2015年5月21日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正2として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4884/
(2016年9月23日 修正2 ;追記)
2016年9月17日付で毎日新聞千葉版から、パイプの強度自体がなかった可能性が高いという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
(新情報に基づき、第1報ともどもタイトルも修正した)
山武市蓮沼の遊園地「県立蓮沼海浜公園こどものひろば」で、昨年5月、ゴンドラ型遊具が高さ4mから落下し、母と娘が負傷した事故。
国交省の審議会が16日公表した報告書で、公園を管理・運営する第三セクター「千葉県レクリエーション都市開発」(山武市)が、建築基準法で定められた建築確認の申請をしていなかったことが明らかになった。
県は、申請を求めて遊具の強度チェックをしていれば事故を防げた可能性もあったと認め、県立公園の違法状態を放置したことを陳謝した。
事故があったのは、つり下げ型の電動モノレール「スカイパイレーツ」。
昨年5月2日午後3時10分ごろ、ゴンドラ1機をつり下げる支柱が溶接部分で壊れて落下し、茨城県の女性(当時41歳)が胸の骨を折り、娘(同3歳)も全身を打撲した。
破断したのは、2週間前にアルバイト従業員が長さ3cmの亀裂を見つけ、製造業者が工場に持ち帰らずに現場で補強部品を溶接するなどした部分。
報告書は、
▽溶接方法も補修技術も不適切だった
▽千葉レク社の責任者は補修内容の点検をせず運行を再開しており、安全管理体制が不十分だった
と指摘した。
一方、ゴンドラについて、「溶接が適切に行われても、建築基準法に定める強度がなかった可能性が高い」と、設計段階で必要な強度を満たしていなかった可能性も指摘した。
建築基準法では、このような遊具は県などに建築確認を申請し、強度チェックを受けるよう定めている。
しかし、事故を起こした遊具は、乗り場部分は申請されたが、レールや客が乗るゴンドラ部分は、県が1988年に設置した時も、千葉レク社が2002年に足こぎ式から電動式に交換した際も、申請していなかった。
県建築指導課の担当者は、設置時に申請しなかった理由について、「ジェットコースターなどを主にした規定のため、この遊具が対象なのか判断できなかったようだ」と説明。
00年に国から該当する遊具が具体的に示された際に対象と分かったものの、その時期はさびがひどく、使用を休止していたという。
県立公園を管理する県公園緑地課の小山・県立公園室長は、「建築基準法の担当は、建築指導課という役割分担が念頭にあった。電動式に交換した02年に、建築指導課に一声かけるなどして連携していれば、事故を防げた可能性もあり、反省している」と陳謝した。
スカイパイレーツは現在休止中で、廃止される予定。
千葉レク社の川嶋・蓮沼海浜公園管理運営部次長は、「けがをされた方にも、安全性を信じて来てくれた利用者の方々にも申し訳ない。点検や運行管理を強化しており、二度と事故を起こさない決意だ」と話した。
警察は、この事故について業務上過失傷害容疑で捜査している。
出典
『山武のゴンドラ落下事故 千葉レク社、建築確認申請せず 県立公園「違法状態」 県陳謝』
http://mainichi.jp/articles/20160917/ddl/k12/040/342000c
9月16日11時13分に朝日新聞からも、同趣旨の記事が写真と図解付きでネット配信されていた。
国交省は、16日、調査部会の報告書を公表した。
客車をつるす鉄製パイプの強度が弱く、補修の溶接もずさんで、事故につながったと結論づけた。
事故の約2週間前、管理する千葉県レクリエーション都市開発の職員がパイプに約3cmの亀裂を見つけ、鋼板を溶接して補強していた。
しかし、手法が不適切で、報告書は「補強の効果はほとんどなかった」と指摘した。
また、2002年に客車をペダル式から電動式に変えた際、建築基準法に基づく届け出をしていなかったことも判明。
パイプは、建築基準法が求める強度の半分しかなかった。
出典
『モノレール落下事故、客車つるパイプ強度が不十分 千葉』
http://www.asahi.com/articles/ASJ9H01PGJ9GUTIL065.html
(2017年12月24日 修正3 ;追記)
2017年12月2日付で毎日新聞から、次長らが書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
山武署は1日、運営する第三セクター「千葉県レクリエーション都市開発」の次長(43)と課長(41)、同市の遊具設計保守会社の社員(72)=いずれも男性、肩書は当時=を業務上過失傷害容疑で千葉地検に書類送検した。
送検容疑は15年4月下旬、遊具に入った亀裂について運営会社が詳細な補修方針を指示せず、業者の補修も不十分なまま運行を再開させ、約2週間後の5月2日にゴンドラが落下する事故を起こし、乗っていた茨城県職員の女性(44)に肋骨骨折などの重傷を負わせたとしている。
3人は容疑を認めているという。
同署によると、運営会社と女性の間で示談が成立したことから、「寛大な処分を求める」との意見を付けた。
出典
『山武のゴンドラ落下 客負傷 3人を書類送検 業過傷害容疑』
https://mainichi.jp/articles/20171202/ddl/k12/040/171000c
2017年12月19日12時20分に産経新聞からは、不起訴になったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
千葉地検は18日、公園の管理会社の42歳と44歳の男性社員2人と、修理会社の男性社員(73)をいずれも不起訴処分にしたと発表した。
地検は処分理由について、過失内容や事故後の対応などを考慮した結果としている。
出典
『千葉・山武のゴンドラ事故 管理会社社員ら不起訴』
http://www.sankei.com/affairs/news/171219/afr1712190028-n1.html
12月19日付の千葉日報紙面には、下記趣旨の記事が掲載されていた。
怪我を負った女性と示談が成立していることや、同遊具を今後撤去するなどの対応を考慮したものとみられる。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。