







2016年10月10日19時45分に神戸新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
障害者に対して、周りの人の「気付き」が大切-。
全盲に近い症状で、駅ホームから転落し重傷を負った鍼灸マッサージ師、向井さん(56)=兵庫県明石市=は、そう実感する。
昨年8月、向井さんは知人に会いに行こうと、正午前、自宅最寄りのJR大久保駅(明石市)に到着。
白杖を手に、ホームの点字ブロック上を歩き始めた。
ブロック上に人がいた。
「すみません」と言うが、道を空けてくれない。
スマホか、イヤホンから流れる音楽にでも気を取られているのか。
かわし、再びブロック上に戻った。
また、人がいた。
声を掛けても、動く気配はない。
同じようにブロックから離れ、戻る。
3人目。また同じ。
よけようとした時、方向感覚を失った。
右足を踏み外し、線路に落ちた。
ホームに引き上げられ、その1、2分後に電車が来た。
骨盤の一部を粉砕骨折し、1カ月半入院。
仕事復帰に4カ月かかった。
「最大限に注意して歩いたつもりだったが…。恐ろしくて、もう1人でホームに行けない。ホームドアさえあれば」。
一方で思う。「あの時、3人が3人とも反応してくれなかった。そういう世の中が問題なのかもしれない」。
出典
『ホーム転落の男性 誰も「反応してくれなかった」』
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201610/0009570180.shtml
2016年10月4日17時11分と19時54分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
停電の影響で一部区間で運転を見合わせていた東京メトロ銀座線は、4日午後4時56分、全線で運転を再開した。
約6万6千人に影響が出た。
東京メトロ広報部によると、午後3時ごろ、渋谷駅-表参道駅間でショートによる停電が発生。
一時、全線の運転が止まった。
約30分後から、溜池山王-浅草駅間で折り返し運転をしていた。
原因は、線路脇のケーブル落下。
東京メトロによると、東京都渋谷区の東京メトロ銀座線渋谷駅近くの線路脇の送電ケーブルを支える金具が折れ、ケーブルが落下。
その際に橋桁と衝突し、ショートしたという。
東京メトロは、「ケーブルの重みで金具が損傷し折れた」と説明、詳しい原因を調べている。
出典
『東京メトロ銀座線が運転再開 6万6千人に影響』
http://www.sankei.com/affairs/news/161004/afr1610040012-n1.html
『銀座線停電の原因はケーブル落下』
http://www.sankei.com/affairs/news/161004/afr1610040018-n1.html
2016年10月3日15時10分に毎日新聞から、下記趣旨の記事が図解と写真付きでネット配信されていた。
今年5月に東京都板橋区の東武東上線で起きた脱線事故で、事故車両の台車に脱線前から亀裂が生じていたことが、関係者への取材で分かった。
亀裂が見過ごされたまま運行が続けられ、拡大して脱線につながった可能性がある。
国の運輸安全委員会も、こうした状況を把握し、経緯を調べているとみられる。
運輸安全委や東武鉄道によると、事故は中板橋駅近くで5月18日昼、成増発池袋行き上り普通電車(10両編成)の前から5両目の車軸4本のうち、後ろの2本が脱線した。
直後の調査で、この2本を支える台車枠の側面に長さ15cm、最大幅12mmの亀裂が見つかった。
関係者によると、この亀裂の下部にさびが生じていた。
亀裂ができた後、風雨などに一定期間さらされたためらしい。
当初は小さかった亀裂が広がって、台車のバランスが崩れたため、脱線が起きた可能性がある。
亀裂の発生場所は、鋼鉄製の台車枠と補強用鋼材の溶接部分に近く、金属疲労が起きやすいという。
運輸安全委は、亀裂発生の原因や時期などを、慎重に調べている。
事故車両は1989年10月製造。
東武鉄道は、国土交通省令に基づく8年ごとの全般検査(全部分解)を2009年11月、4年ごとの重要部検査(重要部分解)を13年5月、3カ月ごとの検査を今年3月に行い、6日ごとの自主的検査は5月16日に実施していた。
これらの検査が適切に行われていたかどうかも、ポイントになりそうだ。
脱線は、枕木の傷などから、中板橋駅を出てすぐのポイント付近で発生したことが判明している。
駅発車直後に運転士が異常を感じて非常停止させ、乗員・乗客約400人にけがはなかった。
事故後、東武鉄道は、事故車両と同型の198両を一斉に緊急点検したが、問題は見付からなかった。
東武広報部は、「運輸安全委員会の調査に協力している。東武としても独自の調査を進めており、安全安心を確保したい」としている。
出典
『東武東上線脱線 台車に事故前から亀裂 見過ごされ運行か』
http://mainichi.jp/articles/20161003/k00/00e/040/209000c
事故当時の報道は下記。
(2016年5月18日22時32分 毎日新聞)
東京都板橋区の東武東上線中板橋~大山駅間で、18日午後0時12分ごろ、走行中の成増発池袋行き上り普通電車(10両編成)が脱線した。
東武鉄道によると、事故当時の乗車率は30%。
駆けつけた駅員らが周囲の安全を確認した後、乗客を車外へと誘導した。
車両からの脱出時には車内のベンチシートを取り外し、滑り台式の脱出用シューターのように扉部分と線路上に架け渡した。
線路までの高さは1m以上あり、飛び降りるとけがをする恐れがあるためという。
脱線した電車が通過した踏切では、コンクリート製の枕木に削り取られたような跡が残り、砕けたコンクリート片が散らばっていた。
踏切は事故後に遮断機が下りたままとなり、付近は迂回する車で一時混雑した。
中板橋駅前で果物店を営む市川さん(78)は、「ガンガンガンという連続した大きな音を聞いてびっくりした。踏切事故かと思ったが、死者が出るような惨事でなくて良かった」と驚いていた。
近くを走行中の下り電車に乗っていた60代女性は、「脱線した電車では長いシートを線路上に立てかけて、おそるおそる滑るように車外に降りていた」と話した。
出典
『東武東上線脱線 「ガンガンガン、連続の大きな音」に驚く』
http://mainichi.jp/articles/20160519/k00/00m/040/105000c
(2016年10月19日 修正1 ;追記)
2016年10月18日19時37分に朝日新聞から、亀裂が入った箇所は電流による点検の対象外だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東武鉄道は、18日、5月に東上線で起きた脱線事故について、台車の亀裂が原因と推定する中間報告を国交省に提出した。
亀裂は少なくとも3年以上前からあったとみられるが、この部分には1989年の製造以来、電流による亀裂点検をしていなかった。
脱線は5月18日、成増発池袋行き上り普通電車(10両編成)が、東京都板橋区の中板橋駅を出た直後に起きた。
各車両には、車輪が4つついた台車が前後に2つある。
そのうち、先頭から5両目後方の台車の車輪4つが、最大10cm脱線した。
乗客約400人にけがはなかったが、遅れなどで約18万人に影響が出た。
台車には、車両の重さを車輪に均一に伝える「側(がわ)ばり」と呼ばれる鉄製のはりが、左右に2本ついている。
中間報告によると、脱線した台車は、はりの1カ所に縦横ともに約18cmの亀裂が入り、断裂しかかっていた。
このため、亀裂近くの車輪の荷重が少なく、浮き上がり、他の車輪もつられて脱線したとみられる。
一方、レールなどに不具合はなかったとしている。
東武鉄道は、国交省令により、台車は4年以内に1回など、電気を流して亀裂を点検している。
だが、検査箇所は事業者が決める仕組みで、同社は、今回の亀裂箇所を対象外としていた。
亀裂の広がり具合から、少なくとも3年以上前から亀裂があったと計算されるという。
3カ月に1回の月検査と6日に1回の列車検査の際、目視で点検しているが、東武鉄道は、「脱線前は、亀裂の割れ目に幅がなくて見つけられなかった可能性がある。亀裂の発生原因は調査中」としている。
同社は、亀裂の起きた場所を、今後は検査の対象に加える。
類似の構造の2072台車に異常はなかった。
出典
『東上線脱線、原因は台車亀裂か 東武鉄道が中間報告』
http://digital.asahi.com/articles/ASJBL5FWKJBLUTIL02Q.html?rm=441
2016年9月27日付で毎日新聞東京版長官から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
26日午後5時35分ごろ、東京都千代田区霞が関2の東京メトロ日比谷線霞ケ関駅構内の線路から白煙が上がっているのを、乗務員が見つけた。
駅員が間もなく消火し、けが人はなかった。
消火と設備点検のため、2度、全線で運転を見合わせ、計約13万2000人に影響が出た。
東京メトロによると、線路の切り替えポイント付近が燃え、電気系統のトラブルとみられる。
出典
『鉄道トラブル 霞ケ関駅で白煙 13万2000人に影響 日比谷線』
http://mainichi.jp/articles/20160927/ddm/041/040/118000c
9月26日19時12分に産経新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
26日午後5時40分ごろ、東京都千代田区霞が関の東京メトロ日比谷線の線路内で「火災が発生している」と、乗務員から119番通報があった。
東京メトロによると、火災は霞ケ関駅から中目黒駅方面に約50m進んだ線路上で発生した。
線路を分岐させるつなぎ目の部分から煙が出ているのを乗務員が発見。
駅係員が消火に当たり、5時50分ごろに鎮火した。
けが人はいなかった。
消防によると、レールのつなぎ目の絶縁体が燃えたという。
この火災で、一時、日比谷線全線が運休し、通勤客ら約6万2000人に影響が出た。
出典
『メトロ日比谷線のレールから煙 6万2千人に影響』
http://www.sankei.com/affairs/news/160926/afr1609260014-n1.html
2016年9月26日13時41分にNHK NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9月26日13時39分に産経新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
26日午前10時ごろ、東京発広島行きの新幹線「のぞみ103号」の車内にヘビがいるのを乗客が見つけ、乗務員を通じて警察に通報した。
新幹線は、本来、通過するはずだった浜松駅に急きょ停車し、駆けつけた警察官がヘビを捕獲した。
乗客がかまれるなどの被害はなく、新幹線は数分後に運転を再開し、ダイヤに大きな乱れはなかった。
ヘビは全体が茶色、体長は30cmほどで、専門家によると、模様や頭の形などから、国内に生息しているシマヘビの子どもではないかという。
JR東海によると、ヘビは12号車の中央付近にある窓側の座席のひじ掛けに巻き付いているところを、座席に座ろうとした20代の女性客が見つけ、車掌を通じて110番通報したという。
ヘビは、人に危害を加えるおそれがあるため、車内への持ち込みが禁止されていて、新幹線の車内放送で持ち主がいないか尋ねたが、名乗り出る人はいなかったという。
警察が、なぜ、新幹線の車内にヘビがいたのか、詳しい状況を調べている。
JR東海によると、東海道新幹線の車内では、平成23年7月にもヘビが捕獲されたことがあったという。
出典
『新幹線車内にヘビ 浜松駅で停車し捕獲』
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160926/k10010707011000.htm
『東海道新幹線車内でニシキヘビを捕獲 浜松駅に臨時停車 けが人なし』
http://www.sankei.com/affairs/news/160926/afr1609260007-n1.html
2016年9月16日11時32分にNHK神戸から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ベンチから立ち上がった人が、まっすぐ歩いて線路に転落する事故を防ごうと、JR西日本福知山支社は、管轄する兵庫や京都の駅のホームで、ベンチの向きを線路に対して横向きになるよう変更する工事を進めている。
このうち、篠山市にあるJR篠山口駅では、3つあるホームで、線路側を向いて座る形で設置された従来のベンチを撤去し、線路に対して横向き、垂直になるよう変更した。
JR西日本が、駅のホームで起きた人身事故を分析したところ、約6割が酒に酔った客によるもので、ベンチから立ち上がり、そのまままっすぐ歩いて線路に転落するケースが多いことがわかったという。
このため、転落事故を防ぐ安全対策として、去年から、ホームのベンチの向きの変更を進めていて、JR西日本福知山支社では、今月から来年3月までに、48の駅で工事を行うことにしている。
福知山支社管内では、昨年度、3件のホームからの転落事故が起き、その原因は、
▽酒に酔ってが1件
▽体調不良が1件
▽歩きながらスマートフォンを操作したが1件
だという。
JR篠山口駅の神田駅長は、「ベンチの向きとともに人の動きも変わり、転落防止に役立つと思う。客自身も行動に注意して、駅を安全に利用して欲しい」と話していた。
出典
『転落防止 駅ベンチの配置変更』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/2025520231.html?t=1474144056487
(ブログ者コメント)
本件、過去に以下のような同種記事もネット配信されていた。
(2016年9月3日7時3分 朝日新聞)
JR伊丹駅(兵庫県伊丹市)のホームにあるベンチは、線路と反対向きに置かれている。
線路を背に座ると、目の前には金網越しに駅前の風景が広がる。
実はこれ、転落事故を防ぐため。
JR西日本が過去の例を調べると、ベンチから立ち上がった酔客が、線路に向かって歩いて落ちるケースが最も多かった。
他の駅では、ベンチの向きを線路と直角に変えているが、ホームが狭い伊丹駅は反対向きになった。
外の景色に気をとられ、後ろの電車を逃さないように。
出典
『ホームのベンチ、線路と反対向き JR伊丹駅の工夫と』
http://www.asahi.com/articles/ASJ8V53JBJ8VPTIL021.html
(2015年4月26日 日刊ゲンダイ)
写真は、JR新大阪駅のホーム。
な~んか普通と違うなと思ったら、ベンチの向きが線路と垂直になるように設置されていた。
なぜか。
JR西日本東京広報室に聞いた。
「数年来、酔ったお客さまがホームから転落する事故が増えています。その防止策です」
国交省のこんなデータがある。
2013年度に発生した「ホームでの接触」による人身障害事故は221件。
そのうち133件が酔客に関わるもので、33件だった10年前の実に4倍だ。
これを受けて、JR西日本安全研究所が事故映像を分析した結果、酔客の行動パターンが明らかになった。
転落の状況は、
▽「ホーム上から突然線路に向かって歩きだし、そのまま転落」が約6割を占め、
▽次いで、「直立状態から突然大きくバランスを崩して転落」が約3割。
▽「ホームの端を線路と平行に歩いている最中に、ふらついて足を踏み外して転落」は、意外にも約1割だった。しかも、大半が歩きだして数秒後に転落していたという。
そこで、まずは新大阪駅のホームのベンチの向きを、線路と垂直になるよう設置した。
線路への方向を変えて距離も延ばすことによって、ベンチから突然立ち上がった酔客の転落事故を未然に防ぐのが狙いだ。
「新大阪駅では、4本あるホーム(1本は工事中)の25カ所のベンチすべてに対策を講じ、手始めに1月18日から供用を開始した新13番、14番ホームで実施しました。現在、JR西日本で少なくとも1カ所は導入している駅は、近畿地方に9駅(尼崎、摂津富田など)、中国地方に6駅(広島、宮島口など)あります。今後もホームの幅や形状などを考慮しながら、安全への取り組みを進める方針です」(同)
ちなみにJR東日本は――。
「新宿駅の中央線特急ホームをはじめ、線路と垂直になったベンチは数カ所ありますが、目的は明解ではありません。導入する予定も、現時点ではありません」(広報部)
出典
『街中の疑問 新大阪駅ホームのベンチ なぜ「向き」が線路と垂直なのか』
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/159354
2016年9月11日付で読売新聞鹿児島版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9月10日18時28分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
JR九州は、9日深夜から10日未明にかけて、九州新幹線の車両を使った異常時の避難誘導訓練を薩摩川内市などで行った。
鹿児島、熊本、佐賀県などのJR九州支社や警察、消防、運輸局などから約150人が参加し、万一の事態に備えた連携を確認した。
JR川内~鹿児島中央駅間を走行中の新幹線で火災が起き、緊急停止したとの想定。
走行中の車内にブレーキがかかり、「非常ブザーが確認されました」との放送が流れ、緊急停止した。
鎮火したが運転再開はできないとの設定で、乗務員は訓練の具体的なシナリオを事前に知らされておらず、その場で話し合いながら誘導を進めた。
車両に煙が充満するなか、車外にはしごをかけ、乗客役の約100人を避難させた。
手足に重りを付けた高齢者や重傷者役の乗客に対しては、はしごや担架を使って車外に避難させた。
訓練の直前には、車両内に煙を充満させる「煙体感訓練」も実施。
火災時にどれだけ視界が悪くなるかを、実際に体験した。
2012年3月、九州新幹線が福岡県内で6時間半にわたって立ち往生し、乗客が車内に閉じこめられたトラブルが発生。
訓練は、それ以来、毎年行っているが、火災発生を想定した訓練は今回が初めて。
JR九州の古宮・鉄道事業本部長(53)は、「いろいろな条件で対応できた。乗客の安全確保を第一に考え、「様々な『想定外』に対応できるよう、今後も様々なことを想定した訓練を行いたい」と総括した。
出典
『新幹線で避難誘導訓練 火災想定』
http://www.yomiuri.co.jp/local/kagoshima/news/20160910-OYTNT50069.html
『九州新幹線で火災避難訓練、車内の煙体感も 鹿児島』
http://www.asahi.com/articles/ASJ9B113FJ99TLTB015.html
2016年9月2日11時55分にNHK NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9月2日11時53分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
2日午前8時前、東京・世田谷区にある東急田園都市線の用賀駅構内で、中央林間発清澄白河行きの上りの電車の窓ガラスが割れた。
割れたのは、10両編成の電車の前から5両目にある乗客が乗り降りするドアの窓ガラスで、近くにいた乗客の男子高校生が顔を切るなどのけがをしたという。
当時、車内はラッシュ時で混み合っていて、ドア付近にいた複数の乗客がバランスを崩し、その勢いで高校生が頭から窓ガラスにぶつかり、割れたという。
この影響で東急田園都市線は、一時、最大で25分程度の遅れが出た。
割れたのは強化されたガラスで、こうした状況になるのはあまり例がないということで、東急電鉄は原因を調べている。
電車は用賀駅で12分停車した後、ガラスの割れた部分を段ボールで覆うなどして、運行を再開した。
出典
『東急田園都市線 ドアの窓ガラス割れ高校生けが』
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160902/k10010665611000.html
『満員車内揺れて…頭当たりガラス割れる 東急田園都市線』
http://www.asahi.com/articles/ASJ9233WVJ92UTIL009.html
9月6日16時6分にNHK横浜から、東急は同じ型の全車両のガラスを厚いものに交換するという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東急電鉄は、同じ型の車両のガラスを強度を高めたものに、順次、交換することにした。
東京・渋谷を発着する東急田園都市線は、9月2日の朝、ラッシュで混み合う上り列車の車内で、乗客がバランスを崩してドアの窓ガラスにぶつかり、ガラスが割れて顔を切るなどのけがをした。
この車両のドアの窓ガラスは厚さが3mmあり、2.2トンの重さに耐えられるものだったが、ガラスが割れたことを受けて東急電鉄は、およそ5トンの重さに耐えられる、厚さ4mmのものに交換することにした。
ドアの窓ガラスの交換は、田園都市線と大井町線で運行している同じ型の車両164両すべてを対象に、およそ2か月かけて順次行われるという。
東急電鉄は、「多くのお客様にご心配とご迷惑おかけしておわび申し上げます。2度と起きないよう安全性をさらに向上していきたい」と話している。
出典
『東急 車両ドア窓ガラス強化へ』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/1056001271.html?t=1473196964433
(ブログ者コメント)
○東急電鉄HPに、下記趣旨のお詫びと報告記事が掲載されていた。
・当時の混雑率は約140%。
・ドアガラスは厚さ3mmの強化ガラスで、2.2tの重さが加わっても割れない強度があり、列車混雑によりお客さまが押し付けられることで割れることはありません。
これまでに、硬い物体(石など)がガラスの一点に衝突した場合に、破損するという事例はありました。
・安全性のさらなる向上のため、厚さ3mmの強化ガラスを使用している車両は、順次4mmのガラスに交換してまいります。
これにより、強度は2.3倍程度になります。(該当車両164両)
http://www.tokyu.co.jp/information/list/?id=888
○JISの「鉄道車両用安全ガラス」によれば、長方形又は正方形の平面強化ガラスの寸法は以下の模様。
1 枚の面積が 0.9m2以上,又は辺の長さが 1 200mm を超えるときは3.2mm
1 枚の面積が 1.8m2以上,又は辺の長さが 1 800mm を超えるときは4mm
http://kikakurui.com/r3/R3213-2008-01.html
このことから類推するに、1ランク上のガラスに交換する、ということかもしれない。
2016年8月20日20時16分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
8月20日付で読売新聞大阪版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
兵庫県姫路市の山陽電鉄西飾磨駅で、7月、視覚障害のある50代男性が点字ブロック上に置かれた工事用フェンスに白杖が引っかかって転倒、左足の太ももを骨折する重傷を負っていたことが分かった。
同社は男性に謝罪した。
同社などによると、事故は7月2日朝、ホームへ通じる階段途中の踊り場で発生。
通路や階段の壁を修理するために設けたフェンスの一部が点字ブロックをふさいでおり、男性は、フェンスに挟まった白杖を抜こうとしてバランスを崩して倒れた。
関係者によると、全治2カ月という。
同社は男性に謝罪した際、「点字ブロックの周囲30cmには物を置かないようにしていたが、今後は徹底する」などと改善を約束したという。
同社は、事故後、点字ブロックにできるだけかからない位置にフェンスを設置し直したほか、音声案内でも、工事終了まで注意を呼び掛けた。
今後、工事で点字ブロックをふさぐ場合は、仮設のブロックを敷くなどの対策をとる。
今月15日には、東京メトロ銀座線で視覚障害者の男性がホームから転落死する事故が起きている。
同市身体障害者福祉協会の田中理事長は、「小さなトラブルは数多くある。一過性の対策で終わるのではなく、根本的な解決を目指してほしい」と話している。
出典
『視覚障害者 駅で転倒し重傷…点字ブロック上に工事柵』
http://mainichi.jp/articles/20160821/k00/00m/040/029000c
『駅点字ブロック上に工事柵、視覚障害者転び重傷』
http://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20160820-OYO1T50000.html
2016年8月20日5時10分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
視覚障害者が駅のホームから転落したり列車と接触したりする事故が、2009年度からの6年間で428件あったことが、国交省への取材で分かった。
東京メトロ銀座線で15日に起きたような死亡事故につながりかねない事態は、各地で起きている。
だが、ホームドア設置などの対策は遅れているのが実情。
関係者からは、「声かけ」の有効性を指摘する声もある。
転落・接触事故全体は、統計を取り始めた09年度が2635件、14年度が3900件と、増加傾向にある。
うち、視覚障害者の事故は、09年度39件、10年度60件、11年度78件、12年度93件、13年度76件、14年度82件で、計428件。
死亡事故に至ったケースもある。
東京視覚障害者協会によると、視覚障害者がホームから転落して亡くなった事故は、1994年以降、今回の銀座線の事故を含め、全国で24件ある。
最近では、15年に大阪・阪急宝塚線の服部天神駅で、白杖を持ってホームにいた男性(当時64)が転落し、列車にはねられ死亡している。
視覚障害者がホームから転落する原因について、同協会の山城さん(60)は、人や物と接触した弾みで点字ブロックから外れ、方向が分からなくなる、逆のホームに入ってきた列車の音を自分のホームに来たと勘違いし、乗り込もうとして線路に踏み出す、などが考えられると話す。
JR山手線の目白駅で2011年1月、全盲の男性がホームから転落死した事故を受けて、国交省は、利用者が多い駅や視覚障害者団体の要望が多い駅から、ホームドアや点字ブロックの設置を急ぐよう、鉄道各社に求めた。
国交省によると、ホームドアの設置率は、1日に10万人以上が利用する駅(251駅)で約3割、3000人以上(約3500駅)だと2割弱にとどまっている。
設置には、ホームの強度や形状などから、大がかりな補強や改修が必要なケースが多く、営業しながら進めるのは難しいことなどが背景にある。
今回の事故が起きた銀座線青山一丁目駅も、計画はあるものの、設置には至っていない。
鉄道各社の費用負担も重く、例えば銀座線全駅への設置には90億円かかり、補助金はあるが、東京メトロも一部を負担しなければならないという。
ただ、事故を防ぐ策はホームドアだけではない。
日本盲人会連合の11年のアンケートでは、回答者252人の37%が「転落したことがある」と回答。
防止策として90%がホームドア設置を挙げ、63%が「周囲の人の声かけ」を求めた(複数回答)。
東京メトロは、今回の事故を受け、視覚障害者に積極的に声をかけるよう、全駅員に指示した。
日本盲導犬協会の白井さんは、「健常者の意識も変わってほしい。『危ないですよ』と言うだけで命を救えるかもしれない」と話す。
出典
『視覚障害者の駅の事故、6年間で428件 転落や接触』
http://digital.asahi.com/articles/ASJ8M4S9YJ8MUTIL013.html?rm=437
(ブログ者コメント)
今から20年ほど前になろうか、朝の東京駅構内コンコースで、しばしば見かける視覚障害者の女性が、誰かとぶつかって方向感覚を失ったのであろうか、グルグル回っているのを見かけたことがある。
その時は、通りかかった人が助け舟を出していたが、ああいった出来事は視覚障害者の方にとって、日常茶飯事的に起きているのかもしれない。
2016年8月17日23時54分にNHK札幌から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
8月18日付で朝日新聞北海道版(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
函館市は、去年、路面電車が脱線して乗客1人がけがをした事故は、車両が線路内の路面からはがれたアスファルトに乗り上げたことによって起きた可能性があるとする報告書をまとめた。
この事故は、去年12月、函館市で市営の路面電車が千歳町電停を出発した直後に8つの車輪のうち4つが脱線して車体が右に傾いたもので、20代の女性が首などに軽いけがをし、6時間にわたって運転が見合わせとなった。
市は、17日、事故の原因などをまとめた報告書を公表した。
それによると、車両や線路には異常はみられなかったものの、脱線地点からおよそ20m手前の線路上にアスファルトの破片が散らばっていたという。
アスファルト片は、1つ手前の昭和橋電停付近のレール際を埋めるのに使われていたものが剥がれ、先行する市電車両か車で運ばれたとみられるという。
市では、そのアスファルトに車両が乗り上げたことが脱線につながった可能性があると指摘している。
函館市は、今後、線路内の舗装をアスファルトから破片になりにくいゴム製の素材に交換するなどして、事故の再発防止に努めていくことにしている。
出典
『市電脱線はアスファルトが原因』
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20160817/4888411.html
2016年8月20日9時00分に産経新聞から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
8月16日11時43分に毎日新聞からも、同趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
視覚障害者の男性が、盲導犬を連れていたにもかかわらず駅のホームから転落し、電車にはねられて死亡した。
視覚障害者にとって「欄干のない橋」、「柵のない絶壁」ともいわれる駅のホーム。
危険性はたびたび指摘されており、鉄道各社は対策に取り組んでいるが、転落事故は後を絶たない。
なぜ男性はホームから転落したのか。
どうしたら事故は未然に防げたのか。
事故が起きたのは15日午後5時45分ごろ。
東京都港区の東京メトロ銀座線青山一丁目駅ホームで、盲導犬を連れていた世田谷区の会社員の男性(55)が、近くにある勤め先の会社から帰宅途中に、線路に転落した。
男性は進入してきた電車にはねられ、病院に搬送されたが、まもなく死亡した。
ホームには、主を失った盲導犬が残されていた。
警察などによると、男性はホームの線路に近い端に配置された点字ブロックを歩いていた。
ホームの幅は約2.9m。歩いていた点字ブロックの先には、一部にかかる形で柱があり、通れる幅が狭くなっていた。
東京メトロによると、転落する直前、白線より外側のホームの端を歩く男性に駅員が気付き、白線の内側に戻るようアナウンスしたが、間に合わなかったという。
防犯カメラの映像には、男性が少しずつ線路に近寄っていき、右手に盲導犬のハーネス(胴輪)を握ったまま、左足を踏み外して転落する様子が写っていた。
捜査関係者は、「盲導犬が柱を避けようと線路側に寄り、男性が転落した可能性がある」と指摘するが、原因は明らかになっていない。
男性の盲導犬を訓練した北海道盲導犬協会によると、男性が連れていたのはラブラドルレトリバーの「ワッフル号」(雌、4歳)。
同協会によると、盲導犬は障害物があると、5mほど手前でも、よける行動を取る可能性があるという。
ただ、男性が落ちたのは、柱の手前約10mの場所で、盲導犬は柱を急に避ける動きはしていなかった。
盲導犬が初めから柱を認識し、ホームの端を歩いていた可能性もある。
一方で協会は、「ホームを歩く際は、線路側に盲導犬を置くことを指導している」と説明するが、事故当時は位置が逆で、男性が線路に近い場所を歩いていた。
警察は、転落の詳しい状況を調べている。
東京メトロは、点字ブロックの一部に柱がかかって通れる幅が狭くなっていた構造について、「先に柱が立っていたところに点字ブロックを設置したため。法律上、問題はない」としている。
その上で、「点字ブロックは、これよりホーム側を歩いてくださいという意味で設置している」という。
視覚障害者がホームから転落する事故は、後を絶たない。
平成23年1月には、JR目白駅で全盲でブラインドテニスの先駆者だった武井視良さん=当時(42)=がホームから転落、死亡する事故が発生。
24年3月にも、東武東上線の川越駅で、男性が転落して列車にはねられ死亡している。
国交省によると、視覚障害者がホームから転落した事故は21年度の38件から増え続けており、24年度には92件になった。
日本盲人会連合のアンケート(23年)でも、回答した視覚障害者252人のうち37%が「ホームからの転落経験がある」と答え、60%が「転落しそうになったことがある」と答えている。
事故防止の決め手とされるのがホームドアだ。
アンケートでも、転落防止策を問う質問には、「ホームドアの設置」(228人、複数回答可能)という声が最も多かった。
今回、事故があった青山一丁目駅は昭和2年開業と古い地下鉄で、ホームドアは設置されていなかった。
コスト面の問題から、ホームドアの普及は進んでいるとは言い難い。
国交省によると、今年3月末現在で、1日10万人以上が利用する全国約250駅のうち、可動式ホームドアが設置されているのは77駅で、全体の約3割に過ぎない。
1日3000人以上が利用する全国約3500駅では、2割弱の665駅(昨年3月末現在)だ。
東京メトロでは、全179駅のうち、85駅でホームドアを設けている。
設置率は約47%だが、東京都営地下鉄の約6割、JR山手線の約8割と比べて低い。
東京メトロ広報は、「相互乗り入れの路線が多く、他社との調整に時間がかかっている」などと説明する。
今回事故が起きた銀座線は全線開業が1939年と古く、ホームの強度を確保してからドアを設置する必要があるため、設置工事が遅れている。
現時点で、上野駅の片側にしかない。
平成29年度から整備を始め、総額約90億円をかけて、30年度中に渋谷駅と新橋駅を除き完成する予定。
新橋、渋谷両駅では、30年度以降に設置するという。
千代田線は32年度、日比谷線は34年度の完成を目指している。
東西線と半蔵門線は調整中だ。
事故を受け、東京メトロは、「体の不自由な乗客が利用する際には動向を注視し、必要な声掛けをする」との文書を各駅に通知し、ソフト面の対応強化に乗り出した。
捜査関係者は、「声がけやホームドアなど複数の施策を組み合わせてこそ、有効な防止策が実現するだろう」としている。
出典
『視覚障害男性の転落事故はなぜ防げなかったのか 駅のホームは「欄干のない橋」も同然だった』
http://www.sankei.com/affairs/news/160820/afr1608200002-n3.html
『盲導犬男性転落死 点字ブロック上に柱 白線の線路側に』
http://mainichi.jp/articles/20160816/k00/00e/040/232000c
2016年8月5日7時4分に東京新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
『ベビーカー事故で脱「早さ優先」 東京メトロが駅停車5~10秒延長』
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016080590070441.html
東京メトロ半蔵門線九段下駅(千代田区)で、4月、ベビーカーをドアに挟んだまま電車が発車した事故を受け、同社は、4日、車掌の安全確認作業に余裕を持たせるため、来春以降、一部駅での停車時間を5~10秒程度延長すると発表した。
対象はホームドアのない5路線の駅の約半数に及び、始点から終点までの所要時間は1分程度延びるとみられる。
輸送能力優先ではなく、安全性を重視した大規模なダイヤ改正は、同社としては初めてとなる。
東京メトロの山村鉄道本部長らが、4日、国交省で会見し、発表した。
対象は、半蔵門、銀座、日比谷、東西、千代田の各路線で、半蔵門線は来年4月に、他の路線も数年以内にダイヤを改正する。
駅により停車時間は異なるが、現在25秒未満の駅は25秒以上停車させる方針で、計97駅の約半数で延長されることになる。
今回の事故では、女性車掌(23)が、ベビーカーの左前輪の挟み込みに気づかず発車。
車内とホームで非常ボタンが押されたが、走行を続け、電車に引きずられたベビーカーは、時速約50kmでホーム上の柵に衝突した。
ベビーカーに子どもは乗っておらず、けが人はなかった。
九段下駅の現在の停車時間は20秒。
この間に、車掌は停止位置の確認やドア開閉など、10項目にわたる作業を終えねばならず、「熟練していない乗務員には余裕がないのが現状」(同社)という。
同社は、再発防止策として、ほかに、車掌が車両とホームの間の安全確認をしやすくするための緑色の板を、九段下駅を含む3駅のホームの端に設置しており、効果があれば、今後、拡大していくという。
ダイヤ改正は、都市の発展に歩調を合わせ、「より早く、より多く」と、輸送能力向上を長く目指してきた。
1990年代に、その傾向は一段落し、運輸白書に、安全を強調する傾向が見られるようになった。
2005年に起きたJR福知山線脱線事故で、その流れは加速した。
14年3月、国交省が「電車に乗るときはベビーカーをたたまなくてもよい」と指針を示し、乳幼児を連れての電車の利用がしやすくなる中、その安全性に新たな課題を投げ掛けたのが、九段下駅での事故だった。
横浜市営地下鉄でも、昨年、駅の停車時間を延ばすダイヤ改正を実施している。
社会が成熟し、バリアフリー化が進む中、効率よりも多様な利用者の安全性に配慮した視点が、公共交通機関には求められている。
◆再発防止の主な追加対策
<1>ホームドアがなく、停車時間が25秒未満だった駅での停車時間を5~10秒延ばし25秒以上にする。
<2>ホームの狭い場所に乗客がとどまらないように、構内放送やポスターで誘導する。
<3>車両の後方部にいる車掌は、トンネルの暗闇が背景となり車両付近に異常があっても見えにくいため、明るい緑色の板をホーム最前方に設置して安全確認しやすくする。
<4>非常停止合図確認灯を見えにくくしている案内看板を移設する。
<5>停車時や異常時の車掌の確認事項を分かりやすくマニュアル化。異常時の対応は時系列で表記する。
【ダイヤ改正対象路線】
半蔵門線、銀座線、日比谷線、東西線、千代田線
(ブログ者コメント)
九段下駅での事故は、下記参照。
2016年4月4日 東京メトロでベビーカーを挟んだまま発車、車内とホームで非常ボタンが押されたが新人女性車掌は車内ボタン対応に追われ気が動転して非常停止できず
(第1報 1/2)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5805/
(第1報 2/2)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5806/
(第2報;修正2)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5884/
2015年5月14日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第3報修正3として掲載します。
第1報第2報は、下記参照。
(第1報 2/2)http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4796/
(第1報 1/2)http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4795/
(第2報) http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4865/
(2016年8月5日 修正3 ;追記)
2016年7月28日付で毎日新聞東京版夕刊から、支柱基礎の構造を勘違いしていたことも一因だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。 (新情報に基づき、1報2報ともども、タイトルも修正した)
『倒壊支柱の構造、JR東把握せず』
http://mainichi.jp/articles/20160728/dde/041/040/074000c
運輸安全委員会は、28日、調査報告書を公表した。
倒壊した支柱の基礎は、高架橋上にブロックを置くタイプの構造だったが、JR東は把握しておらず、アンカーボルトで固定された強度の高い基礎だと思い込んでいたと明らかにした。
原因については、架線を支えるワイヤが通常より高い位置に固定されていた上、はりが撤去されたことで耐久力が下がったためだと指摘した。
報告書によると、4月12日午前6時10分ごろ、京浜東北線の電車の運転士が、隣接する山手線の線路間にある支柱(基礎を含む高さ約7m)が倒れてくるのを発見、非常ブレーキで停車した。
この支柱と隣の別の支柱は、2011年にワイヤで連結されていた。隣の支柱の補強が目的。
ワイヤは、基礎を大型化する計画があったことから、高さ1.9mの位置に取り付けた。
このため倒れやすくなっていたが、JR東は強度の高い基礎だと思い込んでおり、問題はないと判断したという。
7月28日10時53分に共同通信からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
『山手線、支柱強度勘違いで倒壊に JRが基礎構造把握せず、安全委』
http://this.kiji.is/131213087572738052?c=39546741839462401
傾いた段階で工事関係者や運転士らが気付いたのに情報共有がなく、何の措置も取られなかったとして、安全委はJR東に再発防止を求めた。
7月28日10時52分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
『山手線支柱倒壊、JR東の強度誤認が原因 運輸安全委』
http://digital.asahi.com/articles/ASJ7W444HJ7WUTIL02N.html?rm=346
調査報告書によると、この支柱では、11年7月、別の支柱との間にワイヤを張る工事を完了。
基礎構造が頑丈との誤った推測に基づき、ワイヤを本来よりも高い地上1.9mにつけたため、ワイヤの張力が強くかかった。
15年3月に別の支柱とつなぐはりを撤去し、支える力が低下して倒壊につながった。
倒壊2日前には、社員が支柱の傾きを把握したが、危険と判断する知識がなかった。
詳細情報をそろえて関係部署に知らせる社内慣例が対応を遅れさせた。
再発防止策として、支柱がどの程度傾けば危険か,判断基準をつくることを求めた。
2016年7月27日22時30分にNHK NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
『京成電鉄 終電前に保線作業 最終電車が箱に衝突』
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160727/k10010611011000.html
27日午前1時前、千葉県佐倉市の京成臼井駅と京成佐倉駅間の線路上で、下りの最終電車が保線作業に使うプラスチック製の箱2つと衝突し、およそ140m先で緊急停止した。
現場では、作業員8人が電線の部品を交換する工事を始めていたということだが、作業員は逃げて無事だった。
電車に乗っていた、およそ100人の乗客にも、けがはなかった。
京成電鉄によると、作業を管理する担当者が電車の運行が終わったと勘違いして、作業員に工事開始の指示を出してしまったという。
国の運輸安全委員会は、重大な事故につながりかねないトラブルだとして調査官を派遣し、詳しい原因を調べている。
京成電鉄では、「ご迷惑をおかけして申し訳ありません。詳しい状況を調べているところでコメントはできません」と話している。
7月28日付で毎日新聞千葉版からは、若干ニュアンスの異なる下記趣旨の記事がネット配信されていた。
『作業員に気づき特急が緊急停止 佐倉で京成電鉄』
http://mainichi.jp/articles/20160728/ddl/k12/040/114000c
27日午前1時ごろ、佐倉市の京成線京成臼井−京成佐倉駅間で、西馬込発京成佐倉行き通勤特急電車(8両編成)が走行中、前方約50mにいる作業員に気付いて非常ブレーキをかけて緊急停止した。けが人はいなかった。
国交省によると、電車は当時、時速70kmで走行、作業員がいた場所を140m過ぎて止まった。
作業員8人は警笛に気付き逃げて無事で、乗客乗員約100人にもけがはなかったが、運輸安全委員会は「重大インシデント」として、同日、鉄道事故調査官の派遣を決めた。
作業員は、架線の部品交換をしていた。
列車は現場で9分停止した後、終点まで運行した。
京成電鉄は、「本来は終電の通過後に始めるべき作業だった。なぜ誤ったのか、原因を調べる」としている。
(ブログ者コメント)
○毎日新聞では触れられていないが、京成電鉄HPのニュースリリースでは、NHK報道どおり、「作業用カゴに接触した」と書かれている。
http://www.keisei.co.jp/keisei/kouhou/news/160727_02.pdf
○京成臼井駅発の下り電車時刻表を確認したところ、平日は0時54分にトラブルがあった通勤特急が最終電車として発車する。
それが、土曜休日だと、最終は0時38分の快速電車。
そのことから、作業管理者が土曜休日ダイヤと勘違いした可能性も考えられる。
ただ、トラブルは26日(火)のダイヤ運行中に起きている。
金曜とか月曜であれば、勘違いの理由もわかるような気がするのだが・・・。
(2017年5月27日 修正1 ;追記)
2017年5月26日付で毎日新聞千葉版から、別の駅を最終電車が出発する時間を作業開始時間としていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
国の運輸安全委員会は25日、工事責任者が社内手続きの際に開始時間を間違った上、工事区間を走る電車の有無を確認しないなどのミスが重なったのが原因とする報告書を公表した。
報告書によると、線路上での工事の前には、電車が入らないようにする「線路閉鎖」をする必要がある。
そのための手続きの際、本来は京成佐倉駅に最終電車が到着した後の午前1時に作業を始めると申請すべきだったのに、別の駅の最終電車出発後の午前0時50分とした。
さらに当日、最終電車が京成佐倉駅に到着したことを確認しないまま工事を始めていた。
この前日にも、同様に線路閉鎖をした区間に最終電車が入っていたとみられるが、事故やトラブルはなかった。
報告書は、線路閉鎖をする場合に「関係する駅長や係員が打ち合わせをする」という社内の基準が守られていなかったと指摘。
電車の進入を防ぐため、閉鎖区間の前後では停止信号を表示するようなシステムに改めることなどを求めた。
京成はトラブルを受け、線路閉鎖をする場合に全ての電車の運行終了を指令室で確認した後に工事を始めるなどの再発防止策を実施している。
出典
『京成・工事区間電車進入 「重なったミス」原因 運輸安全委 /千葉』
http://mainichi.jp/articles/20170526/ddl/k12/040/242000c
2016年7月22日20時23分に読売新聞から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
7月22日20時34分にTBS News iからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
『ホーム監視モニター転倒…東京メトロ原木中山駅』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20160722-OYT1T50167.html?from=ycont_top_txt
『東京メトロ・原木中山駅で監視モニター倒れる』
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2827826.html
22日午後1時55分頃、東京メトロ東西線原木中山駅(千葉県船橋市)の上り線ホームで、車掌が発車前にホームを監視するためのモニター(高さ約3m、重さ約127kg)が支柱ごと倒れているのを乗客が見つけた。
けが人はなく、支柱部分の腐食が原因だという。
乗客が発見する直前、支柱が折れてモニターが倒れるのが監視カメラに映っていたという。
東京メトロによると、モニターはホームの終端から8.6m離れた場所に設置されており、今年5月25日、目視で点検した際には異常はなかったという。
同社では、23日始発までに、モニターを天井からつり下げて仮復旧させる。
また、東西、丸ノ内、有楽町の3路線に設置されている同型の自立型モニター計10台の緊急点検も実施するという。
(ブログ者コメント)
TBSの映像によれば、モニターはホーム点字ブロック帯の端から10cm程度離れた場所に設置されていた模様。
ただ、破断面の写真や映像が掲載されていないので、根元腐食だったかどうかは不明。
今後は、目視点検だけでなく、揺らしてみる点検に変更になるかもしれない。
以下は、東京メトロHPに掲載されているニュースリリース(抜粋)。
『東西線原木中山駅車掌用監視モニター転倒について』
http://www.tokyometro.jp/news/2016/156456.html
7月22日(金)13時54分頃、東西線原木中山駅2階中野方面ホーム第1車両付近に設置している自立型の車掌用監視モニターが転倒している旨、お客様からホーム上のインターホンを通じて駅事務所の駅係員に申し出がありました。
現地を確認したところ、ホーム終端から8.6mに設置している自立型の車掌用監視モニター(高さ:約3m、モニターの大きさ:縦約60㎝×横約60㎝×奥行約60㎝、総重量(支柱含む):約127㎏)がホーム上に転倒していることを認めたため、回収いたしました。
なお、お客様にお怪我等はありませんでした。
2016年7月21日20時27分にNHK広島NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
『脱線しにくい台車の走行試験』
http://www3.nhk.or.jp/hiroshima-news/20160721/3861451.html
列車の脱線事故を防ごうと、鉄道総合技術研究所が開発を進めてきた脱線しにくい台車の走行試験が、三原市で行われた。
新しい台車は、鉄道の事故調査や技術開発などを行う「鉄道総合技術研究所」が、およそ5年かけて開発してきたもの。
2か月前から三原市にある三菱重工の試験センターで走行試験が行われていて、21日、その試験の様子が報道陣に公開された。
この台車は、車輪がレールに乗り上げて脱線するのを防ごうと、カーブを走行するときは進行方向に沿って車軸を操舵できる仕組みを取り入れたほか、レールの凹凸に合わせて車輪が上下に動いてショックも和らげる仕組みになっているという。
車輪がレールに乗り上げて脱線する事故は、平成12年に5人が亡くなった東京の地下鉄日比谷線の事故など、数年に1回のペースで発生しており、研究所では、安全性の高い台車の開発を目指してきたという。
走行試験は7月下旬まで行われ、研究所では、この台車の実用化に向けて全国の鉄道会社と検討していく予定。
鉄道総合技術研究所の宮本研究室長は、「都会でも山の中の整備の行き届かない線路でも安全に走行できるよう開発を進めてきたので、鉄道会社に導入してもらいたい」と話していた。
2016年7月15日8時13分にYAHOOニュース(福井新聞)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7月14日23時34分に産経新聞westからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
14日午後3時55分ごろ、福井県永平寺町轟(どめき)のえちぜん鉄道勝山・永平寺線轟踏切で、福井発勝山行きの普通電車(1両編成)と、同町の50代女性の軽乗用車が衝突した。
えちぜん鉄道によると、電車の接近でいったん下りた遮断機のバーが、電車通過の前に上がる誤作動が起き、車が踏切内に進入した可能性がある。
電車の運転士が踏切内の車に気付き、ブレーキをかけたが、間に合わなかったという。
同社などが、詳しい原因を調べている。
警察によると、女性と電車の乗客約30人にけがはなかった。
踏切内で軽乗用車の右後方に電車が衝突したらしい。
現場は、轟駅の西側約20mにある踏切で、警報機も付いていた。
遮断機は1965~75年ごろに設置した。
毎年春に定期点検を行っており、今年4月の点検では異常はなかったという。
同社によると、車の女性と電車の運転士が、ともにバーの誤作動を目視したとしている。
電車は、約30分後に運転を再開した。
上下線合わせて7本に最大41分の遅れが出て、約300人に影響した。
同社は、同踏切に終電通過まで監視員を置き、安全確認した。
15日以降は、始発通過時から同様の措置を取る。
遮断機の動作を確認する専用の検査機器を接続し、原因を調べる。
えちぜん鉄道は、福井県と福井市など地元自治体が出資する第三セクター。
京福電鉄(京都市)の福井県内の路線を引き継ぎ、平成15年から運行している。
出典
『えち鉄踏切、遮断機誤作動で事故か 福井県永平寺町、電車と軽が衝突』
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160715-00010001-fukui-l18
『踏切誤作動、電車接近も遮断機上がる? 福井・えちぜん鉄道、車と衝突』
http://www.sankei.com/west/news/160714/wst1607140119-n1.html
(ブログ者コメント)
○遮断機が上がったということだが、警報器も鳴り止んだのだろうか?
○道路交通法第三章「車両及び路面電車の交通方法」第五節「踏切の通過」に、以下の条文がある。
第三十三条
車両等は、踏切を通過しようとするときは、踏切の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止し、かつ、安全であることを確認した後でなければ進行してはならない。
ただし、信号機の表示する信号に従うときは、踏切の直前で停止しないで進行することができる。
2 車両等は、踏切を通過しようとする場合において、踏切の遮断機が閉じようとし、若しくは閉じている間又は踏切の警報機が警報している間は、当該踏切に入つてはならない。
いくら遮断機が上がったとしても、また警報器が鳴り止んだ?としても、条文どおり、安全であることを確認しないまま、踏切内に進行してはならない。
※条文中、「信号機の表示する信号に従うときは、踏切の直前で停止しないで進行することができる。」とあるが、読み方によっては、キンコンカンコンの赤ランプが消えたら・・・とも解釈できる。
この点、確認してみたところ、社)自転車道路交通法研究会HPに、「青信号に従って進む場合は・・・」という解釈が記されていた。
「信号機が設置されている踏切で・・・」ともあるので、おそらくは踏切専用の青赤ランプのある信号機のことかもしれない。
http://law.jablaw.org/br_railroad
○機械というもの、たまに誤作動することもあるという、これは教訓的事例の一つだと感じた。
2016年7月9日21時51分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9日午前7時13分ごろ、富士急行線都留文科大学前駅(山梨県都留市田原2丁目)で、大月発河口湖行き普通電車(2両編成)がホームに車掌を取り残したまま発車するトラブルがあった。
富士急行交通事業部によると、電車の乗務員室で車掌(30)が乗客用ドアを閉じる操作をしたあと、社内書類をこの駅で回収するのを忘れていたことに気付き、再びホームに出ようとして足を滑らせ、はずみで乗務員室内の発車ブザーのボタンを押してしまった。
そのまま車掌はホームに出てしまい、電車が発車したという。
運転士は、次の駅でドアが開かないため車掌がいないことに気づき、自分でドアの開閉操作をし、その次の駅で別の車掌が乗車した。
電車は約5分遅れ、乗客約40人に影響が出た。
富士急行の聞き取りに対し、車掌は「気が動転してしまった」と話しているという。
出典
『富士急、ホームに車掌置き去り発車 足滑らしボタン押す』
http://www.asahi.com/articles/ASJ7965KSJ79UZOB00P.html
7月10日付で読売新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
男性車掌が、ドアが閉まった後、出発する直前に同駅で回収すべき書類を忘れたことに気がつき、ホームに降りる際、誤って乗務員室内の出発合図ボタンに触れ、そのままホームに降りた。
男性運転士は合図に従い、電車を発車させたという。
次の十日市場駅で運転士が車掌がいないことに気づき、運転指令へ報告。
同駅が無人駅だったため、最徐行で運転し、さらに1駅先の東桂駅で新たに車掌を乗せて運行を続けた。
車掌は乗務歴約10か月で、「ホーム上の書類のボックスまで2mほどだったので、間に合うと思った」と話しているといい、同社は、「車掌の基本動作の教育を徹底し、再発防止に努める」としている。
出典
『車掌を駅に置き去り…富士急・都留文科大学前』
http://www.yomiuri.co.jp/local/yamanashi/news/20160709-OYTNT50127.html
7月9日20時7分に産経新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同社によると、車掌はホームに置かれた箱から社内連絡用の書類を回収するのを忘れ、電車から取りに出ようとして足を滑らせ、乗務員室ドアの内側にある「出発合図ボタン」を押したという。
車掌は車外に出ており、運転士が合図に従って電車を発車させた。
車掌は同駅員に伝えた上で、線路と並行する国道139号を自力で走り、約900m先の十日市場駅を目指した。
電車の運転士は同駅で車掌がいないことに気づき、1つ先の東桂駅から別の車掌が乗務した。
同社は、「車掌がボタンで出発の取り消しを合図すべきだった。乗務員に基本動作を徹底させ、再発防止を図りたい」としている。
出典
『車掌がホームに置き去りに、滑って誤って出発合図ボタン押す 山梨の富士急線』
http://www.sankei.com/affairs/news/160709/afr1607090015-n1.html
2016年7月1日18時21分にNHK千葉から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
1日午前2時半ごろ、成田市松崎のJR成田線で、レール上に止められていた工事用の台車が無人のまま動きだした。
台車は、緩やかな下り坂をおよそ880m移動して停止し、途中で70代の男性作業員にぶつかって、男性は足などに軽いけがをした。
JR東によると、台車が移動した区間に踏切が1か所あったが、車やほかの人への被害はなく、列車の運行にも影響はなかったという。
台車は長さが2m30cm、幅2m、重さがおよそ800kgあり、工事の担当者は動きださないように車輪止めを付けていたと話したという。
当時、台車のすぐそばで柱を打ち込む工事をしていたということで、JR東は、工事の振動で車輪止めが外れたのが原因ではないかとみて、詳しく調べている。
出典
『JR台車“無人走行”1人けが』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/1083666431.html?t=1467409472526


















その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。