2022年10月8日19時0分に朝日新聞から、えさ台の正面と側面には板が張られていたなどの説明写真付きで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
北海道旭川市の旭山動物園で7日、アミメキリンのメス「結(ゆい)」(8歳)が事故死した。
園によると、7日午後0時半ごろ、放飼場から2メートルほどの高さにある鉄骨製のえさ台裏のはしご部分に、結が頭を引っかけた状態でぐったりしているのを、来園者が見つけた。
結は頭までの高さが約4メートルあり、長い首をえさ台裏に回し込んだ際に頭が抜けなくなり、足を滑らせて宙づりになったとみられる。
園は頸椎(けいつい)の損傷が死因と判断した。
えさ台の正面と両側面には…
https://www.asahi.com/articles/ASQB85JPQQB8IIPE006.html
10月8日13時0分にYAHOOニュース(HTB)からは、興味のあるものを見て首を入れた可能性があるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
旭山動物園のキリンの急死から一夜明け、園が当時の状況を説明しました。
旭山動物園坂東園長:
「キリンがこっちから頭を入れて90度ふってここに」
旭山動物園の8歳のメスのアミメキリンの「結」は、7日、エサ台の下の階段に角をひっかけたまま転倒し、死にました。
これについて旭山動物園は「なにか興味のあるものを見て首を入れたのではないか」としていて、結の成長に伴う行動を想定できていなかったと説明しました。
結のほかに飼育されているキリン1頭は今日から再び公開されましたが、もう1頭は事故の箇所を改修し安全を見直したうえで公開したいとしています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/16ea8e9f579b5445fd0a374bae73df11924172ee
(ブログ者コメント)
危険予知してのことだと思うが、せっかくエサ台の正面と側面には板を張っていたのに、なぜ裏面に張らなかったのだろう?
エサ台のすぐ横まで柵があることだし、まさかここまで首を伸ばすことがあろうとは思わなかったのかもしれない。
産業安全の世界でも、こうした安全対策の盲点、死角、不徹底といったことが事故につながることがある。
(2023年1月9日 修正1 ;追記)
2023年1月8日8時30分に時事ドットコムからは、キリンの角は釣り針の返しのようになっている、これまでの10年間でキリンの事故死は6件、事故を含め毎年12~15頭が死んでいるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
動物園の人気者と言えば、ライオン?パンダ?それともオランウータン?
いえ、今回は長い首が特徴のキリンのお話です。
2022年、国内ではキリンをめぐる悲しい事故が相次ぎ、3頭が死んでしまいました。
実は、キリンは絶滅の危険があるとされています。
繁殖に影響はないのでしょうか。
事故を防ぐ手だてはないのでしょうか。
◆ 園内で、輸送中に、相次いだ事故
まず2022年の事故について振り返ってみたい。
1件目は4月12日に発生した。
神戸市立王子動物園から岩手サファリパーク(岩手県一関市)に移送中だった1歳の雌「ひまわり」が、トラックに載せた輸送箱の中で死んだ。
体勢を変えようとするなどして転倒、首が曲がった状態になったことが原因と推定され、岩手サファリパークは、輸送箱内にカメラを設置するなど、動物への負荷軽減や安全を最優先として輸送するよう改善するとした。
2件目で犠牲になったのは、北海道旭川市にある旭山動物園の8歳の雌「結(ゆい)」だ。
10月7日昼すぎ、餌を準備する作業台に頭を突っ込み、角が引っかかった状態で見つかった。
死因は頸椎(けいつい)損傷。
3件目が起きたのは約1カ月後で、和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドで11月8日、2歳の雄「ナギ」が、高さ約3.2メートルのエサ台にあった囲いと受け皿の隙間に角が挟まっているのが見つかった。
◆にょっきり主角「まるで釣り針」
2件目と3件目は、角が引っかかったり、挟まったりしたことが要因だ。
キリンには、おでこや後頭部に5本の角があるが、ひときわ目立つのが、両耳の間に1対、にょっきりと伸びた主角。
旭山動物園の坂東園長は、この主角を「ちょうど『返し』のついた釣り針のよう」と表現した。
旭山動物園では、事故が起きた作業台の側面のうち、キリンがいるスペースに面した方の隙間をふさいでいたが、事故は、ふさいでいなかった裏側で起きた。
坂東園長は「裏側は想像していなかった。(キリンは)冷静になれば抜け出せただろうが、パニックになって暴れ、足を滑らせたのだろう」と悔しそうに語る。
アドベンチャーワールドの担当者によると、旭山動物園での事故を受け、飼育環境に同様の問題点がないか確認したが、特段の処置を執っていなかったという。
「かけがえのないパートナーの生命を失ってしまったことを悔やんでいる。すべての動物たちが安全に過ごせるよう、今後も最善を尽くす」とコメントした。
◆年に1件あるかないか
記者は多摩動物公園(東京都日野市)の清水さんに取材を申し込んだ。
清水さんは、全国で飼育されるキリンの血統を管理する立場にある。
年間に3件の事故が起きるのは多いのか少ないのか。
記者の問いに対し、清水さんは2012~21年の10年間の事故死は6件で、「1年に1件あるかないか」と説明した。
事故状況に関する過去の調査では、何かに体が挟まったことによる事故は全体の26%を占め、転倒(33%)に次いで多かったという。
事故はどういうときに起きるのだろうか。
清水さんが例として挙げたのは、飼育施設の建て替えだ。
キリンは長い首を上下左右に振って思わぬ所に頭を突っ込んでしまうことがあり、「新施設はきちんと考えて建ててもらっているが、『ここで挟まっちゃうのか』というような、想像もしない場所で事故が起きる」と語る。
◆「3日、3週間、3カ月」
記者が各地の動物園のホームページなどの発表を手集計した限りでは、2022年に死んだキリンは、事故を含め、少なくとも15頭に上った。
「公式の集計はまだ」としつつ、清水さんの認識もそのぐらいだという。
例年と比べて多いのか、少ないのか。
「毎年12~15頭くらいが死んでいる。特段多くもない」と清水さん。
記者が調べた限りでは、0歳や1歳といった、若いキリンの死が目立ったが、「好奇心旺盛で一番はしゃぐ年齢のキリンは事故に遭いやすい。もともと虚弱で長く生きられなかった可能性もある」と説明した。
清水さんによると、大まかに「3日、3週間、3カ月」が危険な時期だという。
虚弱体質だと、そもそも3日も生きられない。
生後3週間ともなると活発に動き回るが、経験に乏しいので事故に遭いやすい。
3カ月たてば体は立派になるが、同居する他の動物との関係から、事故に遭うことがあるそうだ。
「それを越えれば、精神的にも安定して落ち着いてくるので、事故も少なくなる印象」という。
◆繁殖に影響はなし
繁殖に問題はないのだろうか。
・・・
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ところで、ここまでキリン、キリンと書いてきたが、動物園によって「キリン」だったり、「アミメキリン」だったり、呼び方がまちまちだった。
・・・。
https://news.yahoo.co.jp/articles/858eff67d0328821665ba38cd11f0cbb294b2454
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。