2016年11月5日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東日本の輸送管理システムにトラブルが発生し、高崎線(東京-高崎)の全線と湘南新宿ラインの前橋-小田原間の上下線が、4日、始発から約10時間にわたり不通となった。
システムにデータを送信する北上尾駅(埼玉県上尾市)構内の配電盤に収納されている通信ケーブル(直径2cm)が損傷したことが原因。
このトラブルで計66本が運休し、15万2000人に影響した。
同社によると、同日午前4時32分ごろ、東京圏輸送管理システム(ATOS)が管理する高崎線の一部区間で、列車の位置などが正確に表示されなくなった。
約5時間後に通信ケーブルを修復したが、ATOSを再起動させた際に再びトラブルが起き、トラブルが拡大した。
再起動時に、処理能力を超えるデータが流れたためという。
一方、警察によると、北上尾駅事務所内の配電盤内にあるケーブルの一部は切断された状態で、切断面にはかじられたような跡があった。
配電盤には、小動物が入り込める隙間があり、県警は、小動物がケーブルをかじったことがトラブルの原因とみて調べている。
トラブルが発生したATOSは、輸送管理業務の近代化のため、JR東日本東京総合指令室が1996年に導入した。
今回のようなトラブルは「初めての事例」(電気ネットワーク部)で、同社は、原因調査と再発防止対策に乗り出す。
ATOSは、ダイヤ管理、旅客案内、保守作業管理など、列車運行に関する機能を担っている。
管理機能は各路線ごとに分割されており、今回は、高崎線を管理する部分で発生した。
小動物によるケーブルの損傷を防ぐため、各社は
▽ケーブルの外側を被膜で覆うなど、材質を強化する
▽設置場所を工夫する
などの対策を実施している。
信号ケーブルメーカーも、唐辛子を被膜にすり込むなど、工夫を凝らしている。
ただし、「決め手に欠けている」(メーカー関係者)のが実情という。
出典
『鉄道トラブル 高崎線10時間不通 ケーブル損傷、小動物かじる? 15万人影
響』
http://mainichi.jp/articles/20161105/ddm/041/040/082000c
11月4日23時39分に産経新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
長時間にわたったJR高崎線の運転見合わせは、ATOSと呼ばれるシステムに関する2つのトラブルが原因だった。
アトスは、東京都内にある総合指令室から各駅やポイントなどに列車の運行全般の指示を出すシステムだ。
初めのトラブルは、アトスと北上尾駅の端末を結ぶケーブルの損傷。
光ファイバー(直径約0.5mm)で8本あり、シリコーン製の保護チューブ(直径約4.5mm)で束ねられていた。
同じチューブがもう1本あったが、両方とも切れていたため、バックアップとして機能しなかった。
駅構内で金属製の箱に入っていたが、隙間があった。
ネズミなどの小動物がかじった可能性が指摘されており、警察などが調べている。
2つ目は、駅側端末のデータ滞留。
ダイヤの修復作業をした際、桶川や吹上など5駅で発生した。
端末内部でシステムが2系統になっていたが、容量オーバーになった。
その後、再立ち上げと再度のダイヤ修復に時間がかかった。
鉄道アナリストの川島令三さんは、「自動化、中央化の落とし穴だ。便利だが、システムダウンすると全部動かなくなる」と指摘した。
出典
『高崎線運転見合わせ 「自動化の落とし穴」 2つのトラブルで長時間に』
http://www.sankei.com/affairs/news/161104/afr1611040026-n1.html
11月5日5時0分に朝日新聞からも、同趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
ケーブルは室内に設置され、直径約2cm。
ケーブルの中に鉄製の軸と、光ファイバー8本入りのシリコーン製チューブが2本入っている。
破損したのは、金属製の箱の中でチューブがむき出しで配線されている場所で、2本とも切れていた。
箱には隙間があり、警察によると、チューブには小動物がかじったような跡があった。
午前9時半ごろまでにケーブルを交換し、運転再開に向けて通信を再開したところ、今度は、近隣の5駅で通信によるシステムトラブルが発生した。
今回、運休が長期化したのは、東京都内で一元的に全列車の運行状況を把握するシステムが不具合を起こしたためとみられる。
出典
『高崎線、再開に10時間 小動物、ケーブルかじる?』
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12643119.html?rm=150
11月5日6時43分にNHK前橋からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
ケーブルは事務室の壁に取り付けられた配線盤の中に設置されていて、直径2cmのケーブルから直径4.5mmの光ファイバーケーブルに分かれたあとに、並列する2本が切れていたという。
ケーブルは、いずれも腐食の痕跡はなく、外側のゴムと中の芯が同じ位置で切れていることなどから、JRは、何らかの力が加わって切れたとみている。
配線盤は金属製で施錠されておらず、底にはケーブルを通すための隙間があるという。
JR東日本は、同じような状態でケーブルが設置されているおよそ100か所を緊急に点検したところ、異常は見つからなかったということで、ケーブルが切れた詳しい原因を調べている。
出典
『通信ケーブルに力加わり切断か』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/maebashi/1066020441.html?t=1478376685684
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。