2019年7月18日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正2として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/9834/
(2019年8月6日 修正2 ;追記)
2019年7月30日4時50分にNHK NEWS WEBから、地下構造物位置確認時の注意喚起文書が国土地理院から出されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今月、長崎市で掘削作業の機材がJRのトンネルの天井を突き抜け、列車に接触したトラブルで、トンネルの位置を誤って記された地図が使われていたため、国土地理院は、地下構造物の記載は実際とは異なるおそれがあるとして、建設業団体に対し、地図の利用に十分注意するよう文書で呼びかけていることが分かった。
今月11日、長崎市でボーリング調査をしていた掘削作業の機材が下にあるJR長崎本線のトンネルの天井を突き抜けて、特急列車に接触するトラブルがあった。
工事を発注した鉄道・運輸機構は、現場などの確認をせずに国土地理院の地図を利用して図面を作成したため、トンネルの位置がおよそ80mずれて記載されていたことに気付かなかったという。
今回のトラブルを受け国土地理院は、建設業団体に対し、地図を使う際に注意するよう文書で呼びかけていることが分かった。
国土地理院の地図は、航空写真などから正確な地形や標高が記載され、自治体などが公式の地図として採用しているが、地下構造物は、施設管理者から提供を受けた資料を基に作成しているため、地上と比べて精度が低く、実際の位置とは異なるおそれがあるという。
国土地理院は、こうした呼びかけは過去に例がないとし、「工事で地図を使用する場合は、安全かどうか施設管理者などに十分確認してもらいたい」としている。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190730/k10012013271000.html
※国土地理院HPに掲載されている記事は下記参照。
令和元年7月11日にJR 九州長崎線において、独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構が発注した渇水対策井戸の試掘ボーリング工事のボーリングロッドがトンネルを突き抜け、列車と接触する事象が発生しました。
同機構によれば、同機構が発注に用いた国土地理院の地図におけるトンネルの位置が、実際のトンネルの位置と異なっていたことが原因の一つとされています。
国土地理院の地図に記載している道路及び鉄道の地下構造物(トンネル内の経路等)については、一般的に、施設管理者から資料の提供を受け、地図に反映しています。
地下構造物は、航空写真に写らず容易に確認作業ができないため、地上の構造物と比較して精度が低下している可能性があります。
特に建設年次が古く、路線長が長く、直線でないものについて、より可能性が高いと考えています。
国土地理院の地図については、上記の点をご理解いただき注意して利用されるよう情報提供いたします。
https://www.gsi.go.jp/kanri/kanri51001.html
8月2日10時11分に西日本新聞からは、関門トンネルにも誤記載があったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国土地理院(茨城県つくば市)が作製した地図で「関門鉄道トンネル」(北九州市~山口県下関市)の位置が実際より南に約50mずれて記載されていたことが1日、分かった。
同院は2016年4月ごろ、不動産業者の指摘で把握。
地形図やデジタルデータの地図の修正を進め、1日には正しく記載した2万5000分の1の地形図「小倉」を発売した。
ミスによる工事への影響などの実害は「報告されていない」としている。
ミスがあった事実は公表していなかった。
同院によると、誤っていたのは1971年作製の2万5000分の1の地形図「小倉」と、72年作製の同「下関」。
両図を基にした他の縮尺の地形図やデジタルの「電子地形図」、インターネットで公開している地図も位置がずれていた。
記載は数年おきに更新していたが、関門鉄道トンネルの位置はそのままだった。
「ミスの起きた経緯は分からない」としている。
不動産業者の指摘は、「トンネルのない土地にトンネルがある」との内容で、同院はJR九州の図面と照合。
出入り口は正確だったが、地下部分がずれていた。
同院は16年10月、電子地形図やネットの地図を修正。
地形図「下関」も,18年8月の発売版で修正した。
長崎市のJR長崎線のトンネルで7月、ボーリング工事の掘削機が天井を貫通し、走行中の特急と接触した事故では、工事図面の基になった同院作製の地図でトンネル位置が誤っていたことが主因とされた。
ミス発覚が続いたが、同院は「他に誤りは見つかっておらず、全国の地図を一斉点検する予定はない」としている。
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/532053/
8月2日13時20分にNHK NEWS WEBからは、国交省は地下構造物の地図を見直すという、同趣旨の記事がネット配信されていた。
この問題を受けて、石井大臣は2日の閣議後の記者会見で、「地下の構造物については施設管理者から最新の図面を得て順次地図を修正していく。特に、建設された時期が古く、長くてカーブが多いトンネルを優先的に点検していく」と述べ、今後、全国の地下構造物について位置を点検したうえで、地図を修正していく考えを示した。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190802/k10012018881000.html
8月3日21時57分に毎日新聞からも、同趣旨などの記事がネット配信されていた。
再発防止のため機構は、図面作製時に複数の地図を照合する他、現場からの距離にかかわらず、地下構造物の位置を施設管理者に確認すると決めた。
事故を受けて地理院も、作製した地形図に記載した地下構造物情報の一斉点検を始めた。
石井国交相は2日の閣議後会見で、建設年次が古いものなどから優先して点検する考えを示している。
地理院では2016年、北九州市と山口県下関市を結ぶ「関門鉄道トンネル」の地下部分が南に約50mずれていると外部から指摘を受け、修正したケースがある。
https://mainichi.jp/articles/20190803/k00/00m/040/224000c
(2019年10月11日 修正3 ;追記)
2019年10月9日14時34分に長崎新聞からは、国土地理院は事故が起きたトンネルの位置を地図上で修正したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国土地理院は8日、地図を修正したと明らかにした。
同院は誤記載の原因について「当時の記録がないので分からない」としている。
国土地理院はJR九州からデータの提供を受け、九州全域で在来線のトンネルの位置確認と地図の更新作業を進めている。
長崎トンネルの位置は9月26日に修正した。
https://this.kiji.is/554534858359080033?c=39546741839462401
(2021年11月26日 修正4 追記)
2021年11月25日19時48分に朝日新聞からは、発注者側と受注者側の社員が書類送検され、実際に工事した下請け企業は過失なしと判断されたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
長崎県警は25日、工事を発注した鉄道・運輸機構の男性社員(55)=福岡県大野城市=と、受注企業の男性社員(52)=福岡市=を、過失往来危険容疑で長崎区検に書類送検し、発表した。
捜査に支障があるとして、認否は明らかにしていない。
捜査1課によると、2人はともに現場を監督する立場にありながら、地下の埋設物などの事前調査を十分に行わず、安全義務を怠った疑い。
受注企業の指示に従い、実際に工事を担当した下請け企業に過失は認められなかったという。
事故当時、鉄道・運輸機構は「発注図面のもとになった国土地理院の地図に誤りがあり、ないはずの場所にトンネルがあった」と説明していた。
これについて捜査1課は、「国土地理院の地図は図面作成のために作られたものではなく、調べを尽くす義務があった」との認識を示した。
https://www.asahi.com/articles/ASPCT6HQJPCTTOLB008.html
(2022年4月23日 修正5 ;追記)
2022年4月21日21時21分にNHK長崎からは、2人は不起訴になったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・
この2人について、長崎区検察庁は今月15日付で不起訴としました。
処分について検察は、「過失は認められるが、事故に至った原因、いきさつ、被害結果、再発防止策など諸般の事情を考慮した」としています。
鉄道・運輸機構は、「事故を真摯に受け止め、再発防止の徹底に努めていきたい」などとコメントしています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/20220421/5030014596.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。