







2018年2月25日0時5分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
24日午後6時13分ごろ、都営地下鉄浅草線と三田線、都電荒川線で、同時に停電が発生するトラブルが起きた。
この停電の影響で、3線は午後7時30分ごろまで全線で運転を見合わせ、最も時間がかかった浅草線が全線で復旧したのは午後8時42分ごろだった。
東京都交通局によると、全体で131本が運休し、5万5000人に影響があった。
交通局によると、都が管理する複数の変電所で同時に異状を知らせる警報が鳴り、3線の架線が停電。
いったん復旧したが、午後6時44分に再び停電した。
三田線では、15駅の構内でも停電が起きた。
3線の電気系統はそれぞれ分離されており、停電が同時に起きた理由はわからないという。
今のところ、人為的な操作などの形跡はないという。
交通局によると、三田線は大手町~神保町駅間で車両が停車し、乗客が約30分間にわたって閉じ込められたが、体調を崩す人やけが人はなかったという。
出典
『浅草線・三田線・荒川線が同時停電 都の変電所で問題か』
https://www.asahi.com/articles/ASL2S64MSL2SUTIL01Z.html
2月25日18時50分に朝日新聞から、原因に関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2月25日19時30分にテレビ朝日からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
東京都交通局は25日、浅草線の浅草~本所吾妻橋間で、電車に電気を供給する架線と天井の鋼材が接触したことが原因だったと発表した。
交通局によると、鋼材に火花が散ったあとが残っていた。
架線をつっている「ちょう架線」が、電車の通過時などの振動で鋼材に接触して異常電流が発生、浅草線の変電所が停電したとみている。
「ちょう架線」と天井は通常、20cmほど離れ、去年12月の点検では異常はなかった。
三田線、荒川線の停電も、この異常電流の影響とみられるという。
担当者は、「通常、天井はコンクリート製で、架線が接触しても異常電流は発生しない。だが、この場所では耐震補強で鋼材が使われた」と話し、交通局は、今後、同様の箇所の調査を進める。
出典
『架線と天井鋼材との接触原因 地下鉄浅草線などの停電』
https://www.asahi.com/articles/ASL2T5RX7L2TUTIL018.html
『都営地下鉄の停電…架線が天井に接触しショート』
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000121649.html
2018年2月2日20時20分にNHK奈良から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
近畿日本鉄道が、シカなどの野生動物を電車がはねる事故を防ごうと、大阪線の宇陀市内の区間に、動物が嫌う超音波を出す特殊な装置を設置したところ、事故が大幅に減少し効果を発揮している。
大阪から奈良県を通って名古屋までを結ぶ近鉄大阪線は、線路内に立ち入る鹿などの野生動物を列車がはねる事故が多発し、平成27年には年間224件の事故が起きて、たびたびダイヤが乱れていた。
このため近鉄は、おととし三重県津市に、去年3月に宇陀市内の区間に、「シカ踏切」と呼ばれるシステムを開発して設置した。
「シカ踏切」は、遮断機の代わりに動物が嫌う超音波を出して、列車が運行される時間帯には鹿が線路に入らないようにし、列車が走らない深夜などには超音波を止めて鹿を通す仕組み。
おととし「シカ踏切」が設置された三重県津市の東青山駅付近では、前の年に17件あった衝突件数が去年は1件まで減ったほか、宇陀市の榛原駅と室生口大野駅の区間でも、年間20件から30件ほどあった事故が、「シカ踏切」を設置した去年3月以降は7件へと大幅に減ったという。
近鉄八木信号区の坂本助役は、「効果は絶大と捉えている。鉄道と鹿の双方にとってよい試みで、ほかの場所にも設置していく方向で検討したい」と話している。
(以下はナレーションの趣旨)
鹿による事故を防ごうと近鉄は、事故の多い区間の線路沿いにロープを設置するなど、試行錯誤を繰り返してきた。
ところが、鹿はロープをくぐって線路に侵入。
効果はなかった。
そこで今度は、線路わきに張ったロープやネットにあえて隙間を作った。
この隙間を通って鹿が線路を渡って自由に行き来できるようにしたのだ。
名付けて「シカ踏切り」。
踏切りといっても、遮断機はない。
その代わりに役目を果たすのが、動物が嫌がる超音波を発する設備だ。
こちらは津市の「シカ踏切り」の映像。
電車が通り、超音波が出ている間は、鹿は線路に入ってこない。
ところが、超音波が鳴りやんで1分ほどすると、鹿たちは次々と線路を渡っている。
近鉄によると、「シカ踏切り」の装置が出す超音波は人に害はないという。
出典
『事故防止「シカ踏切」が効果』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/nara/2054883011.html
少し昔の記事だが、2017年11月17日12時13分に朝日新聞からも、同趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
野生のシカとの接触事故に頭を抱えていた近畿日本鉄道が、運行時間外にあえて線路を渡れるようにする「シカ踏切」を導入した。
侵入しないように排除するのではなく、共存を目指したところ、事故は激減し、対策に光明が差してきた。
効果の裏には、シカの目線で取り組んだ鉄道マンの「優しさ」があった。
「シカ踏切」は、線路脇に張った高さ約2mの獣害防止ネットの一部に、幅20~50mの隙間を作る仕組み。
シカは日中は移動しないため、事故は起きない。
危険が高い早朝や夜間の運行時間帯だけ、隙間にシカが嫌がる超音波を発して侵入させないようにし、終電から始発までは発信しないで、自由に線路内に入れるようにする。
これまでの鉄道各社の主なシカ対策は、侵入防止ロープや赤色LED灯の設置、野獣の糞尿をまくなど、線路から遠ざけようとするものだった。
しかし、目立った効果はなく、国交省によると、シカなどの野生動物との接触事故が原因となった運休や30分以上の遅れは、昨年度に過去最多の613件(前年度比185件増)に上った。
特に、山間部の路線を多く抱える近鉄は深刻で、シカとの接触事故は全線で2004年に57件だったのに対し、15年は約5倍の288件にまで増えた。
「またシカでダイヤが乱れた」。
運転指令担当の同僚の嘆きを聞いた近鉄名古屋統括部電気課の匹田さん(48)は15年秋、シカの実態を調べ始めた。
線路を挟んだ両側に生息域を示す足跡やフンなどが見つかり、鉄分の補給で線路をなめる習性も確認した。
監視カメラには、衝撃的な映像が残されていた。
夜間、親子のシカが線路を渡り、小ジカ3頭のうち最後尾にいた1頭がはねられた。
親は約40分間、その場を離れずに、倒れた小ジカを見つめ続けていたという。
事故撲滅への思いを強く抱いた匹田さん。
「いくら締め出しても、線路に入ってくる。シカにも『踏切り』があればいい。」
逆転の発想がひらめいた。
・・・・・
出典
『シカ思いの踏切、近鉄導入 悲しむ親ジカ見て…社員発想』
https://www.asahi.com/articles/ASKCB40WWKCBPTIL00J.html
2017年11月6日9時0分に毎日新聞からは、「シカ踏切」がグッドデザイン賞に選ばれたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
近鉄が昨年以降、津市などで設置した「シカ踏切」が、列車と鹿の接触事故防止に効果を発揮している。
線路をまたぐ形で鹿の生息域が存在していることを重視。
生息域内を行き来する鹿の侵入を完全に防ぐのではなく、列車の通らない時間帯に踏切を渡ってもらう「逆転の発想」で事故を急減させた。
「人間だけでなく、鹿にも安全な踏切が必要。鹿の目線で問題を捉えた」点が評価され、今年度のグッドデザイン賞(公益財団法人日本デザイン振興会の主催)に選ばれた。
・・・・
出典
『近鉄「シカ踏切り」 深夜に渡って…超音波で線路内侵入調整』
https://mainichi.jp/articles/20171106/k00/00m/040/109000c
2018年2月1日22時13分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR西日本は1日、来年度から5カ年の安全計画を公表した。
新幹線「のぞみ」台車に破断寸前の亀裂が入ったまま運転し続けた問題を踏まえ、「安全が確認できない時は迷わず止める」と初めて明記したほか、乗務員らのコミュニケーション技術習得など、新たな取り組みを盛り込んだ。
計画の柱として、「組織の安全管理の充実」「安全最優先の意識の浸透」を掲げた。
亀裂問題では、異音などが報告されながらリスクを見逃し点検の判断ができなかったため、想定する重大事故から逆算して課題を洗い出す手法などを導入。
安全に関する情報を共有する対話や、誤った指示なら立場が上の社員にも確認を求める教育を盛り込んだ。
また、運行停止判断を全てルール化するのは困難とし、グレーゾーンだった「安全が確認できない時」についても、「迷わず列車を止める」と明記。
結果的に異常がなくても、安全確保できたと考えるよう示した。
一方、現行計画は「利用客が死傷する列車事故ゼロ」など5項目の数値目標を示し、現状では「死亡労災ゼロ」など2項目で達成できなかった。
次期計画は一部の目標をさらに厳しく設定し、引き続き実施する。
JR西は、2005年の福知山線脱線事故後に安全計画を策定し、次期計画は第4次にあたる。
次期計画を策定中の昨年12月、亀裂問題が発生し、今年1月に設置した有識者会議の中間提言や独自の検証結果を反映させた。
今後、亀裂が生じたメカニズムが解明されれば、必要に応じ計画を修正する。
来島社長は、「安全最優先の判断と行動ができず、次期計画ではそこが問われている。着実に成果を出していきたい」と語った。
福知山線脱線事故で、長女を亡くした藤崎さん(女性、78歳)は、「安全対策に巨額投資をしたのに問題が起きた。安全最優先の意識が広がったと思えない」と批判。
次期計画に「迷わず列車を止めるとメッセージを発信し続ける」と盛り込まれたが、「『メッセージ』では強い決意を感じない」と疑問視した。
長女を亡くした大森さん(69)は、組織を経営・技術・現場に分けて安全確保を図る点を「幹部が現場を見るきっかけになる」と一定の評価をしている。
ただ、亀裂問題で現場社員が処分されず、「過度な罰は問題だが、襟を正すような処分は必要ではないか」と話した。
出典
『JR西日本 安全未確認時「迷わず停車」 台車亀裂受け』
https://mainichi.jp/articles/20180202/k00/00m/040/124000c
2月1日20時0分に日本経済新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR西日本は1日、2022年度を最終年度とする5カ年の「鉄道安全考動計画2022」を発表した。
17年12月に新幹線「のぞみ」が亀裂が入ったまま運行を続けた重大トラブルを受け、組織の安全管理の構築や安全を最優先する意識の浸透に力を入れる。
安全投資額は、13~17年度に計画した4800億円を上回る。
安全体制の強化で、早期の信頼回復を目指す。
・・・・・
出典
『JR西日本、5カ年の安全計画、投資額上乗せ』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26425900R00C18A2TJ1000/
2月1日18時24分に読売テレビからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・・・
JR西日本は会見で、これまでルールに載っていない事案が発生した際、「安全最優先」の判断ができていなかったとした上で、安全が確認できない時は迷わず列車を止めることや、異常時には現場の判断を最優先すると明記した。
また、今回、新幹線に亀裂が見つかった問題を受け、台車の異常を検知するシステムを導入することなどが新たに盛り込まれた。
この安全計画について、有識者として新幹線の調査に携わる専門家、関西大学社会安全学部の安部誠治教授は、「本社でこういうものを出したとしてもですね、社員が3万人もいる大きな組織ですから、これが社員の1人1人に浸透するのはかなり時間がかかるし、困難な課題でもあると思うんですね。問題はこれをどのように浸透させるかということなんですね」と指摘した。
福知山線脱線衝突事故から13年近い年月が経ち、安全運行にほころびも見えはじめたと指摘されるJR西日本。
信頼を取り戻せるか、重い課題を背負っている。
出典
『トラブル相次ぐJR西日本、安全計画を発表』
http://www.ytv.co.jp/press/kansai/D18141.htm
(ブログ者コメント)
ブログ者の経験から言えば、経営トップがいくら安全第一を標榜しても、現場第一線で働く人に、その思いが直ちに浸透するとは限らない。
時間をかけ、まずは中間管理層から浸透させていく・・・そういった方法しかないような気がする。
2018年1月30日19時48分にNHK北海道から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
29日正午すぎ、JR旭川駅で網走駅から到着した特急列車を点検した際、列車の下についているエンジンの冷却装置に縦4cm、横6cmの穴が開いて冷却水が漏れているのが見つかった。
この影響で、29日は同じ車両を使う予定だった特急2本が運休し、およそ400人に影響が出た。
このトラブルについてJRが調べたところ、列車が当麻町内のJR石北線を通過した際に、線路内に落ちていた大型の工具があたって破損していたことがわかった。
工具は線路と枕木をつなぐ「くぎ」を抜くためのもので、JRによると29日、担当者が作業を行った際に工具を落としたまま気付かなかったという。
JR北海道は、「お客様に多大なご迷惑とご心配をおかけし、深くおわび申し上げます。再発防止の徹底に向け取り組んでまいります」とコメントしている。
出典
『特急の装置破損 原因は工具落下』
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20180130/4861171.html
(ブログ者コメント)
冷却系異常アラームがあると思うのだが、それは発報しなかったのだろうか?
当麻駅から旭川駅までは20分程度につき、漏れ量が少なく発報する手前だったということなのだろうか?
2018年1月25日21時29分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
首都圏を襲った大雪は、都心の交通網に大混乱をもたらした。
気象庁などが「早めの帰宅」を促した結果、主要駅には家路を急ぐ会社員らが殺到。
ホームは人であふれ、長時間にわたって入場制限がかけられた。
逆に、雪がピークを超えた夜遅い時間帯には混雑が緩和され、企業や官庁が一斉に帰宅を促すことのデメリットが浮き彫りになった。
22日午後7時半ごろの渋谷駅。
JRや東京メトロ、東急などの路線が連絡する駅構内は大勢の人々で埋め尽くされた。
東急田園都市線では午後3時56分から入場規制がかかり、閉鎖された改札前には100mを超える行列ができた。
鉄道ジャーナリストの梅原淳さんは、「鉄道は雪に弱い乗り物。輸送力が弱まった駅に帰宅を急ぐ人がなだれ込めば、パニックになるのは当然」という。
梅原さんは、「通常の速度を時速80kmとすると、レール下4cmの積雪で列車の稼働率は半減する。帰宅させるなら、雪が降り始める前か、雪がやんだ後にすべきだった」と指摘した。
気象庁が「早めの帰宅」を呼びかけたのは、22日午前10時すぎ。
担当者は、「夕方以降、雪は強まる見通しで、帰宅の時間帯に交通機関が乱れ、かなり影響が出ることが考えられる。時間に余裕を持って行動してほしい」と求めた。
呼びかけはテレビや交流サイト(SNS)で拡散。
多くの企業が呼応し、早めの退勤を促した。
その結果、職場を後にした人たちが短時間に集中して駅に到着し、大混乱が発生。
東急田園都市線渋谷駅で5時間以上入場規制がかけられたほか、京急品川駅や西武池袋線池袋駅、JR蒲田駅でも、一時、入場を制限した。
ある私鉄の広報担当者は、「入場規制は、ホームや階段から転落しないよう安全を確保するため、やむを得ない対応だった」と打ち明ける。
混雑は、ほとんどの路線で深夜までには解消。
遅めの時間帯には、空いている電車も多かった。
インターネット上では、国交省が大雪前日に緊急発表した「不要不急の外出を控える」との注意喚起にも批判の声が上がる。
SNSには「どこから不要不急なのか。国として対象となる部分を示して」、「理解に苦しむ日本語」などのつぶやきが相次いだ。「企業も学校も休みにすべきでは」との投稿もあった。
石井啓一国交相は23日の閣議後記者会見で、「不要不急の基準は個人の事情で違ってくる。大事なのは、普段と状況が大きく変わる可能性が高いことを念頭において判断すること」と述べた。
筑波大の糸井川栄一教授(都市リスク管理学)は、「気象庁は『1時間に50mmの降雨量』などとだけ警告するのではなく、それがどの程度の被害につながるかを分かりやすく発信すべきだ」と情報発信の改善を求め、「企業側はしっかりと災害情報を収集し、降雨量や積雪量が増える前に早めに帰宅命令を出す判断をする必要がある」と指摘している。
出典
『大雪、早めの帰宅が混乱拡大 駅に殺到・入場規制』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26141020V20C18A1CC1000/?n_cid=NMAIL007
一方、1月23日付で東洋経済オンラインからは、大雪時の電車の間引き運転は逆効果だという、鉄道関係者の寄稿文?がネット配信されていた、
首都圏では1月22日の昼過ぎから雪が激しくなり、夕方の帰宅ラッシュの鉄道は大混乱した。
首都圏で大雪となるたびに鉄道は大混乱し、利用者の間では「自然災害なのだから仕方ない」と、あきらめの声が大半だ。
豪雪地では、この程度の雪なら列車は普通に運行するが、首都圏では違う。
「数年に1度の大雪のために豪雪地のような設備投資はできない」というのが、首都圏の鉄道事業者の共通認識だろう。
しかし、あきらめることはない。
大きな設備投資をしなくても、東京の鉄道をもっと雪に強くする方策はある。
筆者は、JR東日本に17年間勤めた間にさまざまな実務を経験し、雪に関しては、長野支社で3年間みっちりと経験した。
・・・・・
長野勤務の3年間に普通の20年分くらいの雪の経験を重ねたが、先輩たちから教わった中で、最もなるほどと思ったことは、「列車を動かし続けると、線路にも架線にも雪は積もらない。止めると積もる」という点だ。
言われれば当り前のことなのだが、雪との格闘を散々しただけに、実感としてよくわかった。
ところが、豪雪地で働くベテランたちの声に反し、雪が降ると列車を間引いて本数を減らし、雪を積もらせてトラブルを起こすケースが多い。
1月11日夜から12日にかけて発生した信越本線の15時間半の立ち往生トラブルがその典型だ。
大雪時に計画的に間引き運転するのは、過去の経験に基づき、多数の列車が運行していると、何かあったときに駅間停車が続出し、収拾がつかなくなるからである。
しかし、現場を見ると、間引き運転がかえって混乱を拡大している。
ここでは、22日の夕方ラッシュの山手線の様子をレポートしよう。
・・・・・
いったん混んだ列車は停車時間が伸び、次の駅以降で待っている人が増え、ますます遅れる。
そのため、1周の在線を見ると、遅れ、かつ混んだ列車を先頭にした数珠つなぎがいくつかできていた。
先行列車と間隔が空いた列車を中心に、超満員だった。
乗っている人の大半は「災害だから仕方ない」とあきらめの心境だろうが、混雑の原因は計画的な間引き運転である。
・・・・・
長野の大雪対策のベテランたちから教わったように、間引かないことで雪が積もることを防ぐべきだ。
短い間隔で運行することで、列車がラッセル車の役割を果たすことができる。
極論を言えば、むしろ増発すべきだ。
大雪時は、ブレーキ始動点を早くせざるをえないため,走行時間が伸びる。
ホームで待つ乗客は足元がすべって乗降に手間取り,停車時間が伸びることもある。
山手線の例で言うと、本来なら1周65分のところ68分になるなら、駅間停車を避けるため間引き運転をしているわけだが、20本の在線を逆に21本に増やすことで、通常と同じ輸送力を実現できる。
・・・・・
出典
『首都圏「大雪時の間引き運転」は逆効果だ 増発すれば列車がラッセル車代わりに
なる』
http://toyokeizai.net/articles/-/205736
(ブログ者コメント)
信越線のトラブルについては、下記参照。
2018年1月17日掲載
『2018年1月11日 新潟県三条市でJR信越線の電車が大雪で動けなくなり15時間缶詰状態、普段雪が降らない場所ゆえ普段通りの積雪対策をしていたが想定外の大雪が降った (1/2)』
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降雪でダイヤが乱れ運休が続出したため乗客が集中し、“運転強行”に判断が傾いた可能性がある。
現場付近では日中の除雪は実施されておらず、1本前の電車は約2時間前に通過。
電車は雪をかき分け進んだが、2分ほどで運転席の窓近くまで雪がたまり、停車した。
・・・・・
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/7948/
2018年1月12日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
11日午後6時55分ごろ、新潟県三条市のJR信越線東光寺~帯織駅間の踏切で、新潟発長岡行き普通電車(4両編成)が線路上に積もった新雪に阻まれ、動けなくなった。
車内には満員状態の約430人が乗っており、立っている人も多数いた。
車内は空調が利いていたが、乗客らは互いに席を譲り合うなどして一夜を明かした。
JR東日本は夜を徹して除雪を行い、約15時間半後の12日午前10時26分に電車を動かし、立ち往生を解消した。
JR東によると、乗客のうち40代男性が脱水症状を訴え、救急車で同県長岡市内の病院に搬送されるなど、計5人が救急搬送された。
三条市消防本部によると、10代と20代の2人が「具合が悪い」と訴え、迎えに来た家族に保護された。
JR東新潟支社広報室は立ち往生について、「進行方向に雪が想定以上にたまり、前に進めなくなった。無理に進めば脱線の恐れがあった」としている。
出典
『鉄道トラブル 大雪で430人車内閉じ込め 満員で一晩 新潟・JR信越線』
https://mainichi.jp/articles/20180112/dde/001/040/068000c
1月12日23時17分に産経新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
立ち客210人を含む約430人の客を乗せた普通電車は駅を発車してわずか2分後、約300m進んでストップした。
JR信越線が立ち往生したトラブルは、乗客が約15時間半も車内に閉じ込められる異例の事態に。
JR東日本や行政は一体何をしていたのか。
JR東日本新潟支社によると、管内には積雪の運行停止基準やマニュアルはなかった。
問題の電車は11日午後7時前、無人駅の東光寺駅(新潟県三条市)を出発。
降雪でダイヤが乱れ運休が続出したため乗客が集中し、“運転強行”に判断が傾いた可能性がある。
現場付近では日中の除雪は実施されておらず、1本前の電車は約2時間前に通過。
電車は雪をかき分け進んだが、2分ほどで運転席の窓近くまで雪がたまり、停車した。
同支社は人海戦術での除雪を決め、近隣にいた社員らを現地に派遣したが、除雪は難航。
最終的に除雪車で線路を開通させることにした。
除雪車は上り線を逆方向から進み、除雪を終えたのは12日午前10時半前。
「除雪車の出動はダイヤの調整が必要で、時間がかかる。雪が固く、除雪も進まなかった」(同支社)。
現場にバスを向かわせることも検討したが、バス会社から「雪で近づけそうにない」と難色を示され、タクシーなどで乗客全員を運ぶには時間がかかるため断念したという。
東光寺駅側にバックするという選択はなかったのか。
踏切の警報トラブルや後続車と衝突する危険性もあり、同支社は「後方に戻るという認識はなかった」とする。
ただ、鉄道技術に詳しい工学院大の曽根悟特任教授(78)は、電車を後進させて主要駅まで引き返すべきだったと指摘。
「警備要員の派遣など安全確認に数時間かかったとしても、乗客の苦痛を少しでも早く取り除くことができた」との見方を示す。
乗客への対応も後手に回った。
見附駅に乾パンなどが届いたのは12日午前2時22分。
乗客にペットボトルの水が渡されたのは同2時43分だった。
一方、県や市は大雪への警戒態勢をとるなどしていたが、トラブルに自ら動こうとはしなかった。
県の担当者は、避難所の開設など具体的な要請があれば対応できたが、「依頼がなく動きようがなかった」と説明。
自衛隊への災害派遣要請は検討対象にもならなかったという。
出典
『JR信越線15時間立ち往生 乗客集中で運転強行か 新潟県は自衛隊要請
検討もせず』
http://www.sankei.com/affairs/news/180112/afr1801120066-n1.html
1月13日0時49分に毎日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東によると、積雪時は運転士と支社指令室が連絡を取り合って運行を判断する。
電車は午後6時55分、東光寺駅を発車。
当時、線路には大量の雪が積もっていたが、電車前面に雪をかき分ける金属板が付いており、「前進可能と判断した」(新潟支社広報室)。
しかし発車して300m、1分もたたないうちに電車の前にたまった雪で停止した。
東光寺駅に戻ることも検討したが、無人駅でホームに雪が積もっており、乗客を避難させるのは困難。
さらに停止位置は踏切近くで、警報機が鳴り出した。
この警報機は、鳴り始めてから後退すると再整備が必要になる。
「警報機の不具合で後続列車が通行できなくなるリスクを冒してまで戻る意味はない」と判断。
約2.3km先の帯織駅を目指し、近隣駅から応援を得て人力での雪かきを試みた。
しかし、雪かきを上回る速さで雪が積もり、運転再開に失敗した。
代替輸送としてバスやタクシーの手配を試みたが、周囲は細い農道で、近くまでバスを寄せるのは不可能と判断。
午後7時半ごろには、長岡、新潟両市内に待機していた除雪車を出動させる準備に入ったが、積雪量が多く、現場到着は翌朝にずれ込んだ。
車内は暖房が利いていたが、乗客は約430人と満員状態で、立っている人も多かった。
トイレは1カ所しかなく、飲み水を我慢する人もいた。
12日午前0時前後から体調不良を訴える乗客が出始め、救急搬送された。
水や食料の配布も午前2時40分ごろからと、後手に回った。
JR東は当初、「ふぶいているうえに真っ暗な中、線路を歩くのは危ない」との判断から、乗客が車外に出ることを認めなかった。
しかし、付近で迎えに来た家族の車が列をなしたのを受け、午前4時半ごろから、迎えの車が来た乗客に限り降車を認めた。
出典
『信越線立ち往生 発車1分で停止 過小評価、判断裏目に』
https://mainichi.jp/articles/20180113/k00/00m/040/115000c
1月12日7時7分にYAHOOニュースからは、当日の気象状況に関する、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
新潟では、11日午前はほとんど積雪がなかったが、昼頃から状況が一変した。
見る間に積雪が増えていったのだ。
一方、長岡では、11日午前は雪が強く降ったものの、午後になって雪は小康状態、積雪に大きな変化はみられなくなった。
新潟県内でも雪の降り方に大きな差があったことがわかる。
どのくらい強い雪が降ったのだろうか?
新潟地方気象台の観測によると、11日午後は数分間外にいるだけで雪が衣服に積もるほどの強い降り方で、見通しが300mメートルと極端に悪かったようだ。
実際、11日午後2時から3時までの1時間に14cmもの雪が降った。
通常は、1時間に3cm程度の降り方で強い雪とされているから、その5倍の強さで降ったと推測される。
また、雪のピークは2度あったことがわかり、1回目は11日夕方、2回目は12日未明だ。
・・・・・
出典
『新潟・JR信越線列車立ち往生 大雪を降らせた「線状の雪雲」』
https://news.yahoo.co.jp/byline/katayamayukiko/20180112-00080387/
(2/2へ続く)
(1/2から続く)
1月13日6時22分にNHK首都圏からは、普段は雪が降らない地域ゆえ深夜だけの除雪計画だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
電車は、11日の午後7時ごろ、立往生した地点の手前にある東光寺駅を出た付近で1度停車し、除雪したうえで2時間後に運転を再開したが、再び雪を車両の下に抱え込んでしまい、止まっていたことがわかった。
その後、応援の社員7人が到着して車両の下回りの除雪を行ったが、運転できなかったという。
このため、除雪車が12日の午前0時前に長岡市内の車両センターを出発したが、その際、車両センターの構内の除雪に時間がかかり、本線上に出たのは午前1時半すぎだったことがJRへの取材でわかった。
さらに、部品の交換で作業を中断するなどしたため、車両センターからおよそ15km離れた場所にある現場に到着できたのは午前9時半で、出発から9時間余りかかっていたという。
また、磐越西線や信越線の別の区間では、日中に電車を運休にして除雪機を使って除雪作業をしていた。
しかし、今回の区域は普段あまり雪が降らないため、今回は深夜だけの除雪の計画とし、電車が立往生した周辺では、日中に除雪機を使った除雪作業をしていなかったこともわかった。
出典
『信越線 除雪車到着まで9時間』
http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20180113/0006143.html
1月13日付で東京新聞からは、安全は最優先だが到着するのも使命だという思いがあったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
立ち往生した電車は、普段より多い約430人の乗客を乗せて定刻から1時間18分遅れの午後4時25分ごろに新潟駅を出発した。
5時46分ごろ、保内駅(三条市)手前で、パンタグラフに雪が積もって電車に電気が流れずに停車。
復旧して運転再開したのは6時14分だった。
保内駅の次の東三条駅を出てからは、積雪で何度も停止し、そのたびに乗務員が雪かきをして発車するということを繰り返した。
東光寺駅を出て約300mの地点で止まった際、雪かきを試みても電車はわずかに動いただけで、ついに立ち往生を余儀なくされた。
三条市では11日夕から夜にかけて1時間当たり8~9cmの雪が積もり、積雪は最大約80cmに達した。
立ち往生した電車の先頭には排雪板がついているが、かき分けられる量を上回っていたとみられる。
新潟県は豪雪地帯だが、現場は平野部で、電車が立ち往生するような積雪は珍しい。
それでも交通技術ライターの川辺謙一さんは、「高い乗車率の電車が止まったらどうなるのかを考え、運行を見合わせるべきだった」と指摘。
国交省の職員も、「JRは雪が激しく降ることは分かっていたはず。早めに止めることもあり得たのでは」と話す。
記者会見した新潟支社の担当者は、「常に安全は最優先だが、到着するのも使命で、仮に遅れが出ても走らせたいとの思いもあった」と弁明。
「除雪で何とかと思ったが時間がかかった。今後の教訓にしないといけない」と反省を語った。
出典
『新潟、電車立ち往生 運転中止の機会逃す』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201801/CK2018011302000125.html
(ブログ者コメント)
辛口報道が並ぶ中、以下のようなほのぼのとする報道もあった。
(1月13日 0時49分 毎日新聞)
乗客は疲労の色を見せながらも、自発的に席を譲り合うなどして運転再開を待った。
乗客の一人で新潟県見附市の女性(68)によると、立ち往生してしばらくした頃、80代くらいの女性が「席を代わりましょう」と周囲の乗客に声をかけた。
女性は気遣いをみせる高校生に「座っていると腰が痛くなるのよ」と穏やかに対応していた。
このやりとりをきっかけに、席を譲り始める光景が広がったという。
出典
https://mainichi.jp/articles/20180113/k00/00m/040/115000c
(1月13日10時44分 産経新聞)
乗客の男性がツイッター上で「JRの方の苦労、ありがたみや頑張りをすごく身近に感じました」などと運転士の対応を称賛し、話題になっている。
この男性は11日のツイッターに、「思ったことをまとめたのでぜひ見てください」と当時の状況を報告。
「(運転士は)応援が来るまで一人で乗客の対応をして、一人で除雪作業をしていました」、「車内放送では疲れがわかるような放送で、一部の方からは『頑張れ!頑張れ!』と励ましの声も上がっていました」と、生々しくリポートした。
また、「あなた方のおかげで安心して待つことができました。本当にありがとうございました!」と謝辞を述べ、「JRに対して厳しい意見をなされているようですが、僕は本当に素晴らしいなと思いました」と称賛した。
これについて6万件以上のリツイートがあり、「良い話過ぎて泣けてきた」、「ニュースなどでは批判的な意見が多い中、大変な思いをされたご本人からの貴重なレポートに涙しました」と感動の声が寄せられたほか、「JR側と乗客側の板挟みになっていた運転手さんにはもう脱帽です」などと、運転士の苦労をねぎらう声もつづられた。
JR東日本は、乗客を一晩降ろさなかった理由について「車外に出すのは危険で、安全を優先した」と説明したが、「雪が降る深夜に外に出るよりも、暖かい電車の中で安全を確保したからこそ、怪我人など出さずに済んだのだと思います」と、今回の対応に理解を示す意見も寄せられた。
出典
『運転士が一人で除雪作業、乗客から「頑張れ!」とエール…ツイッターでの現場報告が話題に』
http://www.sankei.com/affairs/news/180113/afr1801130008-n1.html
2018年1月8日8時57分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR北海道は7日、特急オホーツク2号(4両編成)が緊急列車停止装置(EB装置)の電源を入れずに、JR石北線の遠軽駅から上川駅に向かう約47kmを走行していたと発表した。
EB装置は、運転士の居眠り防止などのため、60秒間運転操作しないとブザーが鳴り、そのまま放置すると非常ブレーキがかかる仕組み。
特急には約100人が乗車していた。
JR北によると、遠軽駅で運転を引き継いだ男性運転士(26)が7日午前8時半頃に気づき、電源を入れたところ正常に作動したため、運行を続けた。
オホーツク2号は遠軽駅でスイッチバックするため、先頭と最後尾の車両にEB装置があり、始発の網走駅で点検した男性運転士(23)が、最後尾の車両の電源が切れていることを見落とした。
網走~遠軽駅間は、EB装置が作動していた。
この運転士は、「点検した際に気づかなかった」と話しているという。
出典
『緊急列車停止装置、電源切ったまま特急が走行』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180108-OYT1T50002.html
1月8日付で毎日新聞北海道版からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR北海道は7日、網走発札幌行き特急オホーツク2号が同日朝、石北線の遠軽~奥白滝信号場間を約45分間にわたり、緊急列車停止(EB)装置のスイッチが切れた状態で走行したと発表した。
EB装置は、運転士が機器操作を60秒間行わないとブザーが鳴り、さらに5秒間何もしなければ非常ブレーキが作動する仕組み。
JRによると、網走で運転士がスイッチを確認したが、遠軽で進行方向が変わり、反対側の運転台で新たに乗務した運転士はチェックしていなかった。
この車両が6日昼に網走から旭川まで走行した時点では、異常はなかったという。
出典
『鉄道トラブル 緊急停止装置が切れたまま走行 石北線の特急』
https://mainichi.jp/articles/20180108/ddl/k01/040/042000c
1月8日0時3分に北海道新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR北海道は7日、網走発札幌行きの特急オホーツク2号(4両編成、乗客96人)で、運転士の居眠りや意識喪失時に作動する緊急列車停止装置(EB装置)の電源スイッチが切れたまま、少なくとも約45分間にわたって走行したと発表した。
JRが原因を調べている。
JRによると、遠軽駅(オホーツク管内遠軽町)で交代した男性運転士(26)が7日午前8時半ごろ、約47km走った奥白滝信号場(同町)付近で電源が切れていることに気付いた。
運転士が電源を入れ直し、札幌駅まで運行した。
乗客にけがはなかった。
通常、EB装置の電源は入ったまま。
車両は、6日昼から夕方までの使用時は電源が入っていたが、旭川での折り返し便以降は状況を確認できておらず、7日も出発前の点検で電源が入っていたかどうか確認漏れがあったという。
出典
『緊急停止装置が切れたまま約47キロ走行 特急オホーツク』
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/155508?rct=n_hokkaido
(ブログ者コメント)
〇イマイチ状況が分かりにくいが、3つの情報を総合すると、以下のようになるだろうか・・・。
・6日昼、網走から旭川まで運行した際には、電源は入っていた。
ただ、旭川から網走までの折り返し運転でどうだったかは確認できていない。
・7日朝、網走出発前の点検時、運転士は先頭車両の電源が入っていることは確認したが、最後尾車両の電源が切れていることは見落とした。
・出発後、遠軽で進行方向が逆になり、それまで最後尾だった車両が先頭車輛になったが、遠軽から乗務した運転士は電源入りをチェックしなかった。
・遠軽出発後、47km走った時点で運転士は電源が切れていることに気付き、電源を入れた。
〇読売新聞の記事は、網走から乗務した運転士が最後尾車両の電源を確認しなかったのが原因・・・と受け取れる記述になっている。
そういうルールなのかもしれないが、遠軽から乗務した運転士も、自分が運転する列車なのだから、運転前に確認するのが筋のような気がする。
2017年12月27日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第3報として掲載します。
第2報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/7896/
(2018年1月4日 修正2;追記)
2017年12月27日22時44分に毎日新聞から、保守担当と指令の間にコミュニケーションギャップがあったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
11日午後1時35分。異常事態は博多を出発した直後に始まっていた。
台車の亀裂が判明する13号車デッキで「甲高い音」を聞いたのは客室乗務員(25)。
だが、確認しにいった車掌長(56)は異常なしと判断する。
小倉駅を出た同50分ごろから、7、8号車付近で車内販売員らが次々と「鉄を焼いたような臭い」などに気付く。
同様の臭いは11号車でも確認された。
広島駅到着前の午後2時半ごろ、報告を受けた指令員は保守担当者を乗せるよう指示。
担当者3人の乗車は3駅先の岡山駅だったが、異変は広がっていた。
福山~岡山駅間の15分間には、13号車の乗客3人が、臭いに加え「もやがかかっている」と申告。
臭いは4、10号車にも及んでいた。
保守担当者3人は、そんな状況の中、乗り込んだ。
13号車で「ビリビリ伝わる」振動や異音を感じ取り、「床下を点検したい」と打診。
「走行に支障があるのか」。指令員(34)が問うと、保守担当者の一人(60)は「そこまでいかない。見ていないので現象が分からない」。
曖昧とも取れる返事だが、指令員は支障なしと受け取った。
この担当者はさらに「安全をとって新大阪で床下をやろうか」と提案したが、指令員は隣に座る指令長から報告を求められ、耳から受話器を離したことで聞き逃していた。
指令員が点検実施を調整してくれている・・・。
保守担当者は専門家なので危険なら伝えてくる・・・。
互いに思い込みを抱えたまま判断を人任せにし、のぞみは名古屋駅まで走り続けた。
出典
『新幹線台車亀裂 「安全をとって」指令員の耳に提案届かず』
https://mainichi.jp/articles/20171228/k00/00m/040/088000c
12月28日6時3分にNHK関西からは、今後は保守経験ある社員を指令所に配置するなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR西日本は、脱線にいたるおそれがあった今回の問題の課題として、社員どうしの認識のズレなどを挙げている。
これを受けJR西日本は、指令体制の強化策として、保守担当の経験がある車両の仕組みに詳しい社員を今後指令所に配置するほか、社員間の連携の強化策として、来年2月をめどに映像を見ながら会話ができる新たなシステムを導入することを決めた。
さらに、列車停止の判断基準を明確にするため、今回のように複数の異常が確認された際の基準も、今後、定めていくとしている。
出典
『新幹線台車亀裂で対策強化』
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20171228/3982501.html
2017年12月29日8時6分に毎日新聞から、新型車両は台車の異常振動を運転席で覚知できるが、トラブルがあったのは旧型車両だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
異常な振動を検知する最新型車両「N700A」であれば、早期に点検できた可能性の高いことが関係者への取材で判明した。
今回の車両は1世代前で、JR西日本の車掌らが振動を感じながら台車の異常と明確には認識せず、点検が遅れた。
JR西は再発防止策として、N700Aと同様の機能を他の車両にも導入する方針だ。
新幹線を共同運行するJR西と東海は、2013年にN700Aを投入。
西は全83編成のうち11編成、東海は全133編成のうち38編成を占める。
JR東海と車両メーカーが開発した台車振動検知システムが搭載され、各車両の台車の振動を常時監視。
異常があれば運転台に表示され、運転士がブレーキを掛けることになっている。
亀裂が見つかった車両は、N700Aの前に開発されたN700系。
JR西、東海の両社は、N700Aで採用した新型ブレーキなどの最新技術を搭載する改造を行ったが、振動検知システムは見送った。
両社は、「台車の構造が異なり、検知システム搭載は難しかった」と説明している。
JR西は、N700Aなら今回の台車の異常を検知できたかについて、「今後の調査で把握していく。現時点では分からない」とし、検討する新たなセンサーの仕組みも具体的には明らかにしていない。
出典
『のぞみ車両 旧型、亀裂検知できず 新型はシステム搭載』
https://mainichi.jp/articles/20171229/k00/00m/040/152000c
(2018年1月28日 修正3 ;追記)
2018年1月26日11時28分に朝日新聞から、契約社員の乗務員が異常に気付き正社員の車掌長に報告したが車掌長は問題なしと判断したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
山陽新幹線(新大阪―博多)では、多くの区間で車掌は3人。
そのうち1人は「客室乗務員」と呼ばれ、車内巡回など、乗客への対応を専門としている。
役割は東海道新幹線のパーサーと似ており、ドアの開閉や床下点検などの業務はできない。
身分は契約社員(1年、更新あり)で、正社員の車掌とは立場が異なる。
昨年12月の「のぞみ34号」のトラブルでは、最初に異常を察知したのは、客室乗務員(当時25)だった。
JR西日本が公表した資料によると、博多駅を出た直後、13号車のデッキで甲高い異音を聞いたため、すぐに車掌長(当時56)に報告。
確認してもらったところ、「通常と変わらない」と判断されたという。
その後も同じ場所で再び異音を感じ、「さらに大きく高い音になっている」と報告。
焦げたような臭いがしていることや客室内のもや、振動などについてもすべて伝えていた。
社内調査によると、車掌長は「気にならなかった」、「消えていると感じた」などと答えたといい、結局、車掌長が指令と話し合った結果、「運行に支障なし」と判断されていた。
客室乗務員の訴えを、車掌長が受け流していなかったか。
このやり取りについて、JR西の森川・新幹線管理本部長は、「車掌長は申告を受けて『大丈夫』と確認し、車両の状況について責任を持って判断した。(客室乗務員が)車掌長に言いにくい雰囲気はなかったと思う」と話している。
【鉄道総合技術研究所の元主任研究員の芳賀繁・立教大教授(交通心理学)の話】
パーサーが、乗客対応だけでなく、保安の一翼を担っているという自覚を持つことが大事になる。
航空機の客室乗務員のイメージで、異常時の対応訓練を定期的に受けることも必要だ。
子会社の社員という立場で、車掌に申し出にくいこともあるだろうが、立場を超えて協力するように意識を変えなければいけない。
JR各社は、指令にお伺いを立てる傾向が強いが、現場で判断することがトラブルを未然に防ぐことにつながる。
出典
『のぞみ亀裂、契約社員の車掌察知 新幹線車掌減に懸念も』
https://digital.asahi.com/articles/ASL1S6D8PL1SPTIL02W.html?rm=205
2017年12月23日17時46分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京都港区の東京メトロ南北線麻布十番~六本木一丁目駅間で、23日早朝、走行中の電車のパンタグラフが架線に設置されていた部品と接触するトラブルがあり、同日午前6時頃から南北線の全線で運転を見合わせた。
白金高輪~溜池山王駅間では、6時間以上にわたって見合わせが続き、約3万3000人に影響が出た。
東京メトロによると、同日午前5時55分頃、運転士が走行中に異音に気付き、停車して点検したところ、パンタグラフが損傷しているのが見つかった。
工事のために架線の部品を固定していたビニール線が熱で溶けて部品が垂れ下がり、パンタグラフと接触したという。
出典
『架線トラブルでメトロ南北線、6時間超ストップ』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20171223-OYT1T50005.html?from=ycont_top_txt
12月23日9時54分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
23日午前6時ごろ、東京都港区の東京メトロ南北線で、麻布十番~六本木一丁目間を走行していた日吉発浦和美園行き電車の運転士が、異常な音に気付いた。
六本木一丁目駅で車両を点検した結果、パンタグラフが故障しているのを発見。
その後、この区間の架線設備に不具合があることが分かり、南北線は、一時、全線で運転を見合わせた。
メトロによると、この区間では、23日未明に架線設備の工事をしていた。
他の電車のパンタグラフにも同様の故障があることが判明。
施工の不具合が原因の可能性もあるといい、同社は架線の復旧作業をした。
出典
『東京メトロ 南北線で架線トラブル 全線一時運転見合わせ』
https://mainichi.jp/articles/20171223/k00/00e/040/218000c
2017年12月18日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/7862/
(2017年12月27日 修正1 ;追記)
2017年12月19日19時0分にNHK東海から、亀裂は破断寸前の状態だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・・・
JR西日本は、19日の会見で、台車の亀裂などの写真を初めて公開した。
公開された写真のうち、亀裂を撮影したものは、台車を支える「側(がわ)バリ」と呼ばれる側面の鋼材と、走行時の衝撃を吸収する「軸バネ」と呼ばれる部品との接合部の近くで亀裂が確認できる。
JR西日本によると、亀裂は縦約14cmあり、側バリの縦方向の長さは17cmだったため、あと3cmで亀裂が最上部まで達し、破断するおそれがあったという。
また、側バリの底の面の長さは16cmで、亀裂はそのすべてに達していたという。
出典
『台車亀裂3センチで破断のおそれ』
https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20171219/3704511.html
12月20日5時6分に朝日新聞からは、名古屋駅で確認するまでの経緯について、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12月19日20時21分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
最初の停車駅の小倉駅を出発した後、焦げた臭いなどの異常があったため、保守担当者3人が岡山駅から乗車した。
その後、亀裂が生じた13号車付近でうなり音が確認され、異臭もあったという。
JR西日本によると、この保守担当者は、東京にいるJR西の輸送指令とのやりとりで「次の駅で止めて点検したらどうか」と進言していた。
ところが、異臭はしたりしなかったりしていたこともあり、「運行に支障はない」とJR西の輸送指令が判断。
運転を継続したという。
JR西では、新幹線の運行では、異音が生じた場合は直ちに停車や次の駅で点検するなどの対応マニュアルはあるが、異臭に関しては特に対応は決められていない。
その後、新大阪駅で乗務員がJR東海に交代し、JR東海の輸送指令が「念のため」と異臭の確認指示を出したところ、車掌が京都駅を過ぎたところで異臭を報告。
名古屋駅で停車し、床下の点検で油漏れや亀裂が見つかった。
出典
『運行停止判断、なぜ遅れた? 「のぞみ34号」トラブル』
https://www.asahi.com/articles/ASKDM6DX7KDMUTIL069.html
『のぞみの台車亀裂「破断寸前」 JR西、脱線招く恐れも』
https://digital.asahi.com/articles/ASKDM5H97KDMPTIL014.html?rm=415
12月19日23時13分に毎日新聞からは、異常時の対応マニュアルの内容について、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
台車枠は破断寸前だった。
専門家から「『首の皮一枚』で走らせていたようなもの」と厳しく批判する声が上がった。
2005年に乗客106人が死亡、562人が負傷した福知山線脱線事故を受け、JR西は安全管理体制の見直しを図ってきた。
新幹線も、異常があった場合は独自のマニュアルに沿って対応する。
危険と感じられる音なら運転士や車掌が直ちに停車させ、すぐに危険が感じられない場合は指令が判断する。
今回もこれに従ったが、亀裂は生じていた。
19日の記者会見でJR西日本の吉江副社長らは、「今のルールで、列車を止められなかった」と悔いるように振り返り、マニュアルを見直す方針を示した。
出典
『新幹線亀裂 本当にヒヤリ…専門家「首の皮一枚だった」』
https://mainichi.jp/articles/20171220/k00/00m/040/138000c
12月20日9時57分に産経新聞からは、新大阪駅での引継ぎ内容について、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
新大阪駅でJR東海の乗務員に運行を引き継ぐ際に、JR西の乗務員は「異臭があり、走行検査班が乗り込み確認したが、異常はなし」と伝達したという。
もやや異音については、伝えられていなかった。
出典
『JR西乗務員、交代時に「異臭あったが異常なし」と口頭報告 新大阪駅で』
http://www.sankei.com/west/news/171220/wst1712200029-n1.html
12月19日付で毎日新聞からは、JR5社が緊急点検した結果、異常はなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
所有する新幹線の台車の緊急点検をしていたJR5社は、異常が確認されなかったことを、18日までに国交省に順次報告した。
出典
『JR西乗務員、交代時に「異臭あったが異常なし」と口頭報告 新大阪駅で』
https://mainichi.jp/articles/20171219/ddm/012/040/145000c
2017年12月16日23時38分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
16日午前10時56分ごろ、JR京浜東北・根岸線の鶴見~川崎駅間で架線が切れ、磯子発南浦和行き快速列車(10両編成)が横浜市鶴見区の鶴見川橋付近で緊急停止し、他の2列車も止まった。
このトラブルで京浜東北線と東海道線、横須賀線の上下線が、蒲田~磯子駅間などで最大6時間以上運転を見合わせ、約22万人に影響が出た。
止まった3列車の乗客約2400人は線路を歩いて、近くの駅などに移動した。
出典
『京浜東北線で架線切断、3列車停止 2千人が線路を移動』
http://www.asahi.com/articles/ASKDJ3S2JKDJUTIL007.html
12月17日4時41分にNHK NEWS WEBからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
16日午前11時ごろ、神奈川県の鶴見駅と川崎駅の間でJR京浜東北線の架線が切れるトラブルが起き、京浜東北線、東海道線、横須賀線が一部区間で運転を見合わせた。
なかでも、京浜東北線は7時間近くも運転ができなくなり、およそ22万人に影響が出た。
JR東日本が架線が切れた原因を調査した結果、2本の架線が金具を通じて接触し、ショートしたことが原因だったことを明らかにした。
架線が切れた区間は「エアセクション」と呼ばれる架線と架線のつなぎ目で、数10mにわたり、電圧の異なる2つの架線が並行して設置されている。
架線には金具がついていて、もう1本の架線と接触しないよう、通常は15cm離して設置されているが、16日未明にこの部分の架線を工事した際に、間隔の調整が不十分だったため、電車が走行した振動により2本の架線が金具を通じて接触したという。
JR東日本は、今後、架線と金具の間隔について十分確認を行うとともに、万一、接触してもショートしないようにするため、架線や金具に絶縁性のカバーを取り付けるなど、再発防止を図ることにしている。
出典
『走行の振動でショート JR京浜東北線の架線トラブル』
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20171217/k10011261541000.html
12月17日0時21分に毎日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
現場は変電所の変わり目で、2組の架線が平行して設置されている。
電車の走行に伴う振動で、一方の架線の位置を固定する金具が別の架線と接触し、ショートしたため切れた。
16日未明に固定金具の位置を下げた際、別の架線に近付け過ぎたのが原因という。
出典
『京浜東北線 架線切れ、3路線22万人影響』
https://mainichi.jp/articles/20171217/k00/00m/040/070000c
12月17日5時10分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR京浜東北・根岸線の架線が切れて列車(10両編成)が止まり、22万人の足を直撃した事故。
列車のパンタグラフは、すべて破損していた。
架線から電気を受け取るパンタグラフは、3本ある架線のうち、一番下のトロリー線にのみ接している。
今回切れた補助吊架(ちょうか)線はトロリー線をつるしている架線で、JR東日本横浜支社によると、補助吊架線は16日未明に行った工事の不具合の影響で切れたとみられる。
垂れ下がった補助吊架線の下を列車が通過した際にパンタグラフが接触したため、3つあるパンタグラフがすべて壊れた可能性があるという。
出典
『京浜東北線、パンタグラフすべて破損 工事影響し切断か』
http://www.asahi.com/articles/ASKDJ6V6HKDJUTIL02C.html
2017年12月15日19時13分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京都世田谷区の東急電鉄田園都市線で11月に起きた送電トラブルについて、同社は15日、約8年前の施工時に付いた傷が原因となり漏電に至ったとの見解を明らかにした。
過去の点検で傷を発見できず、同社は点検態勢を強化する方針。
トラブルは11月15日朝、池尻大橋~駒沢大学間で発生し、約4時間半にわたる運転見合わせで約12万6000人に影響した。
同社によると、ショートしたのは送電線の接続部分で、表面カバーに傷が入っていたことが判明。
約8年前に現在の送電線に交換した際、施工ミスで表面に傷が付き、金属製の棚でこすれて摩耗、絶縁が維持できなくなったとみられる。
同社は、2カ月に1回の目視点検でも、5年に1回の精密点検でも、発見できなかった。
対策として、接続部分を絶縁カバーで覆うなどした上で、手で触って確かめる点検を追加するという。
同社は地下区間で緊急点検を行い、送電線の計281カ所で傷を見つけた。
いずれも補修済みという。
また、三軒茶屋駅で10月19日朝に発生した停電については、ねずみの侵入を防ぐためのプラスチック板が送電線を圧迫し損傷したことが原因と明らかにした。
田園都市線の地下区間では、近年、設備不良などのトラブルが相次いでいる。
同社担当者は、「過去にトラブルがなかったので、目視点検で十分と考えていた。地下は暗く狭いため、点検しにくいことを踏まえ、今回、厳しめの基準を導入した」と話した。
出典
『東急田園都市線の送電トラブル 原因は施工時に付いた電線の傷』
http://www.sankei.com/affairs/news/171215/afr1712150045-n1.html
12月15日17時52分にNHK神奈川からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東急田園都市線は今年10月、三軒茶屋駅で換気装置の送電線がショートしたほか、先月にも池尻大橋駅付近で変電所から電気を送る送電線がショートし、通勤、通学の時間帯に長時間電車が止まり、多くの乗客に影響が出た。
東急電鉄は、これらのトラブルの原因について15日、調査結果を公表し、国交省に報告した。
それによると、10月のトラブルは、10年前に送電線を交換した際、ネズミの侵入を防ぐための板に開いた穴に太い送電線を通したため、被膜に板が食い込んで傷がつき、ショートにつながったとしている。
また、11月のトラブルについては、8年前に送電線を設置する際についた傷が広がって被膜が破れたとみられ、いずれも送電線を設置した際の不適切な施工が原因になったとしている。
出典
『田園都市線トラブルは不適切施工』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20171215/1050001139.html
また、12月15日付で東急電鉄HPに、11月のトラブルに関する下記趣旨のお知らせが掲載されていた。
日時
2017年11月15日(水)午前5時35分頃 田園都市線池尻大橋駅付近
・・・・・
(2)推定原因
メーカーにて「き電ケーブル損傷部分」の解体調査を行った結果、「き電ケーブルの接続部」の施工不良により、ケーブル表面に傷がつき、時間の経過とともに傷が拡大、さらに電車の振動による金属製ラックとの接触等により、ケーブル内部の防水テープが摩耗したため絶縁が保てなくなり、ショートに至ったと推定されます。
・・・・・
『田園都市線における輸送障害を踏まえての緊急安全総点検の結果と今後の対策に
ついて』
http://www.tokyu.co.jp/information/list/Pid=post_32.html
2017年12月15日11時15分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
名古屋発東京行きの東海道新幹線「こだま684号」が13日、名古屋駅のホームでドアを開けず、乗客約200人を乗せないまま発車していたことが分かった。
駅員が非常ボタンを押し、ホームまで約20mバックで戻り、客を乗せて再出発したという。
JR東海によると、列車は13日午後8時31分に乗客を乗せないまま発車した。
発車時には、最後尾に乗り込む車掌がドアを開けてから運転士と打ち合わせをし、打ち合わせ後にドアを閉める手順だが、ドアを開けずに打ち合わせをしたため、運転士がドアを開閉済みと勘違いしたのが原因とみられる。
乗客のほか、中間車両に乗り込むはずの車掌2人も乗り損ねた。
出典
『新幹線こだま、200人乗せ忘れ 名古屋駅、後退し戻る』
http://www.asahi.com/articles/ASKDH2F59KDHOIPE001.html
2017年12月13日17時51分に日テレNEWS24(中京テレビ)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12日朝に発生したJR東海道線の列車緊急停止トラブルについて、JR東海は13日、トラブルの原因は愛知県幸田町の幸田駅構内の電車線の仮設工事で付けられたボルトが破損したことによるものと発表した。
ボルトが破損したことで鋼材が垂れさがり、そこを通過した列車のパンタグラフに接触したという。
幸田駅を出た列車は、そのまま約60km走行。
その間、運転士はトラブルに気づかず、走り続けた。
別の車両で岐阜発名古屋行きの快速列車の運転士が、同県清須市の枇杷島駅を出た直後に異音を感じたため緊急停止ボタンを押し、車両を停止させた。
周辺車両も止めたため、約4000人が車内に閉じ込められ、その後、最寄り駅などにたどり着くため、線路上を歩く事態となった。
東海道線は、トラブルから9時間半を経過した午後5時半に復旧。
JR東海によると、運休した列車は上下線で182本となり、約7万4700人に影響したという。
出典
『JR東海道線トラブル、原因はボルトの破損』
http://www.news24.jp/nnn/news86237308.html
12月13日22時17分に毎日新聞からは、ボルト破断の状況に関し、下記趣旨のやや詳しい記事がネット配信されていた。
JR東海は13日、幸田(こうだ)駅構内下り線の架線周辺に取り付けていたボルトの破断が原因と発表した。
早朝の冷え込みが影響した可能性があるという。
同社によると、11日に幸田駅周辺で線路上方にある架線の電気供給方式などを変更する工事を行い、架線は仮設の鋼材(長さ72cm、重さ7kg)でつり下げられていた。
ところが12日未明に、この仮設鋼材を固定するボルト(直径16mm)が破断し、一部鋼材が逆に架線にぶら下がる形になったという。
そこを通過した電車が鋼材と接触し、電車4台で計9基のパンタグラフを損傷させた。
特に3台目の電車の損傷が激しく、名古屋~枇杷島間を走行中、約3kmにわたって、変形したパンタグラフが架線をつるす金具などを次々に壊したという。
JR東海は、当初、名古屋駅周辺のトラブルとみて調べたが原因は分からず、その後、大垣駅や岐阜駅を折り返して上り線を走行中の電車3台でもパンタグラフの損傷が見つかった。
駅のホームを写すビデオなどをチェックし、ようやく幸田駅での接触が判明した。
ただ、ボルトが破断した正確な原因は分かっていない。
出典
『東海道線不通 ボルト破断が原因 幸田駅周辺の架線』
https://mainichi.jp/articles/20171214/k00/00m/040/157000c
12月13日14時37分に朝日新聞からは、破断したボルトの写真や取り付け状況の模式図付きで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
名古屋~枇杷島間の約3kmにわたり、架線をつるす「ハンガー」と呼ばれる部品が162本壊れていた。
パンタグラフが破損した列車4本は、いずれも豊橋発の下り線で、幸田駅を通った際に損傷した可能性が高いという。
4本目の列車のパンタグラフが名古屋駅付近で大破し、ハンガーを引っかけながら走ったとみられる。
出典
『鋼材がパンタグラフと接触か JR東海道線架線トラブル』
http://www.asahi.com/articles/ASKDF3V2HKDFOIPE00K.html
12月13日付の中日新聞夕刊紙面には、事故時の状況に関し、下記趣旨の記事が掲載されていた。
JR東海によると、幸田駅の下り線では、列車に電気を送る電線の吊り下げ方法を変える工事中で、仮設の部品で電線などを吊っていた。
鉄のボルト1本が折れ、長さ70cm、重さ7kgの棒状の部品1つが、本来よりも低い位置に垂れ下がった。
12日早朝の現場付近の温度は1℃。
低温で電線が縮み、ボルトに力が加わって折れたとみている。
現場付近を通過した4つの列車のパンタグラフが相次いで変形。
変形したパンタグラフが名古屋~枇杷島間の電線を吊る設備にぶつかり、破壊した。
(2018年2月12日 修正1 ;追記)
2018年2月10日9時2分に読売新聞から、ボルト穴の形状が標準品と違っていたという、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
JR東海は9日、通常とは違う形状の鋼材を使ったため、固定するボルトが破断したことが原因だったと発表した。
発表によると、鋼材は電線をつり下げるために架線に設置され、長さ約72cm、幅約8cm。
通常は、ボルトを通す穴が丸形(直径18mm)のタイプを「標準品」として使っているが、施工業者は用意していなかったとして、穴が長方形(縦45mm、横18mm)のもので代用した。
ボルトは2か所で鋼材を固定。
一方が長方形の穴だったためボルトが列車の振動などで上下に動きやすくなり、破断につながったという。
この結果、鋼材が外れ、パンタグラフを傷つけたとみられる。
出典
『東海道線運休、架線工事で異形の鋼材使用が原因』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180210-OYT1T50042.html
2月9日19時2分にNHK東海からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
本来使うべき鋼材とは違う形状の鋼材を使っていたことがわかった。
その結果、列車の震動や寒さも加わって、鋼材を固定していたボルトに想定を超える負荷がかかってボルトが破損し、鋼材が垂れ下がり、パンタグラフなどの損傷につながったという。
JR東海では、同様の工事の際に使うべき鋼材の形状について、これまで明確な規定を設けていなかったとして、「今後は適切な鋼材の使用をルール化して徹底し、再発防止につなげたい」としている。
出典
『東海道線架線トラブル 原因判明』
https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20180209/5153501.html
2017年12月13日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR西日本は12日、博多~名古屋間を走行していた東海道・山陽新幹線の車両の台車に亀裂や油漏れなどの異常を発見したと発表した。
11日に運転中、異臭がしたため、名古屋駅で運転を取りやめて検査していた。
国の運輸安全委員会は12日、事故につながりかねない重大インシデントとして、鉄道事故調査官を現地に派遣した。
航空・鉄道事故調査委員会が発足した2001年以降、新幹線の重大インシデントは初めて。
同社によると、異常が見つかったのは博多発東京行きのぞみ34号(N700系、16両編成)の13号車。
博多駅を11日午後1時半ごろ出発し、乗務員がうなるような音や焦げたような臭いに気付いた。
同5時ごろ、名古屋駅で点検し、走行できないと判断。
乗客約1000人は後続列車に乗り換えた。
検査で、鋼鉄製の台車枠に亀裂が1カ所あったほか、歯車箱付近に油漏れがあり、モーターの回転を車輪に伝える継ぎ手が黒っぽく変色していた。
同社は、焦げて変色したとみている。
この車両は07年11月に製造され、692万km走行。
今年2月、車両を解体して行う「全般検査」を受け、今月10日の目視点検でも異常はなかった。
車両は名古屋駅に停車したままで、12日時点で移動させるめどは立っていない
出典
『のぞみ台車に亀裂 新幹線初、重大インシデント』
https://mainichi.jp/articles/20171213/ddm/001/040/173000c
12月14日付で毎日新聞東京版からは、小倉での異常覚知から名古屋で異常を発見するまでの経緯が、下記趣旨でネット配信されていた。
JR西日本によると、異常が見つかったのぞみ34号は、小倉駅を出発した11日午後1時50分ごろ、客室乗務員らが「焦げたような臭い」に気付いた。
午後3時ごろ、福山駅を出発。
その後、13号車(先頭から4両目)に乗った30代の男性が「もやがかかっている」と車内販売員に伝えた。
車掌が確認すると、もやは既に消えており、「問題ない」と判断したという。
13号車の台車には、亀裂のほかにも、モーター動力を高速回転で車輪に伝える「継ぎ手」に焦げたとみられる黒っぽい変色が見つかっている。
同社は、もやについて「現在は、継ぎ手が高温になり、蒸気が発生したと考えている」としている。
同3時15分ごろ、岡山駅で車両保守担当者が乗り込み、うなるような音を確認したが、「走行に支障があるような音ではない」として、新幹線総合指令所が運転を継続させた。
新大阪駅でJR東海の運転士や車掌に交代し、京都駅を出た直後の同4時20分ごろ、車掌が異臭を確認。
指令に報告し、名古屋駅で車両点検をすることになった。
同5時ごろ、点検で継ぎ手と車輪の間の「歯車箱」付近の油漏れが見つかった。
小倉駅で異臭に気付いてから、約3時間がたっていた。
出典
『のぞみ台車トラブル 岡山で乗客「もや」 異常認識後も運転』
https://mainichi.jp/articles/20171214/ddm/041/040/134000c
12月13日12時21分に朝日新聞からは、下記趣旨の補足的記事がネット配信されていた。
乗務員が最初の停車駅の小倉駅を出る際に、7、8号車付近で異臭に気づいた。
さらに岡山駅を過ぎ、13号車付近で「うなり音」を確認。
乗客からも異臭の訴えがあったという。
しかし、異音や異臭は継続していなかったことから、そのまま運行を続けた。
出典
『異臭や異音、感知後も運行続ける 新幹線のぞみ台車亀裂』
http://www.asahi.com/articles/ASKDF3HFQKDFPTIL006.html
12月14日7時9分に読売新聞からは、亀裂発生個所はこれまで非破壊検査の対象ではなく目視点検だけだったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
亀裂のあった場所が磁気などによる詳細な検査の対象外だったことがわかった。
過去に同様の事例が起きていなかったためで、主に目視で点検していた。
今回のトラブルを受け、JR西日本は検査方法のあり方を検討する。
JR西によると、この車両では今年2月、分解による「全般検査」を実施。
台車の傷や亀裂の兆候をチェックしたが、異常は確認されなかった。
台車の亀裂は、特に溶接部分で起こる可能性が高いとされ、JR各社は、磁気や鉄粉を使った特殊な方法で溶接部を調べている。
だが、今回亀裂が見つかった場所は溶接部ではなく、こうした検査の対象外だった。
JR西の担当者は、「通常、亀裂が入る場所ではなく、過去にも例がないため」としている。
出典
『新幹線台車、亀裂箇所は目視のみ…過去に例なし』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20171213-OYT1T50107.html?from=ycont_top_txt
12月16日付で毎日新聞からは、16日に列車をホームから移動させるという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
15日の終電後に13号車をクレーンでつり上げ、16日午前3時半ごろに新しい台車への取り換えが完了した。
1~13号車は名古屋駅14番線ホームに停車したままで、車両の移動は17日未明から始める。
14番線ホームの使用再開は同日以降となり、東海道新幹線は16日も上り線の一部で遅れが続く見込み。
出典
『のぞみ台車トラブル 亀裂入った台車交換 新幹線、車両はあす移動 名古屋駅』
https://mainichi.jp/articles/20171216/dde/041/040/040000c
2015年2月5日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第4報修正4として掲載します。
第3報修正3は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4608/
(2017年12月14日 修正4 ;追記)
2017年12月6日20時44分に北海道から、裁判で私鉄担当者はレールのゆがみは衝撃的だったと証言したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6日の裁判で、私鉄の京王電鉄で長年、レールの保線を担当してきた社員が証人として出廷し、「京王電鉄では、レールのゆがみやずれは限りなくゼロにするようにしているが、JR北海道が事故のあとに作成した検査表には75や42の値が記載され、衝撃を受けるほど大きい。自分が同じ立場だったら、納得いくまで現場に確認を尽くした」と証言した。
出典
『私鉄保線担当者“ゆがみ衝撃的”』
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20171206/3369581.html
(2019年2月9日 修正5 ;追記)
2019年2月6日18時22分にNHK北海道から、本社幹部3人に無罪判決が出た、現場社員13人は既に罰金刑確定という、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
改ざんされたレールの検査データを国などに報告したとして、JR北海道の当時の責任者3人と法人としてのJR北海道が鉄道事業法違反などの罪に問われた裁判で、札幌簡易裁判所は「データの改ざんを認識していたとまでは言えない」として、3人に無罪を言い渡した。
一方で、JR北海道には罰金100万円の判決を言い渡した。
・・・・・
【データ改ざん事件の経緯】
・・・・・
警察は事故の5か月後、鉄道事業法違反などの疑いでJR北海道本社や保線管理室などを捜索し、捜査の結果、レールのずれを小さくしたうそのデータを国などに報告した疑いが強まったとして、責任者を含む社員ら19人と法人としてのJR北海道を書類送検した。
このうち、現場の保線担当者ら13人は略式起訴され、罰金刑が確定している。
一方、検察はJR北海道本社工務部の奥芝元副部長など、当時の保線部門の責任者3人を在宅のまま起訴し、平成28年から裁判が始まった。
【裁判の争点は】
裁判の争点となったのは、当時、JR北海道の保線部門の責任者だった3人が、現場が行った検査データの改ざんを認識していたかどうかだ。
現場に改ざんを指示したり、改ざんに関与したりした直接的な証拠がない中、双方の主張は真っ向から対立した。
3人は、現場から提出された、データが改ざんされる前と後の検査表に、それぞれ目を通した上で、国などに報告している。
これについて検察側は、「検査データの改ざんを黙認していた」と主張した。
その理由として挙げたのが、3人の当時の言動だ。
データが改ざんされる前の検査表に目を通した際、3人は「大きすぎるな」などと、レールのずれの大きさを気にする発言を周囲にしていたことがわかっている。
しかし、改ざんされた後の検査表について、3人は数値が大幅に変わった理由を現場に確認せず、そのまま国に報告したという。
検察は、知識や経験が豊富な3人がこうした行動をとるのは不自然だとして、データの改ざんを認識した上で、それを黙認したと指摘した。
これに対し、弁護側は「改ざんの事実は知らなかった」と、一貫して無罪を主張した。
検査データが変わったのは現場が数値の誤りを訂正したためだと認識しており、改ざんを黙認した事実はないとしている。
また、改ざんされたレールのずれを表す数値は、脱線事故の原因とは直接関係がないと考えていたため、データに対する関心もなく、改ざんに関わる動機はなかったと主張した。
・・・・・
出典
『JR改ざん 当時の責任者ら無罪』
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20190206/0007664.html
2月6日13時57分に北海道新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3人は現場社員と共謀し、「通り変位」と呼ばれるレールの横ずれの数値を「75mm」から「42mm」に小さく書き換えるなどした検査データを国に提出したとして起訴された。
現場社員は改ざんを認め、書き換え前後のデータを目にした3人にも改ざんの認識があったかどうかが争点だった。
公判で3人は無罪を主張。
「書き換え前のデータには明らかな誤りがあり、数値の変化は入力ミスの訂正だと思った」などと訴えた。
一方、検察側は、それまでの経験や知識から「3人は数値の不自然な変化に気付いた」と指摘していた。
出典
『函館線レール検査改ざんで幹部3人無罪 JRは罰金100万円』
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/274058/
2月7日5時0分に読売新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
判決では、同社が2回にわたって横ずれの数値を運輸安全委員会に報告していた点に注目。
改ざんされたのは初回のデータのみだった点を挙げ、結城裁判官は「2つのデータの齟齬が発覚することは容易に想像でき、改ざんを認識していたとすれば、合理的な説明ができない」と述べた。
出典
『JR北元3幹部無罪…札幌簡裁 「改ざんを認識」認めず』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190207-OYT1T50060/
(2019年2月22日 修正6 ;追記)
2019年2月20日19時42分に毎日新聞から、判決が確定したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
当時のJR北海道幹部3人を無罪とした札幌簡裁判決について、札幌区検は20日、控訴しないことを明らかにした。
罰金100万円を言い渡されたJR北海道も控訴しない方針を示し、3人の無罪とともに簡裁判決が確定した。
国交省によると、同法違反による鉄道事業者の有罪確定は初めて。
出典
『JR北海道、レール検査記録改ざん無罪確定 検察控訴せず』
https://mainichi.jp/articles/20190220/k00/00m/040/196000c
2017年12月5日11時1分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5日午前8時31分ごろ、JR中央線の武蔵境駅構内で、東京発高尾行きの下り電車の車両内で異臭がしたため、電車は一時停車した。
このため、特急2本を含む上下線計28本に最大22分の遅れが出た。
JR東によると、30代の男性客が床に置いていたカバンのひもが座席下の暖房用ヒーターに触れたのが原因。
ヒーターは座席の奥にあり、最高で70℃まで温度が上がるが、カバーが付いていて、通常は危険はないという。
この車両には約150人の乗客がいたが、異臭による影響はなかった。
出典
『カバンのひも、座席下ヒーターに触れ異臭 中央線に遅れ』
http://www.asahi.com/articles/ASKD53CTDKD5UTIL005.html
キーワード;熱面
2017年11月28日16時59分にNHK首都圏から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東急田園都市線の二子玉川駅で、今月17日、電車がホームにいた視覚障害のある男性の白いつえをドアに挟んだまま発車していたことがわかった。
男性は無事だったが、東急電鉄は「確認を徹底するなど再発防止に努めたい」としている。
東急電鉄によると、今月17日、東京・世田谷区にある東急田園都市線の二子玉川駅で、下り電車がホームにいた視覚障害のある男性の白いつえをドアに挟んだまま発車した。
男性がつえから手を放したためけがはなかったということだが、電車はつえを挟んだ状態で次の二子新地駅まで運行したという。
当時、男性は運転士に近い先頭車両付近のホームにいて、電車内の乗客に各駅停車か急行かを尋ねていたということで、男性がドアから離れたのをホームの一番後ろにいた車掌がモニターで確認し発車したが、つえが細かったためモニターで確認できず、ドアに物が挟まったことを検知するセンサーも反応しなかったという。
また、運転士も気がつかなかったという。
東急電鉄は男性に謝罪するとともに、折れたつえを弁償したという。
二子玉川駅には来年2月にホームドアが設置予定で、東急電鉄は「ホームドアの設置など視覚障害のある方の事故防止の対策に取り組んでいるが、確認を徹底するなど再発防止に努めたい」とコメントしている。
東急電鉄によると、トラブルがあったのは今月17日の午後4時45分ごろで、男性は車両のドアの近くに立って、電車内の乗客に各駅停車か急行かを尋ねていたという。
この電車は、男性が乗りたかった各駅停車だったが、男性の質問に対し乗客から返答がなかったため、男性は乗るのをあきらめてドアから離れたという。
車掌は、男性がドアから離れるのをモニターで確認し発車したが、白いつえが細かったため、つえが挟まったことをモニターで確認できなかったという。
東急電鉄は20年あまり前に、すべての駅のモニターを白黒からカラーに変更したが、二子玉川駅のモニターはハイビジョン化されておらず、画像が粗いため確認できなかったという。
また、当時は朝夕のラッシュ時ではなかったため、ホームには駅員や警備員はいなかったという。
東急電鉄は先月と今月、朝の通勤・通学の時間帯に田園都市線が電気系統のトラブルで長時間止まった問題を受け、老朽化が進む田園都市線の地下部分について、設備の緊急点検を行うといった再発防止策を今月16日に発表していた。
今回のトラブルは、この発表の翌日に起きたもので、報告を受けた国交省は東急電鉄に対し、電車の出発時の安全確認を徹底するよう指導したという。
国交省によると、視覚障害者のホームからの転落は昨年度69件起き、去年8月には東京メトロの駅のホームから盲導犬を連れた男性が転落して死亡するなど、死亡事故も3件起きている。
転落事故を防ぐため、国交省は鉄道各社とともにホームドアの設置を進めていて、2020年度までに利用者の多い都市部の駅を中心に、およそ880の駅で設置する計画だ。
また、駅のホームのカメラの機能を向上させるとともに、盲導犬や白いつえをカメラが認識し、視覚障害のある人に複数のスピーカーが音声でドアまで誘導するシステムについて数年後の実用化を目指し、メーカーとともに開発を進めることにしている。
全国にある視覚障害者の団体でつくる「日本盲人会連合」などが、去年、視覚障害者50人あまりを対象に行ったアンケートでは、電車のドアに白いつえが挟まり、そのまま電車が走り出してしまったという経験を過去にしたことがあると答えた人は、4人いたという。
「日本盲人会連合」の部長、藤井さんも、電車に乗る際に白いつえを挟まれ、そのまま電車が走り出してしまい杖が壊れてしまった経験があるということで、「つえがなくなった状態でホームに取り残されて、身動きもとれずとても恐怖を感じました」と、当時の状況を振り返っている。
視覚に障害のある人は、ほかの乗客が乗り降りしている間は危なくて電車に近づけず、乗客の動きが落ち着いてから、一番最後に乗り降りすることが多いという。
さらに、電車に乗り込む際も、ドアの場所やホームと車両の隙間を確認しながら乗らなくてはならず、発車のベルが鳴り終わっているのに電車に乗り切れていないことも少なくないという。
藤井さんは、「鉄道事業者には、電車に乗り切れずに戸惑っている人がいないか、視覚障害者の動きに気を配ってほしいです。周囲の乗客からも『お先にどうぞ』といった声かけをしてもらったり、みんなで気遣いができるようになれば、事故は防げると思います」と話していた。
今回の事故について、ひざにかかる負担をやわらげるため、日ごろからつえを利用している74歳の女性は、「つえが人にぶつかって、ひっかかったりこけたりするのが怖いので、電車を利用するときはなるべく混雑する時間帯を避けるようにしています」と話していた。
ベビーカーを押した子ども連れの女性は、「ふだんから、ベビーカーがドアに挟まれないよう、電車と距離をおくように気をつけています。視覚障害のある人にまわりの人が気をかけてあげられたらよかったのにと思います」と話していた。
また、ベビーカーを押していた30代の女性は、「以前、ベビーカーが電車のドアに挟まれたまま出発してしまう事故があったので、とてもひと事とは思えません」と話していた。
出典
『視覚障害者のつえ挟んで電車発車』
http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20171128/0004215.html
11月28日23時6分に読売新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
車掌は、駅ホームのモニターで発車を告げるブザーが鳴った後にドアから離れる男性を確認し、出発の合図を運転士に送ったが、白杖が挟まっていることには気づかなかったという。
車両には、ドアに挟まった物を検知するセンサーがついていたが、幅15mmに満たない物は検知しないといい、このときは作動しなかった。
出典
『田園都市線、男性の白杖をドアに挟んだまま出発』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20171128-OYT1T50138.html
(ブログ者コメント)
NHKからは、電車の発車前にホーム上方にある4台のモニターを車掌が確認している様子が放映されていた。
ただ、モニターの画面は小さく、また画像も粗いということで、細い杖を挟んだことは見えなかったのかもしれない。
2017年11月8日23時46分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
8日午後9時15分ごろ、JR宝塚線(福知山線)の高槻発新三田行き普通電車(7両編成)が、兵庫県尼崎市の尼崎駅の先50m付近で近くの電車に危険を知らせる防護無線を受信し、緊急停止した。
電車は約1時間半にわたって現場で停車、乗客約600人が閉じ込められた。
午後10時50分ごろ尼崎駅まで電車を戻し、乗客を降ろしたという。
JR西日本によると、この電車で異常がないのに緊急に停車させる装置が作動するトラブルがあったといい、詳しい原因を調べている。
この影響で、同線の尼崎~新三田駅間とJR東西線の京橋~尼崎駅間の上下線で一時運転を見合わせ、午後11時10分ごろ運転を再開したが、後続に遅れや運休が発生している。
停車した電車の中は満員の状態で、「急病人が出たので医療関係者の方のご協力をお願いします」といった内容の車内放送も流れたという。
出典
『車内に1時間半、600人が閉じ込め JR宝塚線』
http://www.asahi.com/articles/ASKC87QX7KC8PTIL02M.html
11月22日19時6分に神戸新聞からは、原因に関し下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今月8日、兵庫県尼崎市のJR宝塚線尼崎~塚口間で普通電車が約1時間半停車したトラブルで、緊急停止装置の配線に鉄粉が付着し、一緒に束ねられたほかの配線から通電して同装置が作動したとみられることが、22日、JR西日本への取材で分かった。
JR西によると、4両目の乗務員室にある緊急停止装置。
部屋は施錠され、同装置を作動するボタンが押された形跡もなかった。
運転席の制御盤を調べたところ、複数の配線が一緒に束ねられた部分に鉄粉が付着し、鉄粉を通じて絶縁されている同装置の配線に電気が送られ、誤作動した可能性が高いことが分かった。
このトラブルで、宝塚線と東西線が約2時間運転を見合わせ、乗客約600人が約1時間半、停車車両に閉じ込められた。
上下線計15本が運休し、神戸、京都線などで大幅な遅れが発生。
約1万3000人に影響が出た。
出典
『普通電車1時間半停車トラブル 原因は配電線束に鉄粉付着 JR西』
https://www.kobe-np.co.jp/news/jiken/201711/0010755482.shtml


















その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。