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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2019226日付で茨城新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

日本原子力研究開発機構(原子力機構)核燃料サイクル工学研究所(東海村村松)の放射線管理区域内で1月、核燃料物質が漏れた問題で、原子力機構は25日、原因について、作業員が核燃料物質入りの貯蔵容器を包む樹脂製の袋に誤って穴を開けた可能性が高いと発表した。

 

手順通りに袋の汚染検査を行わなかったことで汚染が拡大したとも説明。

 

原子力機構は再発防止策を取りまとめ、作業手順の改定などを進める方針を示した。

原子力機構の取り組みを確認する文科省特命チームの会合で、児玉理事長らが報告した。

同省によると、原子力機構の検証試験や作業員からの聞き取りの結果、作業員が密閉された設備「グローブボックス」から貯蔵容器を袋に入れ、熱で溶かし密閉する際、機器に袋が引っ掛かって直径約5mmの穴ができたという。

原子力機構の聞き取りに、作業員は「接触を認識していなかった。ぶつけた記憶もない」と説明したというが、穴の状態から、引っ掛けた可能性が高いとした。

また、作業員は貯蔵容器を1枚目の袋で包んだ後、汚染検査する必要があったが、検査せずに2枚目の袋を包む場所へ運んだ。

 

原子力機構は、作業の手順違反があったと分析。

同省担当者も、「検査の省略で汚染が拡散した」とした。

原子力機構は、作業手順の徹底に加え、袋を交換する際、容器表面の拭き取り作業を義務化するなど、仮に袋に穴が開いても空気汚染が起きない作業環境の実現を、2カ月以内に終える方針も説明した。

漏えいは1月30日、「プルトニウム燃料第二開発室」粉末調整室で、プルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料入りの貯蔵容器をグローブボックスから取り出した際、漏えいを検知する警報が鳴った。

 

室内の作業員9人に被ばくはなかった。

 

出典

原子力機構 核燃サイクル放射性物質漏えい 作業ミス、袋に穴か 汚染検査行わず

https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=15511022848773 

 

 

2251821分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

日本原子力研究開発機構は25日、1月に茨城県東海村の核燃料サイクル工学研究所内で起きた放射性物質漏れ事故について、調査結果を文科省に報告した。

 

粉状の核燃料が入った容器をビニール製の袋で包む作業で袋に穴が開き、作業員が検査を怠ったために汚染が拡大した可能性があるという。

 

同省によると、事故はウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)の貯蔵容器を袋で包み、密閉された設備から取り出す作業中に起きた。

袋には約5mmの穴が開いていた。

 

検証の結果、袋に封をする装置の先端部と袋がこすれて穴が開いたと判断した。

作業員が袋をねじるように反転させた際、先端部に接触した可能性がある。

ただ、作業員は接触について「記憶がない」と話しているという。

 

さらに、手順では、袋を密閉した直後に表面の汚染の有無を検査することになっていた。

だが、容器を「熱い」と感じた作業員が、検査をせずに次の作業に移ったという。

このために汚染が拡大した可能性が高いと、機構は報告した。

 

機構は、

▽容器を袋で包む作業で袋を反転させるのを禁じる

▽汚染検査を徹底する

などの再発防止策を立てたという。

 

出典

放射能汚染、検査怠り拡大か 原子力機構「袋に穴」

https://www.asahi.com/articles/ASM2T5GF1M2TULBJ010.html 

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

どのような作業をしていて汚染したかは、下記報告書の参考資料-1、2(38、39/82ページ)参照。

 

2019226日 

核燃料サイクル工学研究所 プルトニウム燃料第二開発室の 管理区域内における汚染について

https://www.jaea.go.jp/02/press2018/p19022601/s01.pdf

 

 

 

(2019年3月29日 修正1 ;追記)

 

20193272016分にNHK茨城から、国に最終報告書が提出されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

原子力機構は27日、再発防止策などをまとめた最終的な報告書を国の原子力規制委員会に提出した。


この中では、当時、一部の検査を実施しなかったことで汚染に気づくのが遅れた可能性があるとしたうえで、

▽放射性物質を扱うなど汚染のリスクが高い作業を行う際には、管理に専念する現場責任者を置く

▽作業のより細かい手順を示したマニュアルを作成し、訓練を行う

などとしている。


原子力機構は、今後、これらの再発防止策を組織内で共有し、現場で作業に当たる人や管理する人に対して教育を徹底していきたいとしている。

 

出典

放射性物質漏れで再発防止策

https://www3.nhk.or.jp/lnews/mito/20190327/1070005797.html

 

 

 

※最終報告書は下記参照。

https://www.jaea.go.jp/02/press2018/p19032701/ 

 

 

 

 

 

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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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