2019年7月29日17時52分にNHK山口から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
下関市の化学メーカー「下関三井化学」が、県に届け出が必要な毒性のあるガス漏れあわせて52件を、10年にわたって届け出ていなかったことがわかった。
県は、届け出が行われなかった経緯について調べ、会社への行政処分を検討することにしている。
山口県が、記者会見で明らかにしたところによると、下関市にある「下関三井化学」は、半導体製造に使われるガスで、いずれも毒性がある三フッ化窒素と四フッ化ケイ素の製造過程で、配管のつなぎ目などから微量のガスが漏れていたものの、県に必要な届け出をしていなかったという。
届け出をしていなかったのが確認されたのは、平成21年以降、10年間にわたって起きたガス漏れ、合わせて52件に上るという。
ことしに入って会社から、4件の微量のガス漏れが相次いで届け出されたことから、県が会社を立ち入り検査して調べたところ、過去10年で起きた異常を記録する帳簿が作成されておらず、別の業務日誌を調べた結果、未届けのガス漏れが判明したという。
会社側は、漏れたガスはいずれも微量で、従業員や周辺への影響はなかったと説明しているが、県は届け出が行われなかった経緯を調べ、会社への行政処分を検討することにしている。
「下関三井化学」では、平成21年にガスをボンベに詰める作業中に火事が起きて爆発し、11人がケガをし、周辺の建物およそ100棟に被害が出る事故が起きていた。
「下関三井化学」の前濱社長らは、29日夕方、記者会見を開き、「関係当局や近隣住民の方に、ご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます」と述べ、陳謝した。
また、会社の幹部は、県に届け出をしていなかった理由について、「少量のガス漏れだったため、報告の必要はないと独自に判断してしまった。会社の上層部に報告したケースもあったが、法令に違反するという認識がなかった」と述べた。
その上で、前濱社長は、親会社の「三井化学」と連携して原因究明を進めるとともに、再発防止に向けた取り組みを進めていく考えを示した。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yamaguchi/20190729/4060003274.html
7月29日21時35分に毎日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県によると、三フッ化窒素を充塡する工場で計54回、四フッ化ケイ素を充塡する工場で計3回など、ガス漏れ事故は10年間で計59件発生したが、同社はこのうち7件しか報告していなかった。
いずれも、高濃度で長時間にわたって人が吸い込むと死に至る可能性があるため、高圧ガス保安法は微量であっても県への報告や記録作成を義務づけているが、同社は守っていなかった。
今年に入って同社でガス漏れ事故が起きたため、県が報告の徹底を指導したところ、報告が急増。
県が業務改善計画の報告を指示したことを機に、過去の未届けが発覚した。
https://mainichi.jp/articles/20190729/k00/00m/040/262000c
7月30日10時37分にNHK山口からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
会社側によると、ガス漏れの原因の一部は、配管のつなぎ目を締める作業が不十分だったことによるものだという。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yamaguchi/20190730/4060003283.html
(ブログ者コメント)
ブログ者の経験から言うと、一般の高圧ガスであっても、カニ泡ぐらいの漏れが生じただけで、設備許可条件の「気密な構造」が満足できないことになるため、官庁報告が必要ということだった。
漏れを止めるための作業も官庁許可を得てから・・・という話しもあったとか、なかったとか・・・。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。