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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2022181030分にYAHOOニュース(京都新聞)から下記趣旨の記事が、複数枚の対策写真付きでネット配信されていた。

今回の事故は決して人ごとではない―。

栃木県那須町の「那須サファリパーク」で飼育員3人がトラにかまれるなどして負傷した事故を受け、14年前に飼育員がトラに襲われて死亡する事故が発生した京都市動物園(左京区)では、安全対策に万全を期す決意を新たにしている。

 

■脳裏によみがえった事故

那須サファリパークで今月5日、飼育員3人がトラにかまれるなどし、1人は右手首を失う重傷を負い、他の2人も負傷した。

トラは、柵が付いた飼育スペースではなく、展示スペースに向かう通路にいて、飼育員を襲ったとみられる。

那須サファリパークは6日夜のツイッターで、「原因などは現在調査中ではありますが、少なくともトラに責任がある事故ではないことは事実です」としている。  

京都市動物園の坂本園長は5日午前に報道で事故を知ったといい、昼休みに園職員を集め、事故の状況や安全対策の徹底を伝えた。

翌日の朝会でも、重ねて注意を呼び掛けた。  

脳裏によみがえったのは、200867日に京都市動物園で発生した事故だ。

飼育員の男性(当時40)がアムールトラ(11歳、雄)に襲われ、死亡した。

男性がトラの寝室(飼育室)を掃除しようとした際、トラがいた部屋との仕切り扉が閉まっていなかったために被害に遭ったという。

 

■「なぜ彼が…」今も苦しみ

当時、園側は「通常なら扉が閉まったことを確認した上で、寝室(飼育室)に入ることになっている。確認が不十分で、事故が起きたのでは」と説明している(京都新聞200868日)

100年以上の歴史がある園で、職員が動物に襲われて死亡したのは初めてだった。  

飼育課係長だった坂本園長は「(亡くなった飼育員は)とても優秀で人格的にも素晴らしかった。『まさか』『なぜ彼が…』という思いが強かった。今でも当時のことを思い出すと、感情を抑えきれず苦しくなる」と漏らす。  

「どれだけ気を付けていても人は必ずミスをするし、思い込みがあることを前提に再発防止に努めなければならない」。

つらい経験を教訓として、京都市動物園はソフト、ハード両面でさまざまな安全対策を講じ、実行してきた。

 

■ダブルチェック、猛獣舎のリニューアル

事故を起こしたトラは2010年、繁殖のため浜松市動物園(浜松市)に転園した。

現在、猛獣舎では、アムールトラ2頭、ヨーロッパオオヤマネコ2頭、ジャガー1頭などを飼育している。

朝夕にトラなどが屋外展示場と寝室を行き来する時は、飼育員とは別に係長級以上の職員が立ち会い、施錠確認などのダブルチェックをしている。

ダブルチェックはゾウやゴリラ、ツキノワグマやチンパンジーも対象にしている。

猛獣舎では事故後、飼育員が動物エリアで作業を始める際、他の仕切り扉が閉まっていないと中に入れない電磁錠も導入した。  

猛獣舎は2012年にリニューアルされ、床面積は従来の15倍の広さに。

狭く死角が多かった飼育員の作業エリアも広くなり、見通しが良くなった。

動物エリアにはカメラが設置され、飼育員はおりに囲まれた安全な場所から各部屋を監視できるようになった。    

また事故当時は、異常が起きても飼育員自身が電話などで知らせるしか伝達手段がなかった。

各動物舎では、その後、体の傾きを感知できる機器を飼育員が身に付けて作業するように。

機器のボタンを押したり、事故などで倒れて一定の時間が経過したりすれば事務所などでサイレンが鳴る仕組みだ。

 

■風化を防ぐために…

2008年の死亡事故以来、京都市動物園では大きな事故は起きていない。

だが、鍵や無線の置き忘れ、一部のかんぬきの閉め忘れといった、各動物舎での「ヒヤリ・ハット事例」の報告が寄せられており、ミーティングや月1回の園内の安全衛生委員会で情報を共有している。  

事故を忘れないために、全職員が安全対策を学び直す研修も毎年実施。

事故が発生した67日には、園内の慰霊碑前で黙とうをささげ、再発防止を誓っている。  

坂本園長は、「死亡事故を直接経験していない若い職員も増えているが、ここで起きたことを風化させず、安全対策も形骸化させてはならない」と強調。

坂本さんは全国の動物園や水族館が加盟する日本動物園水族館協会(東京)の安全対策部長も務めており、「事故で大きな痛みを受けた園として、各園で人身事故が二度と起きないことを強く願っている。現場にいる一人一人の安全への意識付けが最も大切になる」と思いを込める。

https://news.yahoo.co.jp/articles/60be76daca72ab5635a235d5cd4afb57a288aebc

 

(2023年5月21日 修正1 ;追記)

2023520160分にYAHOOニュース(まいどなニュース)からは、京都市動物園では3年前の事故を踏まえダブルチェックするようにしていたが、その頻度は今回の事故までは週に1回だけだった、監視役は作業を手伝わないなど、より詳しい下記趣旨の記事がネット配信されていた。

京都市動物園(左京区)の一角に「偲(しの)び繋(つな)ぐ」と刻まれた石碑がある。
アムールトラに襲われて死亡した飼育員の男性(当時40)を追悼するため、職員有志が建てたものだ。

発生からまもなく15年となる悲劇はなぜ起きたのか?
その教訓をどう生かしているのか?

この4月に開園120年を迎えた市動物園で、職員が動物に襲われて死亡した唯一の事故を振り返る。

 【写真】トラを寝室からグラウンドに移動させる飼育員(左)。後方で別の園職員が動作をチェックしている  

事故は200867日に起きた。
男性がトラの飼育室を掃除しようとした際、本来閉まっているべき扉が開いていて、被害に遭った。
確認が不十分だったとみられる。


【あの時に根本的な対策をしていれば…】

実は同園では、その3年前にも別の飼育員がホッキョクグマにかまれる事故が発生していた。

この時も、飼育員が作業手順を誤っておりに入ってしまい、頭を負傷し、肋骨(ろっこつ)を折るなどした。  

ホッキョクグマが高齢で犬歯の先が欠損していたことや、発見が早かったことなどが幸いして命は無事だったが、ホッキョクグマがおりから出る可能性もあったという。  

この事故後、猛獣舎での施錠作業などは単独で行わず、複数人によるダブルチェックを取り入れた。  

悔やまれるのは、そのダブルチェック体制が週1回のみだったことだ。

坂本園長は、「あの時に根本的な対策をしていれば、死亡事故は防げていたかもしれない」と肩を落とす。  

飼育員は、ともにベテラン。

亡くなった男性について、「とても優秀で人格的にも素晴らしかった。『まさか』『なぜ彼が…』という思いが強かった」と坂本園長は言う。

トラはその後、繁殖のため浜松市動物園に移された。  

どちらの事故にも共通し、大きな教訓となったのは「人は必ずミスをする」(坂本園長)ということ。

「同じ事故がまた起これば、この動物園はつぶれてしまう」。
そんな強い危機感も胸に、再発防止に取り組んできた。


【ダブルチェックを毎日徹底】

死亡事故を受け、週1回だったダブルチェックを毎日するようになった。

対象はトラやジャガー、ゴリラやゾウなど、特に危険な9種類。

朝夕に寝室とグラウンドなどを行き来する時は、必ず、飼育員に係長級以上の職員が付き添う。  

きちんと施錠されているか、作業マニュアルの手順を間違えていないか。
係長級以上の職員は飼育員を手伝わず、その動作が正しいか注意深く監視する。  

「(ジャガーの)アサヒ出しまーす」。
トラやジャガーなどを担当する飼育員の河村さん(43)が声を上げた。

施錠時などは、駅員のように、声を出したり指を差したりして確認する「指差喚呼(しさかんこ)」を徹底している。

河村さんは「初めてトラを担当した時は手が震えるくらい緊張した。1人だとどうしても間違いが起きるが、ダブルチェック体制だと安心できるし、声を出すことで自分にも言い聞かせて作業に集中できる」と、効果を実感する。

ただ、ダブルチェックのためには、その分、職員が多く必要になる。

他の仕事をいったん中断して立ち会う場合も珍しくなく、他園での導入例は少ないという。

京都市動物園も人的余裕がある訳ではなく、持続可能な仕組みにするため、現行の係長級以上から、主任級以上まで「監視役」を増やす検討もしている。  

リスクの高い動物の移動時などは、動物の所在の確認が基本だ。

動物がいる部屋の扉には、動物の写真と名前の付いたプレートを貼り付けて目印としている。

河村さんは、「ちょっとしたことかもれしれないが、意識付けにつながる」と指摘する。


【「ヒヤリ・ハット事例」収集も】

サルに帽子を取られたり、トランシーバーを置き忘れたり…。
事故後、日々のミスなど「ヒヤリ・ハット事例」の収集も始めた。

小さなミスを放置すれば、やがて大きな事故を招く恐れがあるからだ。  

ヒヤリ・ハットは2022年度に70件、21年度は76件集まった。

1回、管理職の安全対策委員会や、飼育員らが集う安全衛生委員会でミス情報を共有し、再発防止に生かしている。  

ハード面も大きく変わった。

高リスクの9種類の動物舎では年2回、施設に不具合がないか点検している。

特に、トラなどがいる猛獣舎では電気錠を導入。

飼育員が動物の飼育室で作業を始める際には、他の仕切り扉が完全に閉まっていないと中に入れない仕組みに改良された。

12年の猛獣舎のリニューアルで、死角が多かった飼育員の作業エリアも改善。
カメラを設置して、入り口のおりに囲まれた安全な場所から監視できるようになった。

また、飼育員は異常が発生した時に備え、緊急通報ボタンを備えた無線機を携帯している。

各動物舎では体の傾きを感知できる機器を飼育員が身に付けて作業するようになった。

機器のボタンを押したり、事故などで倒れて一定の時間が経過すれば、事務所などでもサイレンが鳴る。


【職員の半数以上が事故を知らない世代に】

惨事から15年。
職員の半数以上が事故を直接知らない世代になった。

記憶の風化や対策の形骸化を防ごうと、新人職員も事故について細かく学ぶ。  

飼育員4年目でサル舎を担当する櫻井(25)は、新人研修を受け、「事故を目の当たりにした人の生の声が胸に刺さり、あらためて気を付けなければならないと考えるようになった」と振り返る。  

「動物を毎日世話をしていると『慣れ』が生まれやすいが、ペットとは違う。新人の頃に柵越しに感じた動物の『怖さ』も忘れてはいけないと思う」  

同様の安全研修は、全職員が2年ごとに受けるほか、命日の67日には全職員が慰霊碑の前で黙とうをささげ、安全への思いを新たにしている。

「非常に高いレベルの安全対策ができており、個人的には日本一だと自負している」と坂本園長が話すように、同園では、その後、大きな事故は起こっていない。


【他園で相次ぐ飼育員の死傷事故】

だが、18年に鹿児島市平川動物公園でトラに、19年には多摩動物公園(東京)でサイに襲われたとみられる飼育員が死亡するなど、近年も各地で死傷事故が相次ぐ。

その多くがヒューマンエラーに起因するという。

多発する事故を受け、全国の動物園や水族館が加盟する日本動物園水族館協会(東京)は今年、初めて安全対策のガイドラインを策定する予定だ。

協会の安全対策部長も務める坂本園長は、「どの園でも事故は人ごとではなく、現場にいる一人一人の安全への意識付けが大事。ミスを犯した時に補える仕組みづくりも欠かせない」と強調する。

楽しい動物園は、安心安全に支えられてこそ。

過去の悲劇を忘れず、重い教訓をつないでいく。

https://news.yahoo.co.jp/articles/33e43b5e0341c50e5282c7273b685bd5c6745162

 

 

  

 

 

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2022141920分にNHK広島から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

12月28日、JR山陽本線を走行していた貨物列車が脱線し、広島市安芸区の安芸中野駅と東広島市の西条駅の間の上下線が3日間にわたって運転を見合わせ、帰省客などおよそ10万人に影響が出ました。

JR貨物が脱線した列車の複数のコンテナについて調べたところ、積み荷が偏り、コンテナの左右の重さのバランスが崩れ、安全を確保するために内規で定められた数値の上限を超えていたことがわかりました。

JR貨物は、この積み荷の偏りが事故の原因かどうかはわからないとしていて、国の運輸安全委員会などが調査を進めています。

JR貨物は今後、積荷の偏りが起きないよう、運送事業者が提出する積荷のバランスについての書類の確認を徹底するとともに、左右の車輪の重さを計測出来る装置の導入を検討するとしています。


https://www3.nhk.or.jp/hiroshima-news/20220104/4000015736.html

 

1230733分に中国新聞からは、25両編成の12両目が脱線したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

広島市安芸区上瀬野町のJR山陽線八本松瀬野間で28日夜に発生した貨物列車の脱線事故で、30日早朝、現場から車両の撤去が完了した。

今後、レールのゆがみを直すなどの復旧作業に取りかかる。

列車は25両編成で、12両目が脱線。

先頭から11両目までは29日夜に東京貨物ターミナル駅(品川区)へ向けて出発している。

JR西日本広島支社によると、12両目以降は30日午前5時20分ごろ、広島貨物ターミナル駅(広島市南区)に向けて時速5キロの徐行で出発した。

JR西は30日も、西条安芸中野間で運転を見合わせる。
同区間でのバスの代行輸送と山陽新幹線三原広島間の代替輸送を実施する。
山陽線三原西条間、安芸中野岩国間での列車の減便も継続する。
31
日以降の運行予定は未定としている

https://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=820789&comment_sub_id=0&category_id=256 

 

15125分にYAHOOニュース(広島テレビ)からは、積み荷は紙製品だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

JR貨物によると、脱線した車両のコンテナに、許容値を上回る積み荷の偏りが見つかったという。

積み荷は紙製品で、脱線した車両に載っていた5つのコンテナ全てが、進行方向右側に偏っていた。

一方、事故原因については国の運輸安全委員会が調査を進めている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/7cd20751417a5c5b23ddbc349be233c5ff60a688

 

 

(2023年4月2日 修正1 ;追記)

20233301416分にNHK広島からは、事故報告書が公表された、荷主や積み込み会社などの間で情報が共有されていなかったこと、積み込み終了後の偏り確認体制が不十分だったことなどが原因など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

事故について、国の運輸安全委員会は30日、調査報告書を公表しました。

それによりますと、複数のコンテナの積み荷が目標の数値を超えるほど片方に偏っていたため、車両のバランスが悪くなり、カーブを曲がる際に外側の車輪にかかる重みが減ってレールに乗り上げ、脱線した可能性が高いということです。

左右のバランスに偏りが生じた理由については、運送事業者や荷主、積み込み会社など、関係する会社の間で情報が共有されておらず、コンテナに積み込んだあとで偏りを確認する体制が不十分だったことなどが原因だと考えられると指摘しています。

事故のあと、JR貨物などは再発防止策を講じたということです。

https://www3.nhk.or.jp/hiroshima-news/20230330/4000021765.html

 

(ブログ者コメント)

情報が共有されていなかったという件、事故報告書には以下のように記されていた。

p58/85

3.5.1偏積の認識に関する分析

2.6.2 に記述したように、JR貨物は、江差線列車脱線事故の教訓として偏積の防止等のガイドラインを発行し、通運連盟を通じて利用運送事業者である日通本社に、その周知及び偏積防止の要請をしていた。

しかしながら、

(1) 2.6.2 に記述したように、日通本社は偏積防止について社内で定期的に教育を実施してきたが、日通大竹支店を含む各支店に対して、関係会社に周知徹底するようには要請していなかったこと

(2) 2.6.5 に記述したように、日通大竹支店は、定期的に情報を共有できる荷傷会議という場があったにもかかわらず、2.6.2 に記述したように、積込会社である大竹運送等の関係会社はガイドラインの存在を知らなかったこと、

(3) 2.6.5 に記述したように、JR貨物は荷傷会議に参加し、偏積防止に関する資料を配付し説明したとのことであるが、出席した関係会社は、会議を通じて偏積に関する話題はなかったと認識していること

から、ガイドラインの内容が、利用運送事業者である日通大竹支店から日物中国営業部、日本製紙大竹工場及び大竹運送へ伝わっていなかった可能性があるものと考えられる。

そのため、日通大竹支店以外の関係会社は偏積に関する認識が低かったと考えられる。

https://www.mlit.go.jp/jtsb/railway/rep-acci/RA2023-3-1.pdf

 

 

 

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202111262050分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

JR東日本は26日、視覚障害者を誘導するために駅のホームに設置している音声案内スピーカーについて、東京や神奈川、宮城、福島など11都県の59駅、計112台が不適切な向きに付けられていたと発表した。

毎日新聞がJR渋谷駅の埼京線ホームの音声案内が不適切な向きに設置されていると報道したのを受け、国土交通省が全国の運輸局を通じて各鉄道会社に注意喚起していた。

JR東は不適切な向きのスピーカーの使用を停止し、整備がすみ次第、順次使用を再開しているという。

音声案内による誘導は、視覚障害者にとって改札口や階段の位置などを知らせる重要な情報の一つで、改札や地下鉄の地上出入り口では「ピーンポーン」という音で案内したり、ホームの階段では鳥のさえずりを模した音を使ったりしている。

国交省によると、ホーム上でスピーカーが線路と直角の方向を向いていると、隣のホームにいる視覚障害者が誤って線路方向に歩いてしまう恐れがあるなどの理由で、国のガイドラインではスピーカーは線路と平行に向けることが望ましいとしている。

JR渋谷駅埼京線ホームの音声案内の不適切設置は、読者からの投稿フォーム「つながる毎日新聞」に10月に寄せられた情報を基にした取材で発覚した。

スピーカー5台が線路と直角の向きに設置され、最悪の場合、視覚障害者が線路に転落する恐れがあった。

東京都内で26日会見したJR東の富川・営業部次長らによると、毎日新聞からの問い合わせを受け、11月に管内で音声案内を設置している637駅を調査したところ、59駅の112台で不適切な向きの設置が判明した。

そのうち、渋谷駅と田町駅の計6台は既に向きを修正したが、「今年度中にすべてのスピーカーを適切な状態に直すのは難しい」としている。

調査では、線路と平行に設置しているものの、利用者が音声を聞き取りにくい方向に取り付けられているなど、音声案内の本来の趣旨に反しているとみられる事例も15都県の68141台で確認された。

順次修正していくという。

JR東は不適切設置の原因について「ガイドラインの趣旨にのっとった向きに関する配慮が不足していたため」とし、「該当する装置については使用を停止のうえ、順次、適切な状態に是正してまいります。ご心配をおかけしたことを深くおわび申し上げます」とした。

      ◇

不適切な向きにスピーカーを設置していた駅は以下の通り。

【青森県】 浪岡
【宮城県】 くりこま高原・下馬・白石蔵王・仙台・古川・
      陸前落合・涌谷
【秋田県】 秋田・追分・大館・大曲・象潟・能代・東能代
【山形県】 芦沢・羽前長崎・羽前中山・大石田・
      かみのやま温泉・天童南・舟形・山形・米沢
【福島県】 植田・郡山・新白河・新地・ 福島
【茨城県】 日立
【埼玉県】 籠原・北朝霞・深谷・武蔵高萩
【千葉県】 小林・ 布佐
【東京都】 上野・神田・北千住・渋谷・新橋・立川・
      田町・東京・西国分寺・東中神・谷保・ 代々木
【神奈川県】海老名・大磯・小机・尻手・社家・登戸・
      東戸塚・武蔵溝ノ口・矢向・洋光台
【山梨県】 酒折

https://mainichi.jp/articles/20211126/k00/00m/040/272000c#:~:text=JR%E6%B8%8B%E8%B0%B7%E9%A7%85%E5%9F%BC%E4%BA%AC%E7%B7%9A,%E3%81%99%E3%82%8B%E6%81%90%E3%82%8C%E3%81%8C%E3%81%82%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%80%82 

 

11261947分に産経新聞からは、視覚障碍者は音の聞こえる方向に沿って歩けば階段にたどり着くと判断するなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

JR東によると、装置はホームから出口に通じる階段の位置を案内するため、階段の開始部分の上に設置され、鳥の鳴き声を模した音などを流している。

視覚障害者は、音の聞こえる方向に沿って歩けば階段にたどり着くと判断する。

このため、線路と直角の方向に設置すると、線路に向かって歩きだしてしまう危険性がある。

https://www.sankei.com/article/20211126-26WF6J53VZPNDLJ4BU3LLGKUO4/

 

 

(2022年1月30日 修正1 ;追記)

20221282036分に毎日新聞からは、国交省が全国の鉄道会社を調べた結果、11113駅で不適切設置があった、その一方で未設置駅も数多くあるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

国土交通省は28日、視覚障害者を誘導するために駅のホームに設置された音声案内スピーカーについて、JR東日本など全国の鉄道会社11社の113駅、238台が不適切な方法で設置されていたと発表した。

昨年12月末までに166台は改修済みで、残る72台は今年度内に改修予定という。

毎日新聞が昨年11月、JR渋谷駅の埼京線ホームの音声案内スピーカーが国のガイドラインに反する不適切な向きに設置され、視覚障害者が線路に転落する恐れがあると報道したのを受け、国交省が全国の各鉄道会社を調査していた。

国交省の調査に先んじて、JR東日本が東京や神奈川、宮城、福島など11都県の59駅、計112台が不適切だったと発表していた。

国交省によると、JR東日本やJR東海、東武鉄道などで不適切な設置があったが、駅名や台数は公表していない。

同省技術企画課は「駅の構造上の問題などがあったが、調査を機に適切に設置してもらいたい」としている。

東武鉄道は毎日新聞の取材に、「音声案内を設置していた39駅のうち21駅で不適切設置があった」と答えた。
既に改修を終えたという。

相模鉄道によると、横浜駅と和田町駅で計5台が不適切だったという。
相模鉄道の担当者は「構造上の問題があったが、ガイドラインを優先した。既に改修している」と話した。

一方、鉄道会社への取材では、そもそも音声案内を設置していない駅もある。

東武鉄道は全205駅のうち39駅(約19%)にとどまる。
同社は整備について、「現在、検討している」と説明する。

東急電鉄は全98駅のうち31駅(約32%)で設置している。
未設置駅については、「状況を鑑みながら、設置を検討する」としている。

駅のバリアフリーに詳しい近畿大学理工学部の柳原崇男准教授(交通計画)は、「ホームに音声案内が流れていると、視覚障害者以外の人から苦情が来ることがある。そのため、ホームとは別の方向に向けたり、そもそも設置しない駅があったりすると考えられる」と指摘する。

都営地下鉄の担当者は取材に、「(案内に使われる)『鳥のさえずり(を模した音)が耳障りだ』という苦情があった」という。

柳原准教授は、「視覚障害者にとって、階段などの場所を把握し、そこまで行く上で音声案内は非常に大切だ。バリアフリー法では、障害者の気持ちを理解する『心のバリアフリー』は国民の責務とされている。視覚障害者を安全に誘導する大切さを理解してほしい」と話す。

 

JR渋谷駅埼京線ホームの音声案内の不適切設置は、読者からの投稿フォーム「つながる毎日新聞」https://mainichi.jp/tsunagaru/)に昨年10月に寄せられた情報を基にした取材で発覚した。

 

【不適切設置があった鉄道会社

JR北海道、JR東日本、JR東海、JR四国、東武鉄道、相模鉄道、名古屋鉄道、新京成電鉄、千葉都市モノレール、えちごトキめき鉄道、京阪電鉄

https://mainichi.jp/articles/20220128/k00/00m/040/375000c 

 

 

 

 

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2021119150分に朝日新聞から下記趣旨の記事が、写真5枚付きでネット配信されていた。

内陸の盛岡駅から山々を抜け、沿岸の宮古駅までを結ぶJR山田線。
毎年、秋が深まるにつれてJRが頭を悩ませていることがある。

落ち葉による車輪の空転だ。

列車の遅れにもつながるため、対策に力を入れている。

JR東日本盛岡支社によると、昨年912月に発生した空転は管内で計200件あり、そのうち116件が山田線だった。

山田線では、30分以上の大きな遅れが昨年は10月末までに11件起き、今年の同時期は2件多い13件だった。

路線別の遅延時間をみると、山田線の計2594分に対して、2番目に多かった花輪線と大船渡線は計160分にとどまっており、山田線の遅れが際立つ。

空転の主な原因は、落ち葉による化学反応だ。

レールに付いた落ち葉が車輪に踏みつぶされると、葉に含まれるタンニンとレールの鉄が反応して黒い被膜が作られる。

朝露や霜の水分で被膜が湿った状態になり、車輪が滑りやすくなって空転が起きるという。

空転は、落葉の多い1011月に集中している。

特に山田線は山間部を通るため、落ち葉がたまりやすい環境にある。

さらに路線の勾配がきついことから車輪が滑りやすく、空転による遅延が長引く傾向にあるという。

空転を食い止めるために、JRはレールに対策を施している。

一つは、専用の装置に着けた砥石(といし)で磨き、被膜そのものを取り除くことだ。

山田線では昨年度、全約102キロのうち約26キロを、鉄道が運行していない夜間に10回にわけて磨いた。

また、滑り止めをレールと車輪に噴射する装置を列車に取り付けている。

他にも、線路脇の木を伐採したり、被膜を中和する成分を散布したり、様々な対策を取っているが、空転の発生件数はほぼ横ばいだという。

担当者は「試行錯誤しながら対策し続けるしかない」と、この秋も落ち葉と格闘中だ。

https://digital.asahi.com/articles/ASPC8733ZPC5ULUC02D.html 

 

 

 

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20211171816分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

九州新幹線の新大牟田駅(福岡県大牟田市)で7日朝、泊まり勤務の駅員が寝過ごして駅の出入り口を開けるのが遅れ、13人の客が619分発の上り始発列車(新大阪行き)に乗れなかった。
JR
九州が発表した。

JR九州によると、泊まり勤務の駅員は午前5時半までに久留米駅(福岡県久留米市)にある運輸センターに起床を報告し、550分ごろに改札外にある駅の出入り口の鍵を開けることになっている。

この日は起床報告がなく、電話にも出なかったため、JR熊本駅(熊本市)から社員が始発の新幹線で新大牟田駅に向かい、駅員を起こして出入り口を午前620分ごろに開けたという。

始発に乗れなかった13人の客は、後続列車で目的地に向かった。

泊まりの駅員は、二つある目覚まし時計と、時間が来ると背中が起き上がる自動起床装置のいずれもタイマーをセットし忘れていたという。

JR九州では、駅員の寝過ごしによる駅の開扉遅れは昨年度、在来線の駅で2回あり、今年度は初めて。

新幹線の駅では、近年は例がないという。

https://www.asahi.com/articles/ASPC75X2BPC7TIPE00N.html 

 

(ブログ者コメント)

ブログ者が勤務していた工場では、宿直が就寝する際、事務所の電話を宿直室に切り替えるようになっていた。
新大牟田駅ではどうだったのだろうか?

宿直室に電話がなかったとは思えないので、同じシステムだったとすれば、宿直室?への電話切り替えも失念?

 

 

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2021116222分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

東京都調布市内を走行していた京王線の特急電車内で乗客17人が重軽傷を負った事件は、7日で発生から1週間になる。

8月の小田急線に続き、車両内で乗客が襲われる事件が起きたことを受け、国や鉄道各社は乗客の安全対策の拡充の検討を始めた。

だが、その柱の一つとなる車内への防犯カメラの設置率は、各社で5100%とばらつきがあることが毎日新聞の取材で判明した。

事件から見えてきた課題を探った。

JR東日本と、首都圏の大手私鉄9社に取材した。

1250車両すべてに防犯カメラが設置されているのは東急電鉄だ。

暗号化したカメラの画像データを通信することで、同社の運輸司令所などですべての車内の状況を迅速に把握できるという。

JR東日本も首都圏を走行する約9000車両すべてに搭載済みで、管内全体でも「約8割」で導入する。

ただ、この2社を除けば、設置率は50%を下回る。

事件が起きた京王電鉄は「17%」、小田急電鉄は「21%」だった。

京王は「いきなり(導入を進める)というのは物理的な限界もあるが、検討課題には挙がっている項目だ」、小田急は「新車両に導入しているが、既存車両にも設置を検討している」と説明する。

東京メトロは「約4割」で、課題として「設置するための改修工事に時間がかかる」ことを挙げた。

「約5%」で最も割合が低かった京急電鉄も、設置が進まない理由を「既存車両に設置する際に工事等が発生し、施工中に車両が活用できなくなる」とした。

新車両への防犯カメラの設置は、多くの鉄道会社が進めている。

ただ、既存車両への取り付けについては、設置費用に加え、工事期間中に車両が使えないことなどが課題になっているようだ。

ある私鉄の担当者は「コロナ禍に伴う収入減で、費用のかかる防犯カメラなどの安全対策に二の足を踏むことがないとは言えない」と吐露した。

防犯カメラは、どれほど犯罪を防ぐ効果があるのか。

危機管理に詳しい板橋功・公共政策調査会研究センター長は、確定的な殺意を持って襲撃する人物への「抑止効果は乏しい」とする。

ただ、「車内の様子を確認できるモニタリング機能を備えたカメラがあれば、乗務員は瞬時に状況を把握し、乗客を効率的に避難誘導できる」と強調する。

京王線の事件で殺人未遂容疑で逮捕された服部容疑者(24)は、「小田急線は事件の後に警備が強化されていると思い、京王線を狙った」と供述。

捜査幹部は「安全対策の強化は犯罪抑止につながる」と指摘する。

国は鉄道会社への財政的な支援を検討しているが、板橋氏は「防犯カメラ設置費用の補助などの支援策を国や自治体は早急に考えるべきだ」と話す。

https://mainichi.jp/articles/20211106/k00/00m/040/265000c

 

 

 

 

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202111261分にYAHOOニュース(DIAMOND online)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

東京・調布市を走行していた京王線の車内で1031日、乗客の男女17人が刃物で切りつけられるなどして重軽傷を負った。

停車した車内から多くの人が脱出するニュース映像を見て、次のように疑問に思った人は多いのではないか。

なぜ、乗客はドアではなく、窓から脱出しなければならなかったのか。

(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)


【小田急線の事件に続き またしても車内で凶行】

またしても、電車内で凶行が引き起こされてしまった。

1031日午後8時頃、京王電鉄京王線の上り特急列車が調布駅を発車後、24歳の男が3号車で70代男性を刃物で刺した後、5号車でペットボトルに入れたライターオイルを車内にまいて火をつけた。

電車は、乗客の通報を受け、本来は通過駅である国領駅に緊急停車し、駆けつけた警官が殺人未遂の現行犯で男を逮捕した。

刺された男性が意識不明の重体で、16人が煙を吸うなどして病院に搬送された。

電車内での無差別刺傷といえば、今年86日に小田急線で発生した事件を思い浮かべる人も多いだろう。

この時も、犯人は車内の乗客を刃物で無差別に刺した後、サラダ油をまいて火をつけている。

報道によれば、今回の事件の容疑者の男は、「小田急線の事件で電車内にまかれたサラダ油が着火しなかったことを踏まえ、可燃性の高いライターオイルを用意した」と供述しているようだ。

ガソリンやオイルによる放火は大火源火災と呼ばれる。

容疑者の男はペットボトル数本のライターオイルを持ち込んでいたとみられ、車内では大きな火柱が上がるほどの火災が起きているが、それでも、座席の一部が焼けただけで車両に延焼しなかったのは、日本の鉄道が車両の不燃・難燃化を進めてきた成果である。

だが、誉めてばかりはいられない。

今回の事件は、さまざまな教訓を残したといえるだろう。

その手がかりとなるのが、事件直後にツイッターに投稿された映像である。

刃物を持った男と燃え盛る炎、煙に追われ、上半分だけ開く窓からはい出るように車外に脱出する乗客の姿が映っている。

ニュースでも繰り返し使われたこの映像を見て、疑問に思った人も多いだろう。

なぜ、乗客は窓から脱出しなければならなかったのか。

避難が遅れれば、さらに多くの人が襲われた可能性もあり、また、充満する煙にまかれる人も出たかもしれない。

その理由は停車位置である。

京王によると、当該列車は走行中、手動でドアを開けるための非常用ドアコックが扱われたことを示す運転席のランプが点灯したため、緊急停止した。

列車が緊急停止した国領駅は、京王線では新宿、布田、調布、飛田給とともに、数少ないホームドア設置駅であり、通常の停車位置より手前に停車したため、ホームドアと車両のドアの位置がずれ、ドアを開けることができなかったのだ。

ドアが開いている可能性がある以上、わずかな距離でも電車を動かすことはできない。

ホームドアには、線路側からドアを開扉できる非常開扉ボタンがあるが、今回は、ほとんどのドアがホームドアとは大きくずれてしまったため、このボタンを活用することもできなかった。


【緊急時の脱出方法を 改善する二つの方法】  

今回の教訓を踏まえ、緊急時の車両からの脱出方法を抜本的に改善するとしたら、二つのアプローチがあるだろう。

ひとつは、緊急時でも確実に所定の停車位置に停車させる手段を講じること。

もうひとつは、停車位置がずれても脱出可能なホームドアを導入することだ。

在来線の非常用ドアコックは、走行中でも取り扱うことができる。

しかし、走行中の車両から脱出することは現実的ではなく、そのような用途も想定されていない。

そのため、特に高速で運転し、危険の大きい東海道・山陽新幹線では、走行中は非常用ドアコックのフタを施錠して扱えないようにしている。

今回の事件では、走行中の非常用ドアコックの操作さえなければ、所定の位置に停車することができ、車両のドアもホームドアも開けることが可能だった。

乗客からすれば、避難を意図した行為であったが、結果的に、避難を困難にする要因になってしまったのである。

在来線の全列車を改造するのは困難だとしても、新型車両から随時、導入する形で検討する必要があるのではないか。

また、ホームドアについては、設置によりホーム上の安全性は飛躍的に高まるが、半面、車両のドアとホームドアが一致する箇所でしか乗降できないという大きな制約が発生する。

そのため、故障時や緊急時に備え、ホームドアには非常脱出口が設けられている。

ただ、その構造は機種によってさまざまだ。

JR東日本が山手線に導入した初期型ホームドアでは、戸袋部が観音開きになる構造を採用していたが、現在整備を進めているタイプでは、ホームドアの間に小型のドアを設置している。

また、小田急電鉄が代々木上原~梅ヶ丘の各駅に設置したホームドアは、戸袋部を横にスライドさせて脱出口を確保するタイプだ。

ホームドアの普及により、さまざまなメーカーが独自の規格でホームドアを製造しているが、利用者の混乱を防ぐためにも、少なくとも今後、設置するホームドアは、非常口の構造と操作方法をある程度は統一する必要があるだろう。

さらに厄介なのが、東京メトロ南北線や京王線布田駅に設置されている、線路とホームを全面的に遮断するフルスクリーンタイプのホームドアだ。

現在、両線に導入されているものは、ホームの両端にある乗務員が使用するドア以外の非常口がない。


【韓国はポスターや動画で 積極的なPRを展開】  

京王によると、仮に今回の事件でひとつ手前の布田駅に停車し、同様に車両のドアとホームドアの位置がずれた場合、乗客を先頭車まで誘導し、乗務員用のドアから避難させることになるという。

南北線を運行する東京メトロにも聞いたところ、やはり、脱出口はホームの両端にしかなく、非常時も駅に自動的に停車しドアを開けると説明するが、そうでない場合は同様の避難形態を取らざるを得ないだろう。

ちなみに、韓国はフルスクリーンタイプのホームドアがスタンダードだが、戸袋部分が観音開きする脱出口が設けられている。

韓国の大邱(テグ)地下鉄では20032月、まだホームドアが設置される前のことだが、走行中の列車内で男がガソリンをまいて放火する事件が起きている。

火は駅の反対ホームに到着した列車に燃え移り、運転士がドアを開けないまま逃げたため、大勢の乗客が車内に閉じ込められ、200人近くが焼死した。

被害を拡大させた最大の要因は、指令員と乗務員の職務放棄であるが、緊急時の避難経路の確保を重視して、列車の非常用ドアコックとホームドア脱出口の操作について、ポスターや動画で積極的にPRを行っている。

日本では、フルスクリーンタイプのホームドアの採用事例は少ないが、脱出口の設置や使用方法のPRなど、学ぶ点は多い。

日本でも、同様の事例があった。

ちょうど70年前の19514月、京浜東北線の桜木駅構内で列車火災事故が発生。

しかし、火災の影響でドア操作ができなくなり、乗務員も乗客も手動でドアを開けることができず、100人以上が焼死した。

車両には非常用ドアコックが設置されていたにもかかわらず、乗客はおろか乗務員でさえ、その存在を知らなかった。

それ以降、非常用ドアコックの設置は義務化され、車内にも設置位置を示す掲示が貼られるようになった。

今回、乗客が非常用ドアコックを操作したのは、この時の反省が今も生きている証左ともいえるだろう。

ただ、知識は、必要に応じてアップデートしていく必要がある。

事故はいつも盲点を突いてくる。

これまで限られた路線しか設置されてこなかったホームドアが急速に普及している中、従来の発想のままでは安全対策は成り立たなくなっている。

今回の事件がそうだったように、今後、さらなる模倣犯が出てくる可能性もある。

各事業者は、京王を他山の石として、今一度、緊急時の対応を見直してほしい。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f329e59565d4d546a8ad5730bd7b162aa9eb9af0?page=1

 

112238分に読売新聞からは、国交省は鉄道各社に対し緊急時には電車のドアとホームドアの両方を開けるよう指示したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

特急電車が国領駅(調布市)に緊急停車後、全乗客が避難を終えるまでに約10分間かかっていたことがわかった。

ドアが開かずに多くの乗客が窓から脱出したためで、国土交通省は2日、緊急時にはドアとホームドアがずれた場合でも、双方の扉を開けて乗客を誘導するよう鉄道各社に指示した。

京王電鉄が国交省に提出した資料などによると、事件では午後7時56分に車内で非常通報ボタンが押され、2分後、国領駅に適正位置の約2メートル前で停車した。

双方の扉がずれていたため、安全への配慮からドアが開けられず、乗客らは1分後の同59分から、窓を開けてホームに避難した。

非常用ドアコックなどが操作され、1号車と9号車のドアが開いたのは午後8時1分。

全乗客がホームに避難したのは同8時8分とみられるという。

事件では、非常通報ボタンが複数押されたが、乗務員は乗客から情報を聞き取れず、刃物の使用や放火を把握できなかった。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20211102-OYT1T50172/ 

 

1122148分に時事ドットコムからは、今回の事案ではホームドアに足をかけて避難している客もいたので車掌はドアを開けなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

国土交通省は2日、全国の鉄道会社の安全統括責任者らとオンラインで安全対策について意見交換した。

冒頭、京王電鉄が事件の概要と対応を報告。
乗客が非常通報装置を作動させたものの、混乱で通話できず、乗務員が状況を把握できなかったことなどが課題として挙がった。
議論を踏まえ、国交省は各社に再発防止策を検討し、報告するよう指示。

また、

▽車内で複数の非常通報装置が作動した場合、通話なしでも最寄り駅などで停車する
▽列車のドアがホームドアとずれていても、緊急時はドアを開けて乗客の避難誘導をする

との原則を示した。

京王電鉄担当者は会議後の取材で、ドアを開けなかった車掌の対応について、「窓から避難中の乗客がホームドアに足を掛けるなどしており、開けるのが危険な状況だった」と説明。
やむを得ない判断との見解を示した。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2021110201178&g=soc

 

 

  

 

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20211029932分に朝日新聞から下記趣旨の記事が、6枚の現場写真付きでネット配信されていた。

28日午前1040分ごろ、千葉市緑区土気町のJR外房線の「土気踏切」で、上り快速列車(15両編成)と軽乗用車が衝突する事故があった。

千葉南署によると、現場で女性1人の死亡が確認された。

JR東日本千葉支社によると、列車の運転士や乗客約300人に、けがはなかった。

列車の運転士の説明では、現場の約100150メートル手前で、踏切内で立ち往生していた軽乗用車に気づいたため、警笛を鳴らして非常ブレーキをかけたが間に合わず、軽乗用車に衝突したという。
現場は外房線の大網―土気駅間の踏切。

事故の影響で、同線の誉田―本納駅間の上下線で約5時間40分にわたり運転を見合わせた。

     ◇

事故現場となった踏切は幅2メートル。
踏切内は片側交互通行で、コンクリートで舗装されており、起伏がある。

踏切の手前には「耕運機及び幅13メートルまでの車両しか通行できません」との看板が掲げられている。
遮断機や警報器、非常ボタンはあるが、障害物の検知装置はない。

近隣からは以前から、危険性が指摘されていた。

近くに住む40代主婦は、過去にもこの踏切内で乗用車が立ち往生していたと証言する。

子どもの悲鳴を聞き、主婦の夫が駆けつけると、遮断機の閉じた踏切内の車のそばで、女性と子ども3人がパニックに陥っていた。
夫が非常ボタンを押して事故を回避したが、「踏切の幅が狭く、普通車がぎりぎり通れるかどうか。通過すると車が上下に大きく揺れるほど起伏もある。早く整備してほしい」。

近所の50代主婦も、「もっとわかりやすく標識などで注意を促してほしい」と話す。

自営業の男性(66)は、散歩や買い物のために、ほぼ毎日この踏切を渡るという。
脳梗塞(こうそく)の後遺症で足を引きずりながら杖をついて歩くといい、「踏切内の起伏で歩きづらい。でも、迂回する道は遠く、渡るにはここしかない」。

https://www.asahi.com/articles/ASPBX7QWJPBXUDCB007.html 

 

1028163分にYAHOOニュース(千葉日報)からは、踏切の非常ボタンによる通報はなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

28日午前1040分ごろ、千葉市緑区土気町のJR外房線大網―土気間の踏切で、上総一ノ宮発東京行き上り快速電車(15両編成)と軽乗用車が衝突した。

千葉南署によると、軽乗用車は大破しており、付近から女性1人の遺体が見つかった。
同署は現場の状況から、軽乗用車を運転していた可能性もあるとみて、身元の確認を急いでいる。

電車の乗客約300人にけがはなかった。
同線は上下線とも本納―誉田間で運転を見合わせ、午後425分ごろ再開した。

JR千葉支社と千葉南署によると、現場は歩行者と幅13メートル以下の車のみ通行可能な踏切で、当時、警報器が鳴り、遮断機が下りていた。

電車の運転士が踏切内で立ち往生していた車に気付き、ブレーキを掛けたが間に合わなかった。

踏切の非常ボタンによる通報はなかった。

軽乗用車は原型をとどめないほど壊れており、付近に部品の一部が散乱。

同日午前1035分ごろに同線千葉発上総一ノ宮行き下り電車(8両編成)が通過した時には、異常はなかったという。

同社は安全確認後、快速電車の乗客を降ろし、約800メートル離れたJR土気駅に徒歩で誘導、バスで誉田駅まで送った。
この事故により上下52本が運休、上下3本が最大28分遅れ、乗客約12千人に影響した。

現場近くの主婦(39)は、「2歳の次男と近所の公園に向かっていたら、大きなブレーキ音が聞こえた」。

近くに住むタクシー運転手の男性(74)は、「事故のあった電車に乗ろうと思っていたので驚いた。(現場の踏切は)狭くて段差があり、軽乗用車でも大変危険な場所」と話し、70代男性も「この踏切の幅は狭くて怖い。徒歩で利用することはあるが、車では通らない」と指摘した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/9bb954fd328a940cbb1f2b04b9a97861d742492a

 

(ブログ者コメント)

この踏切だと思われるが、かなり狭い。
こんな踏切を車で通ろうとする人がいるとは・・・。
通ることができるようになっているとは・・・。

 

 

 

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202110231815分にYAHOOニュース(さんいん中央テレビ)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

きのう夕方、浜田市のJR山陰本線で起きたクマと列車の接触事故について、今朝、現場確認をしていた県職員と猟師の2人が別のクマに襲われ、軽いけがをしました。

クマに襲われたのは浜田市の70代男性猟師と40代女性の島根県職員、合わせて2人です。

きのう午後6時40分ごろ、浜田市のJR山陰本線、岡見~鎌手駅間で列車と子グマが接触する事故が発生。

現場では、接触した子グマ以外に2頭のクマが目撃されていました。

このため、けさ6時から地元の猟師や警察、県職員など8人が現場確認を行っていたところ、茂みからクマが現れ、猟師と県職員合わせて2人を襲いました。

2人は足や手首を噛まれましたが、軽症です。

県によると、襲ったクマはきのう列車と衝突した子グマの母親と見られ、その場で殺処分されました。

もう1頭の子グマは逃げたということです。

県は近隣住民に注意を呼びかけています。





https://news.yahoo.co.jp/articles/7558c64ff9af0746b65669129457cdb0dface6cb

 

10231353分にYAHOOニュース(さんいん中央テレビ)からは、現場にあったクマの糞を確認していた時に襲われたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

23日午前6時20分頃、島根県浜田市三隅町で、ハンターの男性1人(70歳代)と島根県職員の女性(40歳代)が、突然、茂みから現れたツキノワグマに襲われました。

ハンターは左足甲を咬まれ、県職員は左ももと左手首を咬まれましたが、いずれも軽傷です。

クマはその場で殺処分されました。

22日午後、近くのJR山陰線でクマと列車の接触事故が発生し、クマが線路にいる可能性があることから、23日午前6時からからハンター、警察、JR職員、県職員の計8人で現場確認に当たっていました。

現場にあったクマの糞を確認してたところ、急に茂みからクマが出てきたということです。

担当者によりますと、このツキノワグマは体長約1メートルで母グマとみられ、列車と接触したのは、その子グマではないかということです。

島根県によりますと、現場周辺住民へは防災無線などで注意喚起を行っているほか、釣り人への注意喚起のため、看板を3か所に設置したということです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/7f9d6f262f332693ff50e25218c8f33c6abcaab6

 

10231810分に毎日新聞からは、後続列車の運転士が徐行時に線路内のクマ3頭を確認していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

後続の特急列車が付近を徐行運転した際に、運転士が子グマとみられる線路内の1頭を含む計3頭を確認した。

浜田市内では19月にクマの目撃情報が計142件寄せられており、出没情報に注意するよう求めている。

列車は23日午前745分ごろ運転を再開。
22
23の両日で特急5本を含む計16本が部分運休するなどし、約250人に影響した。

https://mainichi.jp/articles/20211023/k00/00m/040/170000c  

 

(ブログ者コメント)

〇さんいん中央テレビの映像では、カメラマンが草むらの中に分け入っていた(上記カット映像の真ん中)。
そういった場所で糞を確認中に襲われたのかもしれない。

〇人間が大勢いるのに、逃げもせず、襲ってきたクマ。
列車と接触した子どもを案じていたのだろうか?
もしそうだとすれば、なんともやるせない話しだ。
親グマを遠ざけるよう、何か対策はされていたのだろうか?

〇人間の話し声や音を聞くとクマは逃げると言われているが、それも時と場合による・・・のかもしれない。

 

 

 

 

 

 

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202110121438分にNHK秋田から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

12日午前6時ごろ、JR奥羽本線の湯沢駅で、湯沢発秋田行きの下りの普通列車の出発に向けて準備をしていた60代の男性車掌が乗務員室のドアを閉めた際、誤ってドアに左手の小指を挟んでしまいました。

指からの出血が止まらなかったことから、車掌は救急車で病院に搬送され、手当てを受けました。

また、列車の出発まで30分近くあったことから、車内に乗客はいなかったということです。

この影響で、代わりに乗車する車掌の手配をするなどしたことから、この普通列車はおよそ30分遅れて湯沢駅を出発したということです。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/akita/20211012/6010011885.html 

 

 

 

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20211010545分にFNN PRIMEから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

10日昼すぎ、埼玉・蕨市にあるJR東日本の変電所で火災が起きた。

この火災による停電の影響で、山手線など首都圏の複数の路線が一時、運転を見合わせたため、多くの駅やバス乗り場には、長蛇の列ができた。

撮影した人:
「工事のような、爆音の車のような、ドドドドってすごい音がして。爆発して、またドドドド爆発、みたいな」

10日午後1時前、埼玉・蕨市塚越のJR東日本の変電所で火事があった。

近くにいた人:
「ここで(子どもと)遊んでいたら、急に。みんな足がすくんで逃げられなくて」

火が出たのは変圧器を収納している部屋で、火は、およそ30分後にほぼ消し止められた。

けが人はおらず、警察と消防が出火原因を調べている。

・・・・・





https://www.fnn.jp/articles/-/251572

 

10101533分にNHK首都圏からは、近所の人の話しが下記趣旨でネット配信されていた。

火災の起きた変電所の近くに住む80代の女性は、「家の中にいたらバンという音が聞こえ、その後も2回ほど音がして、家も少し揺れた。怖くなって外に出たところ、黒い煙が立ちのぼっていてとても怖かった」と話していました。

また、変電所の近くに住む30代の男性は、「先週の地震と同じような揺れを感じ、ゴーという音がしばらく続いた。家の窓ガラスがガタガタと揺れていた。小さな子どももいるので、すぐ自宅から出て、避難をした。家の外に出たところ、火柱が立っていて、これまでに体験したことがないような怖さを感じた」と話していました。

https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20211010/1000071325.html

 

10112330分にテレビ朝日からは、設備故障が原因らしいなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

埼玉県蕨市にあるJR東日本の変電所の火災で、JR東日本は10路線で一時運転を見合わせ、236000人に影響が出ました。

11日は、実況見分が行われました。

なかでも、念入りに実況見分が行われたのが“トランス室”と呼ばれる変圧器を制御する施設です。

火災発生直後、すでに炎は、トランス室の外にまで広がっていて、メインの変圧器も燃えていました。

今回、火災があった変電所は“基幹変電所”と呼ばれる施設です。

発電所から送られてくる電気の電圧を調整して、各地の変電所へ届けます。

そして、そこから駅や各路線に電気を送る仕組みです。

こうした基幹変電所は、JR東日本管内に18カ所しかない要の施設です。

鉄道工学が専門の東京大学名誉教授・曽根悟氏:
JR東日本は、日本の鉄道会社で唯一、自前の大きな発電所を持っている。
川崎に火力発電所があり、信濃川の系列に水力発電所があり、そのほか電力会社から電力を買うと。この3つの電力をうまくミックスして、電車を走らせるための大本の変電所の一つ。
電力の融通が、比較的短時間でできるような仕組みは今でもある訳で、約8時間も止めてしまったことを反省して、30分ぐらいで一応、復旧できるやり方を構築してほしい」

これまでのところ、第3者が侵入した形跡や、作業ミスは確認されていないことから、JR東日本は設備の故障が火災の原因ではないかとみています。

7日に起きた東京で震度5強を観測した地震との関連についても調査中です。

ただ、JR東日本は地震の翌日にも点検を実施していて、その時は異常がなかったことを確認したといいます。

https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000231629.html

 

10122338分に朝日新聞からは、燃えた変圧器は鉄道用のものではなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

火元とみられるトランス室にあった変圧器は変電所内部の設備用だったことが、同社への取材でわかった。

所内には首都圏の鉄道に送電するための別の変圧器があり、火災による直接的な被害はなかったとみられるが、安全のために停止させたという。

同社によると、火災の発生直後、変電所を遠隔で監視している指令室で火災報知機の鳴動を確認した。

火元とみられるトランス室には、照明など所内の設備向けに使う変圧器が納められていた。

近くには鉄道向けの高圧の変圧器がある別の施設があったが、「システム上つながっており、火災のため、安全上、止める必要があった」という。

同社は出火原因のほか、発生時の対応や復旧手順の検証などを進める。

https://www.asahi.com/articles/ASPBD7HD8PBDUTIL03R.html

 

(2022年4月14日 修正1 ;追記)

20224121814分に読売新聞からは、変圧器銅線の被覆が一部剥がれてショートしたが、電圧が徐々に変化したためブレーカーが作動しなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

JR東は12日、変電所内のブレーカーが作動しなかったことで過大な電流が流れ、火災を招いた可能性が高いとする調査結果を発表した。

JR東によると、火災後の調査で、同変電所で変圧器の銅線の被覆が一部剥がれてショートしていたのが見つかった。

通常、ショートによって急激に電圧が上昇すると、ブレーカーが作動して電流が止まるが、この時は電圧が徐々に変化したためブレーカーが作動しなかったという。

JR東は、再発防止のため同変電所を含む計8か所の変電所について、ブレーカーが確実に作動するよう関連機器の改修を進める方針。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20220412-OYT1T50162/

 

4121645分にYAHOOニュース(Response)からは、電気回路と計器用変圧器が固定されていたことが原因と推定されるため接続をフレキシブルな構造に改良するなど下記趣旨の記事が、トラブル時の電力系統図付きでネット配信されていた。

JR東日本は412日、蕨交流変電所(埼玉県蕨市)で202110月に発生した火災について、その原因と今後の対策を公表した。

同変電所は、東京電力から受電した電力(154kV)を隣接する蕨や浦和の変電所へ66kVに降圧分散して供給する機能などを持つ「基幹変電所」と呼ばれる施設だが、この火災で変電所への電力供給ができなくなり、信号設備などが麻痺。

7時間以上も首都圏の複数線区で列車を運行できない状態が続いた。

JR東日本では火災の原因について、高電圧を計測するために低電圧に変換する「接地形計器用変圧器」(Grounding Potential Transformer=GPT)の内部電線がショートしたことを挙げており、電圧や電流などの計測値を基に事故を検出しプレーカーへ電流遮断を指令する保護装置が動作せず、過大な電流が流れ続けたことが火災の拡大につながったというが、いずれも推定としている。

GPTのショートは、銅板で固定された構造が原因であると推定されることから、電気回路とGPTの接続をフレキシブルな構造とすることで外力が加わらないように改良。

保護装置も、その動作に至らない異常電圧が継続しても動作する仕様に変更するとしており、これらは2023年度までに実施するという。

また、蕨交流変電所からなんらかの理由で電力供給できなくなった場合の早期再開策として、別系統からの供給が可能になるよう送電線の新設を検討するとしている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/9c9c728b9a9ffe2aa61d138108115ca370ec71c4

 

4121758分に産経新聞からは、変圧器は振動に弱い構造だったためトラブル3日前の震度5強の地震時に電線が損傷した疑いがあるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

JR東によると、同変電所の変圧器は振動などに弱い構造で、内部の電線をカバーする部分が損傷。

ショートが起きたものの電圧は急上昇せず、保護装置が作動しないまま異常な電流が流れ続け、火災に至ったとみられる。

火災の3日前に首都圏直下で起きた震度5強の地震で電線が損傷した疑いがあるという。

同変電所は発電所からの電力を近隣の変電所に送る役割を担っており、異常が起きると広範囲の在来線に影響する。

今後は送電線を新設するなどして、近隣の変電所に別系統から電力供給できるようにするほか、対策が必要な変圧器や保護装置は令和5年度末までに改修するとしている。

https://www.sankei.com/article/20220412-OKUEZXOH2BPZRIZHVO53MZB7PQ/

 

 

  

 

 

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20219272135分に毎日新聞から下記趣旨の記事が、検知器と消毒用スプレー入りカバンを保管していたロッカーの写真付きでネット配信されていた。

JR西日本は27日朝、新岩国発新大阪行きの山陽新幹線こだま838号を新岩国―広島間で運転を取りやめた。

新岩国駅(山口県岩国市)から乗り込む60代の男性運転士と30代の女性車掌の呼気からアルコールが検出されたが、代わりの乗務員を手配できなかったからだ。

2人が飲酒を否定したため調査したところ、検知器を保管していたロッカーで消毒用アルコール液が漏れていたことが判明。

漏れた液で検知器が反応したとしている。

JR西によると、検知器は新岩国駅構内のロッカーにあった。

同じロッカーの斜め下の区画に車掌が乗務に使うカバンがあり、消毒用アルコールスプレーが入っていたが、その内容液が漏れていた。

同じ状況を再現したところ、検知器がアルコールを検出したため、液漏れでアルコールがロッカー内に充満したことが原因とみられると結論づけた。

JR西の長谷川社長は、原因判明前の記者会見で「お客様にご迷惑をかけ、誠に申し訳ございません」と謝罪した。

今回の運転取りやめで、新岩国駅から乗る予定だった乗客約20人は後続の新幹線に乗った。

広島駅から別の列車で出発したこだま838号は予定を14分遅れて出発するなど、約300人に影響した。

https://mainichi.jp/articles/20210927/k00/00m/040/283000c

 

9272130分に朝日新聞からは、基準値を超えるアルコールが検知されていた、今後、消毒液の置き場所を見直すなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

JR西日本は27日、山陽新幹線の新岩国発新大阪行きのこだま838号を、乗務員手配のため、新岩国―広島間で運休したと発表した。

呼気検査で、乗務予定の運転士と車掌からアルコールが検知されたためだが、同社が現場で再現実験をしたところ、近くにあった消毒液のアルコールが気化し、検知器が反応した可能性が大きいという。

同社によると、60代の男性運転士と30代の女性車掌は27日朝、新岩国駅での検査で、基準値を超えるアルコールが検知された。

しかし2人は飲酒を否定。

再度、別の場所で検査したところ、検知されなかった。

その後の調査で、検査場所の近くにあったカバンの中で消毒液が漏れていたことが判明したという。

同社は今後、検知器に影響を及ぼさないよう、消毒液の置き場所を見直すという。

https://www.asahi.com/articles/ASP9W728KP9WPTIL03B.html

 

※以下は、9272041分にNHK関西から放映されたスプレー容器の映像。

https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20210927/2000051821.html

 

 

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2021842030分にYAHOOニュース(Response)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

JR東海は84日、新幹線車両の台車不具合などを再現し、体感できる教室設備を528日から稼働したことを明らかにした。

この設備は『S-sense』(エッセンス)と呼ばれるもので、JR東海が2013年度から全社的に取り組んでいる「安全の本質を探究する運動」の一環として、大阪台車検査車両所(大阪府摂津市)台車検修庫内の約180平方メートル部分に設けられた。

エッセンスでの教育は、近年、JR東海で世代交替が進み、実際に台車の不具合を体験したことがある社員が減少してきたことから、不具合が発生する過程を可視化することにより「ルールや基本動作が重要なこと」に対する理解を深めることが狙いで、新幹線車両の台車検査・修繕に関わる社員や関係会社の社員を対象としている。

設備は、運転事故防止を図るための「作業本質エリア」と、労働災害防止を図るための「安全本質エリア」に分かれており、前者ではルールや基本動作を遵守しなかった際に生じる現象を、後者は機械による狭窄や重量物落下の状況を再現。

いずれも、装置には廃車車両の部品などが用いられている。

JR東海では、このエッセンスを通して「引き続き、安全の本質を社員がより深く理解するための取組みを充実させ、安全最優先の文化を醸成し、安全・安定輸送をお客様に提供していきます」としている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/bebec5da539e1eb1be27267fded3e0481d869101 

 

 

 

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2021712184分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

山口県下関市の山陽新幹線新下関駅に停車予定だったこだま842号(博多発岡山行き、8両)が9日、ホームに接していない通過列車用の線路に誤って入り、停車していたことが分かった。

JR西日本が12日、発表した。

同社によると、線路の切り替えは、通常、コンピューター制御で行っているが、9日は記録的な大雨でダイヤが大きく乱れ、指令員が手動で行っていた。

その際、すでに通過済みの「のぞみ」がまだ通過していないと思い込み、列車を通過させる操作を行ったために、本来は停車予定の「こだま」が通過用の線路に入ったという。

運転士が誤った線路に入ったことに気付き、すぐに停車。
乗客73人にけがはなかった。
ホームに接する線路に列車を入れ直し、同駅で6人を降ろして出発した。

同社によると、山陽新幹線では2009年にも姫路駅で同様のミスが起きたという。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20210712-OYT1T50128/ 

 

7122126分に毎日新聞からは、気付いた運転士が急ブレーキをかけたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

JR西によると、9日午前840分ごろ、新下関駅のホームの200メートル手前で、こだま842号の運転士が通過列車用の線路に入ったことに気付き、急ブレーキをかけた。

別線路に移すのに時間がかかり、午前948分に乗客が乗り降りし、午前10時に発車した。

新下関駅から乗車予定だった人の一部は、通過予定の後続列車を臨時で停車させ、乗ってもらった。

公表までに3日以上要し、JR西の新幹線鉄道事業本部は「事実確認に時間がかかった」と説明。

「運転指令員の業務の進め方に問題があった」とし、業務を見直す方針を示した。 

(共同)

https://mainichi.jp/articles/20210712/k00/00m/040/279000c 

 

712187分にNHK山口からは、関係者が多いので原因特定に時間がかかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

誤りに気づいた運転士がブレーキをかけて緊急停車し、列車は別の線路で進行方向を変えてホームに移動し、6人の乗客を降ろしました。

この日は大雨でダイヤが大幅に乱れていたため、東京の運行指令所の担当者が進入する線路を手動で入力し、その際に誤って通過列車の情報を入力したということです。

このトラブルの発表が遅れたことについて、JR西日本は関係者が多く、原因の特定に時間がかかったとしています

https://www3.nhk.or.jp/lnews/yamaguchi/20210712/4060010310.html 

 

 

 

 

 

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2021624209分に毎日新聞から、下記趣旨の記事が脱線した車両の写真付きでネット配信されていた。

富山市の富山地方鉄道本線で20207月に起きた脱線事故で、国の運輸安全委員会は24日、レールと枕木の固定が緩んで線路幅が広がったことが原因の可能性が高いとする調査報告書を公表した。

事故前に緩みの兆候を把握したが修理対象としなかった経緯も判明し、保守点検で危険を判断する技術力が不足していると言及した。

事故は20726日午前9時ごろ、富山市新庄の東新庄駅構内で発生した。
上市発電鉄富山行き普通電車(2両編成)が2両とも脱線した。
乗客31人と運転士1人にけがはなかった。

報告書などによると、事故の約3週間前に富山地鉄が実施した線路の定期検査で、現場のレールと枕木を固定する「板バネ」にひびが入っていたのを見つけた。

しかし同社は速やかに修理せず、社内規定に沿って「経過観察」と判断した。

一方、鉄道事故調査官が事故後に線路を調べたところ、板バネが折れて線路幅が大きく広がっていたことが判明。

電車が通過するたびに線路を外側に押し出す力が働き、脱線を誘発したとみられる。

こうした危険性を判定するためには、目視や打音検査などの熟練した技術が必要とされるが、報告書では技術力不足で危険性を過小評価した可能性があると指摘した。

富山地鉄も取材に対し、保線の知識と技術が不足し、事故を予見できなかったと説明。

事故後は「経過観察」を廃止し、問題が見つかり次第、直ちに部品交換などをするよう改めたという。

担当者は、「報告書を真摯(しんし)に受け止め、再発防止に向けて取り組む」と話した。

https://mainichi.jp/articles/20210624/k00/00m/040/171000c 

 

62561分にYAHOOニュース(北國新聞)からは、より詳しい下記趣旨の記事がネット配信されていた。

運輸安全委員会は24日、昨年7月に富山市新庄町の富山地方鉄道本線東新庄-新庄田中駅間で起きた電車脱線事故の調査報告書を公表した。

レールを固定する装置の不備などにより、線路幅が広がる「軌間拡大」の発生したことが原因とした。

同社が装置の不備や事故のリスクがある箇所を把握していながら、補修をしていなかった実態も明らかになり、事故につながったとみられる。

昨年726日午前9時ごろ、上市発電鉄富山行きの電車(2両編成)が、東新庄駅を出発して間もなく脱線した。
乗客31人と運転士1人にけがはなかった。

報告書によると、電車が左カーブを通過中、線路幅が大きく拡大し、先頭車両の左車輪が線路内に落下し、脱線した。

軌間拡大の発生には二つの原因があると指摘した。

一つ目は、枕木にレールを固定する締結装置の不良が連続していたことだ。
事故後には装置が破損していたり、しっかりと締結されていなかったりといった不良箇所が複数見つかった。
このため、電車走行時の圧力でレールが動き、線路幅が広がったとみられる。

二つ目は、線路幅が事故前に既に広がっていたことだ。
レールは電車の走行などでゆがむ。
同社は安全な運行を確保するため、緊急に保守点検が必要となる「整備基準値」を設定。
事故現場では、この整備基準値を超過していたが、補修していなかった。

事故現場に手回らず 同社はレール締結装置に不良があったことを事前に把握していたが、是正していなかった。

不良が見つかった際の対応マニュアルがなかったことや、リスクを正しく認識する保守管理の技術力の不足が要因とみられる。

また、整備基準値を超過していたにもかかわらず補修が行われなかったのは、他にも補修が必要な箇所が多くあり、人員の確保が困難だったためとした。

昨年実施した調査では1486箇所で超過していることが分かっており、他の箇所を優先し、事故現場まで手が回っていなかった。

再発防止策として、基準値を超過した箇所の補修までの期限を設定するべきと指摘。

レール締結装置の状態について適正に判定できるようマニュアル作成を要請し、保守計画を抜本的に見直し、管理体制を再構築するよう求めた。

富山地方鉄道は事故を受け、脱線防止レールを設置。
現場を走行する際に徐行するほか、全線でレール締結装置の不良箇所を全て交換した。

同社技術部の担当者は、「脱線を二度と起こさないよう、運輸安全委員会の指摘事項を真摯に受け止め、これから社内で実行するための計画を立てたい」と話した。

 

【過去にも同種事故 運輸局「行政指導あり得る」】

富山地方鉄道では20127月にも、富山市堀の上堀駅構内で電車の脱線事故が発生している。
原因は、今回と同様に線路幅が広がる「軌間拡大」が発生したためだ。

当時の事故では、運輸安全委員会から勧告も受けていたが、事故は繰り返された。

同種の事故は過去にも全国で相次いでおり、運輸安全委員会は18年に「軌間拡大防止策の促進について」との通知を出し、レール締結装置を適正に管理することなどを周知していた。

事故発生原因は、経営環境が厳しく規模の小さい地域鉄道に共通する点が多いとされる。
経年劣化などにより補修箇所が増える一方で、人員は限られ、降雪の多い北陸では冬季の作業が制約される。

実際、富山地鉄では整備基準値を超えている箇所が1486箇所にも上り、補修が追いつかなかった。

しかし、運行の安全確保は大前提であり、北陸信越運輸局の担当者は「今後の対応次第では、行政指導を行うこともあり得る」と強調。
同社の対応について、適切な再発防止策が講じられているかを継続して監督していく考えを示した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/8c331fa82816c47fb19724395e8c133676a383b5

 

 

 

 

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202161990分に毎日新聞から、下記趣旨の記事が動画や県別棒グラフ付きでネット配信されていた。

踏切が設けられていない線路を住民が通り道として使う。
こうした「勝手踏切」と呼ばれる場所が、全国の約17000カ所に存在する。
踏切がない場所を渡るのは違法だが、なかなかなくならないのが現状だ。

専門家は「鉄道会社は黙認している」とみる。
どういうことなのか。
背景を探った。

 

JR岡山駅(岡山市北区)の2駅隣にある大安寺(だいあんじ)駅(同)から西へ約120メートル。
JR
吉備(きび)線の線路脇に「きけん」と赤字で書かれた看板がある。
続けて「線路に立ちいらないで下さい」と記されている。

看板の先には線路へ続く小道がある。
緩い上り坂になっているが、途中までアスファルトで舗装されており、お年寄りでも線路を渡れてしまいそうだ。

「散歩や買い物の際に渡ることがある。近くの踏切までは少し距離があるから」。
近所に住むアルバイトの男性(74)は、そう語った。

辺りは田畑や住宅が点在する郊外。
看板を過ぎて線路を渡れば、コンビニエンスストアやスーパーといった店もある。

ここから東西に直線距離で各100メートルほどの場所には正式な踏切があるものの、男性によると、物心ついた頃には近所の住民がこの場所を踏切として使っていたという。
「近くの踏切の音が聞こえるので、列車が近づいていれば分かる。高齢の人には危険かもしれないが……」

 

【愛媛が最多、東京と大阪にも存在】

踏切がない場所で線路を渡ることは、鉄道営業法で禁止されている。
運行に支障が生じた場合は、刑法の往来危険罪に問われる場合もある。

それでも、住民たちが日常的に横断する勝手踏切が各地に存在する。

正確な数は不明だが、国の調査がある。
国土交通省が20211月、全国の鉄道事業者に「明らかに線路内を横断した形跡があるもの、または横断を認識しているもの」について報告を求めた。

すると、モノレールのみが走る沖縄を除く46都道府県の約17000カ所に存在することが明らかになった。

都道府県別では愛媛県の1031カ所が最多で、次いで長野県の872カ所、新潟県の825カ所と続く。
岡山県は10番目に多い580カ所。
都市部でも東京都に34カ所、大阪府に103カ所ある。

国交省は16年にも同様に調査した。
その際は約19000カ所にあり、5年間で1割ほどしか減っていない。

その理由について、関西大の安部誠治教授(交通政策論)は、「勝手踏切は元々、村道や里道で、後から鉄道が道を寸断したケースも多い。鉄道事業者は表だって封鎖しにくく、黙認しているのが現実だ」と解説する。

柵などを設けることはできるが、簡単に迂回(うかい)できてしまうため現実的ではない。

一方、鉄道事故の多くが踏切で発生していることもあり、国は現在、踏切の新設を原則禁止しているため、正式な踏切にするのも難しい。

安部教授は、「列車本数が少ない地方では、勝手踏切での事故のリスクも低い。言わば『自己責任』で渡る住民に対し、鉄道会社は『大人の対応』を取っている」と語る。

国交省幹部も「地域住民が反発する」と、全面的な封鎖は難しいとの見方を示す。

 

【封鎖に住民不満「不便を強いている」】

実際、住民の反対の声は根強い。

京都府宇治市では167月、JR奈良線の六地蔵―黄檗(おうばく)駅間にあった勝手踏切5カ所が封鎖された。

奈良線の高速化・複線化事業に向けてJR西と沿線自治体が13年に結んだ基本協定に、安全対策の一つとして勝手踏切の封鎖が明記されたからだ。

5カ所には、古くからの里道が元になったり、墓参りに使われたりする道があったが、高齢男性がはねられて死亡する事故も起きていた。

市は15年度に住民説明会を開いたところ、線路の反対側にある病院や商業施設への往復などに必要だとして、住民が封鎖に反発。
正規の踏切に移行するよう求める要望書を市に提出した。

だがJR西は住民の要望に応じず、市は線路へつながる道をフェンスで塞ぐなどした。

住民は迂回路を通らざるを得なくなった。

地元住民らでつくる団体は、封鎖後も、踏切を設置するよう市に働き掛け続けている。

市が地下道の新設という代替策を提案したこともあったが、用地の問題などで計画は暗礁に乗り上げている。

住民団体代表の辻さん(男性、84歳)は、「高齢者の多い地区なのに、迂回路は通院や買い物に不便。市は複線化を要望した相手であるJRの都合に合わせ、住民に不便を強いている。住民の立場に立ち、安全で便利な通行手段を確保してほしい」と訴える。

 

【過去に人身事故も、専門家「リスク警告を」】

勝手踏切では全く事故が起きていないわけではなく、宇治市のように列車にはねられて命を落とすケースもある。

JR西は勝手踏切について「無謀な横断の可能性がある場所では、声掛けや注意喚起の看板を設けている」としている。

安部教授はこう提言する。
「カーブとなっていたり、草木で見通しが悪かったりする勝手踏切では事故のリスクが高まる。たとえば、過去に死傷事故があった勝手踏切では、道路管理者である自治体や鉄道事業者は『横断は危険』との強いメッセージの看板を設置するなど、リスクがあることを警告する必要がある」

https://mainichi.jp/articles/20210618/k00/00m/040/197000c

 

(ブログ者コメント)

ブログ者の住んでいる市原市でも、地方鉄道路線に勝手踏切が数多くある。

以下は、車が渡っているのをたまに見かける勝手踏切。

以下は、近道ルートにつき、ブログ者もたまに渡っている勝手踏切。

以下は、誰が渡るんだろう?的な勝手踏切。

 

 

 

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20216162143分にYAHOOニュース(北海道文化放送)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

67日、JR北海道の保線作業用の機械が走行中にブレーキがきかない状態となり、約8キロに渡り走り続けた原因は、ブレーキ装置が機能しないことを確認していなかったためだとわかりました。

これは67日午後1150分ごろ、JR北海道・函館線の仁山‐大沼間で、線路の砕石を補充する作業をしていた砕石散布用の保線作業用機械、「ミニホキ」のブレーキが機能しなくなり、約8キロ先の七飯で自然停止するまで走り続けたものです。

当時、軌道モーターカーと「ミニホキ」2両を連結した計3両で、ブレーキをかける操作をしていたものの、下りの急こう配もあり、ブレーキが機能しませんでした。

停止するまでの間、最高速度は時速80キロに達したとみられ、通過した3か所の踏切のうち、2か所は警備員が配置されておらず、安全の確保ができていない状態でした。

JR北海道は原因について、「ミニホキ」のブレーキを作動させるシリンダー装置が、正常に動作する範囲内に調整されていなかったため、車輪を止める「制輪子」を十分に押し付けることができなかったと発表しました。

さらに、この装置には正常に動作するように調整する目盛りがついていますが、日常的に行う「仕業点検」の項目に含まれておらず、確認していませんでした。

最後にブレーキ装置の点検をしたのは420日の年次点検で、その時には異常はなかったということです。

JR北海道は、当面の間、軌道モーターカー135台とミニホキ57両を使用する作業を一時禁止し、作業を再開する場合は、走行前にブレーキの動作確認や装置の目盛りの確認をルール化し、再発防止に努めるとしています。

島田社長は16日の会見で、「重大な事故につながりかねない大変危険な事象を発生させてしまった。極めて深刻かつ重大に受け止めている。多くの皆様に大変な心配をかけていることを改めて深くお詫びするとともに、ただちに緊急対策を取り、原因究明に全力をあげ、必要な再発防止策を講じていく」としました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/2b1077305a02ce9a594a73ecd05246b9a0db9106 


6
161852分にNHK北海道からは、起動前の点検項目は、これまでベテランの経験に頼っていたところがあるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

原因について、JR北海道の島田修社長は16日の記者会見で、ブレーキを調整する「シリンダー」が伸びきった状態だったためブレーキが利かない状態になっていたと明らかにしました。

さらに、車両を動かす前の点検でもシリンダーの状態を示す目盛りを確認することをルールとして義務づけておらず、整備の不良を見逃したということです。

島田社長は、「これまではルールになくても、ベテランの社員がこれまでの経験にもとづいて自らの判断で必要なものを事前に確認するということに結果的に頼っていたのではないか」と述べたうえで、今後、車両を動かす前には必ずシリンダーの確認を行うなど、再発防止策を講じる考えを示しました。

 


https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20210616/7000035475.html


6
162030分に朝日新聞からは、社員構成が変わり、これまでベテランに頼っていたものが通用しなくなったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

発表によると、ブレーキはテコの原理で制動力を車輪に伝える仕組み。

7日のトラブル後に、軌道車が押していた作業車側の伝動装置に不具合が見つかった。

作業車にある四つのブレーキに制動力が伝わらなかったとみられる。

1回の定期検査を420日に実施したが、装置は調整が必要な状態ではなかったという。

使用前の点検時に、装置を確認するルールがなかった。

島田社長は「これまでベテランの経験や勘でしのげたものが、社員構成が変わり、通用しない時代になった。点検項目をルール化することで、恒久的な対策につなげたい」と話した。

https://www.asahi.com/articles/ASP6J6JM2P6JIIPE00M.html 

 

 

 

 

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2021671720分にNHK山形から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

6日午後7時半ごろ、五泉市赤羽にあるJR磐越西線の猿和田駅と五泉駅の間にある橋を列車が通過した際、橋の下にある市道を走っていた乗用車に部品が落下し、車のフロントガラスが破損したと警察に通報がありました。

JR東日本新潟支社によりますと、落下したのは縦33センチ横23センチ、重さ2.4キロの、線路の枕木と橋げたの間に挟んで線路の高さを調節する合成樹脂でできたシート状の部品で、列車の振動で少しずつずれ、通過した際、落下したとみられるということです。

乗用車を運転していた人にケガはありませんでした。

JR東日本によりますと、列車の運行には支障はなく、磐越西線はその後も通常通り運行しています。

また、先月31日に点検した際、異常はなかったということで、今後、落下箇所を詳しく点検することにしています。

JR東日本は「同様の事象が起きぬよう点検を強化し、再発防止に努めて参ります」としています。



https://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/20210607/1030017101.html

 

 

 

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2021641721分にYAHOOニュース(FNN PRIME)から、下記趣旨の記事が治具のイラスト付きでネット配信されていた。

【磁石でピタリと吸い寄せ…“新兵器”を実演】

事故やダイヤの乱れにもつながる、線路への落とし物。

JR東日本によると、首都圏の駅でのワイヤレスイヤホンの落とし物は、24月の3カ月で800件近くに上るという。

ワイヤレスイヤホンを線路に落としてしまった場合、駅員がマジックハンドを使って回収してくれるが、小さな物を拾うのは大変だ。

そこでJR西日本が開発したのが、様々なアタッチメントをつけることができるマジックハンドだ。

たとえば、ワイヤレスイヤホンを拾う際に使われるのは、先端に磁石がついたアタッチメント。
磁石の部分をワイヤレスイヤホンに近付けると、吸い寄せるようにして一瞬で回収することができた。

さらに、粘着パッドのアタッチメントに切り替えると、スマートフォンなどの大きな落とし物にもピタッと貼りつき、しっかりと安定させて拾うことができるのだ。

 

【回収作業でダイヤに乱れは? JR東日本も開発】

アタッチメントには、他にもフックなど様々なバリエーションがあり、ICカードやお土産、靴、駅弁など、あらゆるものがこの1台で回収可能だという。

JR西日本によると、ワイヤレスイヤホンの落し物は、20196月には265件だったのが20214月には1323件と、約5倍に増えており、高価なものも多いことから、回収の依頼が増えているという。

こうしたことが開発のきっかけになったという、このマジックハンド。

磁石を使うことで線路にくっついてしまったり、携帯電話の保護カバーなどが剥がれてしまうといった懸念もあり、粘着力の強さなどを調整し、完成までには1年半かかったという。

加藤綾子キャスター:
落し物は、かなりの件数あるんですね。
これだけあると、ダイヤの乱れや、遅れてしまったりといったことはないんですか?

榎並大二郎アナウンサー:
JR
西日本によりますと、回収する時間が数十秒と短いのと、回収のタイミングを運転指令所と調整しているので、ダイヤの乱れはほとんどないそうです。
ちなみにJR東日本も、池袋駅が家電メーカーに依頼してイヤホンの形に近いものだけを吸い取る掃除機のノズルを開発し、威力を発揮しているということです。
さまざまな工夫がなされていて、ありがたいです。

榎並大二郎アナウンサー:
いずれにしても、まず線路に物を落とさないようにご注意いただいて、落としてしまった場合には絶対に自分で取りに行かないように、線路に下りたりしないように、駅員さんにお願いしてください。

https://news.yahoo.co.jp/articles/d89b6d440142c8dbbb784fc416997c2a48aea0ac

 

(ブログ者コメント)

ワイヤレスイヤホンを線路に落とすケースが増えているが、小さいのでマジックハンドでは取りにくいといった記事を昨年10月に掲載した。
今回は、その関連情報として紹介する。

 

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20215242138分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

24日午後423分ごろ、堺市堺区向陵中町2丁の南海電鉄高野線三国ケ丘1号踏切で、和泉中央発難波行き区間急行電車(8両編成)が遮断棒が上がったまま通過した後、緊急停止した。

電車の通過を認知する装置が正常に作動しなかったことが原因らしい。

直前に踏切を車が横断していたが無事だった。
電車の乗客約150人にもけがはなかった。

南海によると、踏切の約100メートル手前で、30代の男性運転士が横断する車に気がつき、非常ブレーキをかけて警笛を鳴らした。

当時の区間急行の時速は約65キロで、踏切を約60メートル通過した後に停止した。

現場付近では約20分前から、保守作業員が踏切の制御機器の部品交換をしていた。
その際、電車の情報を受信する装置の設定を間違えた。

このため、区間急行が通過したとの誤った情報を受信してしまい、制御機器が遮断棒を上げてしまったという。

受信装置の設定を修正し、午後63分に正常運転に戻った。

南海は「再発防止に努めます」と陳謝した。

https://mainichi.jp/articles/20210524/k00/00m/040/347000c 

 

5242039分にNHK関西からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。

この踏切では、列車の接近を感知し、遮断棒の上げ下げなどを制御する部品を交換したばかりだったということで、南海電鉄はトラブルが起きた原因を詳しく調べています。



https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20210524/2000046126.html 

 

524日付で南海電鉄からは、いったん下がった遮断棒が上昇したなど、下記趣旨のプレスリリースがネット配信されていた。

南海高野線で踏切の遮断棒が上昇した状態で列車が通過した件につきまして

・・・・・

4.概 況

16時23分ごろ、当該列車の運転士が三国ヶ丘1号踏切を通過する際、一旦下がった遮断棒が上昇し、自動車が同踏切道を横断していることに気付き、直ちに非常ブレーキを操作するとともに警笛を鳴らしましたが、当該列車は同踏切を約60m通過して停止しました。

なお、自動車とは接触しておりません。

踏切をご通行中の方、列車にご乗車のお客さまにお怪我はありませんでした。

なお、当該列車以降、同踏切が正常に動作することを確認できるまで列車を一旦停止させ、安全を確認した後に通過させておりましたが、正常に動作することが確認できましたので、18時3分から通常運転に復しました。

5.原 因

列車が在線することを検知する軌道回路の部品を交換している際に、その設定に誤りがあり、列車が在線していない状態を示したことから、当該列車が接近しているにもかかわらず、踏切の遮断棒が上昇したものです

http://www.nankai.co.jp/library/company/news/pdf/210524.pdf

 

(ブログ者コメント)

NHKの映像を見ると、自転車や歩行者もいて、交通量は結構多い模様だ。

そんな状況下、直前に踏切を横断した車は、一旦停止して左右確認していたのだろうか?

 

 

 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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