2018年8月27日18時48分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が事故時のイメージ図付きでネット配信されていた。
川崎市麻生区で昨年12月、スマートフォンを操作しながら電動自転車を運転し、歩行者にぶつかって死亡させたとして重過失致死罪で在宅起訴された元大学生の女性(20)=同区=に対し、横浜地裁川崎支部は27日、禁錮2年執行猶予4年(求刑禁錮2年)の判決を言い渡した。
スマホを使いながら自転車を運転して事故になるケースは急増しており、警察庁も注意を呼びかけている。
江見裁判長は判決で、「周囲の安全を全く顧みない自己本位な運転態度で、過失は重大」と指摘。
そのうえで、事故当時は時速9.3kmと比較的低速だったことや、被告の家族が加入する保険で賠償が見込まれる点などを考慮し、執行猶予つきの判決が相当だと結論づけた。
判決によると、被告は昨年12月7日午後3時ごろ、歩行者専用道路となっている商店街で自転車を脇見運転し、歩行中の女性(当時77)=同区=と衝突、脳挫傷などで死亡させた。
被告は事故直前に少なくとも33秒間、左耳にイヤホンをつけて音楽を聴きながら、飲み物を持った右手で右ハンドルを握り、左手でスマホを操作しながら走行。
メッセージの送受信を終えてスマホをズボンの左ポケットにしまう動作に気をとられ、事故を起こした。
弁護側は「悪質性の低い脇見運転」だと主張したが、判決は「前方を注視しないばかりか、危険を察知したとしても直ちにブレーキをかけられない状態だった」と述べ、「『脇見運転』と矮小化する弁護人の主張は論外」と退けた。
さらに、被告が法廷で「急いでいたことが事故の原因」と述べたことについて、「根本原因である自らの運転態度についての内省が深まっていない」と非難した。
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【「画面の注視」10年前から6倍増】
「ながらスマホ」の自転車事故は、各地で増えている。
警察庁によると、スマホや従来型携帯電話(ガラケー)を使いながら歩行者と衝突した事故は、昨年だけで45件確認された。
前年から19件増え、統計を取り始めた2007年以降で最悪だった。
原因の内訳は、「画面の注視」が29件と最も多く、10年前と比べて約6倍増。
一方で、「通話」は4件にとどまる。
SNSやゲームを楽しむ機会が増え、画面に集中するあまり、事故を起こすケースが増えている。
担当者は、「自転車事故が重い罪に問われたり、賠償責任を問われたりすることを知ってもらう啓発を進めたい」と言う。
スマホを使いながら歩いている時にも、事故は起きている。
東京消防庁によると、都内では16年までの5年間で、「ながらスマホ」による事故で計201人が救急搬送された。
特に駅で事故が起きやすく、このうち42人は、駅の階段やホームから転落するなどした。
全国の鉄道事業者や携帯電話会社は14年から毎年、駅構内にポスターを貼るなどして、注意喚起をしている。
電気通信事業者協会が今年3月にまとめた調査によると、駅を利用するスマホユーザーの9割以上が「歩きスマホは危険」と感じている。
それでも、ほぼ半数が歩きスマホをすることがあると回答。
理由としては、「時刻表や地図アプリの利用」を挙げる人が最も多く、
「スマホを見るのが癖になっている」
「SNSのやり取りをタイムリーにしたい」
「気になるサイトやニュースをすぐみたい」
といった答えも多かった。
「ながらスマホ」の研究に取り組む愛知工科大の小塚一宏名誉・特任教授(交通工学)によると、スマホを利用している時の視界は通常の約20分の1に狭まり、歩行者を見落とす確率も増えるのだという。
「興味や関心がある方に視線が集まってしまい、交通環境に注意する意識も薄れる。目をふさいで歩いたり運転したりするくらい危険なことだと認識してほしい」と指摘する。
出典
『ながらスマホの自転車死亡事故、元大学生に有罪判決』
https://www.asahi.com/articles/ASL8V532RL8VULOB00C.html
※事故当時の様子は下記記事参照。
(2018年2月15日13時36分 朝日新聞)
川崎市麻生区で昨年12月、スマートフォンなどを手に持って電動自転車に乗り、歩いていた女性(当時77)にぶつかり死亡させたとして、神奈川県警は15日、大学2年の女子学生(20)=同区=を重過失致死の疑いで横浜地検川崎支部に書類送検した。
「ぶつかるまで気がつかなかった。大変申し訳ないことをしてしまった」と述べ、容疑を認めているという。
警察によると、女子学生は昨年12月7日午後3時15分ごろ、同区上麻生2丁目の路上で、両手が塞がった状態で電動自転車をこぎ出したところ、歩いていた女性に衝突し、死亡させた疑いがある。
女子学生は、左手に持っていたスマートフォンをポケットに入れようとして前方を見ていなかった上、右手に飲み物を持ち、ブレーキをかけられる状態ではなかったという。
2015年に施行された改正道路交通法では、自転車運転に関し、信号無視やブレーキのない自転車で走行した場合、「危険行為」にあたり、交通切符(赤切符)が交付される場合がある。
3年以内に2度摘発された自転車運転者に対し、講習の受講を義務づけた。
携帯電話を使いながらや、傘を差しながらといった行為は指導警告を受け、従わない場合や人身事故を起こした場合も危険行為とみなされる。
出典
『左手スマホ、右手に飲み物…電動自転車で重過失致死容疑』
https://www.asahi.com/articles/ASL2G6D8DL2GULOB01T.html?iref=pc_extlink
(2/2へ続く)
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。