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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2018124日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

バスの運転手が運転中に意識を失って事故になるケースが相次いでいる。

 

11月15日にも、三重県内の高速道路を走っていた観光バスの男性運転手が意識をなくし、乗客が停車させる事故があった。

 

国は脳などの検査を推奨しているが、専門家らからは、「根本的な解決にならない」との指摘が出ている。

 

「非常にショックです」と、三重県で事故を起こしたバスを運行していた「R急行」(浜松市)の担当者は語る。

 

11月15日午前、同県紀北町の紀勢自動車道下り線「高丸山トンネル」内で、40代の男性運転手が急に意識を失った。

バスは蛇行し、乗客が停車させた。

けが人はなかったが、運転手は口から泡を吹いていたという。

 

同社によると、運転手は朝の点呼で体調不良は確認されず、持病や服用薬もなかった。

3年ほど前に脳ドックと睡眠時無呼吸症候群の検査を受けたが、いずれも「異常なし」だった。

 

「トンネルに入ったところまでは記憶があるが、それから先は覚えていない」と話しているという。

 

 

国交省によると、バスの運転手が意識障害などで運転ができなくなったケースは、2012~16年の間、毎年10~16件で推移している。

脳や心臓の病気が原因のケースは、合わせて約3割ある。

 

国交省は、バス事業者向けに03年、睡眠時無呼吸症候群の対策マニュアルを作成。

今年2月には脳血管疾患対策のガイドラインを定め、3年に1回程度の検査を推奨している。

心疾患対策のマニュアル作成も検討中だ。

 

東京都は、都営バスの全運転手(約2000人)に、今年度から脳MRI(磁気共鳴画像化装置)検診を義務付けた。

3年間で全員が受診する方針という。

 

だが、交通事故と病気の関係に詳しい滋賀医科大の一杉正仁教授(社会医学)は、「脳ドックは、根本的な解決にならない」と指摘する。

「病変が見つかることは多いが、分かっても事故が防げるわけではない」

 

一杉教授が病気で事故を起こしたドライバーに聞き取りをしたところ、「左肩に痛みがあった」などの前触れが多くみられた。

米国にも、同様の研究結果があるという。

「体調の異変をすぐに申し出る勇気と、その申告を受け入れる環境の整備が不可欠」と強調する。

 

中国地方のバス会社の男性社長(37)は、背景に慢性的な人手不足と運転手の高齢化があると指摘する。

約50人の運転手の平均年齢は40代後半。

「無事故で一日が終わるとほっとする。あと5人くらいいれば負担を軽くできるのですが……」

 

厚労省によると、17年、法令違反の疑いがあるとして調査したバス事業所276カ所の約5割で、長時間労働などの労働基準法違反があった。

 

労働組合「自交総連」の松下・大阪地方連合会書記次長は、「バス運転手は、拘束時間が長い上、年収も低いので人が集まりにくい。労働条件の改善が急務」と訴えている。

 

 

【運転手の意識消失が原因で今年起きた主なバス事故】

 

3月25日

岐阜県中津川市の中央自動車道でホテルのバスが道路左側のコンクリート塀に衝突し、乗客2人が軽傷。

運転手は衝突後、意識を取り戻す。

 

5月8日

山口県下関市の国道で私立高のスクールバスが横転し、生徒2人が軽傷。

運転手は静脈に血栓ができたことなどが原因で死亡。

 

6月3日

 

富山県南砺市の東海北陸道で観光バスが蛇行し、乗客3人が軽傷。

乗客がハンドルを操作して停車させた。

運転手は事故時重体で、くも膜下出血だったとみられる。

 

10月28日

横浜市の国道で路線バスが前の車に衝突し、乗客1人が死亡。

運転手は睡眠時無呼吸症候群の通院治療中で、「意識がもうろうとした」とバス会社に説明。

 

11月1日

千葉県成田市の県道で観光バスが蛇行して信号機の柱に衝突。

運転手は心筋梗塞で死亡。

乗客にけがはなし。

 

11月15日

三重県紀北町の紀勢自動車道で観光バスが蛇行。

乗客がハンドルを操作して停車させた。

乗客にけがはなし。

事故後、運転手は意識を回復。

原因調査中

 

出典

『アクセス バス運転手、意識失い… 後絶たぬ事故 国、脳検査推奨 労組「待遇改善を」』

https://mainichi.jp/articles/20181204/ddm/041/040/066000c 

 

 

 

(2020年2月22日 修正1 ;追記)

 

20202221000分に伊勢新聞から、紀北町事故の運転手はてんかんの疑いありと診断されていたが、仕事が減るのを恐れ、会社には報告しなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

平成3011月、三重県紀北町の紀勢自動車道で、観光バスがトンネルの側壁に衝突して乗客がけがをした事故で、県警高速隊は21日、会社にてんかんを隠してバスを運転したとして、自動車運転処罰法違反(危険運転致傷)の疑いで、静岡県袋井市、バス運行会社元社員の男性(47)を津地検に書類送検した。

 

送検容疑は301115日午前10時半ごろ、同町便ノ山の紀勢自動車道下りの高丸山トンネルで観光バスを運転中に意識を失って側壁に衝突し、乗客の50代女性の首などに重傷を負わせた疑い。

 

県警によると、事故後の精密検査で男性がてんかんを患っていることが判明。

 

事故の約1年前にもてんかんの疑いで医療機関を受診し、医師に精密検査を勧められていたという。

 

男性は容疑を認め、「てんかんの精密検査を受けると会社に報告しなければならず、仕事が減るのが怖かった」という趣旨の供述をしたという。

 

男性は昨年9月、同社を依願退職した。

 

https://this.kiji.is/603754262475261025?c=39546741839462401

 

 

※事故時の様子は、下記記事参照。

 

20181115141分 朝日新聞)

 

三重県紀北町の紀勢道のトンネルで15日午前に起きたバス事故。

 

運転手が口から泡を吹いて意識を失い、蛇行運転を始めたが、乗客らがハンドルを握ってバスを止め、間一髪で惨事を免れた。

 

乗客らが朝日新聞の取材に応じ、一部始終を語った。

 

観光バスは愛知県豊橋市を出発し、乗客約30人を乗せて和歌山方面に向かって南下していた。

 

乗客によると、運転手は途中でトイレ休憩を取り、事故直前まで運転にも特に変わった様子はなかったという。

 

しかし、紀勢道海山インターチェンジを過ぎた後の片側1車線のトンネルで、車が左に寄って何かに当たる音がした。

 

乗客で前から4列目にいた秦さん(男性、68歳)は、「最初はパンクかと思った」と言う。

 

紀勢道は片側一車線の対面通行部分が多い。

 

バスはその直後、反対車線にはみ出して右側の壁にぶつかり、反動で左側の走行車線に戻った。

 

秦さんと前の席にいた畑中さん(男性、76歳)が慌てて運転席に向かうと、運転手は口から泡を吹いて、硬直していた。

 

2人は協力しながら、運転手の体を動かしてアクセルから足を離し、ハンドルを切るなど、数回蛇行して対向車をかわしながら、最後はわざと左側の壁に、バスをぶつけて止めた。

 

異変に気づいてから止まるまでは2~3分程度だった。

 

運転手が救急搬送された後、消防隊員がバスを運転して、尾鷲市街地まで誘導したという。

 

秦さんは「止めなければ仕方が無いと思い、必死になった」、畑中さんは「心臓がバクバクだった。乗客にけががなくてよかった」と話した。

 

https://www.asahi.com/articles/ASLCH4J9LLCHOIPE00Q.html

 

 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
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