2018年8月21日9時59分に毎日新聞から、現地の様子や看板の写真付きで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
鹿島灘に突き出た人工岬「ヘッドランド」付近で水難事故が相次ぎ、20日までのわずか1週間で死者が計4人に上った。
沖合に向かう「離岸流」に流されたとみられる。
警察などは、付近に看板を設置するなどして立ち入らないよう呼びかけているが、なかなか浸透していない。
19日午後2時40分ごろ、鉾田市台濁沢の海岸で、海水浴をしていた群馬県伊勢崎市の会社員の男性(55)が溺れ、救助されたものの、搬送先の病院で約12時間後に死亡した。
警察によると、男性は妻(44)と次女(8)の計3人で海水浴に来ていた。
次女が溺れたため、妻と男性が救助に向かった。
次女は男性に、妻は近くでサーフィンをしていた男性に救助されて無事だったが、その後、男性は沖合で浮かんでいるのが見つかった。
同市では14日にも、ヘッドランド近くで貝取りをしていた大洗町の男性(61)が溺死した。
鹿嶋市でも、18日に埼玉県草加市の会社員の男性(20)が流されて遺体で見つかったほか、19日には友人と海水浴に来ていた千葉県成田市の塗装工の男性(18)が行方不明になり、20日午後、遺体で見つかった。
いずれも、現場は人工岬付近だった。
河川課によると、人工岬は1985年度から、砂浜の浸食を防ぐため設置が始まった。
上から見ると船のいかりのような形で、海岸から沖合に向かって長さ約150mの堤防が延び、先端に約100mの円弧形の堤防が付いている。
大洗町から神栖市までの海岸線計約70km(港湾施設を除く)に計34基が設置されており、さらに6基増設する計画になっている。
人工岬周辺では「離岸流」が発生しやすいため、付近は遊泳禁止としているが、以前から水難事故が多発している。
県では、各人工岬の根元付近に注意喚起の看板を設置しているほか、ホームページでも注意を呼びかけている。
19日に水難事故が発生した鉾田市台濁沢のヘッドランド前にも看板が立っているが、20日も、釣りを楽しむ男性たちの姿が見られた。
よく釣りに訪れるという男性(65)は、「看板も立っているし、危険だとは分かりながらも、みんな来ていると思う。海水浴場に行けばお金も取られるけれど、ここは無料で、子どもを遊ばせられるから親子連れもよく来る」と話した。
出典
『鹿島灘 人工岬「ヘッドランド」付近 水難事故相次ぐ』
https://mainichi.jp/articles/20180821/k00/00e/040/217000c
8月20日11時30分に読売新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
溺れた娘(8)を助けた後に沖に流され、約12時間後に搬送先の病院で死亡が確認された。
死因は溺死。
娘を助けようとした妻が深みにはまって動けなくなり、男性が娘を救助したが、その後、約100m沖合でうつぶせの状態で浮いているのが見つかった。
妻はサーファーに救助された。
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出典
『娘が溺れ、妻も深みに…娘を助けた後に男性死亡』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20180820-OYT1T50034.html
(ブログ者コメント)
ヘッドランド周辺の危険性は過去に紹介スミ。
その関連情報として紹介する。
2018年5月28日掲載
『2018年5月21日報道 茨城県には砂浜からの砂流出防止のため人工の岬「ヘッドランド」が設置されているが、その周辺で以前から離岸流などによる水の事故が多発している (修正1)』
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/8390/
また、今回の事故を機に調べなおしたところ、以下の情報もあった。
(2017年6月29日7時4分 産経新聞茨城版)
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人工岬周辺での遊泳禁止対策として、県河川課は7月中旬までに、「危険立ち入り禁止」「絶対に遊泳しない」などと記した看板を約30カ所に新設予定だ。
同課によると、設置済みの看板よりも語気の強い言葉を選んだという。
ただ、実際にはヘッドランド付近での遊泳を禁止する法律や条例はない。
最終的には、利用者のマナーに委ねられている。
県警は、海水浴シーズン中はヘリや船などの沿岸パトロールを強化。
遊泳者を発見した場合は浜に上がるよう促すというが、「水位が膝下程度の波打ち際で遊ぶ人たちに、なかなか危険が理解してもらえない」(地域課担当者)という悩みも。
同課は、「遊泳は、なるべく海水浴場で楽しんでほしい」と呼びかけている。
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出典
『「ヘッドランド」水難警戒 離岸流発生しやすく、強い語調の看板設置』
https://www.sankei.com/region/news/170629/rgn1706290007-n1.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。