2017年5月6日17時30分に共同通信から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警報機と遮断機のない「第4種踏切」で事故が後を絶たず、国土交通省が安全対策や統廃合を呼び掛けている。
遮断機などの新設には1000万円以上かかるため、鉄道事業者は統廃合に重点を置くが、住民の理解が得られず、交渉が難航するケースも多い。
地元自治体は、事業者と住民の間で対策に苦慮している。
昨年9月、茨城県筑西市の関東鉄道常総線の踏切で、自転車に乗った小学4年の男児=当時(9)=が列車にはねられて死亡した。
友達の家に遊びに行った帰り道。
車が通れないほどの狭い踏切の手前は、雑木が生い茂って見通しが悪かった。
「もう少し早く何らかの対策が取られていれば」。
遺族は、行き場のない思いを抱えている。
国交省によると、2015年度までの5年間で、第4種踏切100カ所当たりの事故件数は、遮断機と警報機が整備された踏切の1.5倍。
関東鉄道でも、過去10年に6人が死亡した。
筑西市は、小4男児の事故を受け、第4種踏切に看板を設置したり、枕木に塗装したりする安全対策を実施。
地元自治会との協議を重ね、事故現場の踏切など2カ所を今年3月に廃止した。
一方で、農作業用の車両が利用したり、住宅の入り口が近くにあったりするなどの理由で、地域住民が反対するケースも多い。
今回廃止された踏切を挟んで住宅と畑を所有する80代の女性は、「高齢で遠回りは大変」と肩を落とした。
鉄道事業者は、「利用者が少ない踏切で遮断機などを整備するのは、費用面で現実的ではない」との立場。
住民への説明を重ねてきた同市の植木調整監(61)は、「多少の利便性は失われても、安全第一。住民の生活に寄り添いながら理解を求めたい」と話す。
男児の祖母(55)は、「半年たっても悲しみは癒えない。他の方がつらい思いをしないよう、少しずつでも対策を進めてほしい」と訴えた。
出典
『警報機ない踏切で対策を 茨城、住民との交渉難航』
https://this.kiji.is/233478959920088566?c=39546741839462401
(ブログ者コメント)
〇記事には、「事故後、周囲の雑木が伐採された現場の踏切」というタイトルの写真が掲載されている。
〇本件、同種記事として、運輸安全委員会が踏切廃止などを提言したという記事を5月6日に掲載したばかりだ。
2017年4月27日17時26分にNHK四国から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
去年7月、愛媛県伊予市のJR予讃線の警報機や遮断機のない踏切で、近くに住む73歳の男性が特急列車にはねられて死亡した。
この事故について、国の運輸安全委員会が調査を行い、報告書をまとめた。
このなかでは、現場の踏切について、「歩行者は、特急列車が210m先まで近づかないと確認できず、列車が踏切にさしかかるまで6秒しかない。歩行者が余裕を持って踏切を渡ることができない可能性が考えられる」と指摘している。
そのうえで、再発防止策として、警報機や遮断機の設置が望まれるとしているほか、この踏切自体を廃止することについても検討する必要があると結論づけた。
JR四国は、「調査報告書を見て、今後も協議を続けていきたい」とコメントしている。
出典
『去年7月の踏切事故で報告書』
http://www.nhk.or.jp/matsuyama-news/20170427/5912601.html
4月27日16時37分にNHK茨城からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
去年9月、筑西市井上の関東鉄道常総線の踏切で、自転車に乗って横断していた小学4年生の男の子が列車にはねられて死亡した事故で、運輸安全委員会は報告書を公表した。
それによると、現場の踏切は警報機も遮断機も設置されておらず、手前の道路脇には木が立ち並び、踏切に近づかないと列車が見えない状態だったと指摘している。
このため、男の子は接近する列車に気付かないまま踏切に入った可能性があるとしている。
そのうえで、報告書では、関東鉄道常総線に45か所ある警報機と遮断機がない踏切の廃止や安全設備の設置を、鉄道会社や住民などが協議するよう求めている。
また、学校や家庭で子どもたちに対し、踏切の通行方法や注意点を継続的に指導していくことも求められると指摘している。
筑西市は、事故の起きた踏切をすでに先月で廃止し、そのほかの警報器と遮断機のない踏切も、う回路を整備して廃止する方向で住民と協議を進めている。
出典
『常総線事故で報告書 踏切廃止も』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/mito/1075973631.html
2017年4月21日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/7020/
(2017年4月29日 修正1 ;追記)
2017年4月22日14時59分に産経新聞から、誰も非常ボタンを押さなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
・・・・・・
事故は、踏切の安全確保の難しさも浮き彫りにした。
京急電鉄によると、現場踏切には、車などの大きな障害物を検知する光電式の「障害物検知センサー」が備えられていたが、人のサイズはセンサーの死角に入ることが多く、事故当時も作動しなかった。
作動すれば、発光信号機が点灯して踏切内の異常が運転手に伝わり、事故防止に役立つ。
一方、次回の設備更新で導入を予定している、より高感度のレーダー式センサーにも、人のサイズを必ず検知できる能力はないという。
同社は、「死角を完全に埋める技術がまだない。感度を上げすぎても、鳥などに反応して通常運行に悪影響を及ぼす可能性があり、課題が多い」と説明する。
また、現場の踏切に4つ設置されていた非常停止ボタンも、いずれも押されなかった。
トラブル発生時に非常ボタンを押す行為が一般に浸透していなかったとみられ、同社は、「異常があったら、少しでも早く押してほしい」と重要性を訴える。
・・・・・
出典
『発生から1週間、広がる悲しみ… 検知センサー、非常停止ボタン、事故防止策機能せず、重い課題残す』
http://www.sankei.com/affairs/news/170422/afr1704220016-n1.html
2017年4月16日14時30分にNHK首都圏から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
15日午前9時すぎ、川崎市川崎区の京浜急行の踏切で川崎市の77歳の男性と横浜市の52歳の男性とみられる2人が下りの電車にはねられ、いずれも死亡した。
これまでの調べで、高齢の男性が踏切に入ったあと、52歳とみられる男性が遮断機をくぐって入っていて、警察は、男性が高齢の男性を助けようとしたものの間に合わず、はねられたとみている。
その後の調べで、現場の防犯カメラの映像で、遮断機が下りたあと、男性が踏切に向かって声を出しながら手招きし、踏切内に入っていったことが、警察への取材でわかった。
防犯カメラには声は録音されていなかったということだが、電車の運転士は、踏切内で男性が高齢の男性の腰に腕を回し、踏切の外に連れ出そうとするような様子を目撃していた。
警察は、男性が電車が接近する中、踏切内にとどまる高齢の男性に気付き、救出しようとしたとみて、当時の状況を詳しく調べている。
事故があった踏切に花を手向けに訪れた近所の50代の女性は、「私が同じ状況に遭遇したら、助けようとした男性のような行動が取れるか、難しいと思いました。勇気ある行動だと思います」と話していた。
出典
『声出しながら手招きし踏切内へ』
http://www.nhk.or.jp/shutoken-news/20170416/5622281.html
4月16日22時50分に朝日新聞から下記趣旨の続報的記事が、ネット配信されていた。
4月17日21時12分に読売新聞からも、同趣旨の記事が解説図とともにネット配信されていた。4月18日7時2分にNHK神奈川からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
川崎市川崎区の京急八丁畷(はっちょうなわて)駅近くの踏切で15日朝、男性2人が電車にはねられ死亡した事故で、川崎署は16日、70代とみられる男性を救い出そうとした男性は、横浜市鶴見区の児玉さん(52)だったと発表した。
児玉さんは横浜銀行勤務で、同行によると人財部主任人事役。
遺族は「突然の出来事であり、ただただ驚くとともに、現時点では心の整理がつかない状態です」とのコメントを出した。
署によると、踏切に設置されたカメラには、事故直前の男性2人が映っていた。
15日午前9時過ぎ、70代男性は乗ってきたタクシーを駅前で降り、警報灯が点滅を始めた後、踏切の中に入り、約3.7m先の線路上で立ち止まった。
児玉さんは、向かい側から踏切を渡り終え、駅の改札へと歩いている時に70代男性の姿に気づき、声をかけたり、手を動かしたりした。
約10秒間動作を続けた後、児玉さんも踏切内に入っていった。
その後、踏切内に入って男性を引き戻そうとしたが、約2秒後にはねられた。
警察は、接近する電車の危険を認識しながらも救助に向かったと見て、詳しい状況を調べている。
川崎市消防局によると、事故直後に神奈川県警警から連絡があり、救急車2台など5台が出動した。
70代とみられる男性はけがの程度がひどく、搬送しなかった。
児玉さんは川崎区にある市立川崎病院に運んだが、間もなく死亡が確認されたという。
事故から一夜明けた16日、現場には花束を手向け、冥福を祈る人が相次いで訪れた。
現場は、川崎市川崎区と横浜市鶴見区の境付近。
八丁畷駅は普通電車しかとまらず、頻繁に遮断機が下りる。
車いすに乗っている川崎区の男性(64)は、「閉じかけているのに渡る大人が結構いて、危ないと感じていた」と話した。
出典
『救出中に死亡したのは銀行員の男性 川崎の京急踏切事故』
http://www.asahi.com/articles/ASK4J5277K4JULOB00J.html
『横浜銀行員、踏切内の男性に気づきすぐに救出へ』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170417-OYT1T50083.html?from=ycont_top_txt
『児玉さん危険認識も救助に向かう』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/1056067441.html
4月17日16時52分にNHK神奈川からは、児玉さんの人となりについて、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
横浜銀行によると、亡くなった児玉さんは、横須賀市の追浜支店長や藤沢市の辻堂支店長、それに川崎支店の上席副支店長を経て、おととし8月から人財部の主任人事役を務めていた。
人財部では、銀行内の人事や新入行員の採用などを担当していたという。
児玉さんの元同僚で、およそ30年にわたって親交の深かった男性は、児玉さんの人柄について、「気配りができて上司からも部下からも信頼が厚く、特に部下からの相談をよく受けていました。採用担当として、不合格になった学生への電話でも一人一人時間を取って、面接の仕方など気付いたことを丁寧にアドバイスするなど優しく、人を助けるために労をいとわない性格でした。いま思えば、彼らしい最期と言えるかもしれませんが、とても残念です。惜しい人を亡くしました」と話していた。
出典
『救助の男性は採用担当』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/1055630182.html
4月17日20時14分に共同通信からは、高齢男性は自殺しようとしていた可能性が高いという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
川崎署は17日、踏切内に先に立ち入り、死亡した高齢の男性の身元を、同区の無職男性(77)と確認したと明らかにした。
署は、自殺の可能性が高いとしている。
署によると、男性は以前から家族に「死にたい」と話していた。
事故直前にタクシーで現場近くまで来ており、詳しい経緯を調べる。
出典
『川崎の踏切で死亡男性は自殺か 身元を確認』
https://this.kiji.is/226662165918662662?c=39546741839462401
2017年2月28日5時0分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
高齢者が踏切内に取り残され死亡する事故が相次いでいる。
東京都内では、2月だけで3件発生。
平成17年度以降で踏切事故の発生は微減しているが、死傷者は横ばいが続く。
事故を防ごうと、鉄道各社は車だけでなく、人まで感知する高精度の障害物検知装置の導入を進めているが、対策が追いついてない。
警視庁も、事業者に高精度装置導入を求める異例の要請をした。
今月10日午後6時前、東京都葛飾区の京成押上線京成立石駅近くの踏切内で、電動アシスト自転車を支えながら遮断機を上げて逃げようとした男性(89)が、快速特急電車にはねられた。
前日には豊島区で転倒した女性(78)が、さらに8日にも日野市で男性(69)が横断中に取り残され、踏切内で死亡した。
警視庁などによると、現場となった踏切には、いずれも高精度の検知装置はなかった。
従来型の、照射された光を遮ることで障害物を検知する「光電式」とされる装置がある踏切もあったが、主に車を検知するもので、人には反応しなかった。
現在、立体的な検知ができる「3次元レーザーレーダー方式」といった、高精度の検知装置が注目されている。
従来、経費面のほか、精度が高すぎて動物や雪などにも反応することなどから、導入が進んでいなかった。
だが、「安全性を突き詰めると、危険を検知したら電車を止めることが一番」(京成電鉄)として、鉄道各社が導入に前向きだ。
現在、8カ所の踏切で導入している西武鉄道も、事故現場となった豊島区の椎名町駅近くの踏切で検討を始めた。
こうした事故を受け、警視庁は今月20日、緊急に12事業者を集め、高精度装置導入を呼びかけた。
国交省のまとめによると、自殺などを除く全国の踏切事故は、踏切そのものの減少や遮断機の整備に伴い、減少傾向にある。
しかし、17年度から27年度までの死者数は100人前後で推移しており、重大な事故は後を絶たない。
特に、高齢者が関係する事故が目立ち、27年度に60代以上が関係した事故は半数を超えた。
同省は27年、高齢者に特化した事故対策の検討会を開き、事業者向けの対策を公表。
検知装置を含めた踏切の安全対策や迂回路の整備を進めるよう求めた。
もっとも、一番の対策は鉄道を高架化や地下化し、踏切をなくすことだ。
鉄道と道路の立体交差は、主に道路管理者が計画することになっており、都は現在、8路線で連続立体交差事業を進め、4路線で準備中としている。
立石駅を含む京成押上線の2.2kmでも事業が始まっているが、14~34年度の期間が見込まれている。
長期化は免れない。
警視庁の担当者は、「高架化を待たず、事業者だけで可能な手立ても進めていかなければならない」と危機感を示し、「遮断機は前に押せば開くことや、取り残された人を見たら非常ボタンを押すことなどを、車内アナウンスなどで周知してほしい」としている。
出典
『繰り返される悲劇 高齢者踏切事故 都内で今月3人死亡 検知装置導入追いつかず』
http://www.sankei.com/affairs/news/170228/afr1702280002-n1.html
2017年2月27日10時24分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
青森県五所川原市下岩崎の津軽鉄道の踏切内で、昨年9月、普通列車と軽乗用車が衝突し、運転していた女性(当時70歳)が死亡した事故で、国の運輸安全委員会は調査報告書をまとめ、線路脇の雑木林などが列車を見にくくし、車の十分な左右の安全確認を妨げたことなどが事故につながった可能性があると指摘した。
報告書によると、踏切は遮断機がなく、農道にかかっていた。
線路は両側より高くなっており、周辺は雑木林や休耕田などがあった。
分析の結果、事故当時、運転士は踏切の手前約50mで軽乗用車が踏切に近づくのを確認したが、女性は雑木林や雑草などに視界を遮られ、目視で列車の接近を確認できなかった可能性があるとした。
車の窓を開けて周囲の音を聞くなどしていなかったと考えられるほか、雨や、踏切の直前で上りが急になっている地形も、注意力を低下させた可能性があるとした。
事故後、津軽鉄道は、見通しを良くするために、雑木林や雑草の伐採を定期的に実施するようにした。
一時停止を呼び掛ける看板の設置などで、再発を防ぐとしている。
出典
『雑木林で列車見えず、踏切で衝突事故…報告書』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170224-OYT1T50216.html
(ブログ者コメント)
ブログ者は、しばしば、千葉県中央部に位置する久留里まで銘水を汲みに行っている。
その途中、久留里に着く少し手前に、小湊鉄道と国道410号線とが鋭角に交差する踏切があるのだが、そこでは、運転席で身体を斜めにひねっても、たしか民家だったかが障害になって、線路の先を見通すことができない。
当該踏切は遮断機付き。
しかし、列車が来ていないことを確かめなければならない。
普通の踏切だと目で見て確認するのが一番だが、その踏切では不可。
よって、窓を開けて音を聞き、また対向車の動きを見たりして踏切を渡っているのだが、毎回、これでいいのだろうか?と感じながら通っている。
ただ、上記津軽鉄道ケースと異なり、民家?の撤去は難しいだろうし、ましてや線路あるいは国道410号線のルート変更など不可能だ。
致し方なし・・・といったところなのだろう。
今回の事例に接し、そんなことが頭をよぎった。
2017年2月26日19時48分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2月26日21時52分に読売新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
26日午前11時ごろ、東京都府中市の京王線分倍河原駅で、同市の中学2年の男子生徒(14)がホームから転落した。
警察などによると、進入してきた特急列車の車両の一部が男子生徒の上を通過したが、男子生徒はとっさに、線路の枕木と車両の隙間(幅約1.4m、高さ約40cm)でうつぶせになって電車を避け、無事だった。
警察によると、友人と2人でホーム上を歩いていた男子生徒が、誤って1.2m下の線路に転落。
一緒にいた友人は、「話しながら歩いていたら、急に落ちてしまった」と話しているという。
京王電鉄によると、時速55kmで進入しようとしていた特急列車が、約75m手前で急ブレーキ。
列車は減速したが、先頭車両の一部が男子生徒の上を通過。
しかし、電車とは接触しなかったという。
男子生徒にけがはなく、駆け付けた駅員らに「大丈夫です」と話したが、検査のため、病院に搬送された。
男子生徒は、「足の治療をした後で、つまずいてしまった」と話したという。
出典
『中学生が線路に転落 特急下のすき間に入り無事 京王線』
http://www.asahi.com/articles/ASK2V67H5K2VUTIL020.html
『40cmすき間にうつぶせ、線路転落の中2無事』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170226-OYT1T50105.html?from=ycont_top_txt
(ブログ者コメント)
〇たまたま数週間ほど前のテレビで、芸能人?がレールの隙間に横たわり、その上を車輪と車軸だけの模擬列車?が通る実験?を行っていたシーンを見かけた。
その芸能人?は、たしか、「背中に当たった」などと言っていた。
やはり、体格によって、助かる場合とそうでない場合がありそうだ。
気になって調べてみると、以下の情報が見つかった。
上記記事では、今回事例の隙間高さは40cm。
一方、下記記事では、一般的な値として20cmちょっと。
数字に差はあるが、ご参考まで。
(2014.08.01 乗りものニュース 鉄道ライター 恵知仁氏)
列車にひかれそうになったものの、線路と車両の隙間に入り込み九死に一生を得たという事例がしばしばあります。
その隙間、どれぐらいの大きさなのでしょうか。
アメリカで、女性が線路を歩いていたら列車が接近。
線路へうつぶせになったところ、女性に接触することなくその上を列車が通過、危機一髪の生還を果たしたというトラブルを、2014年7月30日(水)、NHKが伝えました。
このように、列車にひかれそうになったものの、線路へ寝そべって助かったという事例は、日本でもしばしば発生しています。
2013年6月17日には、兵庫県のJR神戸駅で、列車がホームに進入する直前、男性がホームから転落。
運転士が非常ブレーキをかけますが間に合わず、男性の転落場所を通り過ぎて、列車は停止しました。
しかし幸いにも、転落した男性は線路と車両の隙間に入り込み、軽傷で済んでいます。
このような場合に明暗を分ける「線路と車両の隙間」。
メタボリックな方はそれに期待するのは難しいと思われますが、では、はたしてどれくらいの体格なら、それで助かる可能性があるのでしょうか。
線路から車両までどれぐらいの隙間があるのか、計算してみたいと思います。
鉄道車両の最低地上高は、国土交通省の「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」によって、基準が示されています。
・・・・・・・
線路と車両の隙間は、レールが低いローカル線を除けば200mmほどあることになります。
中肉中背の体格であれば、男性でも精一杯地面にへばりつけば、助かる可能性がありそうです。
眼前を、それも数mm単位の眼前を列車が通過していくと思うと、想像しただけで恐ろしいですけれども。
線路に転落することのないよう、ホームの端を歩かないなど、くれぐれもお気をつけください。
万が一、転落したとしても、線路にへばりつくのではなく、ホーム下の退避スペースなどへ逃げるべきです。
※ここに挙げた数値は、線路と車両に必ずそれだけの隙間があるというものではありません。
ひとつの目安であり、レールの摩耗や線路の種類などによって、数値は多少変わります。
出典
『命を救う「線路と車両の隙間」 どの体格までOK?』
https://trafficnews.jp/post/35779/
〇一方、ブログ者の手持ち資料(安全工学講座5 人身災害、海文堂)によれば、平均的な体形の人の身長との比率で示した、うつぶせ状態での作業域高さは、上げた頭のトップまで22.4%。
仮に今回の中学生の身長が160cmだったとすれば、トップまで36cm。
当然、頭は下げていただろうから、それ以下。
40cmの隙間であれば、かろうじて助かることになる。
2017年2月24日18時15分にNHK新潟から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
24日朝、JR越後線の新潟市の踏切でレールの一部が切れているのが見つかり、一部の区間で上下線とも、最大で4時間にわたって運転を見合わせた。
レールが切れるトラブルはあまりないということで、JRが原因を調べている。
24日午前6時半ごろ、JR越後線の線路内の一部の信号が切り替わらないトラブルが起き、JRが調査したところ、新潟市の内野と新潟大学前の間の踏切でレールが切れているのが見つかった。
JRによると、線路の継ぎ目ではない鉄でできたレール1本が切れ、およそ1cmの隙間ができていたという。
この結果、線路上の信号機に電気が送れなくなり、越後線は一部区間で上下線とも最大で4時間にわたって運転を見合わせ、一万人近い乗客に影響が出た。
JRによると、線路の点検は今月17日に行われ、その際、異常は見つからず、始発などの運行にも影響はなかったという。
JR東日本新潟支社は、「多くの方にご迷惑をおかけし申し訳ございません。今後、調査を進め、原因を明らかにしていきます」としている。
出典
『JR越後線でレールが切れる』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/1034203802.html?t=1487969625703
2017年2月23日12時29分にNHK東海NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
去年4月、岐阜県美濃市で、第3セクターの長良川鉄道の列車がトンネル内で脱線し、運転士の男性が胸の骨を折る大けがをした事故で、国の運輸安全委員会が報告書を公表した。
それによると、トンネル内の漏水でレールが腐食していたことや、まくら木のボルトが緩んでいたことなどから、列車の重みでレールが沈み込んで折れ、脱線した可能性があると指摘した。
また、会社側は、レールの交換に摩耗の程度などの基準を設けていたものの、点検は長年、目視だけで行うなど、十分ではなかった可能性があると指摘した。
その上で、再発防止策として、トンネル内の漏水している場所で、重点的にレールの腐食状況を確認した上で、腐食を防ぐためにレールに防腐剤を塗ることなどを求めている。
出典
『脱線はレールの腐食が原因か』
http://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20170223/4147981.html
事故発生当時の状況は、2016年4月15日23時23分に朝日新聞からネット配信されていた下記記事参照。
15日午後7時半ごろ、岐阜県美濃市須原の須原トンネル(全長約280m)内で、岐阜県などが出資する第三セクター「長良川鉄道」(本社・同県関市)の北濃発美濃太田行き1両編成のディーゼル車が脱線した。
男性運転士(35)が肋骨を骨折し、乗客の男女2人にけがはなかった。
警察と同鉄道によると、トンネルは車両の進行方向に向かって右にカーブしており、何らかの原因で後輪が左側に脱線した。
衝撃で、車体の一部がトンネルの壁面に接触したという。
この事故の影響で、美濃市―郡上八幡間は終日運休。
16日も、同区間は運休する見通しだという。
国の運輸安全委員会は、16日、調査官2人を現地に派遣し、原因を調査する。
出典
『長良川鉄道、トンネル内で脱線 運転士が軽傷 岐阜』
http://www.asahi.com/articles/ASJ4H728QJ4HOHGB01G.html
2017年2月20日14時56分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
新幹線の車内に火を付け自殺を図ろうと、男(44)がガソリンやライターを持ち込んでいたことが岐阜県警の捜査で発覚し、2015年に起きた東海道新幹線放火事件後のJRの対策が無力だったことが露呈した。
専門家は、「入り口で犯罪を止める技術開発が必要だ」と指摘。
利用者数の多さから最も有効な荷物検査に踏み切れないJRは、頭を悩ませている。
15年6月の事件では、走行中の東海道新幹線の客室で男が焼身自殺。
乗客の女性1人が巻き込まれて死亡し、新幹線で初の「列車火災事故」と認定され、関係者に衝撃を与えた。
対策に取り組んだJRや私鉄各社は、16年4月、ガソリンなど可燃性液体の車内持ち込みを禁止。
鉄道営業法に基づき、不審な客には荷物検査をし、ガソリンなどが見つかれば途中下車させるとした。
他に、新幹線デッキ部分の防犯カメラ増設や、客室内の常時録画を始め、防煙マスクや耐火手袋の常備も決めた。
警察とも連携して駅での見回りを強化。
「警戒」の腕章を着ける係員を増員し、「見せる警備」も進めた。
しかしJR東海は、空港のような荷物検査は「利用者の滞留を招き、運行に大きく影響する」と、導入しなかった。
担当者は、「利便性を損なわない探知技術があれば積極的に取り入れたいが、現状では、意識啓発中心にならざるを得ない」と話す。
こうした中、男は昨年12月4日、ガソリン8ℓとライターをキャリーバッグに入れ、岐阜羽島駅で切符を購入して新幹線に乗車したとされる。
事前の発見はできず、男は「自殺するつもりだったが、車内の多くの客を見てやめた」と京都駅で下車し、派出所にキャリーバッグを持って出頭。
男の供述で初めて事態が発覚し、男は現住建造物等放火予備容疑で追送検された。
JR東海は、男が仮に焼身自殺を図ったとすると、15年と同じように火災発生時のマニュアルに従い列車を停止させ、乗客を避難させることになるとしている。
鉄道の安全管理に詳しい関西大学の安部誠治教授(公益事業論)は、「防犯カメラの増設や呼び掛け強化は、悪意ある乗客への対策の決定打とはいえない。ナイフや液体をスムーズに探知できる設備など、入り口で犯罪を止める技術開発が必要だ」と話した。
出典
『新幹線 ガソリン持ち込み 危険物検査に決め手なし』
http://mainichi.jp/articles/20170220/k00/00e/040/250000c
(ブログ者コメント)
2015年の自殺事例は下記記事参照。
2016年7月8日掲載
[昔の事例] 2015年6月30日 神奈川県内を走行中の東海道新幹線1両目で男が焼身自殺、乗客1人死亡28人重軽傷、2両目デッキがヤジ馬などで混雑し避難が遅れるなどして被害拡大
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6079/
(2017年3月4日 修正1 ;追記)
2017年3月2日21時2分にNHK東海NEWS WEBから、自殺しようとした動機など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
去年12月、父親が経営する工場などに放火した罪で起訴され、この事件の直後に放火目的で東海道新幹線にガソリンなどを持ち込んだ放火予備の疑いで追送検された岐阜県池田町の男について、検察は、放火予備の疑いは十分な証拠が認められなかったとして、不起訴処分とした。
池田町の自動車部品加工業の男(44)は、去年12月、父親が経営する工場と自宅にガソリンをまいて火をつけたとして、放火の罪で起訴された。
さらに、この事件の直後、放火目的でガソリンが入った2ℓ入りのペットボトル4本とライターをスーツケースに隠して、岐阜羽島駅から下りの東海道新幹線に持ち込んだとして、2月10日、放火予備の疑いで追送検されていた。
このうち、追送検された放火予備の疑いについて、検察は「放火予備と認定するに足りる証拠は認められなかった」として、2日付けで不起訴処分とした。
出典
『新幹線で放火予備は不起訴に』
http://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20170302/4399881.html
2017年2月13日14時35分に日テレNEWS24から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2月13日12時46分に産経新聞から、2月13日13時50分にTBS News iからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
13日朝、東京メトロ日比谷線の線路内で発煙が確認され、一部区間で4時間近く運転を見合わせ、午後0時半頃再開した。
東京メトロや消防によると、13日午前8時45分頃、日比谷線を走行中の列車の運転士が築地駅の手前の線路上で発煙を確認した。
列車は煙の上を通過した後に停車し、乗っていた車掌が確認したところ、レールの連結部分のボルト付近が発煙していたため、消火に当たった。
東京メトロによると、駅のホームから20mほど手前のレールが熱を持っていて、レールに流れている電気が、何らかの異常により地面に流れたことが発煙につながったとみられ、消防などが詳しい原因を調べている。
日比谷線は一部区間で4時間近く運転を見合わせ、午後0時半頃再開したが、約10万2000人の足に影響が出た。
出典
『東京メトロ日比谷線で煙…ようやく運転再開』
http://www.news24.jp/articles/2017/02/13/07353983.html
『日比谷線が全線運転再開 発煙は漏電が原因か 発煙』
http://www.sankei.com/affairs/news/170213/afr1702130004-n1.html
『日比谷線・築地駅近くの線路で発煙、一時運転見合わせ』
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2982064.html
(ブログ者コメント)
大阪市営地下鉄事例(下記)と似通った事例のように感じたので、紹介する。
2017年2月6日 大阪市の地下鉄堺筋線で線路下から発煙、4日前にも同じ場所付近で発煙、ホコリが原因と判断して付近を清掃していたが、線路にかかり続けた水が原因かも (修正1)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6772/
※ちなみに大阪事例では、電車が通過するたび、たまっていた地下水が線路にかかったことが原因ではないかという新情報があったため、本文とタイトルを2月14日に修正している。
2017年2月11日13時3分にRCC中国放送から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2月11日11時59分に広島テレビから、2月11日12時29分にNHK広島NEWS WEBから、2月12日付で朝日新聞備後版(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
11日午前1時45分ころ、福岡から大阪に向かっていた貨物列車が、線路内で保線作業にあたっていた会社員の男性をはねた。
男性は病院に運ばれたが、頭などを強く打ち、死亡した。
事故当時、現場では架線の部品の取り換え工事が行われていて、男性を含め6人の作業員が付近で作業にあたっていた。
男性は、列車の接近を作業員に知らせるため線路内で見張りをする仕事をしていた。
JR西日本は、男性が線路に近づきすぎたのではないかと見ている。
事故があったのは、糸崎駅に隣接した貨物の集配基地からおよそ500m東の線路上。
出典
『JR山陽線 貨物列車にはねられ作業員死亡』
『保線作業中列車にはねられ死亡』
http://www.htv.jp/nnn/news8667347.html
『作業中の男性列車にひかれ死亡』
http://www3.nhk.or.jp/hiroshima-news/20170211/3831711.html
(ブログ者コメント)
NHKの映像によれば、現場は貨物集配基地に近いせいか、線路が何本も交錯している場所。
それにしても、見張り不備で作業員がはねられる事故はたまにあるが、見張り役の作業員だけがはねられる事故は珍しいのではないかと感じた。
2017年2月6日17時58分にNHK関西NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6日午前7時ごろ、大阪市営地下鉄の堺筋線の天神橋筋6丁目駅の線路のレール付近から煙が出ているのを、大阪市交通局の職員が見つけた。
駅員がすぐに消火したが、堺筋線と堺筋線に乗り入れている阪急電鉄の千里線の一部の区間は、午前8時40分すぎまでのおよそ1時間半にわたって運転を見合わせ、あわせて51本の電車が運休した。
大阪市交通局によると、煙が出ていたのは、上り線と下り線の折り返しを行う「引き込み線」と呼ばれる線路のレール付近で、駅のホームから200mほど離れていて、けが人はいなかった。
この付近では、4日前の今月2日にも煙が出るトラブルがあり、その際には、レールの下側にほこりがたまっていて、電気が通ったことで煙が出たとみられるという。
大阪市交通局は、4日前のトラブルのあと、レールの付近の点検や清掃などを行っていたということで、今回、煙が出た詳しい原因を調べている。
出典
『堺筋線また発煙で一時見合わせ』
http://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20170206/3659784.html
2月6日17時3分にNHK関西NEWS WEBからは、下記趣旨の補足的記事がネット配信されていた。
大阪市交通局によると、堺筋線など地下鉄のレールは、運転指令室などで車両が走っている位置を把握するために、電気が流れる仕組みになっているという。
一方で、レールと枕木の間には絶縁体があり、レールの下側には電気が流れない構造になっているという。
ところが、今月2日にトラブルが起きた際には、レールの下側にたまっていた「ほこり」に電気が通ってしまい、煙が出たと見られるという。
大阪市交通局は、このトラブルを受けて「ほこり」などを除去したほか、レール付近の点検も行ったということで、今回、なぜ煙が発生したのか、詳しい原因を調べている。
大阪市交通局は、「このようなトラブルが立て続けに起こり、多くの利用者の方にご迷惑をおかけしたことを深くおわびします。早期の原因究明に努め、再発防止につなげたい」とコメントしている。
出典
『堺筋線 前回はほこりに通電か』
http://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20170206/3669711.html
(2017年2月14日 修正1 ;追記)
2017年2月13日20時12分に産経新聞westから、両事例ともに線路にかかった水が原因かもという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
(新情報に基づき、タイトルも修正した)
市営地下鉄堺筋線天神橋筋六丁目駅で、2、6両日、線路付近から発煙が相次いだトラブルについて、市交通局は、13日、レールから枕木に電気が流れて発煙したと推定されると発表した。
何らかの理由で、枕木の絶縁性が低くなっていたとみている。
交通局によると、発煙したのは両日とも、同駅北端から北に約200m離れた上下線の折り返し部分。
付近には地下からの水がたまり、電車が通過するたびに線路に水がかかる状況だったといい、同局では、この水が関係しているかを含め、引き続き原因を詳しく調べている。
一連のトラブルは帰宅ラッシュや通勤通学ラッシュを直撃し、多くの運休や遅れが発生。
2日で計約11万3千人に影響が出た。
出典
『枕木に通電し発煙か、絶縁性が低下 大阪市営地下鉄天六駅トラブル』
http://www.sankei.com/west/news/170213/wst1702130067-n1.html
2017年2月3日10時24分に千葉日報から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
千葉都市モノレール(千葉市稲毛区)作草部駅(同区作草部2)で先月28日、終電到着前に駅の出入り口シャッターが閉められ、降車した利用客が駅構内に閉じ込められるトラブルがあったことが、2日、同社などへの取材で分かった。
乗客にけがはなかった。
警備員が1本前の電車を終電と勘違いしたのが原因。
同社は、「運輸指令との連絡を密にしたい」などとしている。
同社によると、終電後に駅を巡回する男性警備員が、先月28日午前0時8分、6分遅れで同駅を発車した1本前の電車を終電(同9分発予定)と誤認。
駅出入り口のシャッターを閉めた。
電車が発車した6分後に到着した終電の乗客7人が駅を出られず、緊急連絡用のインターホンでモノレール千葉駅に連絡。
天台駅で巡回中の警備員が作草部駅に急行し、シャッターを開けたという。
乗客は到着まで約8分間、同駅構内に閉じ込められた。
行き先で判断できるため、警備員は、通常、ホーム上で終電の発車を確認するが、同日は、ホーム内の階段から確認しただけだった。
また、警備員は運輸指令に作草部駅の閉鎖業務開始を連絡していたが、運輸指令側は、警備員へ電車遅延について注意や連絡をしなかった。
同社は、ホームページで「お客さまに大変ご迷惑をおかけしましたことを、深くおわび申し上げます」と謝罪。
再発防止へは、「運輸指令と警備員との連絡を徹底し、終電の発車をホームで確認した後、業務開始の報告をする」などとした。
出典
『駅構内に客閉じ込め 終電を誤認 千葉都市モノレール』
http://www.chibanippo.co.jp/news/national/384246
2017年1月27日10時38分にNHK首都圏NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
長時間遮断機が開かない、いわゆる「開かずの踏切」や、事故の危険性が高い踏切など、全国500余りの踏切について、国交省は27日、「改良すべき踏切」に新たに指定し、鉄道会社や自治体に対して、鉄道の高架化や歩道橋の設置などの対策や計画の策定を義務づけた。
新たに指定されたのは、道路を遮断する時間が1時間にのべ40分以上になっている、いわゆる「開かずの踏切」や、5年間で2件以上交通事故が起きるなど、危険性が高い踏切、それに通学路になっていたり近くにお年寄りや障害者が利用する施設があったりして、安全を確保する必要がある踏切などで、全国42の都道府県の529か所にのぼっている。
指定された踏切について、鉄道会社や自治体は、平成32年度までに鉄道の高架化や歩道橋の設置、それに近くに駐輪場を整備して踏切を横断する人を減らすなどの対策をとることが義務づけられる。
また、対策が平成32年度中に終わらないと見込まれる場合には、計画の提出が義務づけられる。
指定は、去年4月1日に施行された「改正踏切道改良促進法」に基づいて行われ、施行直後の4月13日にも全国で58か所が指定されていて、今回を含めると「改良すべき踏切」は587か所に達している。
国交省は、平成32年度までに全国の1000か所余りを「改良すべき踏切」に指定する予定で、今後、残る400か所以上についても選定を進めることにしている。
「改良すべき踏切」を全国で新たに500か所余り指定したことについて、石井国土交通大臣は、閣議のあとの記者会見で、「踏切の改良は、交通事故の防止および交通の円滑化をはかる上で、極めて重要だ。課題のある踏切は、まだ残っているので、現場の状況を勘案しながら、順次、指定に向けた検討を行っていきたい」と述べ、今後、さらに指定する踏切の選定を急ぐ考えを示した。
また、今回の指定に先立って去年4月に指定した全国58の踏切については、「3割にあたる19か所については、踏切の拡幅や保安設備の整備などの工事が完了しているか、もしくは着手している。今回、新たに指定された踏切とあわせて、地域の実情を踏まえた対策が着実かつ円滑に進められるよう、しっかりと取り組んで行きたい」と述べた。
今回指定された踏切は42の都道府県にあり、最も多いのが愛知県で69か所、次いで東京都が58か所、神奈川県が53か所、兵庫県が48か所、埼玉県が45か所、大阪府が32か所などとなっている。
今回は、都市部にある、いわゆる「開かずの踏切」だけでなく、通学路にあって安全を確保する必要性があったり、歩道が狭く危険性が高かったりするなどして地方にある踏切も、多数指定されているのが特徴。
今回の指定は、去年4月に施行された改正踏切道改良促進法に基づいて行われているが、この改正法の施行前にも、「改良すべき踏切」は指定されてきた。
しかし、鉄道事業者と道路を管理する自治体が対策について合意してから指定されていたケースが多く、時間がかかるのが実情だった。
改正法の施行後は、対策の合意がされていなくても指定することができるようになり、今回は、500を超える踏切が一度に指定された。
指定された踏切では、鉄道事業者や自治体、それに住民などが協議会を作るなどして、対策を話し合うことになる。
国交省によると、このうち、いわゆる「開かずの踏切」については、鉄道の高架化や、踏切が閉まっていても歩行者が行き来できる歩道橋を設置するなどの対策が求められる。
また、事故の危険性が高いとされた踏切については、踏切の歩道の幅を広げたり、歩道に色を塗って車道と歩道との境目をはっきりさせたりするなどの対策が求められるという。
このほか、駐輪場を駅の周辺に整備することで踏切を渡る歩行者の数を減らすことも、対策の1つにあげられている。
「改良すべき踏切」に指定された踏切では、平成32年度までに対策を実施することが義務づけられるが、高架化のように時間がかかる事業など、期限までに対策が完了しないと見込まれる場合は、計画の提出が求められる。
東京と埼玉を結ぶ西武新宿線では、東京の中野区や練馬区、それに杉並区などにある踏切の多くで、朝夕のラッシュ時に遮断される時間の合計が1時間あたり40分程度と長くなっているほか、踏切を通る歩行者や車も多くなっていることなどから、「改良すべき踏切」に指定された。
このうち、練馬区の上石神井駅の近くにある踏切は、朝のラッシュ時には遮断機が上がる時間が20秒から30秒程度と非常に短いときもあり、踏切の前に中学生などの歩行者が列を作ったり、車が連なって渋滞が起きたりしていた。
近くに住む女性は「踏切が通れない時間が長く、急いでいる時はとても困ります。踏切をくぐって渡ってしまう人もいて、非常に危ないと感じているので、早く対策を進めてほしいです」と話していた。
国交省によると、今回、「改良すべき踏切」に指定された西武新宿線の都内にある踏切では、東京都などが鉄道を高架化や地下化して踏切を無くす方向で検討を進めているが、工事を行う具体的な区間や着工のめどは立っていないというす。
国交省は、今回の指定によって、対策を加速化して欲しいとしている。
出典
『“改良すべき踏切”新たに指定』
http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20170127/3383941.html
2017年1月14日18時56分にNHK NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
1月15日付で東京新聞夕刊からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
14日午前7時すぎ、埼玉県蕨市にあるJR蕨駅で、京浜東北線の南行きのホームにいた盲導犬を連れた男性が線路に転落し、電車と接触した。
男性は病院に運ばれたが、死亡した。
警察によると、死亡したのは埼玉県川口市に住むマッサージ師の63歳の男性で、目が不自由だったという。
警察などによると、現場のホームには点字ブロックが設けられているが、転落防止用の柵などは設置されていなかった。
ホームの幅は約10mあったが、転落現場は階段の壁からホームの端までは約2mと、狭くなっていた。
警察が、電車に設置されたカメラの動画を調べたところ、男性は白杖を持たずに点字ブロックの線路側ぎりぎりの位置におり、その左後ろに盲導犬がいる様子が確認され、男性はその後、右足を踏み出して転落。
運転士が非常ブレーキをかけたが間に合わなかった。
男性は、転落する際にハーネスから手を離し、盲導犬は転落を免れたという。
当時、男性の周囲には誰もいなかったということで、警察は、誤って転落した可能性があるとみて、詳しい状況を調べている。
JR東によると、京浜東北線の蕨駅は1日およそ12万人が利用していて、駅員は平日朝のラッシュ時に限定して配置している。
14日は休日のため、事故当時、ホームには駅員はいなかったが、改札には駅員が1人いたという。
国交省によると、昨年度までの6年間に、視覚障害者がホームから転落したり列車と接触したりした事故は、合わせて481件に上っている。
JR蕨駅を通勤で利用している目が不自由な50代の女性は、「私も以前、蕨駅で転落して、周囲の人たちに引き上げてもらったことがあります。目が不自由な人にもその位置が正確にわかるような形で、転落を防ぐドアの設置を進めてほしいです」と話していた。
出典
『盲導犬連れた男性が線路に転落 電車と接触し死亡 埼玉 蕨』
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170114/k10010839511000.html
『盲導犬男性が転落、死亡 JR蕨駅 ホームドアなし』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201701/CK2017011502000121.html
1月17日付で毎日新聞東京版朝刊からは、視覚障害者協議会の会員が現場を調査したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
1月18日18時13分にNHK首都圏NEWS WEBからは、別団体も調査したという記事がネット配信されていた。
JR蕨駅で、全日本視覚障害者協議会(東京)の会員4人が、16日、転落したホームを調査した。
会員らは、再発防止策の早急な実行を訴えた。
会員らは、献花の後、実際に盲導犬を連れたり白杖を突いたりしながらホームや階段を歩き、通路の幅や電車の音の聞こえ方などを調べた。
会員らは、「蕨駅のホームは、構造上、隣の線路を走る電車の音が反響して自分側の音と紛らわしく、音を頼りにする視覚障害者は、自分の位置や方向を見失いやすい」、「点字ブロックに沿って歩いていると柱に肩が当たりそうになり、避けた時に歩く方向が変わって危険」などと指摘した。
JR東は、2020年度末までに同駅にホームドアを設置する予定。
同会理事の山城さん(60)は、「設置前倒しをJR東や国交省に要望していきたい」と語った。
国交省は鉄道各社に対し、昨年12月にまとめた転落防止のソフト対策の徹底を呼びかける方針だ。
ホームドア未設置駅で駅員が視覚障害者を見かけたら、案内を申し出て介助し、断られた場合でも乗車まで見届けるよう求める。
JR東によると、今回の事故直前に駅員1人が、盲導犬を連れて自動改札を通過する男性に気付いた。
しかし、男性がほぼ連日、介助なしで駅を利用していたため、駅員は声をかけなかった。
出張
『埼玉・JR蕨駅の男性転落 「点字ブロック近くに柱、危険」 視覚障害者が調査』
http://mainichi.jp/articles/20170117/ddm/012/040/131000c
『転落事故で視覚障害者団体調査』
http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20170118/3116811.html
1月17日付で毎日新聞東京版夕刊からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
視覚障害者の駅ホーム転落事故防止のため、国交省と鉄道会社が昨年12月にとりまとめた安全対策について、JR東が駅員に通知していなかったことが分かった。
JR東は、「現場への教育指導が不十分だった」としている。
国交省は、全国の鉄道会社に対し、改めて安全対策の徹底を呼びかけるほか、マニュアルの改定状況や周知方法を確認する方針だ。
JR東によると、「バリアフリー応対マニュアル」があり、従来、視覚障害者らへの声かけなどを駅員らに指導していた。
昨年8月に東京都港区の東京メトロ銀座線青山一丁目駅で視覚障害者の転落死事故が起きた後も、マニュアルの徹底を求めたという。
大阪府柏原市の近鉄河内国分駅でも10月に転落死事故があったため、国交省と鉄道会社は12月、ホームドアがない駅で駅員が一人で移動する視覚障害者を見かけた場合、原則として構内を誘導し、乗車を介助するなど、駅員の誘導案内の強化を打ち出していた。
この安全対策について、JR東は駅員らに通知していなかった。
JR東は、「新たな規定を盛り込んだマニュアルを策定中で、まだ完成していなかったために通知していなかった。安全対策を早期に通知すべきだった」としている。
出典
『埼玉・JR蕨駅の男性転落死 視覚障害者事故 JR東、駅員に転落対策通知せず 国交省策定後』
http://mainichi.jp/articles/20170117/dde/041/040/024000c
(ブログ者コメント)
国交省などが策定した安全強化策をそのまま、マニュアル改定前に暫定的に現場に流しておけばよかった・・・ということだろうか?
それも一つの方法だが、内容によってはマニュアルが2つできたことにより混乱することもあるのではないか・・・そんなことも頭に浮かんだ。
2016年12月14日7時47分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
13日午前10時5分ごろ、神戸市営地下鉄西神・山手線の三宮駅(中央区)で停電が発生した。
券売機や改札機が停止し、ホームの照明なども消えたが、3分後に復旧した。
駅構内にいた約1000人に、けがはなかった。
市交通局によると、大倉山変電所で年に1度の機器の点検作業を行っていた作業員が誤ってスイッチを切り、送電が止まったことが原因。
通常は2つの回線で送電しているが、もう一つの回線は機器の更新のため、動いていなかったという。
出典
『間違ってスイッチオフ…神戸市営地下鉄三宮駅で3分間停電、券売機・改札機停止、照明も消える』
http://www.sankei.com/west/news/161214/wst1612140012-n1.html
2016年12月2日付で神戸新聞から、下記趣旨の記事が現場状況等の写真付きでネット配信されていた。
駅ホームからの転落事故が後を絶たない中、JR西日本は、2日、酔客の蛇行などを自動検知する「遠隔セキュリティカメラ」を、三ノ宮駅(神戸市中央区)のホームとコンコースに導入した。
検知し、危険と判断すれば、駅係員が現地へ向かい対応する。
京橋、新今宮(いずれも大阪市)に続き3駅目で、兵庫県内では初めて。
国交省によると、ホームから転落し列車に接触するか、ホーム上で接触する事故は、2014年度、全国で227件(自殺を除く)あり、うち6割強の142件を酔客が占める。
同社は、ホームでの事故防止やテロへの警戒を目的に、昨年8月に京橋駅、今年5月には新今宮駅に同カメラを設置した。
カメラは、
▽著しい蛇行
▽ホーム端からの線路内侵入
▽長時間の座り込み
▽不審物の置き去り
▽うろつき
などを画像解析装置で自動的に検知し、センターの担当係員に知らせる。
係員が危険と判断すれば、駅に連絡し、現地対応を依頼する。
同カメラでの検知件数は、1駅当たり1日平均200~250回あり、うち現地対応に至るのは2~3日に1回程度という。
来春には、西明石、天王寺、鶴橋の3駅にも導入を予定している。
三ノ宮駅では、この日、上下線ホームやコンコースで、同カメラ計54台の運用を始めた。
防犯カメラに新たな機能を加えたもので、カメラ側面に「作動中」のシールを貼っている。
JR西は、「今後も、ホーム柵やカメラなどのハード対策と、利用客への啓発活動を含むソフト対策の両面から、ホームの安全性向上に努めたい」としている。
同社はホーム柵の設置も進めており、在来線では六甲道駅(上りホーム)など5駅に整備済み。
三ノ宮、神戸、明石、西明石、姫路の県内5駅を含む15駅にも設ける方針を明らかにしている。
出典
『転落防げ!JR三ノ宮駅に‘千鳥足発見‘カメラ』
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201612/0009717131.shtml
(ブログ者コメント)
蛇行する人を捉えた映像写真では、フラフラしている軌跡が黄色い線で表示されている。
説明用かもしれないが・・・。
2016年12月1日付で毎日新聞東京版朝刊から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
視覚障害者が8、10月に駅ホームから転落死する事故が相次いだことを受け、国交省は、全国の鉄道会社に対し、原則として視覚障害者の乗車を駅員が介助するように求める方針を固めた。
従来は各社の裁量に任されていたが、駅員が介助を申し出るよう徹底を図ることで、ソフト面での安全対策を進める。
これまでは、駅を利用する視覚障害者を見かけた場合、駅員が必要に応じて声をかけ、介助を提案するという鉄道会社が多かったが、統一の指針はなく、実際に介助するかも現場の判断に委ねられていた。
声をかけてもらった経験がなく、駅員が介助してくれることを知らない視覚障害者もいるとみられる。
このため国交省は、駅員が改札やホームで視覚障害者を見かけた場合、原則として声をかけて介助を提案するよう、求める。
視覚障害者が希望すれば、駅員が寄り添ってホームの乗り場まで案内し、乗車行為もサポートする。
どのような声かけをするかを含めて、共通の指針を作成し、各社の規則に明記してもらう考えだ。
出典
『視覚障害者 事故防止 乗車時、駅員が原則介助 国交省指針』
http://mainichi.jp/articles/20161201/ddm/001/040/124000c
同時に、以下の記事もネット配信されていた。
鉄道駅のホームで視覚障害者が転落する事故が後を絶たないなか、駅員による乗車介助が原則化される方向になった。
車両によって扉の位置が異なることから転落防止の「決め手」とされるホームドアの設置は、一気には進まない。
国は、まずソフト面の対策を強化することで、被害防止を図りたい考えだ。
視覚障害者がホームから転落したり、列車と接触したりする事故は、2009年度からの6年間で426件発生している。
国交省は、駅員による介助を原則化する一方で、視覚障害者がホームの端を歩いていたり、介助を求めていたりする場合、今まで以上に周囲の乗客に協力を求めていくことにしている。
今年8月、ホームドアがない銀座線青山一丁目駅で盲導犬を連れた視覚障害者が転落死する事故が起きた東京メトロ。
事故後、駅員らが視覚障害者の介助を申し出る取り組みを既に始めている。
「何かお困りですか?」「お手伝いしましょうか?」。
駅員や警備員が改札やホームで視覚障害者を見かけた場合、声をかけるよう、社内指示を徹底している。
駅利用者にも声かけをお願いする趣旨のポスターを、全駅に掲示した。
10月以降、ホームドアが設置されていない上、混雑がひどかったり、視覚障害者の利用が多かったりする38駅55カ所に警備員を増員し、配置する時間帯も広げた。
これで、ホームドアの未設置駅すべてで、対応可能な駅員か警備員が配置されたことになるという。
このほか、体の不自由な人の応対や介助ができるように、サービス介助士の資格取得を社内で推進しており、来年度中に全駅員の取得を目指すとしている。
主要な鉄道会社は、現在、車いす利用者が乗車時に改札で申し出れば、ホームと電車の間の「渡り板」を持った駅員が乗車をサポートしている。
降車駅も聞き取って事前に連絡し、車いすの利用者が乗った位置に待ち構えて板を渡す。
国交省によると、近年、こうした車いす利用者の乗車手順は全国的に統一されてきたが、視覚障害者への対応は、現場の判断に委ねられている現状があった。
同省幹部は、「車いす利用者に限らず、視覚障害者への対応も徹底し、悲惨な事故を繰り返さないようにしたい」と話す。
国交省は、東京メトロ銀座線青山一丁目駅(東京都港区)と近鉄大阪線河内国分駅(大阪府柏原市)で相次いだ視覚障害者の転落死亡事故を受け、鉄道各社を集めた再発防止策の検討会を開いている。
12月の検討会で駅員による介助の原則化を提案し、各社に導入してもらう方針だ。
出典
『視覚障害者 転落防止「乗客も」まず一声 鉄道事業者呼びかけ 駅員にサポート
資格推進』
http://mainichi.jp/articles/20161201/ddm/041/040/125000c
(ブログ者コメント)
駅ホームからの視覚障害者転落事例については、対応状況などを含め、本ブログで何件か紹介済。
2016年11月12日3時5分に西日本新聞から、図解付きで下記趣旨の記事がネット配信されていた。
11日午前5時42分ごろ、福岡県筑紫野市のJR鹿児島線で架線が破断して停電が発生し、同8時ごろには、佐賀県江北町や吉野ケ里町の長崎線でも架線の部品が損傷しているのが確認された。
この影響により、JR九州は、鹿児島線の門司港-鳥栖間で最大約10時間、長崎線の鳥栖-諫早間で最大約5時間、運転を見合わせ、約11万人以上に影響が出た。
JR九州によると、筑紫野市内の天拝山-原田間にある、架線の電気を分ける絶縁部分で、「デッドセクション」と呼ばれる直径16mm、長さ8mの繊維強化プラスチック製のパーツが破断していた。
さらに、長崎線の吉野ケ里公園駅や肥前山口駅の架線でも、損傷が見つかった。
車両を調べたところ、破断した筑紫野市の架線を通過した列車4本で、パンタグラフの損傷を発見。
通過していない別の列車1本でも、損傷が見つかった。
JR九州は、通過した列車の1本が長崎線を運行した際に、異常があるパンタグラフで架線を傷つけ、別の列車は、その架線で損傷したとみている。
この事故の影響により、午後2時半時点で、鹿児島、長崎両線の上下線で特急108本、普通284本が運休した。
長崎線で同2時7分、鹿児島線で同3時40分に全区間で運転が再開されたが、列車の大幅な遅れは続き、久大線や佐世保線、日豊線でも運休や遅れが出ていることから、影響人員は大きく増える見込み。
事故を受けてJR九州は記者会見を行い、福永・取締役運輸部長が、「早朝より、大規模な輸送障害を発生させてしまいました。ご利用のお客さまに大変ご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ございませんでした」と謝罪した。
出典
『JR不通11万人超影響 長崎、鹿児島線、架線損傷で停電 392本運休』
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/288540
(2016年12月6日 修正1 ;追記)
2016年11月29日1時38分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
JR九州の青柳社長は28日の記者会見で、今月2度にわたって停電で大規模トラブルを起こしたことについて、「大変ご迷惑をおかけした」と陳謝した。
また、最初に起こした11日の事故は、想定していなかった部品劣化が原因だとし、来年9月までに管内54カ所で部品を交換する方針だ。
11日の事故は、JR鹿児島線の天拝山―原田の架線のうち、電気を通さない「デッドセクション」と呼ばれる約8mの部分が破断。
通過した列車のパンタグラフが壊れ、その列車が鹿児島線と長崎線の架線を損傷。568本が運休し、約17万人に影響が出た。
JR九州によると、デッドセクションは繊維強化プラスチック(FRP)製の線を樹脂のカバーで覆った架線を使っていたが、何らかの原因で隙間ができ、内部に水が入った。
FRPに含まれる化学物質と水に電気の火花が加わり、内部で化学変化が起き、劣化。
架線にかかる力も加わって、破断したと考えられるという。
担当者は、「経験もなく、想定もしていない損傷だった」という。
JR九州管内にはデッドセクションが83カ所あり、うち計54カ所で同じFRPを使っていた。
来年9月までに、すべて別の部品に取り換える。
JR九州は、22日にも約6万5千人に影響が出るトラブルを起こした。
仮設の架線を設置する際に、必要な部品の取り付けを忘れたことが原因だった。
出典
『化学変化で架線が劣化 JR九州、11日の破断原因説明』
http://www.asahi.com/articles/ASJCX527CJCXTIPE01L.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。