2016年9月16日11時32分にNHK神戸から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ベンチから立ち上がった人が、まっすぐ歩いて線路に転落する事故を防ごうと、JR西日本福知山支社は、管轄する兵庫や京都の駅のホームで、ベンチの向きを線路に対して横向きになるよう変更する工事を進めている。
このうち、篠山市にあるJR篠山口駅では、3つあるホームで、線路側を向いて座る形で設置された従来のベンチを撤去し、線路に対して横向き、垂直になるよう変更した。
JR西日本が、駅のホームで起きた人身事故を分析したところ、約6割が酒に酔った客によるもので、ベンチから立ち上がり、そのまままっすぐ歩いて線路に転落するケースが多いことがわかったという。
このため、転落事故を防ぐ安全対策として、去年から、ホームのベンチの向きの変更を進めていて、JR西日本福知山支社では、今月から来年3月までに、48の駅で工事を行うことにしている。
福知山支社管内では、昨年度、3件のホームからの転落事故が起き、その原因は、
▽酒に酔ってが1件
▽体調不良が1件
▽歩きながらスマートフォンを操作したが1件
だという。
JR篠山口駅の神田駅長は、「ベンチの向きとともに人の動きも変わり、転落防止に役立つと思う。客自身も行動に注意して、駅を安全に利用して欲しい」と話していた。
出典
『転落防止 駅ベンチの配置変更』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/2025520231.html?t=1474144056487
(ブログ者コメント)
本件、過去に以下のような同種記事もネット配信されていた。
(2016年9月3日7時3分 朝日新聞)
JR伊丹駅(兵庫県伊丹市)のホームにあるベンチは、線路と反対向きに置かれている。
線路を背に座ると、目の前には金網越しに駅前の風景が広がる。
実はこれ、転落事故を防ぐため。
JR西日本が過去の例を調べると、ベンチから立ち上がった酔客が、線路に向かって歩いて落ちるケースが最も多かった。
他の駅では、ベンチの向きを線路と直角に変えているが、ホームが狭い伊丹駅は反対向きになった。
外の景色に気をとられ、後ろの電車を逃さないように。
出典
『ホームのベンチ、線路と反対向き JR伊丹駅の工夫と』
http://www.asahi.com/articles/ASJ8V53JBJ8VPTIL021.html
(2015年4月26日 日刊ゲンダイ)
写真は、JR新大阪駅のホーム。
な~んか普通と違うなと思ったら、ベンチの向きが線路と垂直になるように設置されていた。
なぜか。
JR西日本東京広報室に聞いた。
「数年来、酔ったお客さまがホームから転落する事故が増えています。その防止策です」
国交省のこんなデータがある。
2013年度に発生した「ホームでの接触」による人身障害事故は221件。
そのうち133件が酔客に関わるもので、33件だった10年前の実に4倍だ。
これを受けて、JR西日本安全研究所が事故映像を分析した結果、酔客の行動パターンが明らかになった。
転落の状況は、
▽「ホーム上から突然線路に向かって歩きだし、そのまま転落」が約6割を占め、
▽次いで、「直立状態から突然大きくバランスを崩して転落」が約3割。
▽「ホームの端を線路と平行に歩いている最中に、ふらついて足を踏み外して転落」は、意外にも約1割だった。しかも、大半が歩きだして数秒後に転落していたという。
そこで、まずは新大阪駅のホームのベンチの向きを、線路と垂直になるよう設置した。
線路への方向を変えて距離も延ばすことによって、ベンチから突然立ち上がった酔客の転落事故を未然に防ぐのが狙いだ。
「新大阪駅では、4本あるホーム(1本は工事中)の25カ所のベンチすべてに対策を講じ、手始めに1月18日から供用を開始した新13番、14番ホームで実施しました。現在、JR西日本で少なくとも1カ所は導入している駅は、近畿地方に9駅(尼崎、摂津富田など)、中国地方に6駅(広島、宮島口など)あります。今後もホームの幅や形状などを考慮しながら、安全への取り組みを進める方針です」(同)
ちなみにJR東日本は――。
「新宿駅の中央線特急ホームをはじめ、線路と垂直になったベンチは数カ所ありますが、目的は明解ではありません。導入する予定も、現時点ではありません」(広報部)
出典
『街中の疑問 新大阪駅ホームのベンチ なぜ「向き」が線路と垂直なのか』
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/159354
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。