2017年9月28日10時49分にNHK長崎から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ことし3月、佐世保市にある遮断機のない踏切で、聴覚に障害がある女性が列車にはねられ死亡した事故について、国の運輸安全委員会は、列車の接近を知らせる警報機の音や赤い光を認識できなかった可能性があるとしたうえで、遮断機の設置などの対策をとることが望ましいとする報告書をまとめた。
ことし3月、佐世保市名切町の松浦鉄道の踏切を歩いて渡ろうとした67歳の女性が、列車にはねられて死亡した。
国の運輸安全委員会がまとめた事故調査報告書によると、現場の状況や聞き取りなどから、事故は運転士が警笛を鳴らし、踏切の警報機も正常に動いていた状況で、女性が踏切に進入したため発生したと考えられるという。
警報機が作動する中で女性が踏切内に進入したのは、聴覚を失っていたことが関係したとみられ、列車の接近を知らせるせん光灯の赤い光も認識できなかった可能性があるとしている。
また、この踏切では、平成8年と平成15年に、歩行者が死亡したりけがをしたりする2件の事故が発生していた。
事故の防止策として、運輸安全委員会は、踏切に遮断機を設置するなどの対策をとることが望ましいとしている。
松浦鉄道は、今回の事故のあと、見えにくくなっていた停止線を、もう一度引いたほか、看板を新たに設置し、警報機のせん光灯をより見やすい全方位型に変更している。
また、遮断機の設置を検討しているが、再来年度以降になるという。
出典
『踏切事故防止へ「遮断機設置を」』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/5034268491.html
9月28日10時48分に朝日新聞からも、同趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
長崎県佐世保市で今年3月、聴覚障害者の女性(当時67)が踏切で列車にはねられて死亡する事故があった。
国の運輸安全委員会は28日、警告灯の点滅が角度によって視認できない状態だったため、女性が列車の接近に気づけなかった可能性があるとの調査報告書を公表した。
報告書によると、事故は3月23日午前11時すぎ、松浦鉄道西九州線の踏切で起きた。
遮断機はないが、音と光で列車の接近を知らせる警報装置はあった。
だが、踏切脇に設置された警告灯の点滅は正面方向からしか視認できないタイプ。
踏切から少し離れた位置からは確認できるが、踏切に近づくと警告灯を横や後ろから見ることになるため、点灯を視認できない状態だった。
女性は子どものころから耳が聞こえない。
事故当時は警報音が鳴り、運転手も警笛を鳴らしたが、立ち止まらなかった。
事故後、現場の警告灯は、点滅が全方位から見えるタイプに変更された。
同委は報告書で「遮断機を設置することが望ましい」とも指摘した。
出典
『踏切の警告灯、見えずに進入か 聴覚障害の女性死亡事故』
http://www.asahi.com/articles/ASK9V6HXHK9VUTIL04Q.html
(ブログ者コメント)
〇朝日新聞掲載図によれば、線路沿いの道を左折したところに踏切りがある。
そして信号機は、左折ポイント手前の線路沿いの道に、踏切に背を向ける形で設置されていた。
〇新しく設置された信号機は、ランタンのように吊り下げられた赤色灯が点滅するタイプ。
これなら全方位から点滅確認が可能だ。
〇同じような事故は、2016年に佐久市でも起きている。
2017年8月5日掲載
『[昔の事例] 2016年11月10日 長野県佐久市にあるJR小海線の踏切で聴覚障害のある女性が列車にはねられたのは、複数の要因が重なり点滅赤色灯が見えなかったことが原因』
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/7431/
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。