2019年5月11日8時0分に毎日新聞から下記趣旨の記事が、事故状況などのグラフ付きでネット配信されていた。
鳥のように空を飛ぶ爽快感が魅力のパラグライダーやハンググライダー。
中高年に人気のスカイスポーツだが、死亡事故も多発している。
昨年までの5年間に全国で少なくとも37人が亡くなり、9割(33人)を50代以上が占めた。
年齢が上がるにつれて死亡率が高まるというデータもあり、愛好家団体は中高年向けの啓発を強化する方針だ。
「まさかあの人が落ちるとは思わなかった。心の支えを失った感じだ」。
福岡県篠栗(ささぐり)町で6日、パラグライダーを楽しんでいて墜落死した福岡市の自営業、金子さん(71)の飛行仲間の60代男性はショックを隠せない。
金子さんはパラグライダー歴約30年のベテランで、県内の仲間たちの間でリーダー的存在だった。
金子さんは6日昼、地元の同好会メンバーら5人と篠栗町の米ノ山(594m)を訪れた。
福岡都市圏の市街地を眺めながら飛び降りる米ノ山は、パラグライダーなどの人気スポットだ。
当日は気象条件にも恵まれた。
警察や同行メンバーによると、金子さんは飛行ルートや気流を確認するため、山頂付近から最初に飛び立ち、通常の着陸地点から約400m離れた約2km先の農地に墜落した。
離陸後に飛行が困難になるような風が突然吹いた可能性があるという。
この10連休中、全国では他に大津市や熊本県天草市などでもパラグライダー事故があり、いずれも50~60代の計3人が足の骨を折るなどの重傷を負った。
国内最大の約8000人の会員を抱える「日本ハング・パラグライディング連盟」(東京都)がまとめた事故報告書によると、2014~18年に147人が、パラグライダーやモーターが付いたモーターパラグライダー、ハンググライダーを楽しんでいて墜落や樹木衝突などの事故に遭い、うち37人(パラグライダー20人、モーターパラグライダー13人、ハンググライダー4人)が死亡した。
年代別の死者数は、
10~20代 ゼロ
30代 2人
40代 1人
50代 10人
60代 17人
70代 6人
年齢不詳 1人
で、50代以上が圧倒的に多い。
連盟会員の平均年齢は55歳。
愛好家の年齢層自体が高いため、中高年の死者数が多いのは当然だが、問題は、事故が起きた時に亡くなる率だ。
年齢と共に高まる傾向があり、
30代 13%
40代 6%
50代 32%
60代 34%
70代 38%
だった。
連盟関係者によると、ベテランほど、高く遠くまで飛べる機体を使うようになるが、その分、操作の難易度が増し、壊れやすくなるリスクも高まる。
連盟は、会報誌による事故情報の共有や定期講習で、中高年の安全意識の向上に力を入れていくことにしている。
高齢者の認知機能に詳しい藤田佳男・千葉県立保健医療大准教授(作業療法学)は、事故データの詳細な分析が必要とした上で、「年齢を重ねるごとに判断時間が遅くなる傾向があり、突然風向きが変わった際などの行動が迅速にとれないことも考えられる。加齢の影響を十分啓発するのが望ましい」と指摘する。
【ことば 「パラグライダー」】
山の斜面から飛び立ち、滑空するスポーツ。
化学繊維でできた長方形の布の翼を左右に操り、飛ぶ方向をコントロールする。
高い運動能力を必要としないため、性別を問わず、幅広い年齢層に親しまれる。
パラグライダーも、三角形の翼が付いたハンググライダーも、飛行に必要な国家資格はないが、安全性を確保するため、日本ハング・パラグライディング連盟などが独自に実技や学科試験を課し、合格者にライセンスを発行している。
出典
『事故死の9割 50代以上 ベテラン加齢で判断遅れも パラグライダー』
https://mainichi.jp/articles/20190510/k00/00m/040/352000c
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。