2016年10月3日2時59分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
運転手の発作や急病に起因する交通事故が、年間200件以上も起きている。
9月にも、東京湾アクアラインで高速バスの運転手が脳出血になり、接触・衝突事故が起きた。
国交省は、運転手の急変時に車が自動的に安全に停止するシステム普及のための指針を作成、メーカーも実用化に動き出した。
9月13日午後6時15分ごろ、羽田空港から千葉県木更津に向かって東京湾アクアラインを走行していた高速バスが中央分離帯に接触、前方の軽乗用車に衝突した。
運転手が脳出血で運転できなくなっていた。
異変に気付いた乗客がブレーキをかけ、乗客33人に目立ったけがはなかった。
警察庁によると、運転手の発作や急病による事故は、2015年までの5年間で、年に215~280件発生している。
バス・トラック・タクシーの事業用車両に限って国交省が調べたところ、08~14年に年間68~105件起きたことがわかった。
最も多かった12年は、事業用車両の事故全体の2%で、150人の死傷者が出た。
事故分析(13年)では、原因となった運転手の病気として、脳疾患が22%、心臓疾患が21%と多かった。
道路運送法は、運行会社に運転手の健康状態の把握を義務づけている。
国交省は、脳ドックや人間ドックの受診も推奨しているが、健康上の問題を「100%発見できるとは言い切れない」(担当者)。
そこで、国交省は今年3月、運転手の異変を検知した車両が自動で安全に停止するシステムの構築を目指し、世界に先駆け、ガイドラインを作成した。
メーカーが実用化する際の性能基準となるものだ。
ガイドラインは、運転手の体調急変を
①車両がふらついたり、一定時間以上操作が無かったりする
②運転手自身がスイッチを押す
③異常に気付いた同乗者がスイッチを押す
などで検知し、3.2秒以上、運転手の応答がない場合は自動停止のシステムを作動させると規定する。
減速による事故を防ぐため、減速時に周囲の車や乗客らに警報などで注意喚起するほか、バスの場合は、乗客らの転倒にも配慮しながら、ゆるやかに減速するよう定めた。
メーカーは、すでに、実用化へ動き出している。
トラック、バス大手の日野自動車は、昨秋の東京モーターショーで、
①大型バスの運転席で運転手が目を閉じたのを、メーター部のカメラが検知
②警報音が車内外に鳴り、車内のモニターに「運転手異常発生」、車両後方の電光掲示板に「緊急自動走行中」と表示
③ハザードランプを点灯させながら減速し、左車線に移動して停止
④警察などに自動通報
というシステムのイメージ映像を公開した。
運転手をカメラで監視するシステムは、すでに実用化しているが、自動でハンドルを切ったり、周辺の安全を確認したりする技術は、まだ開発途上という。
同社技術研究所の榎本所長は、国がガイドラインを示したことを、「製品化にむけたはずみになる」と歓迎する。
指針に沿って技術の研究や安全性の検証を重ね、実用化を目指す方針だ。
[運転手の発作や病気が関連したとみられる事故例]
2015年10月 宮崎市で軽乗用車が歩道に進入、6人が
死傷
16年 1月 東京・小金井市で回送中の路線バスが道路脇のアパートに突っ込む
2月 大阪・梅田で乗用車が暴走、通行人10人が死傷
5月 神戸市のJR三ノ宮駅前で乗用車が暴走、歩行者5人が重軽傷
9月 東京湾アクアラインで高速バスが中央分離帯に接触し、前方の車に衝突
出典
『多発するバス運転手の急病事故 安全システムで国が指針』
http://digital.asahi.com/articles/ASJB15DFTJB1UTIL00Y.html?rm=659
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。