2022年10月8日15時5分にYAHOOニュース(WJS)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
【飲酒により5人が死傷した事故。飲酒運転でも船舶には刑事罰がない】
9月4日未明、パイロットボートが神戸港沖の防波堤に衝突し、男性5人が死傷した事故が起きた。
神戸港で、沖に停泊している外国船などに乗り込んで港内の誘導業務を担う水先人を運ぶため、船に向かう途中で発生したもので、この事故で船長と水先人1人が死亡し、50~70代の水先人ら3人が負傷した。
神戸海上保安部は、業務上過失致死傷などの疑いで事故原因の捜査や操船者の特定を進めていたが、ボートを運行していた運航会社は7日、死亡した船長と男性乗組員が、別のボートの男性乗組員2人と「乗船前に飲酒していた」と明らかにした。
乗船前の飲酒が常態化していた可能性があるという。
【3人乗りの“水上バイク”が“消波ブロック”に衝突】
アルコールによる重大事故は船だけではない。
水上バイクでも、痛ましい事故が起きている。
昨年の9月15日に、兵庫県で「3人乗りの“水上バイク”が“消波ブロック”に衝突し、男女3人が死亡」するという事故が起きた。
しかも、運転者は無免許だった。
事故後の調査で、死亡した男性の体内からアルコールが検出され、酒を飲んで水上バイクに乗っていたことが判明した。
さらに、消波ブロックに衝突する24秒前から“急加速”し、激突時の速度は時速約100キロに達していたという。
神戸海上保安部は、水上バイクを運転していた無免許の男性(当時28歳)を、容疑者死亡のまま重過失致死と過失往来危険の疑いで書類送検している。
【海には「刑事罰」がないのが一番の問題】
酒酔い状態で操船することは法律で禁止されているが、船舶免許の減点や事業停止などの行政処分のみで、「刑事罰」はない。
陸上と同じように、海でも飲酒運転は禁じられているが、未だに違反行為が後を絶たないのは、こういった理由もあるのだろう。
国土交通省は、海や湖、河川によって船舶の往来量などが異なるとして、「道路交通法のような全国一律の罰則は想定していない」としている。
そのため、一部の自治体では、プレジャーボートや水上バイクなど小型船舶の「飲酒操縦」に対して、独自に条例で罰則を設けている。
しかし、「条例による罰則」では、どこまでの「抑止力」があるのか疑問が残るところでもある。
前述の水上バイク事故のように、「時速100キロで加速しながら防波堤や消波ブロックに正面から激突する行為」は、普通では考えられない。
判断力が鈍った“飲酒”のせいであると思われる。
飲酒しての操船は、事故などが起きない限り、発覚しにくい。
今回の事故も、氷山の一角に過ぎないだろう。
各都道府県による条例の制定も大事だが、監視や取り締まりの強化にも際限がある。
このあたりで「船に対する明確な罰則規定」を作っても良いのではないだろうか。
https://news.yahoo.co.jp/articles/263c6d93a874dc8de5f4187799326ff3e8e71921
2023年5月25日12時44分にYAHOOニュース(読売テレビ)からは、船長は酩酊状態だった、他にも飲酒操船者多数、会社は業務前アルコール検査をほとんど実施していなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
この事故について調査を行っていた国の運輸安全委員会は25日に調査報告書を公開し、「船長が飲酒して酩酊した状態で操船し、防波堤に向かって航行を続けたことから衝突し、その後堤防に衝突したものと推定される」とする分析を明らかにしました。
また「運行会社の神戸地区の乗組員の多数が過去に操船業務開始前に飲酒していたこと、アルコール検査を実施したことはほとんどなかったことから、操船業務開始前の飲酒禁止に関する意識が低下していたものと考えられる」と指摘しました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9ff3221772fb7c370ff3e9de4063fd1ffb8b61e9
※ちょっと前、2023年3月8日付でラジオ関西からは、午前2時以降の出港予定があるのに前日の18時半以降に乗組員4人が待機所で飲酒していた、コロナ禍で業務量が減った2020年ごろから飲酒機会が増えたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
司法解剖で船長の体内からは基準値の7倍に相当するアルコールが検出された。
(道路交通法で酒気帯び運転の基準値となる呼気中アルコール濃度は1リットル当たり0.15ミリグラム)
捜査関係者によると、当時は(夜間であっても)見通しは良く、平均的な操船技術があれば、前方を見誤ることはあり得ないという。
こうしたことから、防波堤への衝突原因として、酒気帯び状態での操船で、船長が周囲への警戒を怠った可能性が高いとみられる。
N交通の内部調査では、事故前日(22年9月3日)の午後6時半以降に、死亡した船長と他の3人の計4人が、待機所で飲酒していたという。
いずれも翌4日の午前2時以降の出港予定があることを認識していた。
さらに、9人の乗組員が、業務開始前に飲酒したことが確認され、飲酒の常態化が明らかになった。
同社の安全管理規定では、出航前8時間の飲酒を禁じており、出勤時と出港直前のアルコール検査が定められている。
乗組員らは「新型コロナウイルス禍が始まった2020年ごろから業務量が減ったため、飲酒機会が増えた」と説明していたという。
https://jocr.jp/raditopi/2023/03/08/489800/
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。