2017年12月29日23時7分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
高速道路の工事区間が近づくと走行中の車内に超音波で警告音を伝えるシステムを、西日本高速道路(ネクスコ西日本)の沖縄県にある子会社が開発した。
眠気などで注意力が低下したドライバーにも車線規制を気づかせることができ、周辺住民の騒音になりにくい利点がある。
2018年1月中旬から、沖縄自動車道で本格利用を始める。
開発された指向性スピーカーシステムは高さ約130cm、幅約60cmで、人間には聞こえない高い周波数の超音波を放つ。
車の窓ガラスや車体に当たると音の波形が変わり、車内で聞こえるようになる仕組み。
一般的なスピーカーと違い、狙った方向に遠くまで音を伝えることができる。
車線規制中の作業現場に走行中の車が追突する事故を防ぐために開発された。
従来の電光掲示板や看板などで視覚に訴えるよりも、ドライバーに気づいてもらいやすいという。
17年1月に沖縄道で実証実験し、通過した車の約8割のドライバーから「警告音が聞こえた」との回答を得て、改良を重ねた。
18年1月中旬から3月末まで、沖縄道の宜野座(宜野座村)~許田(名護市)間の上下線の路面工事現場で本格稼働する予定。
2月から、全国の高速道路会社向けに販売を始める。
出典
『高速道路、この先工事!超音波で警告 車の追突事故防止』
https://www.asahi.com/articles/ASKDW638SKDWTIPE01V.html
12月29日23時5分に朝日新聞からは、下記趣旨の関連記事がネット配信されていた。
西日本高速道路(ネクスコ西日本)の沖縄県にある子会社が、高速道路で超音波を使って車内に警告音を鳴らすシステムを開発した。
きっかけは、作業中の社員がトラックにはねられ死亡した事故。
開発の中心となったのは、料金所の契約社員から開発者に抜擢された異色の技術者だった。
沖縄自動車道西原インターチェンジ(浦添市)の車両基地。
記者が、窓を閉めたワゴン車の助手席に乗り、車が指向性スピーカーシステム「ウルトラソニックインパクト」に近づくと、「ピポパ、ピポパ」という警告音が響いた。
車外では人間の耳では聞こえないはずの超音波が窓に当たり、まるで車内のスピーカーから鳴っているように近くで聞こえる。
ラジオをつけていても聞きとれそうな音量だ。
沖縄道で2013年7月の日中、車線規制に気づくのが遅れた大型トラックが工事現場に突っ込み、作業中だった西日本高速道路総合サービス沖縄の男性社員(当時34)が死亡した。
工事を知らせる看板の見落としを防ぎ、眠気に襲われたドライバーにも気づいてもらえる新たな警告システムはないか。
社内で白羽の矢が立ったのが、当時は契約社員として料金所に勤めていた梅森・事業開発課長(61)だった。
(以下の文を修正1として追記)
梅森さんは、自動車用音響機器メーカーの社員を経て、02年に佐賀県で高級車載オーディオメーカーを起業。
だが、11年の東日本大震災で部品供給が滞ったため事業から手を引き、家族が暮らす沖縄に戻った。
11年秋から料金所の係員をしていたが、無人のETCレーンで異常時に係員とドライバーが話すスピーカーの音が近所迷惑だという苦情があった。
自前の測定器で音質を測り、スピーカーを改良。
そのいきさつを12年末にネクスコ西日本九州支社の業務研究発表会に出したところ、会社幹部の目にとまった。
正社員として、14年秋に今の部署に移った。
開発のポイントは、まさにカーステレオと同じで、車内空間で音がどう響くかという研究だった。
約3年かけて試行錯誤を繰り返し、今の形になった。
新システムは国内だけでなく、海外の高速道事業者からも引き合いがあるという。
梅森さんは、高速道路で低速で作業する車から超音波を出して追突を防ぐ装置や、車内に向けて警告音だけでなく音声案内ができるシステムの開発も進めている。
「事故を少しでも減らしたい」と話す。
出典
『高速道工事への追突ゼロに…異色の技術者、超音波に活路』
https://www.asahi.com/articles/ASKDW67CQKDWTIPE01Z.html?iref=pc_extlink
(2018年1月13日 修正1 ;追記)
2018年1月5日付で朝日新聞(聞蔵)に記されていた梅森氏の経歴等について、本文中に追記した。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。