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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2022519日付で毎日新聞から、下記趣旨の記事が地図と図解付きでネット配信されていた。

愛知県豊田市の取水施設「明治用水頭首工(とうしゅこう)」で大規模な漏水が発生し、同県は18日、自動車関連企業など131事業所に工業用水を供給する安城浄水場(同県安城市)に水が送れなくなったと明らかにした。

この影響で、各事業所への工業用水の供給ができなくなる可能性が出ている。

取水施設を所管する東海農政局は同日、施設の川底に穴が開いていたことで漏水が起きたと説明した。

取水施設では農業用水も供給しているが、豊田市や岡崎市など8市約4500ヘクタールの農地では17日から供給が停止。

同農政局は工業用水の安定供給を優先する方針。

同農政局によると、取水施設では、矢作川を水門でせき止めて水位を上昇させ、水路を通じて安城浄水場へ工業用水を送っている。

施設の上流と下流部の川底にそれぞれ穴が見つかったといい、二つの穴を結ぶ水の通り道が施設構造物の下にできた可能性があるとしている。

漏水は15日に確認し、16日に砕石で穴を埋めようとしたが穴は拡大。

17日未明に大規模な漏水が発生して水位が下がり、同午後6時ごろから取水口から水をくみ取ることができなくなったという。

安城浄水場では必要な水量が確保できず、18日午前445分ごろ施設からの取水ができなくなった。

同浄水場は西三河地区93町(岡崎市の一部▽豊田市の一部▽西尾市の一部▽半田市▽碧南市▽刈谷市▽安城市▽高浜市▽みよし市▽東浦町▽武豊町▽幸田町)の131事業所に工業用水を供給している。

周辺にはトヨタ自動車などの自動車関連企業が集積している。

記者会見した同農政局の小林局長は、「これほど急激に水が抜けることを想定していなかった。対応が後手に回り申し訳ない」と陳謝した。

同農政局はポンプを使って川から水をくみ上げる応急措置をとっている。

 

【「田植えできぬ」農業関係者困惑】

・・・

【大阪ガス、火発停止】

・・・

【専門家「修繕の時期」】

明治用水土地改良区のホームページによると、取水施設は1958年に完成し、7080年代に改修が終わった。

今回の大規模漏水について、水道工学が専門の名古屋大減災連携研究センターの平山修久准教授は、「施設として大規模な修繕をする年齢にきていた」と指摘する。

取水施設を巡っては202112月にも小規模な漏水が確認されたことが判明している。

今回の漏水との因果関係は不明だが、東海農政局の担当者は18日の記者会見で、「常に使用している施設で完全に水を抜いて確認したり、工事したりすることができず、応急的な対応をして様子を見ていた」と説明した。

https://mainichi.jp/articles/20220519/ddm/041/040/107000c

 

5182331分に読売新聞からは、穴は直径数mとみられる、水門では2015年から耐震工事を行っていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

・・・

東海農政局によると、大規模漏水は17日未明に起きた。

水門上流の川底に穴が開き、水が地中を通って下流に流れたことで水位が低下。
取水口よりも低くなったため取水できなくなった。

穴は直径数メートルとみられる。

農政局は漏水を15日に把握し、砕石で塞ごうとしたが、できなかったという。

水門では2015年から耐震工事を行っていた。

・・・

東海農政局によると、明治用水は農業用として1880年(明治13年)に完成。

1971年に矢作川上流に矢作ダムが完成し、西三河工業用水は同ダムを水源として75年に給水を開始した。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20220518-OYT1T50292/ 

 

518205分にNHK東海からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。

今回、問題が起きているのは、愛知県豊田市水源町にある「明治用水頭首工」と呼ばれる取水設備です。

「頭首工」は、水位を調節する水門で、これを閉じることで矢作川の水の流れをせき止めて水位を上昇させ、水門の手前にある取水口に水を流し込む役割を果たしています。

しかし17日未明に水門の下の川底に何らかの原因で穴が空き、大量の水が、水門の下をくぐるように下流に流れ出ている状態になったということです。

このため、水門を閉じても水位が上がらず、取水口で水をくみ取れなくなっているということです。



赤い印の場所で漏水が起きている。




上流側では渦を巻いている。


下流側では水が噴き出している。

https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20220518/3000022571.html 

 

5192052分にNHK NEWS WEBからは、川底のコンクリートが破損したらしいなど、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。

東海農政局によりますと、水門の左岸に近い部分で、川底にあるコンクリートが破損したことが原因とみられています。

この場所の周囲だけ、土砂の流出を止めるための鉄板が岩盤に向かって打ち込まれていることから、この付近には、水を通しやすい砂れきの層が広がっているとみられるということです。

東海農政局は、破損したコンクリートの穴に水が流れこみ、鉄板のある砂れき層か、岩盤のさらに下にある水を通しやすい地層を通って下流に達した可能性があるとしています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220519/k10013633011000.html

 

5192244分に毎日新聞からは、工業用水は取水可能となったが農業用水復旧のめどはたっていない、川底のコンクリートと砂層との境界でパイピング現象が起きた可能性あり、仕切り鉄板が腐食した可能性もあるなど、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。

愛知県は19日、仮設ポンプで河川の水をくみ上げる応急措置により、工業用水を供給する下流の浄水場で取水を再開した。

県は同日夜から事業所への使用自粛要請を緩和したが、農業用の給水復旧のめどは立っていない。


・・・

大規模な漏水が発生した原因について、河川堤防に詳しい名城大の小高猛司教授(地盤工学)は、大雨で水位が高くなった河川で、地下や堤防に染み込んだ水が土を押し出して地表から湧き出る「パイピング現象」が起こった可能性が高いと指摘する。

小高教授によると、パイピング現象で地中に水の通り道ができ、一気に水の流れが加速して川底の土砂を削り取る。

台風や豪雨の際に堤防決壊などにつながるケースも多いという。

明治用水頭首工は、砂の上にコンクリートの底が接している構造のため、「砂とコンクリートの境界に水の通り道ができやすい」。

今後の対応は「止水壁を作ることになると思うが、また新たな水の道ができる可能性もある。長年かけて道ができるので、今回のような漏水に至る兆候はつかみづらい」と語った。

東海農政局の担当者もパイピング現象について、「原因の一つとして考えられる」とした。

せきの上流と下流部の川底にそれぞれ穴が見つかり、地下でつながっているとみられる。

地中には漏水防止のために鉄板が埋め込まれているが、老朽化により鉄板が腐食してできた隙間(すきま)から水が漏れている可能性があるという。

https://mainichi.jp/articles/20220519/k00/00m/040/280000c

 

(2022年5月29日 修正1 ;追記)

20225271858分にNHK東海からは、パイピング現象に関する小髙教授(地盤工学)の解説がネット配信されていた。

パイピング現象とはどんな現象なのか。
水をせき止める取水設備でどうしてこうした現象が起きるのか。
専門家に聴きました。
(内容は東海NEWSWEBをご覧ください)







真ん中は水門に見立てた板。
水の流れを分かりやすくするため赤い色をつけてみると・・・
 

少しづつ砂地に浸透していることが分かる。


そして何らかの原因で水がつながると、土砂と水が下流側に一気に噴き出す。






https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20220527/3000022760.html

 

5271858分にNHK東海からは、運よく26日夜から雨が降り田んぼに水がたまったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

26日夜からの雨が農家にとっては恵みの雨となり、愛知県安城市では水田に水が入って農家の人たちがようやく田植えに向けた準備を進めていました。

およそ1.7ヘクタールでコメを栽培する農家の杉山さん(75)は、「水が来ないときにはスニーカーで走れるくらいにからからに乾いてひび割れしてことしは田植えが出来ないかと感じていたが、水が入るとなんとかやれないかという気持ちがわいてきます。週末ぐらいに土の状態を見て植えられるようならと準備をしています」と話していました。

https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20220527/3000022759.html 

 

530132分にNHK東海からは、条件付きながら農業用水の給水が2週間ぶりに再開されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

8つの市の農地およそ4500ヘクタールに向けた明治用水では5月17日から給水が止まっていました。

用水を管理する土地改良区は、設置されたポンプで一定の取水量が確保でき、25日から行われた試験給水の結果、水が行き渡ることが確認できたとして、およそ2週間ぶりに給水を再開しました。

取水量が限られているため、給水地域を4つに分けて日ごとに限定して水を供給することにしていて、一つ一つの水田では、原則4日に1日しか水が来ないため、土地改良区では水田の水をできるだけ排水しないよう、引き続き対策を呼びかけています。

https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20220530/3000022799.html 

 

(2022年6月18日 修正2 ;追記)

2022618日付で毎日新聞からは、国が造成した取水施設379カ所は目視確認で異常なかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

農林水産省は17日、愛知県豊田市の取水施設で起きた大規模漏水を受けて全国で実施していた緊急点検で、倒木の影響で再調査するとしていた鹿児島県屋久島町の1施設にも異常はなかったと発表した。

これにより、今回対象とした取水施設379カ所全てで異常がないことが確認された。

農水省は漏水を受け、同様の事態がないよう、国が造成した河川からの取水施設を点検。

施設上流からの漏水や、下流での湧き水がないかどうかなどを目視で確認していた。

https://mainichi.jp/articles/20220618/ddm/008/040/088000c

 

(2022年9月1日 修正3 ;追記)

20228311951分にNHK東海からは、応急工事を終えセメントなどを注入し始めた、本格的な復旧工事は10月以降など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

東海農政局は31日、記者会見を開き、復旧に向けた工事の進捗状況を説明しました。

それによりますと、6月から行ってきた川底の穴の周辺を鉄の板で囲むなどして、水が流れ込まないようにする応急工事は、8月24日までに終わったということです。

このため8月26日からは、取水設備の最も左岸側にある柱の根元とその周辺で確認された複数の空洞に、セメントなどを注入する工事を始めたということです。

東海農政局では空洞を埋める工事を1か月ほどで終え、農業用水や工業用水の利用が減少することが見込まれる10月以降に、本格的な復旧工事を始めることにしています。

https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20220831/3000024552.html

 

 

  

  

 

   

 

 

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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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