







2021年12月1日7時30分にYAHOOニュース(COURRiER JAPON)から、『石油よりも恐ろしいものが、毎年23万トンも海へ流出している 「危険物」に規定されない危険物』というタイトルで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
有害化学物質を集めて海を漂い続ける シンガポール船籍の「エクスプレス・パール」が5月20日にインド洋で炎上し、6月2日には化学物質やプラスチックを大量に積んだまま沈没した。
米「ABCニュース」は、その後、「ウミガメ176匹、イルカ20頭、そしてクジラが4頭」、スリランカの海岸に打ち上げられたことを7月に報じている。
国連はこれをスリランカ史上「最悪の海難事故」としているが、英紙「ガーディアン」によると、海に最も影響を与えているのは「同船が積んでいた重油や硝酸、水酸化ナトリウム、メタノールではない。最も重大な被害は、レンズ豆大のプラスチックペレット(ナードル)が詰まったコンテナ87個が流出したことによるもの」なのだという。
「ナードル」とは生産前のプラスチックペレットのことで、身の回りにあるすべてのプラスチック製品の構成要素だ。
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルなどでできている。
これが今年、インド洋でおよそ1680トンも海に放出されたのだ。
国連の報告書によると「史上最大のプラスチック流出」である。
この炎上・沈没事故以降、インド洋沖の海岸線に数十億個ものナードルが漂着している。
今後もインドネシア、マレーシアからソマリアまでの海岸線にも漂着することが予想されており、なかには「(海中に浮かぶナードルの層の)深さが2メートルに達する場所もある」。
海に放出されたナードルはナノ粒子に分解され、危険性がより増すという。
これが海中における微小汚染物質のなかでは「タイヤの摩耗によって生じる粉塵」の次に多く、毎年23万トンものナードルが海に流出している。
さらには「原油と同じく残留性が極めて高い汚染物質であり、何十年も海流に乗って循環し、海岸に流れ着く。そしてこれは、化学毒物やその他の汚染物質を表面に引き寄せる『有毒物質のスポンジ』でもある」と「ガーディアン」は指摘する。
すでに水中にある有害化学物質の多くが、水に融解しづらい疎水性だ。
そのため、プラスチックの表面に集まってくる性質を持つ。
これにより、有害な物質が「水中よりもナードルの表面に100万倍も集中している可能性がある」そうだ。
これを魚などの海洋生物が餌と誤って食べてしまい、死に至ることもある。
だがナードルは、灯油やディーゼル、ガソリンなどの物質とは異なり、国際海事機関(IMO)の定める「国際海上危険物規程」では危険物とみなされていない。
1993年にアメリカ政府の環境保護庁が発表した報告書を見ればわかる通り、ナードルによる環境への脅威は30年前から知られていた。
それなのに未だ「危険物」として認識されないのだ。
スリランカでは今もナードル清掃活動が続けられている。
海岸に漂着した生き物は7月の時点からさらに増え、470匹のウミガメ、46頭のイルカ、8頭のクジラが発見された。
これらすべてがナードルによるものである確証はないものの、やはり体内にプラスチック片が入っていた死体はいくつもあった。
あまりの状況に、漁をやめざるをえなくなった家庭が2万世帯もあるという。
「水に浸かるとプラスチックの粒が耳に流れ込んでくる」と地元の漁師たちは語っている。
悪化の一途をたどる地球環境を改善するには、あまりにも問題が山積みだ。
私たちが散々汚してきた海を綺麗に戻すことはできるのだろうか。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0bde1c166bc63b4e780529d8384504e7adacf573
※事故当時の状況は下記報道参照。
(2021年6月7日6時56分 日本経済新聞)
アフリカや中東と日本を結ぶシーレーン(海上交通路)の要衝に位置するスリランカ沖で、貨物船が火災を起こし、積み荷の大量のマイクロプラスチックが海に流出した。
一部は既に浜辺に漂着し、漁業に影響が出ている。
火災は発生の13日後に消し止められたものの、船は沈没しつつあり、燃料流出などさらなる環境への打撃が懸念されている。
最大都市コロンボ沖で、入港を待っていたシンガポール船籍の貨物船「エクスプレス・パール」から火災が発生したのは5月20日。
地元紙デーリー・ミラー(電子版)によると、硝酸25トンやマイクロプラスチックのコンテナなどを積んでおり、「マイクロプラスチックのコンテナの多くが(消火活動で)海に落ちた」という。
火災は、スリランカ海軍や隣国インドの沿岸警備隊などが消し止めたが、放水の影響で貨物船の船体が傾き、コロンボ近郊のネゴンボなど、スリランカ西岸一帯に大量のマイクロプラスチックが漂着した。
英BBC放送は、普段は観光客でにぎわう浜辺で、防護服を着込んだ地元当局者らが重機やスコップを使いプラスチックを回収する模様を報じた。
デーリー・ミラーによれば、海洋保護当局者は「私の生涯で最悪の事故だ」と語った。
当局は事故を受け、沿岸約80キロで漁業を禁止した。
英ガーディアン紙は、「漁ができても、人々が魚を有毒だと思えば食べてくれないだろう」と心配する漁師の声を伝えた。
エクスプレス・パールは、インド西部グジャラートを出港し、コロンボに向かっていた。
火災の原因は不明だが、AFP通信によれば、当局者は硝酸漏れが火災につながった疑いがあると指摘した。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB0706W0X00C21A6000000/
※この貨物船は出火前、硝酸が漏れていたことで?カタールとインドから自国海域での停泊を禁止されていたという報道もあった。
(2021年6月3日付 BBC NEWS JAPAN)
・・・
【火災の原因は】
スリランカ当局は、船内で硝酸が漏れていたことが火災の原因とみている。
乗務員はこれに5月11日から気づいていたという。
船は硝酸25トンを積荷として積んでいた。
硝酸は、肥料や爆発物の製造に使うことがある。
「エクスプレス・パール」を所有するシンガポールの海運会社「エクスプレス・シッピング」は、乗務員が硝酸の漏出に気づいていたことは認めた。
ただし、カタールとインドの当局から、出火前に船を両国の海域に停泊させることを禁止されたという。
カタールとインドが自国海域での停泊を拒否したにもかかわらず、スリランカが航行を許可したことに、スリランカ国内では強い反発が起きている。
乗務員と共にすでに救出された船長に対して、スリランカ政府関係者が刑事告発する動きもあり、スリランカの警察は1日、船長と機関士から14時間以上にわたり事情聴取したと明らかにした。
現地の裁判所は、船長と主任機関士、副機関士について、スリランカからの出国を禁止する命令を出した。
コンテナ船は5月15日にコンテナ1486個を積んで、インド・ハジラを出港した。
硝酸以外にも様々な薬品や化粧品を搭載していたという。
(英語記事 Oil spill fears as ship sinks off Sri Lanka)
https://www.bbc.com/japanese/57339610


















その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。