯油が流出する事故が発生した。
住人は給油していることを忘れ、戻ってみると灯油があふれていたという。
同事務所によると、県内では1~2月に流出事故が集中するという。
寒さが厳しく灯油の利用が増え、落雪で配管が破損することなども多い。
この中で懸念されるのが河川への流出。
最上川流域の事故は14年が89件、15年84件、16年75件、17年は105件で、いずれも東北地方の1級河川で最多となっている。
河川への油流出の影響は、水道水や農業用水に直結する。
流出が少量だったり、発見や通報が早い場合は、吸着マットで油膜を回収して影響の拡大を食い止め、流れ出ても大量の水で分解されるという。
しかし、規模が大きければ取水を制限することもあり、河川環境や住民生活に及ぼす影響は計り知れない。
県内での流出事故の約4割は、家庭用のホームタンクの栓を閉め忘れたことによるもの。
ヒーターやストーブ用のタンクへの給油中に、家事や除雪作業などでその場を離れたり、栓をしっかり閉めなかったりする「うっかりミス」が目立っている。
同事務所では、「事故防止は一にも二にも、給油中は絶対に離れない、目を離さないこと」と強調する。
一方、もしも漏れてしまった場合、すぐに最寄りの消防に通報することが必要だ。
事故の約半数は、早めの通報で影響が拡大する前に食い止められているという。
同事務所の担当者は、「ホームタンクなどの定期点検も重要。流出させてしまったり、河川などで油膜を見つけたりした場合は、ためらわず通報してほしい」としている。
出典
『灯油の給油中は離れないで! 県内で相次ぐ流出事故』
http://yamagata-np.jp/news/201901/04/kj_2019010400055.php
(ブログ者コメント)
〇ホームタンク使用経験のないブログ者は、掲載写真を見て
初めて、ホームタンクの使い方を知った。
これなら簡単にポリタンクに給油できそうだ。
ただ、裏を返せば、盗まれやすいということ。
実際、しばしば、盗まれたという報道に接することがある。
それゆえであろうか、ネット上には盗難防止グッズが多数売られていた。
思い返せば数10年前、ブログ者が住む市原市の有名餃子チェーン店でホームタンクから灯油が無くなったことがある。
その時は給油ミスということに落ち着いたようだが、今思うと盗難か?
北国でない市原市ゆえ、盗難ということには思い至らなかったのかもしれない。
〇ネットで調べたところ、ホームタンクからの灯油流出事故は北国を中心に多発しており、各地の消防や国交省河川国道事務所などから、流出注意の情報が数多く発信されている。
以下は一例。
(上越地域消防事務組合)
(国土交通省能代河川国道事務所 鷹巣出張所)
https://www.city.kitaakita.akita.jp/chiiki_wadai/2007/01/0123/touyu/tyui.htm
2019年1月4日11時21分に京都新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
建設残土を巡って、近年、一部の民間処分場で災害時に土砂が崩れ、民家に流れ込むなどの被害が各地で起きている。
背景には、処分場が少なく、事業者が土砂の持って行き場に困っている現状がある。
国や自治体は規制強化やリサイクルの促進など対策を進めるが、多くは未利用のまま処分されているのが実態だ。
国交省によると、2001~16年に全国で建設残土が崩落した事案は14件に上る。
09年には、広島県東広島市で民家に土砂が流入し、2人が死傷した。
14年には大阪府豊能町で土砂が車道に流れ、半年近く通行止めが続いた。
京都市伏見区小栗栖の大岩山では、山の南側斜面に積まれた残土が7月の西日本豪雨で崩落し、住宅街の約10m手前まで迫った。
市によると、市内の土木会社から昨年、「太陽光パネルを設置するので山頂付近を造成したい」と相談があった。
だが実際には、残土処分場として、大量の土砂を受け入れていた。
残土を持ち込んでいた京都市内の運送会社の男性社長(49)は、「依頼したその日のうちに運んでも受け入れてくれる、ありがたい存在だったが、後に問題があると分かり、使うのをやめた」と明かす。
搬入作業に当たった元従業員によると、処分料は10トントラック1台当たり8500円。
「6000~1万円」という相場の範囲内だが、他の処分場よりも少ない人員や重機で作業を行うことで利益を上げていたという。
残土処分場の数について明確なデータはないが、男性社長は、「常に処分場を探している状態。京都府内に処分場は足りない」と話す。
災害時の崩落防止や適切な処理のため、京都府を含む20都府県と約300市町村は、昨年8月までに、残土を受け入れる事業者に、事前許可や土質調査などを義務付ける土砂条例を制定している。
ただ、小規模事業所は許可が不要で、罰則は100万円以下の罰金にとどまるなど、実効性は高くない。
京都市のように、条例を定めていない自治体も多い。
国交省によると、12年度に国内で発生した建設残土、約1億4000万m3のうち、再利用されたのは36%で、残りの64%は未利用のまま処分された。
同省は、搬出、搬入双方の情報を集約しマッチングさせるためのホームページを15年に立ち上げたが、今年3月末までにマッチングが実現したのは14件(14万m3)のみ。
同省の担当者は、「時期や土質が合わないことが多い。まずは制度の周知を図りたい」としている。
◇仮置き場設置を
【建設残土に詳しい京都大の嘉門雅史名誉教授(環境地盤
工学)の話】
大阪万博の開催が決まったことで、人工島の夢洲が有力な残土の受入地となり、関西で数年間は処分に困らなくなる可能性が高い。
ただ、東京五輪に向けたインフラ整備に伴い、建設残土は全国的に増加傾向にある。
国のマッチング制度の活用を進めるには、残土の仮置き場を開設し、搬入・搬出双方の時間差や土質を調整する方法が考えられる。
課題は、誰が仮置き場を設置するかだ。
まずは、行政や事業者の間で再利用の意識向上に努めてほしい。
出典
『建設残土の崩落被害、各地で発生 処分場少なく、再利用も進まず』
https://this.kiji.is/453748181158085729?c=39546741839462401
※大岩山の事例は、下記記事参照。
(2019年1月4日11時0分 京都新聞)
京都市は1月、市内の土木業者が山頂付近に大量の土砂を搬入している事実を把握。
宅地造成規制法に基づき、土地管理者である栃木県内の不動産管理会社に撤去を指示したが、管理会社側の対応は遅く、崩落を招いた。
10~11月、管理会社が緊急対策工事を実施。
市は、来年1月末に恒久対策案をまとめる方針。
残土の受け入れや崩落の責任を巡っては、管理会社が土木会社を相手に損害賠償を求めて京都地裁に提訴しており、現在、係争中。
出典
『大岩山残土崩落問題とは』
https://this.kiji.is/453744572595700833?c=39546741839462401
(2018年8月31日22時3分 朝日新聞)
京都市伏見区の大岩山(標高182m)で7月、西日本豪雨により大規模な土砂崩れがあり、ふもとの住宅から約10mまで土砂が押し寄せた。
山頂付近に無許可で投棄された建設残土に加え、その崩落を防ぐ工事用として業者が搬入した土砂も流された。
大雨で再び崩落することを心配する地元住民は、8月31日、工事の中止や早急な安全対策を京都市に申し入れた。
市や住民の説明では、7月5~7日の豪雨で、山の南側斜面が約400mにわたり崩れた。
土砂や樹木などが市有地内の農業用ため池(縦約27m、横約15m、深さ約4m)を埋め、民家の約10m手前まで迫った。
山頂付近の土地は、栃木県の不動産管理会社が管理する。
市は1月、現場付近に大量の建設残土が無許可で持ち込まれ、造成されていることを確認。
宅地造成等規制法に基づき、土砂の傾斜を30°以下に抑えるよう、管理会社に是正指導をした。
この無許可投棄について、管理会社は、京都市内の土木会社が無断で持ち込んだとして、この会社に損害賠償を求めて京都地裁に提訴しているが、土木会社は関与を否定している。
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出典
『不法投棄の残土、西日本豪雨で崩落 民家に迫り「不安」』
https://www.asahi.com/articles/ASL804TRLL80PLZB00K.html
2019年1月5日12時0分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
静岡県裾野市須山のスキー場「F」で4日夜、リフトが緊急停止し、スキー客ら約80人が一時、宙づりとなったことが5日、スキー場への取材で分かった。
約35分後に全員が救助され、けが人はいなかった。
スキー場によると、4日午後8時5分ごろ、3線あるリフトのうちの1線で、4人乗りリフトに従業員が接触。
車輪からワイヤが外れ、安全装置が作動し、緊急停止した。
リフトは高い所で地上から約8mあった。
停止したまま、従業員がロープの付いた棒状の専用器具を使い、地上に降ろした。
部品交換と点検を終え、5日朝から運転を再開した。
(共同)
出典
『リフト停止、一時80人宙づり 静岡のスキー場』
https://mainichi.jp/articles/20190105/k00/00m/040/073000c
(ブログ者コメント)
車輪からワイヤが外れた?それともワイヤから車輪が外れた?
それはともかく、人が接触したぐらいで外れるものだろうか?
「部品交換と点検を終え・・・」と報じられている点から考えると、車輪に問題があったのかもしれない。


















その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。