2018年8月18日18時0分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
旭川医科大の学生時、試薬を廃棄中に発生した有毒ガスを吸い、肺気腫などを発症したとして、北海道旭川市に住む同大の男性医局員(38)が、同大と指導教官だった男性准教授を相手取り、計約3億円の損害賠償を求める訴訟を旭川地裁に起こした。
また、この指導教官からパワーハラスメントなどを受けたとして、550万円の損害賠償を求める別の訴訟も同地裁に起こした。
いずれも17日付。
訴状によると、男性は同大6年生だった2009年11月、指導教官の指示で実験室の試薬を廃棄中、ポリタンクに集めた薬剤が混ざり合って爆発。
男性は発生した有毒ガスを吸い、発熱やせきなどの体調不良が続き、16年に閉塞性細気管支炎、17年に肺気腫と診断された。
現在は、慢性呼吸不全で肺移植を待っている状態だという。
原告側は、廃棄した試薬の容器内にラベル表示と異なる性質の薬が含まれていたことが事故の原因と指摘。
指示をした指導教官と同大に安全配慮義務違反があったと主張している。
男性は卒業後、12年11月から同大の医師、医局員として勤務。
同じ指導教官の下で実験や研究にあたったが、度々、「実験がうまくいかなかったらお前は終わるぞ」「精神的なもので体調が悪くなったのではないか」などと言われ、暴言によるハラスメントを受けたとも主張している。
男性はハラスメントの調査を大学側に求めたが、大学側は確認できなかったと回答。
昨年11月に再調査の意思がないとする回答を受けたため、提訴したという。
男性は17日、旭川市内内で記者会見し、「私の体もいつまでもつか分からない。第二の犠牲者を出さないよう、訴訟を起こすことを決断した」と訴えた。
同大の広報担当者は取材に対し、「訴状が届いていないのでコメントできない。事故についてもお話しできない」としている。
出典
『「試薬廃棄作業で肺気腫に」 元学生が旭川医大など提訴』
https://www.asahi.com/articles/ASL8L351FL8LUBQU005.html
8月17日22時0分に北海道新聞電子版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
訴状によると、旭医大医学部の学生だった男性は、09年11月、当時指導教官だった准教授の指示を受け、医師2人と共に実験室内の廃試薬をポリタンク容器に入れて処分しようとしたところ、容器が爆発して有毒ガスが拡散。
ガスを吸引後、せきや発熱の症状が出始めたという。
男性は入退院を繰り返し、16年に有毒の二酸化窒素ガスの吸引による細気管支炎と診断された。
出典
『試薬処分事故で呼吸器疾患 男性、旭医大を提訴』
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/219323/
8月17日20時16分に産経新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
男性は提訴後の記者会見で、「16年に医師の診断で、ガスが肺の疾患を引き起こした可能性があると分かり、提訴を決意した」と話した。
男性の弁護人は、「教官は安全配慮義務を怠った。極めてずさんな管理だった」と指摘した。
出典
『「試薬廃棄で疾患」と提訴 旭川医大医師、ガス吸引』
http://www.sankei.com/affairs/news/180817/afr1808170033-n1.html
2024年3月2日付で毎日新聞からは、大学に1.5億円の損害賠償命令が出た、元教官への請求は棄却されたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
旭川医科大で2009年、試薬廃棄中の事故で有毒ガスを吸って呼吸器の病気を患ったとして、元大学医局員の水元さん(44)が大学と元指導教官に約3億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、旭川地裁(上村善一郎裁判長)は1日、大学に約1億5000万円の支払いを命じた。
判決は「国立大学法人の教育研究活動の中で発生し、事故と原告の気管支炎の発症には因果関係が認められる」と指摘。
国家賠償法の適用を認めた。
一方で、公務員個人は職務について民事上の損害賠償責任を負わないとして、元指導教官への請求は棄却した。
旭川医大は「判決内容を検討し対応を考えたい」とコメントした。
判決によると水元さんは09年11月、指導教官の指示で試薬を廃棄していた際に、廃棄用ポリタンク容器が爆発し、有毒ガスを吸って肺と気管支に疾患を負った。
https://mainichi.jp/articles/20240302/ddl/k01/040/039000c
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。