2017年8月3日8時5分に佐賀新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2日午後2時20分ごろ、小城市小城町晴気の国道203号で、唐津署の護送車と大型トレーラーが正面衝突し、護送されていた容疑者の男が意識不明の重体になった。
護送車の男性署員3人も負傷し、トレーラーの男性運転手もけがをした。
小城署は、どちらかの車両が中央線をはみ出したとみて、原因を調べている。
小城署などによると、意識不明になったのは、親族を刺すなどした疑いで6月1日に逮捕された唐津市の男(66)=殺人未遂容疑で送検済み。
勾留先の唐津署から佐賀市の佐賀地検に護送中だった。
男は護送車の最後列中央に座り、両脇にいた唐津署留置管理課の巡査部長(46)が頭を打ち重傷、巡査長(31)も負傷。
運転していた同課の一般職員(47)は、太ももの骨を折るなど重傷。
小城署によると、現場は片側1車線で緩いカーブの坂道。
護送車が坂道の下り方向、トレーラーが上り方向の車線を走行していた。
トレーラーは神埼市で荷を下ろし、多久市の会社に戻る途中だったという。
地元の住民によると、見通しは悪く、事故が多い場所という。
近所の男性(65)は、「下りの車はスピードを出すので、いつも気を付けて運転している」と話し、「これほどの事故は初めて。護送車はフロントガラスがめちゃくちゃに壊れていた」と驚いていた。
佐賀県警の牧瀬監察課長は、「交通事故防止対策に取り組んでいる中、職員が交通事故を起こしたことは誠に遺憾で、被害者と県民の皆様に深くおわび申し上げます。事故原因については捜査中で、結果を踏まえて適切に対応したい」とコメントを出した。
出典
『護送車が事故、容疑者重体 小城の国道』
http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/451794
2017年8月11日10時17分に佐賀新聞からは、シートベルトが2点式だったことが死亡につながった可能性があるという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事故を受け、護送車の仕様や移送方法が課題に浮上している。
容疑者が座っていた最後列中央のシートベルトは、肩がけの3点式ではなく、腰を左右2点で締める旧来タイプ。
これで固定され、手錠と腰縄を着けた状態で上半身を強く揺さぶられ、首の骨を折った可能性がある。
事故の直接的な原因は護送車が中央線をはみ出したためだが、車両の更新を含めた運用の見直しも求められそうだ。
小城署によると、容疑者の死因は頸椎骨折で、上半身が前方に振られて後ろに戻った時か、前のシートなどに頭をぶつけた際に、首に負担がかかったとみている。
着用していたシートベルトは2点式だった。
国交省自動車局の担当者は、「肩掛けの3点式のシートベルトと違って上半身を拘束できず、前に傾くのを抑えられない」と指摘する。
護送車内で容疑者や被告が座る場所は、運転席から離れた最後列中央が慣例だ。
この位置のベルトを巡っては、2012年7月以降に製造する定員10人未満の乗用車の場合、3点式を設置するように車両の保安基準で義務付けられている。
これを受けて警察庁が13年度以降に購入した護送車は、最後列中央のベルトが3点式になっている。
県警の護送車は、本部と各署に計19台ある。
定員は全て10人以下で、3~4列シートのワゴン車だ。
12年度以前に購入した車両が17台で大半を占め、これらの最後列中央のベルトは2点式とみられる。
最も古い車両で1997年度に購入、今回の事故車両は99年度に購入したもので、エアバッグもついていなかった。
警察庁会計課によると、警察車両の買い換えの目安となる平均使用年数は、パトカーで6年、護送車は13年。
護送車は、昼夜休みなく走り続けるパトカーより長持ちする分、古い車両の割合が多くなっている。
今回の事故では、護送車を運転していた職員が重傷で、容疑者の両脇に座っていた警察官も重軽傷を負った。
両脇の2人は衝突時、前方のシートに飛ばされている。
容疑者の逃走を防止するため、ベルトの着用義務が免除されており、こうした運用を継続するかも検証が求められそうだ。
護送車が中央線をはみ出した原因は依然として不明で、県警は、負傷した関係者の回復を待って事情を聴く。
監察課の中原次席は、安全運転の徹底を内部で呼び掛けているとした上で、「搭乗者の安全確保に向けたハード面の対策も検討する必要がある」と話している。
出典
『旧式2点ベルト着用 小城市の護送車事故』
http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/454196
8月11日14時48分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
県警によると、この護送車には運転席とは金網で仕切られた後部座席が3列あり、前の2列に2人ずつ、最後列には3人が座ることができる。
容疑者は最後列の真ん中に座り、2点式ベルトを着用。手錠、腰縄をしていた。
国交省によると、乗用車のベルトは12年7月から、後列真ん中を含め3点式の設置が義務づけられた。
腰のみを固定する2点式だと、衝撃があった際、前の席に頭をぶつけるおそれがあるのに対し、3点式は上半身の動きも抑えられるという。
県警によると、護送車やパトカーといった警察車両は国が一括調達する。
護送車はパトカーより年間の走行距離が少ないため、更新期間が長くなるという。
県警の護送車19台は、1998年から2015年の登録。
全席が3点式ベルトなのは2台だけで、後部座席がすべて2点式が11台、真ん中が2点式で左右が3点式が5台ある。
最後列が特殊な作りでベルトがない車両も1台あり、1列目の補助席を使って警察官が容疑者を挟んでいるという。
容疑者のベルトは2点式。
同省によると、ヘッドレストは後部座席には義務付けられておらず、県警の護送車のうち12台は、すべての後部座席に備わっていない。
2台は全席に備え、5台は左右だけで真ん中はない。
出典
『護送車の死亡事故、ベルトは2点式 ヘッドレストもなし』
http://www.asahi.com/articles/ASK8B55XJK8BTTHB00G.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。