2016年9月15日0時5分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
小型無人飛行機「ドローン」の災害対策や学術分野での活用を模索する動きが加速している。
4月にあった熊本地震では、被災地の動画撮影にとどまらず、赤外線カメラを使った建物倒壊の危険度を推定するシステムの試みもされた。
人工知能を取り入れた自動制御の研究も進む一方、安全な飛行に関する更なるルール作りを望む声もある。
4月下旬、熊本地震で家屋5000棟以上が全半壊した益城町の町民グラウンド付近から、1機のドローンが飛び立った。
地上のモニターで様子を見守るのは、防災計画を研究する金沢大の藤生慎助教ら。
機体に取り付けた赤外線カメラによる映像が映し出されている。
屋根のうち、瓦とそれ以外では、熱の伝わり具合が異なる。
熱を感知できる赤外線カメラの映像で見ると、瓦は赤白っぽくなるが、瓦が落ちていると紫色になる。
藤生さんは、この映像から、余震によって壊れやすい建物を、できるだけ自動で判別するシステムができないかと考えている。
調査では、道路沿い300mほどの家屋被害を撮影。
それとは別に、町内を歩き、立ち入りが「危険」や「要注意」などの建物を見分ける「応急危険度判定」の結果も持ち帰った。
両者の情報をつなげることで、色から危険度を自動判定できるモデルを作ろうとしている。
藤生さんは、「赤外線カメラから詳細なデータを取れたので、実現性はあるのではないか」と話す。
火山観測でも、ドローンが登場している。
東京大学の森俊哉准教授は、2014年9月に噴火した御嶽山の噴煙に、同年11月と15年6月の2回、ガスセンサーを搭載したドローンを突入させた。
マグマの影響を測る指標となる、硫化水素や二酸化硫黄を測定。二酸化硫黄の放出量が減少していることなどが分かった。
噴火活動が低下しているという判断につながったという。
従来、ガスの放出量測定データは、火口内や付近に人が近づいたり航空機で上空を飛行したりして採取していた。
森准教授は、「従来より安全で容易にデータ採取ができる。(一定の場所にとどまる)ホバリングもでき、より詳細な調査も今後できるようになるのではないか」と期待する。
今後、ドローンの用途で注目されているのが、人工知能(AI)との連携だ。
国立情報学研究所(NII)では、ディープラーニング(深層学習)という人工知能技術を活用。
上空を飛ぶドローンが地上を撮影し、火災や交通事故といった異変を自動的に人に知らせるシステムを検討しているという。
今年度から、東京都奥多摩町で、実証実験もスタートさせた。
複数機のドローンが、食料品などを山間部に自動的に届けるネットワークを作り、飛行中に異変を察知する仕組みも目指す。
研究チームの一員の多田直輝さんは、「ドローンの処理能力や通信機能能が、今後、向上し、AIとうまく組み合わせれば、さらに幅広い活用が期待される」と話す。
ドローンが本格的に使われ始めて、数年。
安全に利用するための模索が続いている。
国内では、昨年、人混みに落ちてけが人が出たり、首相官邸の屋上でドローンが発見されたりした。
これを受け、航空法が改正された。
人口密集地域や上空150m以上の空域などでドローンを飛行させるためには、国交省への事前の申請が必要となった。
一方、米国では、連邦航空局が、ドローンの商用飛行を8月に解禁。筆記試験に合格するなどした利用者は、個別申請なしで使用できる。
ドローンの操縦技能の証明証発行などに取り組む日本UAS産業振興協議会の鈴木理事長は、「操縦技術や法知識などの教育を促進することが重要。有人機と無人機とが安全に運航できる仕組みの検討も必要だ」と話す。
出典
『ドローン、災害の現場や研究で活躍 倒壊の危険度推定も』
http://www.asahi.com/articles/ASJ9D463QJ9DULBJ00K.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。