(2/3から続く)
8月31日7時0分に毎日新聞からは、病院は4人の死者が出た後に3、4階の患者をエアコンの利く部屋に移動させていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
病院側は、26日夜~27日午前に4人が死亡した後、エアコンが故障した3、4階の部屋から他の患者をエアコンの利く部屋に移動させ始めていたことが、捜査関係者への取材で判明した。
岐阜県警は、15時間で4人の死者が出たことで、病院が事態の重大性を認識した可能性があるとみている。
捜査関係者によると、病院は4人が死亡してから、3、4階にいた別の患者11人をエアコンの利く別室に移動させていた。
このうち、24日に入院して3階にいた男性(84)は、27日に2階に移ったが、28日午後6時38分に死亡した。
病院側は、死者が出るまで約1週間、3、4階にいた患者全員をエアコンの利かないまま過ごさせ続けたことになり、危険性の認識が遅れていた可能性がある。
出典
『岐阜5人死亡 4人死亡で部屋移す 病院側、重大性認識か』
https://mainichi.jp/articles/20180831/k00/00m/040/183000c
8月31日19時53分に産経新聞westからは、移動先は新館のリハビリ室だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
市によると、病院側は28日までに、エアコンの故障していない新館のリハビリ室(本来病床ではない)にベッドを運び、軽症とみられる11人を移動させた。
また、29日にも新館5階に7人を移動させ、定員11人の病室に13人がいる。
出典
『リハビリ室に入院患者11人移動 エアコン故障で岐阜の病院』
http://www.sankei.com/west/news/180831/wst1808310096-n1.html
8月31日7時35分に岐阜新聞からは、病院では毎月2~4人が亡くなっているという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同病院では毎月2~4人が亡くなり、冬の寒い時期には7人亡くなったこともあるという。
今月は、今回判明している5人。
出典
『体温や室温記録 患者5人死亡、容体逐次把握か』
https://www.gifu-np.co.jp/news/20180831/20180831-69963.html
(ブログ者コメント)
〇事故発生にはTPMという要素も絡んでくる。
熱中症が直接の死因ではないらしいが、エアコンの故障が春とか秋であれば、このような事態にはならなかったような気がする。
〇部品調達の関係でエアコンの修理に時間がかかるという点は理解した。
ただ、病院側は、高齢の重篤患者が多数いる病院という特殊事情を、どの程度の逼迫性をもって修理を依頼した業者に伝えていたのだろうか?
普通、そのような事情があれば、業者はあちこち心当たりの会社を探しまわるとか、既存部品の転用で急場を凌げないか検討するなど、手を尽くしそうな気がするのだが・・・。
病院側、業者側ともに、また故障したのか・・・程度の認識しかなかったということはないだろうか?
(2018年9月4日 修正1)
2018年9月3日8時35分に岐阜新聞から、3、4階のエアコンは定期点検されていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、2/3中、BM対応だったと報じられていた記事部分を削除した)
5人がいた本館3、4階のエアコンを含む全4基はいずれも定期点検が行われていたことが、2日、県の調査で分かった。
一方、問題発覚後に患者を移動させた新館の全7基の定期点検は未実施だった。
県によると、フロン排出抑制法では、同病院の規模で3年に1度の定期点検が義務付けられている。
県は、31日に立ち入り検査を実施。
病院から1日に点検状況の報告があり、本館の5階と3、4階のためのエアコン2基は2017年4月に、1、2階の2基は16年8月に実施済みだったという。
新館は、定期点検を義務付けられていなかった同法改正前の12年5月から14年10月の間に行われたきりだった。
県は口頭で点検するよう指導した。
3日にも文書でも送る。
出典
『故障エアコン、定期点検済み 岐阜市の病院』
https://www.gifu-np.co.jp/news/20180903/20180903-70787.html
(2021年3月20日 修正2 ;追記)
2021年3月18日21時15分に日本経済新聞からは、院長が書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
岐阜県警が業務上過失致死の疑いで男性院長(71)を書類送検していたことが18日、捜査関係者への取材で分かった。
病院は同日、代理人弁護士を通じて「患者は病死したもので、刑事責任を問われるような問題はなかったと認識している。引き続き捜査に全面的に協力する」とのコメントを出した。
県警が司法解剖し、5人中4人に熱中症の所見が確認されたことから、エアコンの故障と死亡との間に因果関係があると判断したとみられる。
〔共同〕
(2021年6月24日 修正3 ;追記)
2021年6月23日19時42分にNHK岐阜からは、院長は不起訴になったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
岐阜市にあるY病院では、3年前、平成30年の8月26日から28日にかけて、入院していた80代の患者5人が相次いで死亡しました。
5人がいた、いずれの病室でも、1週間ほど前からエアコンが故障していて、警察は、患者が熱中症になった疑いがあるとみて捜査し、ことし3月、エアコンの故障を知りながら、患者を冷房が効いた部屋に移動させるといった必要な措置を怠り死亡させたとして、70代の院長を業務上過失致死の疑いで書類送検していました。
この院長について、岐阜地方検察庁は23日付けで不起訴にしました。
不起訴の理由について「犯罪を証明できるに足りる十分な証拠が得られなかった」としています。
病院側は、当時から一貫して「刑事責任を問われるような問題は無かった」と主張していました。
不起訴となったことについてY病院の院長の男性は、「当病院で他界した方に謹んで哀悼の意を表し、ご冥福をお祈りします。不起訴となったのは適切な捜査の結果と受け止めています。今後もより良い医療を目指して 努力を続ける所存です」とするコメントを発表しました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/gifu/20210623/3080006502.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。