2019年11月1日付で信濃毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
台風19号による千曲川の氾濫で浸水した県内企業の工場で、高圧電力の受電設備の故障が復旧のネックになっている。
受電設備メーカーが2020年東京五輪関連の建設需要に追われていたところに被災地からの注文が相次ぎ、納期の後ずれが避けられない見通しのためだ。
被災企業は、電力確保のめどが立たないと操業を再開できず、復旧作業もままならないとして頭を抱えている。
長野市の穂保、豊野町の両工場が水浸しとなった精密板金加工のカイシン工業(長野市)は、敷地内の受電設備も軒並み浸水。
新たな設備を注文したが、被災企業からの受注が急増したため納入が年明けになる可能性があると言われた。
年内に再稼働させたい考えだが「電気がないと大型の加工機械は動かせず、どうしようもない」と嘆く。
長野市赤沼にあるホクト(長野市)のエリンギ生産拠点も浸水で受電設備が故障。
修理で済むか、買い替えが必要かメーカーに確認している最中で、復旧時期の見通しは立たない。
浸水で培養瓶に詰まった培地を取り除く作業に使う専用機械は、発電機で動かしている。
小松専務は「片付けが必要な培養瓶は数百万本。発電機だけでは効率も上がらない」と悩む。
受電設備は工場など向けの高圧電力を生産機械や空調機器に使える電圧に変換する装置で、工場の操業再開には欠かせない。
自動車部品製造の長野鍛工(同)も複数ある受電設備が全て水没し、復旧時期が見通せない状態だ。
受電設備製造大手の日東工業(愛知県長久手市)によると、近年は東京五輪関連工事や猛暑による学校へのエアコン導入でフル稼働が続いており「多忙なところに今回の災害が起きた」(広報室)とする。
同業の河村電器産業(同県瀬戸市)は、受注急増に対応するため被災地専用の生産ラインを設ける方針という。
工場が1・5〜2メートルの高さまで浸水した特殊樹脂開発・製造のニッキフロン(長野市)は、七つの受電設備のうち高さ約4メートルの通路上に設置した設備だけが浸水を免れた。
現在はこの設備で高圧電力を受電し、事務所用に使っている。
30年ほど前の導入時、水害のリスクを考えて高い場所に設置したという。
昨年完成した新工場用の受電設備も高さ1メートルの土台の上に設置したため、下部が水に漬かったものの修繕で済みそうだという。
点検が済んだ加工機械から順次稼働させ、11月中旬ごろから操業を再開する考え。
春日社長は「リスクに備えていたことが功を奏した。優先度の高い分野から再開したい」としている。
https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20191101/KT191029BSI090002000.php
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
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