







2019年7月30日17時26分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
29日午後8時35分頃、JR長崎線の肥前飯田(佐賀県鹿島市)~小江(おえ;長崎県諫早市)駅間で停電が起き、列車が3時間余り運転を見合わせた。
線路の上をまたぐ陸橋から垂れ下がった植物のつるが架線に接触したことが原因とみられ、JR九州長崎支社は、「植物の接触による停電は珍しく、原因究明に時間がかかってしまった」としている。
同支社によると、点検中の社員が長崎県諫早市の小長井駅近くで、架線に接触したつるを見つけた。
撤去したところ、復旧したという。
停電の影響で特急と普通列車計5本が運休、8本が最大約3時間40分遅れ、約1000人に影響が出た。
同県佐世保市の九十九島動植物園「森きらら」によると、つる性の植物は樹木などに巻き付いて成長。
多年草のクズなど、10m以上伸びる種類もあるという。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190730-OYT1T50213/
2019年7月28日10時8分に山形新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
27日午後0時45分ごろ、JR羽越本線の遊佐駅で、下り普通列車の男性運転士(37)が体の震えや手足のしびれなど、体調不良を訴え、列車の運転を一時見合わせた。
運転士は軽度の熱中症とみられ、救急搬送された。
県内は厳しい暑さとなり、各消防本部によると、同日午後6時までに、この運転士を含め19人が運ばれた。
JR東日本秋田支社や消防によると、列車は午後0時半ごろ酒田駅を出発した秋田駅行きで、運転士は遊佐駅に到着した際、車掌に体調不良を伝えたという。
代わりの運転士が到着するまで、列車は同駅で運転を見合わせ、50分後に再開した。
乗客約30人に影響が出た。
このほか、県内で救急搬送された18人のうち、自転車に乗っていて動けなくなった山形市の80代男性や、玄関で倒れていた上山市の女性(89)ら3人が中等症の疑い。
野球の試合中に頭痛と吐き気を訴えた男児(10)ら14人が軽症とみられる。
今後も暑い日が続くため、関係機関は熱中症への注意を呼び掛けている。
https://www.yamagata-np.jp/news/201907/28/kj_2019072800573.php
(ブログ者コメント)
列車運転中の運転士が熱中症になった事例は、本ブログでも過去に何件か紹介スミ。
その中には、運転席に送風機があり、客車の冷風が流れ込むようになっている普通列車でも熱中症になった事例がある。
2015年8月13日掲載
2015年8月5日 奈良県大和高田市のJR和歌山線高田駅で運転士が体調不良を訴えたため救急搬送、4日の特急くろしお運転士と同様、熱中症か? 送風機など対策はとっていたが・・・
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5115/
2019年7月18日11時0分に産経新聞westから、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
警報音が鳴りやみ、遮断機も上がった。
何の疑いも持たずにタクシーが踏切を渡ろうとしたその瞬間・・・。
大阪市住吉区の南海電鉄高野線の踏切で5月の深夜、列車とタクシーが衝突する事故が発生した。
列車は乗客を運ぶ営業用でなく、作業用だったため速度が遅く、運転手は軽傷で済み、ほかにけが人もなかった。
一歩間違えれば大惨事となっていた事故は、なぜ起きたのか。
【いるはずのない列車が…】
大阪市住吉区沢之町の住宅街を通る府道、通称「あべの筋」。
5月23日午前1時45分ごろ、この道を走行していたタクシーが、遮断機の下りた踏切の前で停車した。
すでに終電は終わっていたが、そのときは、設備のメンテナンスなどをするための作業列車が近づいていた。
しばらくして遮断機が上がった。
男性運転手(68)がいつものように線路を渡ろうとしたところ、突然、右手から作業列車が迫ってきた。
そのまま衝突し、運転席のドアは大破。
幸いなことに、運転手は首などに軽傷を負うにとどまった。
乗客もおらず、作業列車に乗っていた作業員2人もけがはなかった。
警察は、業務上過失傷害の疑いもあるとみて捜査している。
【電圧上がり“誤解” 】
なぜ、列車が通過する前に遮断機が上がったのか。
南海電鉄によると、線路には常に電気が流れ、電圧がかかっており、踏切は線路とつながった回路で電圧を自動的に感知している。
旅客を乗せている列車が線路の上を通った際は、車輪や車軸に電気が流れるため、線路の電圧が低下。
踏切は、これにより電車が近づいたことを把握しているという。
電圧が基準値を下回れば踏切は遮断機を下ろしたり警報音を鳴らしたりし、電車が踏切を離れて電圧が再び基準値を上回れば警報音を止めて遮断機を上げる、という仕組みだ。
しかし、踏切近くで長時間止まって作業することがある作業列車の場合、同じような構造にすると、遮断機が下りたままになってしまう。
このため、「軌道短絡装置」という、線路の電圧をコントロールする機器を搭載。
踏切を通過するときだけ線路の電圧を下げ、踏切を作動させているという。
事故当時も、作業員はこの機器を使用。
いったんは遮断機が下がっていることから、当初は正常に作動していたものの、その後に何らかの不具合が生じて電圧が上がり、踏切側が「列車は通過した」と“誤認”したとみられている。
【同じタイプの装置も…】
不具合の原因は特定されていないが、軌道短絡装置自体に問題があった可能性も指摘されている。
事故があった踏切の線路の場合、列車が通っていない状態の電圧は約300mV。
これが106mV以下になると、遮断機が下りる設定になっていた。
南海の担当者は、「乗客が乗る営業用の電車などでは、10mV以下になることも珍しくない」という。
だが事故後、南海が現場の踏切に今回事故を起こした作業列車を走らせ、軌道短絡装置を作動させたところ、電圧は122mVボルトまでしか下がらなかった。
これを受け、南海は同じタイプの別の軌道短絡装置でも同様の調査を実施。
その結果、106mVは下回ったものの、その下げ幅はかなり小さかったことが判明した。
「(下げ幅に)余裕がなければ、わずかの劣化でも危なくなってしまう」と担当者。
南海は、軌道短絡装置を全て別タイプに切り替えるとしている。
【不具合、過去にも】
安全設備の不具合による鉄道事故は、過去にも起きている。
大阪府貝塚市の水間鉄道の踏切では、平成25(2013)年8月、電車(2両編成)と乗用車が衝突。
乗用車の男性が軽傷を負った。
踏切は事故発生時、電気系統のトラブルにより遮断機が下りず、警報音も鳴らない状態だった。
同鉄道では以前から同様の不具合があったにもかかわらず放置していたとして、関係者らが業務上過失致傷容疑で書類送検されている。
出典
『【衝撃事件の核心】遮断機上がった踏切に作業車が…あわや大惨事の原因は?』
https://www.sankei.com/west/news/190718/wst1907180002-n1.html
2019年7月12日に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
11日午前10時25分頃、JR長崎線浦上~現川(うつつがわ)間の長崎トンネル(全長約6km、長崎市)内で、長崎発博多行き特急「かもめ16号」(6両編成)が異音を感知したため、緊急停止した。
乗務員らが確認したところ、トンネルの真上で掘削工事を行っていた機材が天井部を突き抜け、先頭車両の左側面などにぶつかったことが判明した。
乗客約150人にけがはなかった。
JR九州などによると、ぶつかったのは棒状の金属製掘削機材で、10数m上の地上から伸びていた。
トンネルの天井には直径15cmの穴が開いており、先頭車両以外にも損傷した車両があるという。
掘削工事は鉄道・運輸機構が発注。
現場周辺では、九州新幹線長崎(西九州)ルート関連の建設工事に伴って一部の井戸で水が減っており、対策として、井戸の試掘を行っていた。
車両と接触した後、掘削機材を引き上げたという。
機構側も施工業者も、図面上、掘削場所はトンネルにかからないという認識だったといい、同機構は、「一歩間違えば大事故につながる可能性があり、深刻に受け止めている。原因究明を徹底的に行い、再発防止のための対策を検討して安全な施工に努める」とのコメントを出した。
JR九州は事故の約2時間後、車両を現川駅に移動させ、用意したバスで乗客を運んだ。
穴をふさぐなどの応急措置を行い、約5時間45分後に、順次、運転を再開した。
この事故の影響で、特急・普通列車の計39本が運休するなどし、約6000人に影響が出た。
出典
『「一歩間違えば大事故」トンネル上で掘削工事、機材突き抜け特急損傷』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190711-OYT1T50255/
7月12日18時3分にNHK長崎からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
掘削は、九州新幹線・長崎ルートの建設工事を行っている鉄道・運輸機構が、新幹線工事の影響による地元の渇水対策として、水源を探す目的で今月2日から続けていた。
11日は、地上からおよそ14m掘り進めたところで、地下13mのところにあるトンネルの天井を突き抜け、掘削機の直径14cmの金属製のパイプが特急列車に接触したとみられるという。
鉄道・運輸機構によると、予定地の下にトンネルが記載されていなかったことがわかった。
JR九州によると、鉄道の敷地に近い場所で工事を行う場合は、事前の連絡や協議を行うことになっているが、今回、鉄道・運輸機構から事前の連絡などはなかった。
一方、鉄道・運輸機構は、「図面上はトンネルが下にあるとは認識していなかったため、JR九州側には連絡はしていない」と話していて、詳しいいきさつを調べている。
出典
『掘削の図面にトンネル記載されず』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/20190712/5030004456.html
7月13日1時34分にNHK長崎からは、間違った地図を使っていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
掘削作業を発注した鉄道・運輸機構が作成した図面は、トンネルの位置が間違って記載されている国土地理院の地図と酷似しており、この地図が使われていた可能性があることが国交省への取材でわかった。
国土地理院の地図では、掘削現場はトンネルからおよそ80m離れていることになっているが、JR九州の資料では、作業現場はトンネルの真上に位置していたという。
鉄道・運輸機構がJRにトンネルの位置などの情報を確認していなかったとして、国交省は詳しい調査を指示した。
【国土地理院の地図 「掘削には適さず」】
国土地理院の地図は、民間の会社が作る地図の基になったり、自治体も公式の地図として採用したりしている。
国土地理院によると、今回トラブルが起きたトンネルは2万5000分の1の縮尺で記載され、昭和48年に現在の位置に記載されて以降、更新されていないという。
通常、2万5000分の1の地図は、誤差を17.5m以内に抑えるように作成しているということだが、トラブルのあったトンネルは、実際よりおよそ80m北側に記載されていた。
原因について国土地理院は、通常、トンネルの位置を記載する際は、施設管理者から資料などの提供を受けるということだが、このケースについては当時の記録は残っておらず、具体的な経緯はわからないとしている。
そのうえで、「大きな誤差が許されないボーリング調査を行う際に、地理院の地図を使うのは適切ではないと考えている。より詳細な図面を使用してほしい」としています。
国土地理院は今回のケースについて、地図の間違いが確認された場合には修正するとしている。
【地図で離れていると、鉄道会社に確認せず】
鉄道関係者によると、国土地理院の地図は、ボーリング調査を行う際、業界ではよく使われているという。
ボーリング調査を行う場合、国土地理院の地図で、近接する場所に鉄道のトンネルなどの構造物の有無を確認し、もし近くにあった場合は、JRなどの管理者に問い合わせることにしているという。
そして、必要があれば、鉄道会社などから詳細なトンネルの位置や図面などを取り寄せたりするという。
ただ、今回のように、ボーリング調査の地点と地図上の路線図が100m近く離れている場合は、管理者に問い合わせることはほとんどせず、そのまま工事を発注することが多いという。
【鉄道・運輸機構 「原因調査中」】
鉄道・運輸機構九州新幹線建設局は、作成した図面と実際のトンネルの位置がずれていたことについて、「図面を作成した経緯やずれた原因などはいずれも調査中で、コメントできない」としている。
出典
『間違った国土地理院の地図使用か』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/20190713/5030004460.html
(2019年7月26日 修正1 ;追記)
2019年7月25日10時49分に長崎新聞から、原因と再発防止策に関する、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
工事発注元の鉄道建設・運輸施設整備支援機構は24日、工事図面上のトンネル位置が実際と約80mずれて記載されていたことなどが原因だったと公表した。
図面作成の過程では、国土地理院が発行した誤記載の地形図が使用されたと判明した。
機構は同日、国交省やJR九州に原因を報告した。
機構は事故の再発防止策として、地下構造物の近接工事の際は、距離にかかわらず、施設管理者への確認を事前に行うなどとした。
出典
『特急かもめ損傷 図面のトンネル80メートルずれ 誤記載地形図使用 JRに確認せず』
https://this.kiji.is/526939273313977441?c=39546741839462401
2019年6月13日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/9732/
(2019年6月20日 修正1 ;追記)
2019年6月13日5時0分に神奈川新聞からは、担当の保守管理所にのみ当該作業の手順書がなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
現場一帯を管轄する市交通局上永谷保守管理所(同市港南区)に、事故原因となった装置の点検作業に関する手順書が存在しないことが12日、明らかになった。
他の2カ所の保守管理所には置かれているものの、上永谷にだけないという。
市交通局は、早急に作成し手順の周知徹底を図るとともに、事故調査委員会を設置し、事故原因を詳しく調べる方針。
横取り装置の点検に関する作業手順書は、3カ所ある保守管理所のうち、新羽(同市港北区)と川和(同市都筑区)には置かれているが、上永谷にはないことが事故後に判明した。
同局は、「どういう経緯かは分からないが、手順書がなくても作業員は(点検について)理解している」としつつ、「本来は保守管理所ごとに作成し、手順書に従って作業を行うべき」と不備を認めた。
事故が起きた6日、国交省は同局に対し、厳重注意する警告書を出した。
事故の原因究明と再発防止策について、文書で回答するよう求めている。
これに対し同局は7日、当面の緊急対策を報告。
作業手順書を作成するほか、線路上に装置が置かれたままだと警報が鳴り続ける仕組みづくりや、装置を認識しやすいよう着色することなどに取り組む考えを示した。
同局は、「できることから早期に着手する」としている。
一方、同局は近く事故調査委員会を設置。
有識者ら第三者を加えることも視野に入れており、作業員への聴取などを行った上で国交省への回答文書をまとめる。
「国交省には速やかに報告するよう言われている。設置時期やメンバーなどは現在、協議中」と説明している。
出典
『点検作業、手順書なし 横浜市、事故調査委設置へ』
https://www.kanaloco.jp/article/entry-174249.html
(2019年8月1日 修正2 ;追記)
2019年7月30日7時5分にNHK神奈川から、現場責任者の作業手順理解不足が原因だったとする事故報告書がまとまったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
市の事故調査委員会は、現場の責任者が点検作業の手順を理解せず終了後の確認も怠っていたことが原因だとする報告書をまとめた。
29日、公表された委員会の報告書によると、事故当時、作業をしていた3人のうち、現場責任者の50代の助役が作業方法を教える過程で、一度外した点検器具を再びレール上に置いたという。
しかし、助役は点検器具を動かす際の手順を理解しておらず、装置の置き忘れを防ぐための警告灯やブザーのスイッチを切っていたほか、作業終了後の確認や報告も怠り、置き忘れに気づかなかったことが事故の原因となったとしている。
横浜市交通局の土屋統括安全管理者は、「ルールが守られていない現場の実態を、管理部門も含め把握しておらず、反省しないといけない。現場の責任者が役割を認識するよう働きかけ、教育の見直しなどの再発防止策を進めていきたい」と話していた。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20190730/1050006958.html
7月29日20時43分に共同通信からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
市は29日、管理部門が現場の作業実態を把握しておらず、「組織全体のマネジメントに問題があった」とする調査委員会の報告書を公表した。
https://this.kiji.is/528538688067961953?c=39546741839462401
7月29日21時27分に神奈川新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
横浜市交通局は29日、6月に起きた市営地下鉄ブルーラインの脱線事故に関する調査報告書を公表した。
線路上に放置された装置に電車が乗り上げた事故原因について、事故調査委員会は、職員が漫然と点検し、作業手順も明確になっていなかったと指摘。
事故による損害額は約4億700万円に上るとの見通しも示した。
放置されたのは、工事用車両を移動させるために使う「横取り装置」。
動かすにはピンを抜く必要があり、ピンを抜くと、ブザーや警告灯が作動する仕組みになっている。
報告書によると、6月5日の営業運転終了後、職員3人が3カ所の装置を点検した。
その際、1カ所の装置が線路上に固定されたままの状態にもかかわらず、50代の責任者はピンを挿入。
警告灯などが消えたため、3人は作業を終えた。
最終確認もしなかった。
調査委は、職員が装置の危険性を十分理解せずに慣例的に点検し、責任者も自らの役割を認識していなかったと指摘。
点検に関する手順書が存在せず、現場の作業実態を組織として把握していなかった点も問題視した。
被害額のうち、車両関係は3億1900万円で、レールの修繕など施設関係は8800万円。
加えて代行輸送バスや振り替え輸送に約2500万円かかったとしている。
調査委は7月1日に設置され、城博俊局長が委員長に就任。
会合を4回開いて報告書をまとめた。
29日に開かれた市会水道・交通委員会で市側が示した。
https://www.kanaloco.jp/article/entry-185315.html
※市からのプレスリリースは下記参照。
・・・・・
【事故調査報告書のポイント(概要)】
事故原因の分析(報告書P.16)
1.作業実施者の作業内容、規定に対する理解や意識が不足していたこと。
2.作業手順や最終的な確認の方法が明確でなかったこと。
3.作業における役割分担が機能していなかったこと。
4.組織としてこうした実態を把握できていなかったこと。
再発防止策(報告書P.20)
1.緊急的に実施した取組
横取り装置における課題解決のための再発防止策と安全運行の確保に向けた緊急的な取組を実施
(1) 横取り装置検査の手順書作成、作業手順の明確化や作業責任者の役割の明確化
(2) 横取り装置の取扱いチェックシートの作成等、最終確認方法の明確化
(3) 全職員への通知等、ルール遵守の再徹底
2.今後実施する対策
(1) 規定の整備やマネジメント強化の実施
(2) 職員教育の抜本的な見直し
(3) 安全に関する情報収集や共有を速やかに行う仕組みづくり
(4) 横取り装置のさらなる安全性向上の取組
3.「ゆるぐことのない安全」に向けた組織風土改革
https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/koho-kocho/press/koutuu/2019/20190729.html
2019年6月7日23時22分に神奈川新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7日午後2時15分ごろ、三浦市初声町下宮田の京急線三浦海岸~三崎口間の線路上で点検作業をしていた男性作業員(58)が、走行してきた同線京成高砂発三崎口行き快特電車(8両編成)と接触した。
男性は頭に軽傷を負った。
警察によると、三崎口駅から約150m離れた線路上で、作業員4人が線路のゆがみを点検。
現場に近づいた快特電車が警笛を鳴らして合図を送り、作業員3人は現場を離れたが、負傷した男性はそのままとどまり、電車とぶつかった。
男性はヘルメットをしていた。
京急電鉄によると、同線の上下線が5本運休、約460人に影響した。
出典
『点検作業中に京急線と接触、作業員軽傷 三浦』
https://www.kanaloco.jp/article/entry-173242.html
2019年6月6日17時59分にNHK神奈川から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6日朝、横浜市で、市営地下鉄ブルーラインの始発電車がレールに置かれたままになっていた装置に乗り上げ脱線した事故で、当時、現場では装置の置き忘れを防ぐための警告灯やブザーのスイッチが切られていたことがわかった。
市の交通局は、作業手順にミスがあったとして、詳しい状況を調べている。
ブルーラインは、今も一部の区間で運転できなくなっている。
6日午前5時20分ごろ、横浜市営地下鉄ブルーラインの始発電車が横浜市泉区の下飯田駅を出て、120mほどの場所で脱線した。
横浜市交通局によると、事故を起こしたのは湘南台発あざみ野行きの6両編成の上り電車で、前から5両が進行方向の左側に脱線して止まったという。
車内には乗客およそ120人から130人がいたが、6日夕方になって、肩を打撲したという女性から病院で診察を受けると連絡があったという。
事故の影響で、ブルーラインは今も湘南台駅と踊場駅の間で運転できない状態が続いていて、踊場駅とあざみ野駅の間で折り返し運転を行っている。
全線での運行再開は、早くても今月9日の始発からになる見込みだという。
横浜市交通局によると、営業運転が始まる前の6日未明から早朝にかけて、作業員が工事用車両を通すための「横取り装置」と呼ばれる補助レールを点検していたが、この装置をレールの上に置いたまま撤去し忘れ、そこに始発電車が乗り上げたという。
本来、装置を使った場合は、撤去するまで警告灯をつけてブザー音を鳴らす決まりになっているが、脱線が起きたとき、そのスイッチは切られた状態だったという。
横浜市交通局は、作業手順にミスがあったとして、当時の詳しい状況を調べている。
一方、国の運輸安全委員会も鉄道事故調査官3人を現地に派遣して、原因の調査を進めている。
装置は、保守点検のための車両が上りと下りの線路を自在に行き来できるようレールの上に置くもので、長さはおよそ3.5mある。
横浜市営地下鉄ブルーラインでは、全部で6か所のポイント付近にこの装置が設置されているという。
スイッチを入れれば警告灯がつきブザー音が鳴る仕組みで、交通局の指令室でも使用状況を把握できるようになっている。
一方で、スイッチを切ってしまうと、横取り装置がレールの上に置かれた状態でも警告灯やブザー音はやんでしまうということで、交通局が事故当時の状況を引き続き調べている。
出典
『横浜市営地下鉄が脱線 一部不通』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20190606/1050006443.html
6月6日22時8分に神奈川新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
市によると、営業運転中の市営地下鉄が脱線事故を起こしたのは1972年の開業以来、初めて。
市によると、電車は同駅から約150m走行した地点で、先頭車両の6号車から5両目の2号車までが進行方向左側に脱線。
運転士がブレーキを掛け、電車は40m先で停車した。
時速35km程度出ていたとみられる。
乗客は最後尾の非常口から降車し、線路脇を歩いて同駅に避難した。
装置は「横取り装置」と呼ばれ、長さは約3.5m。
工事用車両を移動させるために、本線と保守用の側線との分岐部分にかぶせて使用する。
6日午前1時半から同3時45分ごろまで、作業員3人が線路上で装置を点検。
終了後に撤去したと思い込み、装置が線路上にあることを知らせる警告灯やブザーを止めた。
そのため、司令所も運転士も装置が置かれたままになっていることに気付かなかった。
出典
『撤去忘れ装置に電車乗り上げ 脱線は1972年の開業後初』
https://www.kanaloco.jp/article/entry-172929.html
6月6日22時14分に読売新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
市は、作業員が装置を元の場所に戻すのを忘れたとみて調べている。
装置は、置き忘れを防ぐため、使用時にピンを抜くと警告が出て、作業後にピンを戻すと止まる仕組み。
しかし、今回の事故では、装置がレールに残ったままピンだけ戻され、警告が消えた状態だった。
出典
『脱線後の地下鉄車内「煙で白くなって異臭が…」』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190606-OYT1T50307/
6月8日13時56分に神奈川新聞からは、復旧作業が難航しているという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
横浜市は8日、復旧作業が難航し、全線運行再開の見通しが立っていない状況を明らかにした。
市交通局によると、脱線した車両5両のうち、3両はレール上に引き上げられたが、残り2両は、コンクリート製の枕木の損傷が激しく、車輪が枕木の下の砂利に沈み込んでいる。
このため、車体が傾いてトンネル側壁に接近し、作業スペースが確保できないことから、残り2両を引き上げるのが困難になっている。
また、レール上に引き上げた車両1両でも台車部分にひずみが見つかり、車両基地までの搬送に耐えられない可能性が出てきており、市交通局は撤去方法を再検討している。
市交通局はJR東日本、東急電鉄などにも協力を仰ぎ、ここまで延べ650人が復旧作業にあたっているという。
出典
『復旧作業難航 全線再開、見通し立たず』
https://www.kanaloco.jp/article/entry-173332.html
6月10日10時8分に朝日新聞からは、10日朝に運転を再開したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
横浜市交通局は10日午前10時、運行休止が続いていた湘南台~踊場(おどりば)間の運行を再開した。
当初は9日の始発からの再開をめざしていたが、脱線車両のレールへの引き上げなどに時間がかかったという。
破損した枕木などの復旧を10日未明に終え、試運転を行ったうえで運行を再開した。
事故車両は車両基地へ移動させる時間がなく、湘南台駅の2番線に暫定的に停車させている。
このため、運行本数の多い夕方ラッシュ時は、一部を踊場~あざみ野間での折り返し運転とした。
出典
『ブルーラインが運行再開 事故車両、駅に暫定停車のまま』
https://www.asahi.com/articles/ASM6B30P6M6BULOB002.html
(ブログ者コメント)
以下は、NHK映像の1コマ。
白が装置の通常時の状態で、脱線時は黄色のようになっていたとのこと。
2019年6月2日2時15分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
1日午後8時15分ごろ、横浜市南部を走る無人運転の新交通システム「シーサイドライン」新杉田駅(同市磯子区)で、列車が進行方向とは逆に走り出して、車止めに衝突した。
警察によると、14人がけがをし、そのうち6人が骨折などの重傷。
命に別条はないという。
運営会社の横浜シーサイドラインによると、列車は新杉田発並木中央行きで、5両編成。
乗客は50人以上いたとみられ、始発駅の新杉田駅でドアが閉まった後に逆走した。
警察によると、本来の停車位置から約25m逆走したという。
同社は2日未明に記者会見し、「事故原因は調査中」と説明した。
運転再開の見通しも立っていないという。
国交省は同社に対し、安全が確認できるまで運行を再開しないよう指示した。
シーサイドラインは1989年に開業。
新杉田~金沢八景(横浜市金沢区)の約11kmを結ぶ新交通システムで、運転士が乗車していない完全自動運転が特徴だ。
同社ウェブサイトによると、あらかじめ登録されたダイヤ情報をもとに、司令所にある運行管理装置で進路設定や発車時刻などを制御。
運行管理装置からの情報をもとに、自動運転装置でプログラムに沿った無人運転をしているという。
事故を受けて、国の運輸安全委員会は1日夜、鉄道事故調査官を現地に派遣した。
出典
『シーサイドライン25m逆走し衝突、14人重軽傷 横浜』
https://www.asahi.com/articles/ASM616WP6M61ULOB00Q.html
6月2日3時2分に神奈川新聞からは、事故時の車内の様子などに関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事故車両の2両目に乗っていた男性会社員(46)は、事故の衝撃で車内のポールに手足をぶつけた。
「発車から5秒後に事故があった。ドンという大きな音がして、買い物袋に入っていた牛乳が飛んだ。突然の衝撃で何があったのかわからなかった」と話した。
同じ車両に乗っていた女性会社員(51)は「ものすごい衝撃だった」と回顧。
女性は座っていてけがはなかったが、座席から投げ出された他の乗客は、頭から血を流したり、うずくまったりしていたという。
「車内でしばらく何も説明がなく、怖かった」と憔悴した様子だった。
衝突から数分後に先頭車両から避難できるとアナウンスがあり、2人ともほかの乗客とともに誘導されて車外に出た。
しばらくドアが開かず、「早く出せ」と怒鳴り声が飛んだり、子どもが泣き叫んだりして混乱していたという。
車両を制御する司令所は並木中央駅の本社にある。
出典
『シーサイドライン逆走し、衝突 重傷6人、軽傷9人』
https://www.kanaloco.jp/article/entry-171795.html
6月2日20時56分に朝日新聞からは、車両側のシステムに問題があった可能性があるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
列車が逆走を始める直前まで、駅の機器室と車両側のやりとりが正常だったことが、運営会社への取材でわかった。
駅側が出発の合図を出した直後に逆走しており、合図を受ける車両側のシステムに問題があった可能性がある。
同社の自動運転システムは、駅にある無人の機器室と車両の双方に付いている装置が、進路変更などの信号をやりとりして運行を管理する仕組み。
新杉田駅は折り返しの始発駅で、事故直前に駅側の装置が進行方向の切り替えを指示し、車両側から切り替えが終わったとの返答があった。
続いて駅側が出発の合図を出した直後に、列車が逆走を始めたという。
このとき、本社では3人の職員が遠隔で運行状況を監視していたが、衝突前に異常を知らせる表示はなかった。
逆走時に自動停止する仕組みはなく、車両の障害物検知装置は接触までブレーキがかからない上、今回は作動しなかったという。
シーサイドラインは1989年に開業し、94年から運転士が乗らない完全自動運転になった。
現在の2000型車両は2010年に導入し、4年かけて更新した。
出典
『車両側のシステムに問題か 逆走したシーサイドライン』
https://www.asahi.com/articles/ASM625K4ZM62UTIL00Z.html
6月3日1時38分に毎日新聞からは、逆走を想定した自動停止システムがなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・・・
シーサイドラインのシステムには、車両が逆走しても自動で止まる仕組みがなかったことも明らかになった。
これまでに国内の新交通システムで逆走した事例はなく、同社は「逆走するという想定がなかった」としている
・・・・・
出典
『運行会社「逆走の想定なかった」 自動停止の仕組みなし シーサイドライン逆走』
https://mainichi.jp/articles/20190602/k00/00m/040/157000c
6月3日9時9分に産経新聞からは、車止めが衝撃を吸収したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
車両が車止めに衝突した後、約1m動いて停止していたことが3日、運営会社への取材で分かった。
車止めは衝撃を吸収するために動くよう設計されており、運輸安全委員会や運営会社は強い衝撃が加わったとみて、事故の状況を詳しく調べる。
運営会社によると、車止めは油圧式ダンパーで支えられており、元々の位置から最大で約1m動く。
衝突時にブレーキはかかっておらず、車止めが衝撃を吸収したことで停車した。
計算上、時速10km以上で衝突した可能性があるという。
出典
『衝突後、1メートル移動 横浜シーサイドライン 車止めが衝撃を吸収』
https://www.sankei.com/affairs/news/190603/afr1906030008-n1.html
6月3日21時22分に朝日新聞からは、無人運転各社が職員をホームに配置するなどの緊急対策を始めたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同様に無人運転をしている全国の路線が3日、職員をホームに配置するなどの緊急対策を始めた。
各社とも、逆走は「想定外」と説明。
原因が特定されない中、乗客の安心や安全を図る目的がある。
・・・・・
ゆりかもめは、職員を始発駅のホームに置き、出発時にいつでも非常停止ボタンを押せるようにした。
・・・・・
出典
『逆走のシーサイドライン、時速20キロ以上で衝突か』
https://www.asahi.com/articles/ASM634VS9M63ULOB00S.html
(2/2へ続く)
(1/2から続く)
6月6日21時33分に朝日新聞からは、電気系統の断線が原因か?という、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事故車両(5両編成)を調べたところ、1号車の電気系統に断線が見つかった。
駅側から出した進行方向の切り替え指示は、2号車にあるATO装置から、1号車を通る配線を経由して、モーターの回転方向などを制御する装置に伝えられる。
断線によって指示が制御装置に伝わらなかった可能性があり、方向転換の指示が各車両に行き渡らないまま発車したため、逆走して車止めに衝突したとみられる。
断線を警告するシステムはなかったという。
断線箇所は1両目の車体下部の、外部から見えない場所にあるという。
同社では定期的に動作確認をしてきたが、目視での配線の確認は4年に1度。
多数の配線をすべて確認するのは困難という。
同社は、「こうした事態を想定して安全に停止させるシステムがなかった」と運行システムに欠陥があったと認めたうえで、「早急な修正が必要」とした。
出典
『逆走事故、電気系統の断線確認 運行会社、欠陥認める』
https://www.asahi.com/articles/ASM6644JMM66ULOB00R.html
6月6日21時45分に読売新聞からは、断線が原因で異常時に列車を停止する装置も作動しなかったなど、下記趣旨の記事が解説図付きでネット配信されていた。
運営会社が事故車両を調べたところ、1両目の配線1本に断線を発見した。
この配線は、2両目に搭載されたATOから進行方向の切り替えの信号を全車両のモーターに伝える役割を担っていた。
同社が記録を確認したところ、発車する前の段階で切り替え信号は途切れ、モーターに伝わっていなかった。
また、断線のため、逆走など異常があると列車を停止する装置にも進行方向の信号が伝わらず、作動しなかったという。
断線があった回路は6年ほど前から使用し、事故の3日前に実施した点検では異常はなかったという。
出典
『シーサイドライン逆走、断線で進行方向伝わらず』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190606-OYT1T50302/
6月6日16時13分にNHK神奈川からは、3日前に実施した電気を通す点検では異常なかったなど、同趣旨の記事がネット配信されていた。
先頭車両にある進行方向を制御する装置につながる回路で断線した箇所が見つかったという。
この回路は車両を導入した6年前から使われていて、事故の3日前に電気を通す点検で異常は見つからなかったが、目視では確認していなかったという。
出典
『先頭車両の制御装置付近で断線』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20190606/1050006439.html
6月6日21時9分に神奈川新聞からは、断線した配線は束の中の1本だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
運営会社によると、断線していたのは、1号車後方部分に設置された「機器箱」内の回路。
100本以上が束になって収納されており、うち1本が切れていた。
1号車の回路は他の車両の回路と連動しており、全てのモーターが後方に進むと認識。
その結果、車両は逆走して約25m後方の車止めに衝突した。
車両の後退を検知すると急停車する仕組みも機能しなかった。
会見した同社の担当者は、「車両全体が金沢八景駅に向かって走るよう認識すべきところ、一部の回路だけ、その認識が伝わっていなかった」とし、回路の断線が逆走の直接的な原因とみられると説明した。
また、断線で一部の指示が伝わらない事態を想定したバックアップ体制を取っておらず、その点は「システムの欠陥」との見方も示した。
事故車両の回路は6年前から使用。
同社は、断線した原因や時間を特定するとともに、無人による自動運転での運行再開のためにシステムを改修するとした。
出典
『車内で断線、方向切り替え伝わらず システム欠陥も認める』
https://www.kanaloco.jp/article/entry-172922.html
6月8日4時48分にNHK NEWS WEBからは、フェイルセーフ設計になっていなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
これまでの運行会社の調査などで、先頭車両にある進行方向を制御する装置につながる回路が断線しているのが見つかり、逆走につながったとみられている。
また、この回路が断線した場合に車両を動かなくする「フェイルセーフ」と呼ばれる設計になっていなかったということで、現在は有人運転を行っている。
一方、NHKが全国のほかの無人運転の新交通システム6社に取材したところ、5社は、回路が断線した場合、車両を動かなくする設計になっていることを確認したという。
国交省は新交通システムの運行会社などでつくる協議会を立ち上げ、フェイルセーフの設計が徹底されているかや想定外のリスクがないか検証し、再発防止策を検討することにしている。
出典
『シーサイドライン逆走 回路断線で車両止める設計なし』
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190608/k10011945411000.html
(2019年6月21日 修正1 ;追記)
2019年6月14日22時20分に神奈川新聞からは、回路断線が事故前の走行中に起きていたなど、下記趣旨の記事が配線束の写真付きでネット配信されていた。
運行会社によると、事故が発生した1日午後8時15分、新杉田発金沢八景行き下り列車は、新杉田駅で地上側ATOからの信号は正常に送られていたが、車両内の下り方向に進むよう指示する回路が断線していて進行方向の切り替え指示が伝わらなかったため、車両は逆走した。
同社などによると、断線したのは、1本前の下り列車が幸浦~産業振興センター間を走行中の午後7時25分ごろ。
金沢八景到着後、新杉田へ折り返す際に、上り方向を指示する別の回路は正常だったため、通常通り金沢八景駅を出発した。
断線した回路は1号車後方に設置された「機器箱」に収納され、直径2~3mm。
一部はステンレス製車体の内骨に接触し、溶けていた。
同社や国の運輸安全委員会は断線が事故の原因とみて、さらに詳しく調べる。
出典
『逆走事故前、走行中に回路断線 自動運転再開メド立たず』
https://www.kanaloco.jp/article/entry-174821.html
6月14日22時23分に産経新聞からは、骨組みとの摩擦で配線が切れた可能性があるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
上り、下りの進行方向をモーター制御装置にそれぞれ伝える電線2本のうち、下り方向を指示する1本が1両目で断線していた。
走行による振動で電線と骨組みが摩擦を起こし、切れた可能性がある。
電線は先が溶けた状態で車体内部に付着していた。
出典
『車体骨組みに接触し断線か 事故50分前 横浜の自動運転逆走』
https://www.sankei.com/affairs/news/190614/afr1906140033-n1.html
2019年5月27日5時15分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が害獣王装置の写真付きでネット配信されていた。
宮城、福島、山形の3県で、列車とイノシシなど動物との衝突が急増している。
3県を管轄するJR東日本仙台支社によると、2018年度は135件(前年度比50件増)で、過去最多。
列車の故障や長時間の不通など、多くの客に迷惑が及ぶことから、対策に知恵を絞っている。
3県で起きた衝突135件の内訳は、イノシシ(53件)を筆頭に、カモシカ(38件)、クマ(12件)、シカ(9件)と続く。
線区別では、東北線と仙山線がいずれも28件で、両路線で4割強を占めた。
奥羽線(27件)や磐越西線(24件)も多かった。
東北線や磐越西線ではイノシシ、仙山線や奥羽線ではカモシカやクマとの衝突が目立ったという。
背景にあるのは、耕作放棄地の拡大や、温暖化に伴う積雪量の減少による、中山間地域での動物の増加だ。
加えて、福島第一原発事故以降、基準値を超える放射性物質が検出されたツキノワグマやイノシシの肉の出荷が制限され、ハンターが減ったことも大きい。
衝突が多いのは夜間だ。
乗務員が動物を線路外に撤去して車両周りを点検するなど、運転再開まで30分はかかる。
ブレーキなど機器の故障が見つかれば、運転見合わせは数時間にもなり、後続列車の手配など、影響は多方面に及ぶ。
そこでJR東は、動物が線路に近づかないよう、対策を進める。
今のところ効果が高いのは、赤外線センサーで接近を感知し、動物の嫌う青色の光と超音波で追い払う装置だ。
17年度以降、「害獣王(がいじゅうおう)」の名前で東北線や仙山線などに設置され、衝突はゼロ。
ただ、守備範囲は半径約6mで、1台当たり20万円とお高いのがネックだ。
動物の侵入を防ぐフェンスも、これまでに3線区(約1.3km)に取り付けており、衝突の報告はない。
こちらも、1m当たり4万円と割高だ。
今年度も、地形などの条件から「害獣王」が置けない東北線と仙山線の2カ所(約600m)に設置する。
費用が安いのが忌避剤。
イノシシには唐辛子エキスが入ったものを、シカにはヒトデを原料にしたものが有効で、線路の周辺に作業員がまく。
人件費を除けば、1m当たり350円。
1度まくと3カ月は効果が続き、衝突件数も減ることが確認されているという。
JR東の担当者は、「過去の衝突実績が多い区間から優先的に対策を進めている」と話す。
出典
『列車と動物の衝突、「害獣王」で防げ ヒトデも効果あり』
https://www.asahi.com/articles/ASM5G6JBLM5GUNHB00W.html
(ブログ者コメント)
列車と動物が衝突するのを防ぐ対策については過去に何件か紹介しているが、今回の情報も、その一つとして紹介する。
2019年5月3日8時0分に神奈川新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国内有数の観光地・箱根で4月に特急ロマンスカーが線路間にあった大型の石と接触、約1時間半にわたって立ち往生した事故。
何者かによる悪質な置き石かと思いきや、意外な“容疑者”が浮上している。
鉄道事業者は、線路脇にある崖の斜面にイノシシが穴を掘ったことで落石が起きたとほぼ断定した。
箱根町内ではイノシシの出没数が増えており、関係者は落石対策の強化を迫られている。
箱根登山鉄道(小田原市)によると、4月15日午後6時40分ごろ、箱根登山電車の箱根湯本~入生田間で、箱根湯本発新宿行き特急ロマンスカーの運転士が線路間にある約45cm四方、厚さ約25cmの石を発見。
ブレーキをかけたが間に合わず、石が車両の下に入り込んだ。
けが人はなかったが、同電車は約1時間半にわたり乗客を乗せたまま停車。
小田原~箱根湯本間で運転を一時見合わせ、上下線計17本が運休した。
線路の片側は高い崖になっており、同社が現場周辺を翌日調べると、線路から40mほど上の斜面で、地面が掘り起こされた跡や、周辺にかじられた山芋が見つかった。
同社担当者は、「九分九厘、イノシシによる落石」と、ほぼ断定した。
同社によると、線路周辺に小さな石が落ちていることは珍しくない。
雨などの浸食で生じた浮き石が線路まで転がってくることもあるが、イノシシが地中のミミズや山芋を食べるために斜面を掘った際に一緒に石が掘り起こされて落石が起きているという。
過去には、電車がイノシシやシカと衝突して数分止まることがあったものの、イノシシによる落石で今回のように運転が長時間ストップするケースは、近年、なかったという。
2012年6月には、台風に伴う豪雨で線路間に落ちてきた直径約70cmの石に普通電車が乗り上げ脱線する事故があった。
担当者は、「今回は石が平べったく、(当時の石より)小さかったのが不幸中の幸い」と胸をなで下ろす。
出典
『ロマンスカー落石、容疑者はイノシシ 線路脇に穴掘られ…』
https://www.kanaloco.jp/article/entry-165115.html
2019年5月3日21時53分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
高知県と愛媛県を結ぶJR予土線の西ケ方(高知県四万十市)~真土(愛媛県松野町)間で、窪川発宇和島行きの普通列車が2日に線路脇に生えていたタケノコに接触し、約10分の遅れが出ていたことが3日、JR四国への取材で分かった。
乗客約20人にけがはなかった。
JR四国宇和島運転区によると、2日午後6時すぎに西ケ方駅を出発した列車が3kmほど進んだ際、車両の左前方にタケノコが接触。
気付いた運転士が停車させて車両に異常がないことを確認し、約10分後に運行を再開した。
タケノコは複数生えており、どれが当たったのか分からなかったため、そのままにしていたが、その後、別の列車の運転士が線路内に向かって伸びたタケノコを見つけ、撤去したという。
出典
『普通列車がタケノコに接触 JR予土線、10分遅れ』
https://www.sankei.com/affairs/news/190503/afr1905030019-n1.html
2019年4月15日19時9分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
京都市山科区のJR山科駅で11日夜、乗客の30代男性がホームから線路に転落した。
救助しようとほかの乗客たちも線路に下りて男性を引き上げ、散らばっていた所持品も拾い集めた。
その一部をとらえた動画がSNSに投稿されると、すぐに拡散。
「立派だ」「危ない」と賛否がわかれ、議論を呼んでいる。
JR西日本によると、11日午後10時43分、快速電車(8両編成)が到着する寸前の上り線のホームから線路に落ちた。
乗客1人がすぐに下り、隣の下り線の線路に移した。
さらに別の乗客がホームの非常停止ボタンを押したため、快速電車は非常ブレーキをかけ、ホームにさしかかったところで停車した。
救助で線路に入ったのは4人という。
警察によると、転落した男性は顔を切るけが。
「酔っていて足を踏み外した」と話しているという。
現場ではブザーが鳴り、「絶対、線路には下りないようお願いします」とアナウンスが流れた。
SNS上では、「一つ間違えれば大きな事故になる」、「人を助けて何が悪い」と賛否さまざま。
動画を撮影した30代男性は、「非常ボタンが押されるのがあと少し遅かったら、救助に向かった人たちもひかれていた。危ない場面だった」と話す。
JR西の広報担当者は、「勇気ある行動だった」としながらも、「非常ボタンを押せば駅員が対応する。危険なので絶対に線路に下りないでほしい」と呼びかけている。
出典
『線路に下りて救助、動画拡散し賛否 JR西広報の答えは』
https://www.asahi.com/articles/ASM4H572DM4HPLZB01F.html
4月15日13時10分にFNN PRIME(めざましテレビ)からは、下記趣旨の、より詳しい記事がネット配信されていた。
【一般人が転落者救助のため線路に立ち入り】
ホームをよじ登る2人の人物と、線路上を移動する人物。
これは4月11日の午後10時40分頃、京都のJR山科駅で撮影されたとみられる動画だ。
JR西日本によると、上り方面に向かう電車がホームに到着する直前、男性が線路上に転落。
一般人が助けに向かったとみられる。
この動画の撮影者は、めざましテレビの取材に対して「駅員が『絶対にホームに降りるな』と注意しているにも関わらず、無視して線路へと降りていった。『全員電車にひかれてしまうぞ!』と現場で強く感じた」と、当時の状況について語った。
【線路立ち入りに賛否の声】
すると動画を見た人たちからは、さまざまな反応が。
「自分の危険も顧みず真っ先に助けに降りた彼らはとても勇敢だし、簡単なことではないからこそ、やってのけた彼らは賞賛すべきだと思います」
「今回は運が良かっただけで、ホームから降りたヤツら全員跳ねられたなんて最悪のケースも有り得る」
【山科駅を実際に確認してみると・・・ 】
今回、動画が撮影されたとみられるのは、京都駅から電車でおよそ5分の場所にある、JR山科駅。
男性が転落した当時、何が起きていたのか?
実際にホームを見てみると、等間隔で非常停止ボタンが設置されている。
一方、駅のホームにはホームドアがなく、ホーム下に『退避スペース』もないように見える。
そこで、改めて動画を確認すると、救助に向かったとみられる一般人が小走りで線路上に落ちている靴を拾い上げてホームに投げる姿や、電車がまさにホーム直前で停車した様子が確認できる。
【過去には、救助のために線路に立ち入りをして死亡したケースも】
しかし、過去には線路上の人を助けようとして、巻き添えになったこともある。
2001年には、東京のJR新大久保駅で、ホームから転落した男性を助けようと線路に降りた2人の男性が電車にひかれ、3人とも死亡した。
2012年には、埼玉県本庄市・JR高崎線の踏切でしゃがみこんでいた男性を助けようと女性が駆け寄るも、快速列車にはねられ,2人とも死亡した。
【絶対に線路に立ち入らないでほしい】
今回の動画の冒頭の音声をもう一度よく聞いてみると、
「当駅では非常ボタンが発動しております。ただちに係員がまいりますので、お客様は絶対に線路のほうに降りないようにお願いいたします」
鳴り響くサイレンとともに、『係員が対応するので、線路には絶対おりないで』というアナウンスが・・・。
JR西日本によると、線路内に人が立ち入った場合の対応として、
『必ず非常停止ボタンを押して、駅係員を呼ぶ』
『二次被害を防ぐため線路には立ち入らないでほしい』
としている。
SNS上でも、『勇敢だ!』、『二次被害の危険性があった!』などと、今回の一般人の救助活動には賛否が分かれている。
【基本的には違法だが…】
では、一般人が救助の為に線路に立ち入った場合、罪に問われる可能性はあるのか?
レイ法律事務所・髙橋知典弁護士は、
「鉄道営業法で基本的には違法になります。科料が1万円以下に定められていたかと思います。ただ、線路の中に救助の為に立ち入ったということであれば、日本の法律では緊急避難といって、立ち入ったこと自体は違法にならない可能性が高い」
と話した。
また、鉄道アナリストの川島令三氏によると、「2002年に救助隊員が救助活動中に列車に跳ねられて死傷事故が発生した。その後、現在は安全確認がされないと、駅係員も線路には降りない」と話した。
出典
『一般人が線路に立ち入り救助した動画が物議 JR西日本「絶対に線路に立ち入らないでほしい」』
https://www.fnn.jp/posts/00044728HDK
2019年4月5日0時14分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
4日午後8時20分ごろ、福岡市博多区の市営地下鉄中洲川端駅で、停車した姪浜発福岡空港行きの空港線の列車から煙が出ていると、駅員から119番通報があった。
市交通局は空港線と箱崎線の全区間の運転を約3時間見合わせ、約4万3000人に影響した。
現場に到着した消防隊員は煙を確認できなかったが、市交通局によると、3両目の屋根上の機器から煙が出た形跡があったといい、原因を調べている。
けが人はなかった。
この列車に乗っていた女子大学生(18)は、「中洲川端駅に着く直前にボンと音がして、同時に衝撃を感じた。どこかにぶつかったのかと思った。駅に着いて外に出ると煙が充満していた。灰色の煙でひどい臭いがした」と話した。
同駅は九州最大の歓楽街・中洲にあり、火災警報や消防車で一時騒然とした。
出典
『福岡市営地下鉄で一時運転見合わせ 車両から発煙の形跡』
https://www.asahi.com/articles/ASM446T53M44TIPE03D.html
4月5日15時1分に西日本新聞からは、原因は避雷器の不具合だったという下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
市交通局は5日、車両の屋根に取り付けた避雷器に焦げた跡が見つかったと明らかにした。
屋根や床下など他の場所から異常は見つかっておらず、交通局は避雷器に何らかの不具合があったとみている。
焦げ跡があったのは、6両編成のうち、進行方向の福岡空港側から数えて4両目の屋根にある避雷器。
架線から電気を取り込むパンタグラフの近くに備えられている。
外を運転中に落雷した場合、車両の電子機器を守るため電流を避雷器に逃がす仕組みになっている。
3月28日の目視による点検では異常は見つからなかったという。
出典
『福岡市営地下鉄発煙 避雷器不具合か』
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/500120/
4月5日21時6分にNHK福岡からは、他の同じ避雷器も点検するなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
トラブルを起こした車両は、3両目の屋根に取り付けられた避雷器に電流が流れたあとが見つかり、一部が溶けたようになっていた。
福岡市は、避雷器が不具合を起こした具体的な原因を特定するためメーカーに協力を求め、詳細な調査を行うことにしている。
また、トラブルを起こした車両だけでなく、同じ避雷器が設置されている18編成のすべての車両で、緊急点検を実施するという。
出典
『地下鉄トラブル「原因は避雷器」』
https://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20190405/0004086.html
4月5日付で福岡市交通局のHPには、避雷器に関する下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「避雷器」とは,落雷等により地下鉄車両に過大な電圧がかかった場合に車両の機器等を保護するために,車両屋根上に設置しているもので,1編成当たり4個設置されています。
出典
『車両不具合による運休にかかる原因について』
https://subway.city.fukuoka.lg.jp/sp/news/detail.php?id=786
(ブログ者コメント)
以下はNHK映像の1コマ。
指をさされているのが避雷器。
2019年4月3日13時52分に東京新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
首都圏の駅のホームで、ベンチの向きが線路と「平行」から「直角」に変わり始めている。
ベンチから立ち上がり、まっすぐホームに落ちてしまう酔客の行動パターンに着目し、JR西日本が2015年に開始し、注目された取り組み。
歓送迎会や花見のシーズンを迎えた首都圏でも威力を発揮しそうだ。
京成電鉄では青砥駅(東京都葛飾区)で2月末、上下線ホームにある全てのベンチが直角の向きに一新されるなど、京成高砂やお花茶屋などの8駅で、3月末までにベンチの向きを変えた。
今後、酔客の転落が多い駅から着手し、69ある駅のほぼ全てで変更する方針だ。
ホームドアを設置できているのは日暮里と空港第2ビルの2駅だけで、京成の広報担当者は「ベンチの変更なら安くて早い」と説明する。
酔客の行動パターンは、JR西が2014~15年に検証した。
駅構内のカメラ映像を基に、転落したり列車に接触した136人分の行動パターンを分析した。
突然線路に向かってまっすぐ歩きだし、そのまま転落するケースが約6割を占め、千鳥足でホームの端を歩き、足を踏み外すのは約1割にとどまった。
この調査結果を受け、関西地方からベンチの向きを変える動きが広がった。
首都圏では、東武鉄道が昨年2月から変更に乗り出した。
これまでに完了した南栗橋、久喜、北越谷などの8駅は、いずれも終点駅。
和光市駅を除いてホームドアがなく、ベンチに座っていた酔客が突然立ち上がって転落することがあったという。
「ベンチの向きを変えた後は転落が減り、一定の効果を感じている」と広報担当者。
志木駅でも変更する計画がある。
鉄道各社は、ホームドアがない駅を中心にベンチの変更に動いている。
JR東日本は新宿、品川、新橋の各駅で実施。
京王は府中や南大沢など10駅で、小田急は下北沢や小田原など15駅で変更を終えた。
東京メトロは「全ての駅にホームドアの設置を進めたい」としている。
国交省によると、ホームからの転落は6割が酔客。
ホームドアの設置には1駅あたり少なくとも数億円かかり、コスト面が導入のハードルになっている。
出典
『ホームのベンチ、平行から直角へ 酔客の転落防止 首都圏でも』
https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2019040390135245.html
(ブログ者コメント)
JR西日本での取り組み状況は、2016年9月に本ブログでも紹介している。
2018年12月17日に掲載した第8報がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第9報として掲載します。
第8報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/9164/
(2019年4月5日 修正9 ;追記)
2019年3月29日5時0分に朝日新聞から、運輸安全委員会の報告書が公表されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国の運輸安全委員会は28日、調査報告書を公表し、JR西日本の乗務員らが音や臭いなどの異常に気づきながらも運行を継続したことについて、「大したことにはならないだろう」と事態を過小評価する「正常性バイアス」が働いた可能性を指摘した。
報告書では、17年12月11日午後、博多発東京行き「のぞみ34号」の異常を点検するために岡山駅から乗り込んだ車両保守担当3人と東京の指令員のやり取りを詳細に再現した。
岡山駅を出発後、指令員が「走行上問題がない感じで大丈夫か」、「今のところ走行に支障があるという感じではないですよね」などと尋ねた。
これに対し保守担当は、「そこはちょっと判断がつかない」、「乗っている段階では判断できかねる」などと返答したという。
これらのやり取りで、指令員に「正常性バイアス」や自分の思いを支持する情報に意識が向く心理「確証バイアス」が作用したことで、走行に支障がないと判断した可能性があるとしている。
再発防止に向け、報告書は「運行継続が前提であるかのような誘導的な言い回しを用いないようにする必要がある」と提言した。
また、当時のJR西の車両点検について「列車の終着駅で点検することが恒常化していた」と指摘。
17年4月から問題発生までに、JR西が運行する山陽新幹線の異音申告は101件あったが、列車に保守担当が乗って点検したのは4件(4.0%)だった。
JR東海は、東海道新幹線で同じ期間に156件の異音申告があり、127件(81.4%)で車両保守担当が乗車して点検していた。
運輸安全委は、「何が起きているかわからない事態は重大な事故に結びつく可能性があるとの意識を、組織として醸成する必要がある」と求めた。
・・・・・
出典
『のぞみ亀裂、事態を過小評価「問題ない感じで大丈夫か」』
https://digital.asahi.com/articles/ASM3X5JJ5M3XPTIL026.html?rm=356
3月28日22時5分に神戸新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
報告書によると、博多発東京行き新幹線のぞみは出発直後から異音や焦げたような異臭の報告が繰り返しあり、指令員が保守担当に岡山駅で乗り込んでの点検を求めた。
しかし保守担当は「指令員が判断する」と考え、一方で指令員は「専門技術者である保守担当から明確な要請がある」と思っていたため、列車を止めて床下点検まではしなかった。
また、指令員は保守担当からの「床下点検をやろうか」との打診を聞き逃し、さらに「走行上問題がない感じで大丈夫か」など、運行継続に誘導するような言い回しもしていた。
こうした一連のやりとりについて、異常事態を過小評価し、平静を保とうとする「正常性バイアス」や、運行継続に有利な情報を求める「確証バイアス」が心理的に働き、列車を止められなかった可能性を指摘した。
出典
『新幹線台車亀裂、停車せず運行 司令と保守、判断「相手任せ」 』
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201903/0012190332.shtml
※報告書は下記参照。
https://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/railway/detail.php?id=1926
2019年3月28日17時28分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
名古屋臨海高速鉄道(あおなみ線)は4月から、事故や災害などの緊急時に空気で膨らませるタイプの避難用滑り台(スライダー)を導入する。
高齢者や体の不自由な人も車内からスムーズに脱出できることを目的としている。
現在運行している1000形の全8編成に1セットずつ載せる予定。
スライダーは全長4m、幅1m、高さ約1.10m。
生地はポリ塩化ビニール製で厚さ0.9mm。
普段は乗務員室に電動式の空気ポンプとともに収納され、緊急時には膨らませてドアに設置する。
完全に膨らむまでに約2分かかるという。
エア遊具の製作などを扱う会社「BRAVO」(愛知県安城市)が、飛行機のシューターをヒントに開発した。
同社の加藤社長は、「角度や幅を調整し、誰でも安全に滑ることができる形を目指した」と話す。
あおなみ線では2004年の開業以来、車両内に「非常用はしご」を搭載していた。
だが、昨秋の避難訓練を体験した社員から「はしごだとお年寄りが降りるのが大変」などと意見があがり、見直すことになった。
あおなみ線の担当者は、「乗客には安心して速やかな避難を誘導できるようにしたい」と話した。
出典
『電車にも避難用滑り台 お年寄りも楽々、ヒントは飛行機』
https://www.asahi.com/articles/ASM3Q4DW1M3QOIPE015.html
(ブログ者コメント)
本ブログでは2016年3月、JR四国で空気を使わないシート状のシューターを開発したという、同種情報を紹介している。
2019年3月26日18時3分にNHK高知から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
25日正午前、高知市にあるとさでん交通の朝倉電停で、下りの電車が上りの電車の到着を待たずに単線区間に進入し、双方の電車は37mの距離まで接近して停止した。
乗客あわせて12人にけがはなかった。
国の運輸安全委員会は、事故になりかねない重大インシデントと認定し、26日午後、鉄道事故調査官2人を現地に派遣し、本格的な調査を始めた。
とさでん交通によると、この電停では、電車が行き違う際に通票と呼ばれる金属のしるしを運転士どうしが受け渡す決まりになっていたが、下り電車の運転士は「受け取るのを忘れた」と話しているという。
この電停では3年前にも同様のケースがあり、運輸安全委員会から信号の設置を検討するようコメントされていたが、予算の都合で実現できていないという。
国の運輸安全委員会の小池鉄道事故調査官は、「一歩間違えれば大惨事となり、危険な事例だ。3年前の再発防止策をどのように生かしてきたのか検証したい」と話していた。
【とさでん交通の対応は】
通常、朝倉電停では、電車が確実に行き違ったことを確認するため、上りの電車の運転士から下りの電車の運転士に通票と呼ばれる金属のしるしが手渡されることになっている。
今回の一件を受けて、とさでん交通では、朝倉電停に新たに社員を配置し、運転士の間での通票の受け渡しの確認にあたる対応を、当面の間、続けることにしている。
朝倉電停では、3年前にも、通票の受け渡しを忘れた電車が単線区間に誤って進入していて、その後、とさでん交通は、通票を受け取った運転士は近くの電停に無線で連絡し、進入の指示を受けることを新たに定めたほか、通票の受け渡しの確認の徹底を求める看板を電停に設置するなどして、再発防止に向けて取り組んできたという。
出典
『路面電車誤進入 調査始まる』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kochi/20190326/8010004675.html
3月26日8時40分に高知新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
伊野線は、鏡川橋(高知市)~伊野(吾川郡いの町)間が単線区間。
朝倉電停以東は信号で管理しているが、朝倉~伊野間は、衝突を避けるため、対向車両同士が「通票」と呼ばれる通行手形を受け渡して、通票を受け取った車両だけが進入できる。
同社によると、伊野行きの運転士は朝倉電停で通票の受け取りを失念したまま発車。
前方の交差点で停車している対向車両に気付いて停車した。
その後、対向車両が近づいてきて、最終的に車両同士は約37mまで接近した。
この後、同社は鏡川橋~伊野間を一時運休し、代替バスを運行。
午後3時35分ごろ、電車の運行を再開したという。
出典
『とさでん交通 対向電車37メートルまで接近 単線で手続き忘れ 16年もミス』
https://www.kochinews.co.jp/article/264139/
※以下は、3年前の同様事例。
(2016年11月17日 毎日新聞高知版)
17日午前9時ごろ、高知市曙町の「とさでん交通」伊野線朝倉停留場~朝倉駅前停留場間で、必要な手続きを怠った路面電車が、単線区間で対向車両と向き合う形で停車するトラブルがあった。
けが人はなかった。
国交省運輸安全委員会は同日、正面衝突につながる恐れのある「重大インシデント」として調査官2人を派遣。
調査を始めた。
とさでん交通や国交省によると、トラブルがあったのは文珠通発伊野行き下り電車(1両、乗客約70人)で、40代の男性運転士が運転していた。
車両の行き違いが可能な朝倉停留場に停車していた電車は、停留場に到着した対向車両の運転士から「通票」を受け取らないと単線区間に進入できないのに、対向車両の到着前に出発した。
男性運転士は通票を持っていないことに気付いてすぐ徐行し、停留場から約150m先で対向車両を確認して停止した。
対向車両との距離は約60mだったという。
出典
『とさでん交通 路面電車が単線に進入ミス 高知』
https://mainichi.jp/articles/20161118/k00/00m/040/143000c
2019年3月17日6時21分にNHK首都圏から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
16日午後9時すぎ、東京・八王子市にあるJR中央線の八王子駅付近で架線が突然切れて停電が起き、付近を走っていた複数の列車が乗客を乗せたまま動けなくなった。
JRの職員が列車から乗客を下ろして近くの駅まで誘導するなどしたが、けが人はいなかった。
当時、列車に乗っていた乗客によると、車両の真上からバリバリと音が聞こえて火花が散り、列車が止まったという。
このトラブルで、中央線は豊田駅と小淵沢駅の間の上下線で終日運転を見合わせたほか、八高線も八王子駅と東飯能駅の間で終日運転を見合わせ、あわせて2万5000人あまりに影響が出た。
JRによると、断線した架線の復旧工事が終わったことから、中央線、八高線とも、けさの始発から通常通り運転している。
JRでは、架線が断線した原因について調べている。
出典
『JR中央線など始発から平常運転』
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20190317/0026987.htm
3月21日6時54分に山梨日日新聞から、原因に関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東日本八王子支社は20日、中央線八王子駅付近で16日に架線が断線したトラブルについて、2017年8月に実施した電線を支える梁の改良工事で2本の電線の交差位置がずれ、電位差で電線が摩耗したことが原因だったと発表した。
同支社によると、断線の影響で一部の電車のパンタグラフや架線の金具などが複数損傷し、山梨県内を含む中央線の一部区間で運転を見合わせた。
約2万4000人に影響が出た。
同支社は「多大なご迷惑をおかけしたことをおわび申し上げる。再発防止対策を講じ、信頼の回復に向け全力で取り組む」とのコメントを出した。
出典
『架線のトラブル 原因は改良工事 JR東日本が謝罪』
https://www.sannichi.co.jp/article/2019/03/21/00334616
2019年2月25日18時4分にNHK首都圏から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
25日午前5時ごろ、JR中央・総武線の御茶ノ水駅や水道橋駅など4つの駅で停電が起きた。
この影響で、中央・総武線の各駅停車は千葉の西船橋駅と東京の三鷹駅の間の上下線で、中央線の快速電車は東京駅と新宿駅間の上下線で、4時間余りにわたって運転を見合わせた。
御茶ノ水駅や水道橋駅など11の駅で入場規制が行われたほか、ほかの鉄道会社への振り替え輸送が行われるなどし、28万人に影響が出た。
水道橋駅と飯田橋駅の間の線路の橋では、25日未明から始発前にかけてJR東日本が改良工事を行っていて、直前には部材を切断する作業が行われていたという。
そして、作業を終えてからおよそ40分後に線路脇に置いていた資材から火が出て、送電ケーブルに燃え移ったとみられることがわかった。
JR東日本は、作業で出た火花が資材の中に残ってくすぶり、燃え広がったとみて、作業の手順や安全管理に問題がなかったか詳しく調べている。
今回のトラブルについて、鉄道システムが専門の工学院大学の高木亮教授は、「電気設備で影響が出ると復旧までに長引く傾向にあることがこれまでにもわかっていて、特に、東京の大動脈でトラブルが起きたことで影響がさらに広がってしまった」と分析している。
その上で、「トラブルを起こさない対策が必要だが、もし起きた場合でも影響範囲を小さくできるかが重要だ。例えば、電車の折り返し場所を増やすなどの対策が取られていれば、運転見合わせ区間もこれほど広がらず、駅の入場規制も小規模に済んだはずだ」と指摘している。
また高木教授は、「都市部での鉄道の工事は、夜間の数時間の制約の中で行われているので、今回の工事で何が足りなかったのか、さまざまな角度から検証し、再発防止策を講じる必要がある」と話している。
出典
『中央総武線 工事40分後に出火』
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20190225/0026085.html
2月25日20時35分に産経新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東によると、停電は25日午前4時55分ごろ発生。
同じ時間帯に水道橋~飯田橋間の高架橋工事の資材置き場で火災があり、そばに設置されていた駅や信号に電気を供給する送電ケーブルが約4mにわたって焼けた。
出典
『工事用資材が火元か JR中央線停電トラブル』
https://www.sankei.com/affairs/news/190225/afr1902250033-n1.html
2月26日17時46分に毎日新聞からは、線路わきに仮置きした防炎シートから出火したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東日本東京支社は26日、鉄橋補強工事で使われた防炎シートが火元となり、線路脇の送電ケーブルに引火したとの見方を示した。
同支社によると、担当者が25日午前1時15分~4時15分ごろ、東京都千代田区飯田橋3の水道橋~飯田橋間にかかる鉄橋の補強工事を実施。
作業中は火の粉が飛び散ることから、火災防止のため、鉄橋の隙間に防炎シートを詰め、作業終了後にシートをまとめて線路脇に仮置きした。
同支社は、「シートの中に残っていた火の粉が送電ケーブルに燃え広がった可能性がある」とみている。
送電ケーブルを収納するケースは樹脂製で、JR東は、順次、燃えにくい金属製に切り替える方針。
出典
『火元は防炎シートか 送電ケーブルに引火 JR中央・総武線停電』
https://mainichi.jp/articles/20190226/k00/00m/040/142000c
2月27日6時37分にNHK千葉からは、線路わきのケーブル火災に関する過去のいきさつと今後の対策に関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東日本によると、始発前に行った橋桁の工事で出た高温の鉄くずが資材の中に残ってくすぶり、その後、線路脇に置いた資材から送電ケーブルに火が燃え移った可能性が高いという。
JR東日本では4年前、東京都内の線路のケーブルなどが連続して放火される事件が起き、ケーブルのカバーを「耐火シート」で覆う対策を進めてきた。
しかし、今回火災が発生した現場は、一般の人が立ち入れる場所ではなかったため、燃えやすい樹脂製のカバーのままだったという。
このため、ケーブルのカバーを金属製に交換する防火対策を進めるほか、送電ケーブルといった重要な設備の近くに資材を置かないことなどを徹底するとしている。
出典
『JR東 ケーブルカバー金属製に』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20190227/1080005107.html
(ブログ者コメント)
以下は2月27日NHK現場映像の1コマ。


















その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。