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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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20188141346分に朝日新聞から、シリーズ企画として下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

7月の西日本豪雨は、各地に未曽有の雨を降らせた。

四国・愛媛県も例外ではなかった。

 

1級河川の肱(ひじ)川では、貯水能力を上回る大量の水が流れ込んだ2つのダムが、過去最大の緊急放流に踏み切った。

川は下流で氾濫し、犠牲者が出た。

 

あのとき、何が起きていたのか。

 

国や自治体、地元の消防団、住民らへの取材を通じ、時間を追って「ダム・クライシス(危機)」が高まっていった様子を再現する。

 

 

《7月4日20:00》

 

【ダムへの流入量は毎秒890トン】

 

愛媛県西予市の野村ダムにある国交省の管理所。

職員たちは、日本気象協会による予想雨量をもとにした48時間後の推計データを確認するのが日課だった。

 

はじき出された数字を見て、職員たちは戦慄した。

普段の流入量は毎秒数トンほど。

これまでの最大は、1987年の梅雨時期の毎秒806トンだった。

この時は、下流で駐車場や田畑が水没した。

 

その後に河川は改修されたものの、毎秒1000トンに迫る放流をすれば、下流が水没する恐れがあった。

 

【(ダムの水を利用する権利を持つ)水利者と協議して、事前放流が必要だ】

 

2日後に予想された豪雨を前に、川西・管理所長らは動き出した。

 

事前放流とは、大量の水が流入するのが予想される場合に備え、貯水量を減らしておく処置だ。

 

このダムは、周辺地域のかんきつ畑や水道に水を供給する水がめでもある。

「野村ダムなくして、南予のミカンはない」と考えていた川西所長。

迫り来る豪雨を前に、地域の生活や農業に用いるための貯水をあきらめてでも、水位を大幅に下げておく必要があると判断した。

 

 

《5日9:30》

 

一夜明け、野村ダムは事前放流を始めた。

この時間までに、関係する水利者の承諾は得られた。

 

管理所の雰囲気について、酒井専門官は、「予想雨量が大きく、緊張感があった」と証言する。

 

野村ダムの貯水能力は1270万トン。

この放流によって水位は下がり、利水用の250万トンを加えた計600万トン分を空けた。

 

 

《6日22:00》

 

事前放流から1日半が過ぎた。

予報通り、雨雲は停滞。

野村ダムの上流域も雨が降り続き、水の流入量が毎秒300トンを超えた。

 

下流には、もう一つの鹿野川ダムがあるが、そのまま流せば最下流の大洲市で浸水が懸念される量だ。

 

管理所には、当直以外の職員も含めて、ダムの操作に関わる約10人全員が詰めていた。

事態は、事前放流による「備え」を超えつつあった。

 

 

《7日2:30》

 

「今のままでは川があふれる恐れがある。(流入量まで放流量を増やす)異常洪水時防災操作を午前6時50分に行う」

 

川西所長は、西予市野村支所の土居支所長にホットラインの電話をかけた。

 

この操作は緊急放流とも呼ばれ、これまでダムが受けとめることによって絞ってきた下流への水の量が一気に増えることを意味する。

 

土居支所長は車を走らせ、西予市の管家市長らと協議。

「移動の安全も考えて、少し明るくなった時間に避難させよう」。

午前5時半までに、住民らに避難指示(緊急)を発令することが決まった。

 

 

《3:37》

 

午前3時以降、1時間に20ミリを超える雨が続き、歴史的な豪雨になり始めた。

 

川西所長が土居支所長に伝えた。

「操作の実施は、(30分前倒しして)午前6時20分になる」

 

支所へ戻る途中だった土居支所長は、急いで部下たちに指示を与えた。

「消防団員らを集めて、午前5時10分の避難指示を住民に呼びかけてくれ」

     

ダムが大雨による水を受け止めきれない。

苦肉の策の緊急放流が迫るなか、すぐ下流で、消防団員らによる必死の呼びかけが始まった。

 

出典

『西日本豪雨 ダムクライシス ダム緊急放流、決断の背景に迫る 河川氾濫で犠牲者多数

https://www.asahi.com/articles/ASL895RKYL89PTIL011.html

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

8月9日に開かれた住民説明会では、住民側から「人災」という厳しい声が飛んでいた由。

2018810日 毎日新聞大阪版)

『西日本豪雨 愛媛・肱川氾濫 「人災」住民謝罪求める 野村ダム説明会』

https://mainichi.jp/articles/20180810/ddn/012/040/041000c

 

人間が考え、あるいは作業したことで起きた事故には、多少なりとも人災という側面がある。

 

それが今回は、これまでに得られた情報から考えると、一気に大量放流したことよりも、大量放流の危険性がかってないほど高いものであると住民らに正しく伝えられなかったことのほうが人災割合大だったような気がしている。

 

 

     (2/3に続く)

 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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