2018年4月5日9時30分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
花粉症に悩む車のドライバーにとって、くしゃみや鼻水などの症状は事故を招きかねない難題だ。
実際、死傷事故を起こし有罪判決を受けたケースもある。
スギ花粉だけでなくヒノキ花粉の飛散も本格化するなか、車間距離を確保し、副作用の少ない治療を選択するなど、対策を徹底して安全運転に努めたい。
「症状が出た以上、速やかに運転を中止しなければならず、過失は軽いとはいえない」。
愛媛県今治市の国道で2017年4月、花粉症のくしゃみなどの症状で追突事故を起こし、3人を死傷させた50代の男性に、松山地裁今治支部は18年2月、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪で執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。
男性は花粉症の薬を服用していたが、運転中に目のかゆみや連続するくしゃみなどの症状が激化。
前方不注意のまま対向車線にはみ出し、軽乗用車と正面衝突した。
日本自動車連盟(JAF)も「たかが花粉症と甘く考えるのは禁物」と注意喚起する。
JAF東京支部で交通安全講師を務める高木さんは、「正常な運転ができない状態で事故を起こせば、重い責任を問われる恐れもある」と強調する。
くしゃみは、肋骨骨折の原因になることもあるほど衝撃が大きく、ハンドルの誤操作を招きかねないほか、くしゃみ1回で0.5秒、目をつぶると仮定すると、時速60kmで走行中なら、その間に車は8m進む計算になる。
高木さんは、「花粉症では2回、3回と連続してくしゃみが出る患者も多い。涙や鼻水などの症状も運転に影響しやすく、大変危険だ」と話す。
高木さんは、車内に花粉を持ち込まない対策として、空調で外気を取り込まないように設定を変更したり、空調のフィルターを定期的に交換したりすることを推奨。
「症状がひどい時は運転しないことが最も大事。もし運転する場合も、突然の症状に備えて普段よりも車間距離を広く取り、速度も落とすべきだ」と訴える。
仕事で車を運転する従業員がいる企業も注意が必要で、「企業側もドライバーの体調に気を配り、症状が重い患者がいれば対策を促してほしい」と求める。
一方、日本アレルギー学会専門医の池袋大谷クリニック、大谷義夫院長は、「花粉症の薬は眠くなったり、集中力が低下したりする副作用にも注意が必要」と指摘する。
大谷院長によると、抗アレルギー薬には眠気の副作用があるものが多く、薬の添付文書に「運転などに従事させない」、「服用中は車の運転に注意」と明記されているものもある。
特に、古いタイプの薬や市販薬は、副作用が強かったり症状を十分抑えられなかったりするケースがある。
「車を運転する場合は医師と相談し、運転に影響が少ない薬を選ぶことが大切だ」と呼びかける。
出典
『花粉症ドライバー要注意 くしゃみ・涙…事故の危険』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29023220V00C18A4CC0000/?n_cid=NMAIL007
(ブログ者コメント)
ブログ者は花粉症ではないものの、運転中にクシャミする時には意識して目を見開くようにしている。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。